【パーソルキャリア】エンジニアのキャリアは「幅」で伸ばす──流行の最前線で成長するはたらき方
生成AIが普及し、技術トレンドの移り変わりも加速するいま、「この先どんなスキルを積めば市場価値を保てるのか」「キャリアパスはどう描けばいいのか」と悩むエンジニアは少なくない。 本講演でパーソルキャリア株式会社の藤瀬 聡一郎(ふじせ・そういちろう)氏が実体験をもとに語った“夢中になれる力”の作り方、流行の最前線に身を置く意味、人材業界×生成AIのおもしろさ、そして数十年後に差がつく積み上げのヒントを紹介する。生成AIが普及し、技術トレンドの移り変わりも加速するいま、「この先どんなスキルを積めば市場価値を保てるのか」「キャリアパスはどう描けばいいのか」と悩むエンジニアは少なくない。
本講演でパーソルキャリア株式会社の藤瀬 聡一郎(ふじせ・そういちろう)氏が実体験をもとに語った“夢中になれる力”の作り方、流行の最前線に身を置く意味、人材業界×生成AIのおもしろさ、そして数十年後に差がつく積み上げのヒントを紹介する。
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現場とマネジメントの両輪で築く、藤瀬氏のキャリア軌跡
演者プロフィール
パーソルキャリア株式会社
データ・AIソリューション本部
データ・AIインフラ統括部 データインフラ部 シニアエンジニア
藤瀬 聡一郎(ふじせ・そういちろう)氏
パーソルキャリア株式会社(以下「パーソルキャリア」)は、「doda」をはじめとする多彩なサービスを展開し、約7,000名の社員を擁する「はたらく」のインフラを担う企業である。
今回登壇した藤瀬氏は、同社のデータ・AIソリューション本部にて、全社的なデータ基盤の構築やアーキテクチャ設計を担うシニアエンジニアだ。
藤瀬氏のキャリアはSIerのサーバーエンジニアから始まり、B2Cサービスやソーシャルゲーム業界など、多岐にわたる現場でインフラエンジニア、PL、PM、さらには管理職までも経験してきた。
2019年にパーソルキャリアへ中途入社してからは、R\&Dやマッチングシステムの構築、人事データ基盤の整備などに尽力。現場とマネジメントの両輪で培われた豊富な知見を武器に、現在はデータアーキテクトとして同社の技術基盤を支えている。
成長スピードは「技術に費やした時間」に比例

まず藤瀬氏は、成長スピードは技術に費やした時間に比例すると述べた。趣味やゲームでも、没頭している時間が長いほど上達が早いように、仕事においても同様のことが言えるという。
藤瀬氏自身は、業務中にわからない部分や深めたいと感じた内容があれば、業務終了後に自分のPC環境で検証したり、コーディングしたりと自己研鑽してきたという。
藤瀬氏は「仕事とプライベートの境目がない方が成長は早かったし、楽しんでいる時は長時間はたらいても辛くなかった」と以前の職場経験を振り返る。近年の働き方改革などで、いかに効率的に業務を遂行するかには注意しなければならないものの、没頭できる状態を作ること、技術にどれだけ時間を費やしてきたかが一定の成長の鍵になるということだ。
将来の市場価値を高める、管理職経験という選択
つづいて藤瀬氏が語ったのは、エンジニアにおける管理職経験の重要性だ。適性の有無はあるものの、もしチャンスが訪れたなら、一度は挑戦してみることを勧めている。
その理由は大きく分けて3つある。まず、役職が上がることで、「自身のやりたいことが実現できる環境」を自ら構築し、仕事の幅を広げられるようになることだ。
2つ目に、後輩のロールモデルとしての役割だ。自らが新たなキャリアを切り開く姿を見せることは、組織への貢献と実績となる。また、メンバーレベルでは見えない経営の裏側を知り、経営層とともに事業を動かす手応えを感じられる点は、管理職ならではの醍醐味といえる。
3つ目は、管理職経験は40、50代と続く長期的なキャリアにおいて、市場価値を高めてくれる点だ。
「予算や稟議について上司や経営層に説明し、納得してもらった経験があるかどうかで、後々のキャリアに差が出ると思う」(藤瀬氏)
藤瀬氏は、技術がいかに優れていても、それが事業にどう寄与するかを説明できなければ、「ゴーサイン」は出にくいと指摘する。技術をビジネスに接続し、会社全体を俯瞰する視点を養うことは、エンジニアが組織のなかでより大きなインパクトを与え、長く活躍し続けるための強力な武器になるのだ。
「夢中になれる力」が生むエンジニアの突破口

