AWSソリューションアーキテクトインタビューシリーズ~My Story①~

インタビュー 公開日:
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AWSソリューションアーキテクトインタビューシリーズ~My Story①~
ネットワーク機器ベンダーからAWSに入社しメディア業界を担当しているソリューションアーキテクトの Azusa さんに、技術スキルと業界知識のキャッチアップ方法についてインタビューしてみました。

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■プロフィール
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 エンタープライズ技術本部 メディアソリューション部 ソリューションアーキテクト
Azusa

メディア業界のクラウド化支援

Azusaさんはメディアチームの SA とのことですが、担当しているお客様やチームの特徴について教えてください


Azusa:
メディアチームではテレビ放送局や配信事業者といった放送業界のお客様と、新聞社や出版社といった出版業界のお客様を担当しており、わたしは放送業界の中でも主に衛星放送事業者と映像制作会社のお客様を担当しています。メディアのワークロードについてコンテンツ制作、配信、管理、分析の4つの角度からクラウド化のご提案をしているのですが、今現在のお客様の業務内容や放送技術を理解した上でそれぞれの分野においてどうすればクラウド化できるかを考える必要があります。昨今放送システムの IP 化が進む中で、その先のクラウド化についても議論がされているところです。

ネットワーク機器ベンダーから転職

業界知識や特定の技術領域も必要になってくるのですね、前職でもメディア業界に携わっていたのでしょうか?


Azusa:
前職は新卒でネットワーク機器ベンダーにお客様担当の SE として入社しました。営業と SE がペアでお客様を担当して技術的な提案をするというプリセールス活動をしていたので、働き方はあまり変わっていません。金融のお客様担当だったため金融業界や金融システムについては知っていたのですが、メディア業界には関わりがなかったです。ルーターやスイッチ、無線 LAN やビデオ会議システムといったオンプレ機器を主に扱っていてインフラの知識はありました。一方で上位レイヤーや放送技術の知識は全くなく、チームに join してからキャッチアップしました。
私は アソシエイトソリューションアーキテクト(アソシエイト SA)として入社したので10ヶ月のトレーニングと OJT の後配属先を決めることができたのですが、その時 OJT をさせていただいたチームの一つがメディアチームでした。元々エンタメが好きでテレビや映画やラジオをよく視聴していたので関わることができたら楽しそうだなという思いがあったのと、インフラの知識しかなく AWS を触ったこともない状態で入社した私に、先輩社員が「メディア業界にはこれからクラウドを使い始めるお客様も多いから、一緒に成長していけると思う」と言ってくださったのも心強かったです。実際にわからないことだらけでしたが、放送業界の知識はお客様に教えていただく機会も多く、なんとかやっています。

ネットワークの勉強方法とは

前職ではネットワーク分野を中心に業務していたのですね、ネットワーク領域は、フロント寄りのエンジニアなどからすると複雑で難しい印象があるのですが、何かおすすめの勉強方法などありますか?


Azusa:
大学は文系だったため情報技術は入社後にほぼ一から勉強しました。新卒でネットワーク機器ベンダーに入社して初めて触れたのがネットワーク領域だったので、比較対象がなくあまり苦手意識を持たずに勉強できてしまったのであまり参考にならないかもしれません。。。まず、Cisco 認定資格の CCNA(Cisco Certified Network Associate)の取得を目指して勉強すると基礎が理解できて良いと思います。Cisco の Config について勉強することになりますが、他ベンダーの Config とも考え方は共通する点が多いので、「Cisco で言うとこのコマンドだな」という感覚で学んでいけると思います。あとは実際に手を動かしてネットワークを構築すると理解が進みます。当時はルーターやスイッチにコンソール接続して Config を流していましたが、試験対策用のシミュレーターなども使って複雑なネットワーク構成を構築できると達成感もありますし楽しいです。

現場の声を聞くことで最適な提案ができる

AWS に入社されてからメディア業界で必要となる技術スキルや業界知識を身に着けるためにどういったことをしていましたか?


Azusa:
AWS Media Services という AWS 上でデジタルコンテンツの作成、変換、配信を行うためのサービスのハンズオンを通じて、ワークフローを理解すると同時に映像や配信の規格など配信技術を学びました。その中で出てきた知らない単語は都度調べたり、放送技術の本を読んだりして網羅性を上げていきました。それでも概念や今に至った背景がわからないときはメディアチームのメンバーに教えてもらっています。チームには様々なバックグラウンドを持ったメンバーがいて、放送局出身の方もいるのですが、放送局視点で歴史も含めて教えていただけるのでありがたいです。一つのサービスを取ってもメーカー視点と放送局視点では見え方が異なるのでチームメンバーから話を聞けると参考になりますし、疑問があればすぐに聞くことができて教えてもらえる環境があるので助かっています。また、お客様から実際の現場について教えていただくことも多いです。ある映像制作会社様の制作現場にお邪魔させていただき、コンテンツ制作のワークフローについて素材を見せていただきながら紹介いただいたこともあります。そこからクラウド化のアイディアを膨らませてご提案させていただきました。
<事例紹介>

  • 株式会社コミックス・ウェーブ・フィルム様にクラウド制作をご提案、『すずめの戸締まり』の制作においてデータを集約するストレージと CG レンダリングファームを AWS 上に構築いただきました。AWS を活用いただくことで需要の予測が難しいストレージボリュームと IOPS を柔軟に拡張でき、制作終盤のレンダリングサーバー需要増に対して Amazon EC2 インスタンスを同時300台以上立ち上げることでクリエイティブを加速しました。事例の詳細はこちら

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社内メンバで構成された特定技術にフォーカスしたコミュニティ

今後、フォーカスしたい技術領域はありますか?

Azusa:
私は Media テクニカルフィールドコミュニティ(TFC)というメディア技術を扱うサブチームに所属していています。TFC ではメンバーが各自調べたことや検証したこと、展示会で収集した情報などをシェアし合うことで、その領域に Dive Deep しています。私は、特に映像制作分野に興味を持っており、ユーザーコミュニティに参加して制作現場の実態を知ったり、業界専門情報サイトを購読することで、技術や業界のキャッチアップをしています。担当のお客様の技術分野ということもありますが、現在のオンプレ中心の制作ワークフローをクラウド化することでアーティストの働き方を変えたり、作品のクオリティを上げることに貢献できたりするのではないかと考えています。バーチャルプロダクションなど新しい制作技術も出てきており、今後の発展にもワクワクします。私自身エンタメが大好きなので、制作に貢献することができれば嬉しいなという気持ちで働いています。

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