ソフトコンピューティング
書籍情報
発売日 : 2021年04月21日
著者/編集 : 一般社団法人 日本計算工学会
出版社 : 丸善出版
発行形態 : 単行本
書籍説明
内容紹介
ソフトコンピューティングとは、アルゴリズムできちんと記述されないと作動しない、融通の利かない従来型のコンピュータである「ハードコンピューティング」から脱却して、場合によっては人間のように多少は柔軟に、そして「良い加減に」対応できる能力をコンピュータで実現するために提案された用語である。取扱いやすさ、頑健性、低コストを達成するために、不確かさをどこまで許容できるかを探ることを基本原理とする。本書ではソフトコンピューティングの工学的な基礎理論である遺伝的アルゴリズム、ファジィ、マルチエージェントシステム、発見的手法、フラクタル、ニューラルネットワークを解説し、さらに各応用分野である建築計画、建築構造、ロボット、航空宇宙、交通での最適化および適用例を紹介する。
目次
第1章 要素技術
1.1 遺伝的アルゴリズム
1.1.1 遺伝子モデルの設定
1.1.2 初期集団の生成
1.1.3 各遺伝子の評価
1.1.4 選択・淘汰
1.1.5 交叉
1.1.6 突然変異
1.1.7 終了条件
1.1.8 GAの処理手順
1.2 ファジィ
1.2.1 ファジィ集合とファジィ集合演算
1.2.2 ファジィ関係とファジィ推論
1.2.3 ファジィ測度とファジィ積分
1.3 マルチエージェントシステム
1.3.1 対象空間とエージェント
1.3.2 行動ルール
1.4 発見的手法
1.4.1 差分進化の標準アルゴリズム
1.4.2 粒子群最適化の標準アルゴリズム
1.4.3 人工蜂コロニーの標準アルゴリズム
1.4.4 ホタルアルゴリズムの標準アルゴリズム
1.4.5 改良ABCの計算アルゴリズム
1.5 フラクタルの概要
1.5.1 フラクタル画像
1.5.2 3D都市空間の陰影画像によるフラクタル解析手法の検証
1.5.3 3次元陰影画像を用いた景観認知による可視化モデル
1.6 ニューラルネットワーク
1.6.1 ニューラルネットワークの歴史
1.6.2 機械学習のアルゴリズム
1.6.3 機械学習の開発環境
1.7 まとめ
第2章 建築計画への応用
2.1 マルチエージェントシステムと遺伝的アルゴリズムを用いたテナント配置最適化
2.1.1 問題設定
2.1.2 GAの遺伝子型(G-Type)の設定
2.1.3 GA最適化の評価指標
2.1.4 シミュレーション結果
2.1.5 まとめ
2.2 マルチエージェントシステムを用いた観光行動シミュレーション
2.2.1 対象地域
2.2.2 エージェント(観光客)の行動ルール
2.2.3 シミュレーション結果
2.2.4 考察とまとめ
2.3 建築・都市計画におけるフラクタル解析
2.3.1 フラクタル理論を用いた解析手法
2.3.2 地域住民の環境認知特性
2.3.3 フラクタル次元解析手法
2.3.4 画像相関分析
2.3.5 フラクタル次元解析と住民意識との関係性
2.3.6 まとめ
2.4 農山漁村地域のフラクタル性と景観認知
2.4.1 研究対象地域の概要
2.4.2 分析対象地域及び調査概要
2.4.3 3次元陰影画像による可視領域
2.4.4 フラクタル次元解析結果
2.4.5 フラクタル次元の連続性による考察
2.4.6 まとめ
2.5 歴史的都市鎌倉のGISと航空写真とを用いた地域景観のフラクタル性の解析手法
2.5.1 景観認知の概念
2.5.2 景観認知と物理的環境の関係性解析
2.5.3 四季を考慮したフラクタル次元解析
2.5.4 まとめ
2.6 アゴラ(西欧広場)における空間的秩序の解析手法
2.6.1 アゴラとは
2.6.2 画像解析
2.6.3 解析結果
2.6.4 まとめ
2.7 道路網形態のフラクタル次元と救急医療の実態圏域
2.7.1 道路網形態と救急医療との概要
2.7.2 研究対象地域
