抑圧のアルゴリズム
書籍情報
発売日 : 2024年02月02日
著者/編集 : サフィヤ・U・ノーブル/大久保 彩/前田 春香/佐倉 統
出版社 : 明石書店
発行形態 : 単行本
ページ数 : 344p
書籍説明
内容紹介
黒人女性をポルノとして表象し、偏見や差別を拡大させるグーグル検索。アルゴリズムはなぜ人種的・ジェンダー的不平等を再生産し続けるのか。批判的人種理論、フェミニズム理論、ジェンダー研究、情報科学などを横断しながら、テクノロジーの中立性・客観性を問いなおす。
目次
謝辞
はじめに――アルゴリズムの力
第1章 検索する社会
グーグル検索――前景化する人種主義と性差別
検索を理論化する――ブラック・フェミニズム的プロジェクト
グーグルの重要性
権力としての検索結果
システムを出し抜く――検索エンジン最適化と検索結果の流用
検索エンジンによる公有財産の囲い込み
検索におけるバイアス
人種・ジェンダー中立的なナラティブに異議を唱える
サイバートピアに異議を唱える
第2章 黒人の女の子を検索する
検索結果に責任を負うのは誰か?
検索エンジンにおける「黒人の女の子」のポルノ化はどのように起こるのか
新自由主義的市場における黒人性
商品としての黒人の女の子
人種アイデンティティの歴史的分類――古い伝統は死なない
ポルノ的表象を読み解く
黒人の女性・女の子についての正当な情報を提供する
何が見つかるかには大きな意味がある
第3章 人々とコミュニティのための検索
第4章 検索エンジンからの保護を求めて
「忘れられる権利」をめぐって
第5章 社会における知識の未来
「不法滞在外国人」再考
人々の分類がはらむ問題
人々の分類における誤表象の小史
リアリティの源としての検索
人々をめぐる情報に文脈をもたらす
文化的に状況づけられた情報をウェブで探す
情報テクノロジーによる社会関係の再生産
第6章 情報文化の未来
情報の独占
なぜ公共政策が重要なのか
機会の源としてのウェブ
社会的不平等はアプリでは解決しない
結論 抑圧のアルゴリズム
倫理的なアルゴリズムの未来に向けて
アルゴリズムと不可視性――カンディスへのインタビュー
オルタナティブを想像する――非商業的な公共検索に向けて
黒人の女の子はいまどこに?
エピローグ
解説 (前田春香/佐倉統)
原注
参考文献
索引
はじめに――アルゴリズムの力
第1章 検索する社会
グーグル検索――前景化する人種主義と性差別
検索を理論化する――ブラック・フェミニズム的プロジェクト
グーグルの重要性
権力としての検索結果
システムを出し抜く――検索エンジン最適化と検索結果の流用
検索エンジンによる公有財産の囲い込み
検索におけるバイアス
人種・ジェンダー中立的なナラティブに異議を唱える
サイバートピアに異議を唱える
第2章 黒人の女の子を検索する
検索結果に責任を負うのは誰か?
検索エンジンにおける「黒人の女の子」のポルノ化はどのように起こるのか
新自由主義的市場における黒人性
商品としての黒人の女の子
人種アイデンティティの歴史的分類――古い伝統は死なない
ポルノ的表象を読み解く
黒人の女性・女の子についての正当な情報を提供する
何が見つかるかには大きな意味がある
第3章 人々とコミュニティのための検索
第4章 検索エンジンからの保護を求めて
「忘れられる権利」をめぐって
第5章 社会における知識の未来
「不法滞在外国人」再考
人々の分類がはらむ問題
人々の分類における誤表象の小史
リアリティの源としての検索
人々をめぐる情報に文脈をもたらす
文化的に状況づけられた情報をウェブで探す
情報テクノロジーによる社会関係の再生産
第6章 情報文化の未来
情報の独占
なぜ公共政策が重要なのか
機会の源としてのウェブ
社会的不平等はアプリでは解決しない
結論 抑圧のアルゴリズム
倫理的なアルゴリズムの未来に向けて
アルゴリズムと不可視性――カンディスへのインタビュー
オルタナティブを想像する――非商業的な公共検索に向けて
黒人の女の子はいまどこに?
エピローグ
解説 (前田春香/佐倉統)
原注
参考文献
索引
著者情報
サフィヤ・U・ノーブル
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教育・情報学部教授、同大学UCLA批判的インターネット研究センター(C2i2)共同創設者およびファカルティ・ディレクター、オックスフォード大学オックスフォード・インターネット研究所研究員。2021年、アルゴリズムによる差別についての研究により、マッカーサー基金の奨学金(通称「天才賞」)受賞者に選出。2022年、NAACPアーチウェル・デジタル公民権賞の第1回受賞者に選出。共編著に、The Intersectional Internet: Race, Sex, Culture and Class Online(Peter Lang)、Emotions, Technology and Design(Academic Press).
大久保 彩
2019年、東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。修士(文化人類学)。訳書にゴットフリート・レイブラント/ナターシャ・デ・テラン『教養としての決済』(東洋経済新報社)、経済協力開発機構(OECD)『図表でみる教育OECDインディケータ(2023年版)』(共訳、明石書店)、翻訳協力にヘレン・S・ペリー『ヒッピーのはじまり』(阿部大樹訳、作品社)など。
前田 春香
京都大学特定研究員。東京大学大学院学際情報学府博士前期課程修了。修士(学際情報学)。専門は哲学・倫理学。論文に「アルゴリズムの判断はいつ差別になるのか――COMPAS事例を参照して」(『応用倫理』第12号)など。当該論文は2021年度第37回電気通信普及財団の学際研究学生賞(奨励賞)を受賞。
佐倉 統
東京大学大学院情報学環教授、理化学研究所革新知能統合研究センター・チームリーダー。もともとの専攻は霊長類学だが、現在は科学技術と社会の関係についての研究考察が専門領域。人類進化の観点から人類の科学技術を定位することが根本の関心。著書に『科学とはなにか』(講談社)など。