次に藤瀬氏が強調したのは、「流行を追い続けること」の重要性だ。それは必ずしも技術領域に限定される必要はなく、自身の趣味やプライベートの分野でも構わないという。大切なのは、常に外部に対してアンテナを張り続ける「姿勢」そのものだからだ。
実際、藤瀬氏自身も趣味でYouTubeを視聴している際に、生成AIのプロンプトをYAML形式で記述すると精度が向上するという、実務に直結する知見を得た経験があるという。
「技術の革新は、かつてのTCP/IPが軍事利用から生まれたように、あるいは現在のGPUへの莫大な投資がLLMを加速させているように、常に先端の領域から生まれます。だからこそ、ジャンルを問わず新しい流れに触れ続ける必要があるのです」(藤瀬氏)
また、藤瀬氏は「プライベートが充実していると、仕事も楽しくなる瞬間があるのではないか」と問いかける。趣味であっても何かに深く没頭できるという事実は、仕事においても同様の熱量を持って「没頭」できるポテンシャルがあることを意味する。
「何かに夢中になれる力」は、エンジニアが技術を深く、速く習得するための原動力となる。趣味と仕事の境界をあえて曖昧にし、楽しみながらアンテナを広げ続けることが、結果として変化の激しい時代を生き抜くための確かな地力へとつながっていくのだ。
キャリアパスよりも「幅」を広げる。流行の最前線に身を置く価値

藤瀬氏は、自身の歩みを振り返り、キャリアパスを細かく描くことよりも「キャリアの幅」を意識することを勧めている。将来の流行を正確に予測することは不可能であり、自身のライフスタイルも育児や介護などで変化していくからだ。
「将来のプランを細かく立てるよりも、その時々の『流行りの業界』を意識してきました。最新の技術が集まる環境にいれば、未知の分野で試行錯誤しながら、自ずとキャリアの幅を広げることができるからです」(藤瀬氏)
実際、藤瀬氏自身も、インターネットの黎明期から始まり、ガラケー、EC、SNS、スマホ、ソーシャルゲーム、そして現在の生成AIと、常にその時代の中心にある領域に身を置き、多様なチャレンジを続けてきた。
なぜ今「人材業界」がおもしろいのか?

数多くの業界を渡り歩いてきた藤瀬氏が、現在「人材業界」に身を置いているのは、ここがテクノロジーの恩恵を最も受ける「流行りの業界」だと考えているからだ。
かつてソーシャルゲーム業界でデータエンジニアとして分析の現場を見てきた藤瀬氏は、次なるフィールドとして「大規模なテキストデータ」の可能性に注目した。求人情報や職務経歴書、履歴書といった人材業界特有のデータは、その多くがテキストで構成されており、生成AIとの相性が極めて良い。
「人材業界には膨大なデータがあり、生成AIを用いた高精度なマッチングなど、実社会にダイレクトに影響を与える検証ができる環境があります。それが今の私にとって最大のモチベーションです」(藤瀬氏)
実際、藤瀬氏は機密情報を安全に扱うための自社専用チャットAIの導入プロジェクトの立ち上げを経験するなど、アドバイザーとして実務への導入に関わっている。業界が変わっても技術の本質は変わらないが、扱うデータの性質や可能性が、エンジニアがその時々の「おもしろい業界」に身を置くべき理由なのだ。
「キャリアは1日では作れない」数十年後に差を生む、地道な積み重ね