2.7.3 フラクタル次元解析
2.7.4 船橋市と千葉市の実態圏域の比較
2.7.5 まとめ
2.8 フラクタル解析による市街地の形態分類と変化領域の抽出
2.8.1 市街地の形態分類
2.8.2 市街地の変化領域の抽出
2.9 まとめ
第3章 建築構造最適化への応用
3.1 局所探索法
3.2 焼きなまし法を用いた建築骨組の最適化
3.3 建築骨組の多目的最適化
3.4 焼きなまし法を用いたグリッドシェルの最適化
3.5 ランダム探索による骨組の最適化
3.6 最大応答値の近似評価と局所探索による骨組の最適化
3.7 まとめ
第4章 機械(ロボット)
4.1 最適化手法
4.2 3輪型自律移動ロボットの最適化
4.2.1 三輪型ロボットの運動方程式
4.2.2 深度センサー
4.2.3 PSOアルゴリズム
4.2.4 PSOアルゴリズムの経路生成への応用
4.2.5 PSOアルゴリズムによる経路生成結果と考察
4.2.6 ABCアルゴリズム
4.2.7 ABCアルゴリズムの経路生成への応用
4.2.8 ABCアルゴリズムによる経路生成結果と考察
4.3 ABCアルゴリズムを用いた2脚歩行ロボットの最適化
4.3.1 2脚歩行ロボット
4.3.2 2脚歩行ロボットの機構
4.3.3 歩行方法
4.3.4 動作解析と歩行パターンの最適化
4.3.5 最適化結果と考察
4.4 おわりに
第5章 航空・宇宙分野への応用
5.1 確率過程最適化法(SPOT)
5.1.1 光の経路
5.1.2 経路積分法の考え方
5.1.3 確率論と最適化
5.1.4 経路積分法
5.1.5 定式化
5.1.6 数値計算アルゴリズム
5.2 SPOTの適用例
5.2.1 関数の最小値問題
5.2.2 変分問題
5.2.3 工学的最適化問題
5.3 個体ベースモデルによる物質循環系解析
5.3.1 宇宙における循環系と最小の生態系
5.3.2 個体ベースモデルの微小生態系への適用
5.3.3 オブジェクト指向による実装の工夫
5.4 IBMによる微小生態系の解析結果
5.4.1 解析結果1 実験結果との比較
5.4.2 解析結果2 計算結果から推察される事実
5.5 まとめ
第6章 道路交通・鉄道への応用
6.1 道路交通・鉄道におけるソフトコンピューティング
6.2 道路交通網における最適ルート探索
6.2.1 利用するデータ
6.2.2 単一ルート探索アルゴリズム
6.2.3 複数ルート探索アルゴリズム
6.2.4 最適ルート探索のためのリンクコストの調整
6.2.5 まとめ
6.3 道路交通における信号機の最適系統制御
6.3.1 道路交通信号機の系統制御とその課題
6.3.2 GAによる最適オフセット探索
6.3.3 交通流量一定時の最適オフセット探索
6.3.4 交通流量変動時の最適オフセット探索
6.3.5 まとめ
6.4 鉄道におけるソフトコンピューティング
6.4.1 制御分野への応用(予見ファジィ制御列車自動運転システム)
6.4.2 設計・計画への応用(乗務員運用問題への適用)
6.4.3 保守分野における応用(AIを活用した保守業務支援)
6.4.4 研究・評価分野における応用(GAによる最小運転時隔運転方法の導出)
6.5 まとめ
1.1 遺伝的アルゴリズム
1.1.1 遺伝子モデルの設定
1.1.2 初期集団の生成
1.1.3 各遺伝子の評価
1.1.4 選択・淘汰
1.1.5 交叉
1.1.6 突然変異
1.1.7 終了条件
1.1.8 GAの処理手順
1.2 ファジィ
1.2.1 ファジィ集合とファジィ集合演算
1.2.2 ファジィ関係とファジィ推論
1.2.3 ファジィ測度とファジィ積分
1.3 マルチエージェントシステム
1.3.1 対象空間とエージェント
1.3.2 行動ルール
1.4 発見的手法
1.4.1 差分進化の標準アルゴリズム
1.4.2 粒子群最適化の標準アルゴリズム
1.4.3 人工蜂コロニーの標準アルゴリズム
1.4.4 ホタルアルゴリズムの標準アルゴリズム
