AIプロジェクトマネージャのための機械学習工学

書籍情報

発売日 : 2023/01/20

著者/編集 : 吉岡 信和/鷲崎 弘宜

出版社 : 科学情報出版

発行形態 : 単行本

ページ数 : 262p

書籍説明

内容紹介

【まえがき】※一部抜粋
いまや、機械学習は、あらゆるシステムに組み込まれてきている。著者らは2018年頃から機械学習工学研究会の活動や科学技術振興機構(JST)のプロジェクトを通して、ソフトウェア技術者と対話し、機械学習のソフトウェア開発現場への普及とその活用の難しさを感じてきた。
また、この4年で、機械学習をシステムに組み込む際の課題の整理やベストプラクティスの共有がかなり進んできた。本書は、それらを整理し、AIシステムの開発プロジェクトのマネージャが知っておくべきポイントを解説している。
機械学習を活用したAIシステムであっても、機械学習による推論機能は、全体システムの一部として呼び出されるいち機能である。そのため、AIシステムの開発プロジェクトでは、要求を獲得し、それを設計し、実装する従来型の演繹的な開発法と、機械学習プログラムにより、データから推論機能を構築する帰納的な開発法を混在させることになる。
本書では、AIシステムの開発プロジェクトのマネジメントの観点と、上流工程である要求と設計を中心に解説を行っている。特に上流工程でAIシステム開発特有のリスクを洗い出すことが、AI 開発プロジェクトの成功の鍵となる。一方、AI システムの実装技術やテスト技術については、簡単に触れるだけにとどめている。
本書が、AIシステムの開発プロジェクトの成功の助けとなり、AIシステムの普及と発展に少しでも寄与できれば幸いである。

目次

【目次】

第1章 AIシステムの開発概論

1.1 概要

1.2 機械学習を活用したAIシステムがなぜ注目されているか?

1.3 AIシステムの具体例

1.4 機械学習の種類と説明可能性

1.5 機械学習を使う場面

1.6 AIシステムの構成とそのライフサイクル

1.7 AIプロジェクトの利害関係者と協働作業

1.8 機械学習特有の活動

1.9 従来のソフトウェア開発との違い

1.10 AIシステムを開発、運用する際の課題

1.11 AIシステム開発プロジェクトにおける課題のインタビュー

1.12 機械学習工学とは?

1.13 機械学習工学の重要性

1.14 AIシステムの開発・運用時の留意点

1.15 本書で用いる用語

1.16 本章のまとめ

コラム1:開発技術に関する研究コミュニティ:機械学習工学研究会

参考文献



第2章 AIシステムの要求工学

2.1 概要

2.2 要求工学とAIシステム

2.3 AIシステムの要求

2.4 要求に関するプロセスとAIシステムのプロセス

2.5 AIサービスの要求工学の難しさ

2.6 セーフティを実現する難しさ

2.7 AIシステム要求の獲得と分析

2.8 AIシステム要求の記述

2.9 AIシステム要求の妥当性と一貫性の確認

2.10 AIシステム要求の管理と運用時の要求

2.11 本章のまとめ

参考文献



第3章 機械学習システムのアーキテクチャと設計

3.1 概要

3.2 機械学習システムの開発プロセスと設計

3.3 機械学習システム設計の基礎

3.4 機械学習システムデザインパターン

3.5 パターンを組み入れた段階的なアーキテクチャ設計

3.6 本章のまとめ

コラム2:機械学習システムのテストと検証

参考文献



第4章 AIプロジェクトのマネジメント

4.1 概要

4.2 機械学習システム開発のプロジェクトマネジメントの特徴

4.3 通常のITシステムの開発と機械学習システムの開発の違い

4.4 機械学習システム開発のプロジェクトマネジメントの難しさ

4.5 人間と機械の協働と機械学習システムの深化プロセス

4.6 機械学習システム開発のプロジェクトマネジメント手法

4.7 AIプロジェクトマネジメント事例

4.8 本章のまとめ

コラム3:AI 人材の育成と課題

参考文献



第5章 AIプロジェクトにおけるステークホルダとの協働

5.1 概要

5.2 なぜAIプロジェクトをモデルとして表現するのか?

5.3 エンタープライズアーキテクチャとAIサービスシステム

5.4 AIプロジェクトモデル

5.5 AIプロジェクトモデルの作成手法

5.6 企画段階におけるAI プロジェクトの評価―社会受容性に着目した評価―

5.7 開発を効果的に進めるための知識のモデル化

5.8 本章のまとめ

参考文献



第6章 機械学習工学の展望

6.1 概要

6.2 学術界の動向

6.3 要求工学に関する研究チャレンジ

6.4 今後の研究の方向性

6.5 本章のまとめ

参考文献

著者情報

吉岡 信和
早稲田大学理工学術院総合研究所・上級研究員/研究院教授。1998年、北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了。博士(情報科学)。同年(株)東芝入社。2002-2021 年 国立情報学研究所、2007-2021年、総合研究大学院大学、2021年より現職。IEEE CS Japan/Tokyo Joint Chapter 役員。JST 未来社会創造事業機械学習を用いたシステムの高品質化・実用化を加速する""Engineerable AI"" 技術の開発(eAIプロジェクト) に参画し、eAIプロジェクトのフレームワーク、社会実装のための普及戦略や技術検証を担当。
鷲崎 弘宜
早稲田大学グローバルソフトウェアエンジニアリング研究所長・教授。国立情報学研究所 客員教授。(株)システム情報 取締役( 監査等委員)。(株)エクスモーション社外取締役。IEEE-CS Vice President for PEAB。情報処理学会ソフトウェア工学研究会主査。2003 年、早稲田大学大学院理工学研究科情報科学専攻博士後期課程修了、博士(情報科学)。2004-2008 年、国立情報学研究所、2008 年より早稲田大学理工学術院准教授、2016 年から現職。JST CREST 信頼されるAI システム領域アドバイザ。AI・IoT リカレント教育スマートエスイー事業責任者。JST 未来社会eAI プロジェクトにてフレームワークや機械学習デザインパターン研究をリード。
内平 直志
北陸先端科学技術大学院大学・教授/知識科学系長/トランスフォーマティブ知識経営研究領域長。1982 年、東京工業大学理学部情報科学科卒業。同年、東京芝浦電気株式会社( 現 株式会社東芝) に入社。同社研究開発センター等で、人工知能、ソフトウェア工学、サービス工学の研究・開発に従事。研究開発センター次長、技監などを歴任し、2013 年より現職。博士( 工学)、博士( 知識科学)。現在の専門は、デジタル・イノベーションマネジメント、技術経営、サービス経営。研究・イノベーション学会理事、日本MOT 学会理事。
竹内 広宜
武蔵大学経済学部経営学科・教授。2000 年、東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了。2000 年より日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所に勤務。コールセンターにおける会話データの分析技術、仕様書のテキスト分析技術などの研究開発に従事。2013 年より金融機関を中心として、機械学習を活用するシステムを開発するプロジェクトに数多く参画。2018 年より現職。博士( 工学)。