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メタヴァースの法

2,200円 (税込)

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メタヴァースの法

書籍情報

発売日:

著者/編集:能見 善久

出版社:信山社出版

発行形態:全集・双書

ページ数:204ページ

書籍説明

内容紹介

◆メタヴァース(仮想世界)で想起される法的考察を先取りして検討―メタヴァースのような仮想世界において、そもそも現実世界の法が適用されるのか。適用されるとしたら、どのような法が適用されるのか◆ 民法および関連法の分野で、これから問題となりそうな諸問題について、将来目線から考究する分散型自立LAWシリーズ第1弾。アヴァターの法的地位やユーザーとの関係、ヴァーチャル・アイテムの法的性質は? アヴァター間での売買や契約は可能か、名誉毀損・不法行為・損害賠償・法人格等々、メタヴァース(仮想世界)で想起される法的問題を先取りして検討する。

目次

『メタヴァースの法―仮想世界の人・物・行為』(LAWフューチャーシリーズ1)   能見善久(東京大学名誉教授) 著 【目 次】 ❒ はじめに 🔶第1章 ヴァーチャル世界としてのメタヴァース  🔷1 メタヴァースのイメージ  (1) 小説の中のメタヴァース   (a) スノウ・クラッシュ(1992年)   (b) シミュラクロン3(1964年)   (c) 本当の名前(True Names)(1981年)   (d) レディ・プレイヤー・ワン(Ready Player One)(2010年)   (e) レディ・プレイヤー・ツー(2020年)  (2) メタヴァースの先駆者:ハビタットとセカンド・ライフ  🔷2 メタヴァースと各種の「別世界」  (1) 別世界の中のメタヴァースの位置づけ   (a) 現実世界と対置される「別世界」   (b) 「デジタルの別世界」と「非デジタルの別世界」   (c) 「非デジタルの別世界」の多様性   (d) 非デジタルの別世界からデジタルの世界の移行  (2) 各種のメタヴァース   (a) 分類する視点   (b) 社会交流目的のメタヴァース(交流、エンターテインメント、教育、芸術などを含む)   (c) 経済活動・取引目的のメタヴァース   (d) 行政サービス提供のメタヴァース   (e) 仕事場としてのメタヴァース   (f) デジタル・ツインとメタヴァースの併用 🔶第2章 メタヴァース(仮想世界)への「法的」アプローチ  🔷1 基本問題は何か  🔷2 メタヴァースの「主体」の問題  🔷3 メタヴァースへの「法」適用の問題  (1) 問題の整理  (2) 仮想世界への現実世界の法の適用の可否・可能性   (a) 「サイバー空間(Cyberspace)」とメタヴァース   (b) 「サイバー空間」の登場   (c) 1990年代のサイバー空間の議論   (d) その後の議論  (3) サイバー空間からメタヴァースへ   (a) メタヴァースの特徴   (b) メタヴァースと現実世界の関係についての諸モデル 🔶第3章 メタヴァースにおける「人」(法主体)  🔷1 アヴァターに関する基本的問題  (1) アヴァターの由来と思想   (a) ヒンズー教のアヴァター   (b) 19世紀西欧文学における転用例   (c) 仮想空間とアヴァター  (2) メタヴァース(仮想世界)におけるアヴァター   (a) アヴァターの表示方法   (b) ユーザーとアヴァターの関係  🔷2 アヴァターの法的地位  (1) 現在の原則=アヴァターには「法人格」がない  (2) 法人格のないアヴァターの法的扱い   (a) アヴァターの2面性   (b) アヴァターは権利・義務の主体とならない   (c) アヴァターを介してユーザーに法的効果の帰属   (d) メタヴァース内の効果限定  🔷3 アヴァターに法人格を付与する場合(補論)  (1) 法人格を認めることの意味と諸効果   (a) 総論的問題(法人格付与の諸形態)   (b) 法人格付与の諸効果  (2) アヴァターに法人格付与する場合の課題   (a) 法人格付与に適格要件はあるか   (b) アヴァターの法人格取得の自由   (c) メタヴァース内の団体・会社等の設立   (d) 全面的法人格か限定的法人格か(法人格の範囲) 🔶第4章 メタヴァースにおける「物(モノ)」  🔷1 仮想世界では全てがデジタル・データ  🔷2 ヴァーチャル商品についての「権利」  (1) 議論の整理  (2) エヴァンス対リンデン事件  (3) デジタル・アイテムに対する権利の性質   (a) 無体物としてのデジタル・データ   (b) メタヴァース内のデジタル・アイテム   (c) NFT(Non Fungible Token)取引   (d) スマート・コントラクトによる契約の物権化?   (e) 所有権以外の知的財産権(著作権、ライセンス契約に基づくライセンスなど) 🔶第5章 メタヴァースにおける「取引」「契約」  🔷1 問題の概要  🔷2 売買型契約  (1) メタヴァース内の「売買の仕組み」  (2) 適用される法(準拠法)  (3) 契約成立段階の問題(契約締結の効果意思があるか)  (4) 契約の内容   (a) 売買の対象   (b) 代金の支払い  (5) 契約履行の段階  🔷3 その他の契約  🔷4 メタヴァース内限定効果の特約 🔶第6章 メタヴァースにおける「不法行為」  🔷1 「人」に対する非物理的不法行為  (1) 物理的侵害と非物理的侵害  (2) 「人」(アヴァターまたはユーザー)に対する「非物理的不法行為」   (a) 加害者は誰か   (b) 被害者は誰か   (c) 権利・法益侵害および損害   (d) 故意過失・違法性  🔷2 「モノ(デジタル・アイテム)」に対する不法行為  🔷3 越境的不法行為  (1) メタヴァースから現実世界への不法行為  (2) 現実世界からメタヴァースへの不法行為  🔷4 法人格あるアヴァターが関係する不法行為 🔶第7章 その他の法律問題  🔷1 身分法の問題  🔷2 刑法・業法・その他の法律 ❒ おわりに

著者情報

能見 善久

東京大学名誉教授