つづいて、AIがブラウザや検索エンジンのようにコモディティ化していく未来を見据え、藤瀬氏はこれからのエンジニアの姿勢について語った。そこで強調されたのは、「コスパやタイパを意識しすぎない」ことだ。
新しい技術に対しては、効率を度外視してでも「まず経験すること」が不可欠だという。開発現場では「車輪の再開発はするな」とよく言われるが、藤瀬氏はあえてその逆を説く。
「自分で作ってみなければ、本当の仕組みは理解できません。理解が浅いまま既存のものを利用するのは、エンジニアとしてむしろ『怖い』感覚があるからです」(藤瀬氏)
既存のコードを参考に、カスタマイズや再開発に取り組み泥臭く学習した経験こそが、ブラックボックスへの恐怖を消し、揺るぎない地力へと変わる。キャリアとは、そうした経験を積み重ね、インフラを軸にコーディングやデータサイエンス、セキュリティへと横展開していくものなのだ。
最後に藤瀬氏は、次世代を担うエンジニアに向けて「キャリアは1日でどうにかなるものではない。ぜひ、長い目で見てほしい」と語りかけた。
技術への研鑽、管理職としての視点、そして流行を追い続けるアンテナ。これらは短期的には目に見える成果が出にくいかもしれない。しかし、10年、20年と年齢を重ねるほど、その積み重ねは「キャリアの幅」という圧倒的な差となって効いてくる。
自分の軸を持ちつつ、少しずつ領域を広げていく。その地道な歩みこそが、不確実な未来において自分を支える最強の武器となるのだ。
【Q&Aセッション】
Q&Aセッションでは、藤瀬氏がイベント参加者から投げかけられた質問に回答した。
Q. テックリード、リードエンジニア、エンジニアリングリードとスタッフエンジニアの違いは何でしょうか?
藤瀬氏:テックリード、リードエンジニア、エンジニアリングリードは呼び方の違いで、役割の本質は大きく変わらないと考えています。リードに求められるのは、技術の方針や判断を非エンジニアや上位層も含む関係者に説明して納得を得ること、そして一人で抱えずにチームとして推進できる体制を作って仕事を前に進めることです。一方でスタッフエンジニアについては、現場で専門性を発揮するエンジニアという位置づけで捉えています。
Q. 一番苦労した仕事、自分が成長した記憶に残る仕事を教えてください。
藤瀬氏:印象に残っているのは、前職にて15年ほど前に担当したサービス移管プロジェクトです。リリース時に作業が想定以上に膨らみ、当時は3日ほど徹夜に近い状態で対応しました。体力的には厳しかったものの、トラブル対応や段取り、関係者調整などを含めて「やり切る」経験ができ、結果として経験値は大きく積めたと思います。なお、これはあくまでも過去の話で、現職では残業も少なく通常のはたらき方で取り組んでいます。
Q. 人材業界に転職後、ドメイン知識はどのように身につけましたか?
藤瀬氏:転職直後は分からないことが多かったので、最初から完璧に理解しようとするより、プロジェクトを複数経験していくなかで業務知識を積み上げていったという感覚です。案件を重ねるうちに、用語や業務フロー、関係者の役割などが実務経験と結びついて理解できるようになりました。また、自分自身の転職経験に加えて、採用側に回った経験もあるため、その視点を日々の業務と照らし合わせながら理解を深めていきました。
Q. テックリードの仕事は、AIにどの程度取って代わられると思いますか?
藤瀬氏:AIの普及で仕事のやり方は変わると思います。ただ、例えばAIがコードを書けたとしても、品質やリスクを誰がチェックするのか、問題が起きたときに最終責任を誰が負うのかという点が残ります。責任の所在が曖昧なままAI任せにするのは、企業としては現実的ではありません。そのため、すべてが置き換わるというより、AIが支援できる部分は増えるが、最終判断やレビューなど最後の砦は人が担うと考えています。
Q. キャリアの方向性を決める時の決め手を教えてください。
藤瀬氏:当時はコーディングに強い自信があったわけではなかったので、まずはインフラやサーバー構築など、自分が価値を出せる領域を固めようと考えました(当時はオンプレ環境が中心でした)。そこで基礎をしっかり身につけたうえで、必要に応じて周辺領域へ少しずつ手を伸ばし、横にキャリアを広げていく形で進めてきました。
文=宮口 佑香(パーソルイノベーション)
※所属組織および取材内容は2026年1月時点の情報です。
パーソルキャリア株式会社
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