1.4.5 改良ABCの計算アルゴリズム
1.5 フラクタルの概要
1.5.1 フラクタル画像
1.5.2 3D都市空間の陰影画像によるフラクタル解析手法の検証
1.5.3 3次元陰影画像を用いた景観認知による可視化モデル
1.6 ニューラルネットワーク
1.6.1 ニューラルネットワークの歴史
1.6.2 機械学習のアルゴリズム
1.6.3 機械学習の開発環境
1.7 まとめ
第2章 建築計画への応用
2.1 マルチエージェントシステムと遺伝的アルゴリズムを用いたテナント配置最適化
2.1.1 問題設定
2.1.2 GAの遺伝子型(G-Type)の設定
2.1.3 GA最適化の評価指標
2.1.4 シミュレーション結果
2.1.5 まとめ
2.2 マルチエージェントシステムを用いた観光行動シミュレーション
2.2.1 対象地域
2.2.2 エージェント(観光客)の行動ルール
2.2.3 シミュレーション結果
2.2.4 考察とまとめ
2.3 建築・都市計画におけるフラクタル解析
2.3.1 フラクタル理論を用いた解析手法
2.3.2 地域住民の環境認知特性
2.3.3 フラクタル次元解析手法
2.3.4 画像相関分析
2.3.5 フラクタル次元解析と住民意識との関係性
2.3.6 まとめ
2.4 農山漁村地域のフラクタル性と景観認知
2.4.1 研究対象地域の概要
2.4.2 分析対象地域及び調査概要
2.4.3 3次元陰影画像による可視領域
2.4.4 フラクタル次元解析結果
2.4.5 フラクタル次元の連続性による考察
2.4.6 まとめ
2.5 歴史的都市鎌倉のGISと航空写真とを用いた地域景観のフラクタル性の解析手法
2.5.1 景観認知の概念
2.5.2 景観認知と物理的環境の関係性解析
2.5.3 四季を考慮したフラクタル次元解析
2.5.4 まとめ
2.6 アゴラ(西欧広場)における空間的秩序の解析手法
2.6.1 アゴラとは
2.6.2 画像解析
2.6.3 解析結果
2.6.4 まとめ
2.7 道路網形態のフラクタル次元と救急医療の実態圏域
2.7.1 道路網形態と救急医療との概要
2.7.2 研究対象地域
2.7.3 フラクタル次元解析
2.7.4 船橋市と千葉市の実態圏域の比較
2.7.5 まとめ
2.8 フラクタル解析による市街地の形態分類と変化領域の抽出
2.8.1 市街地の形態分類
2.8.2 市街地の変化領域の抽出
2.9 まとめ
第3章 建築構造最適化への応用
3.1 局所探索法
3.2 焼きなまし法を用いた建築骨組の最適化
3.3 建築骨組の多目的最適化
3.4 焼きなまし法を用いたグリッドシェルの最適化
3.5 ランダム探索による骨組の最適化
3.6 最大応答値の近似評価と局所探索による骨組の最適化
3.7 まとめ
第4章 機械(ロボット)
4.1 最適化手法
4.2 3輪型自律移動ロボットの最適化
4.2.1 三輪型ロボットの運動方程式
4.2.2 深度センサー
4.2.3 PSOアルゴリズム
4.2.4 PSOアルゴリズムの経路生成への応用
4.2.5 PSOアルゴリズムによる経路生成結果と考察
4.2.6 ABCアルゴリズム
4.2.7 ABCアルゴリズムの経路生成への応用
4.2.8 ABCアルゴリズムによる経路生成結果と考察
4.3 ABCアルゴリズムを用いた2脚歩行ロボットの最適化
4.3.1 2脚歩行ロボット
4.3.2 2脚歩行ロボットの機構
4.3.3 歩行方法
4.3.4 動作解析と歩行パターンの最適化
4.3.5 最適化結果と考察
4.4 おわりに
第5章 航空・宇宙分野への応用
5.1 確率過程最適化法(SPOT)
5.1.1 光の経路
5.1.2 経路積分法の考え方
5.1.3 確率論と最適化
5.1.4 経路積分法
5.1.5 定式化
5.1.6 数値計算アルゴリズム
5.2 SPOTの適用例
5.2.1 関数の最小値問題
5.2.2 変分問題
5.2.3 工学的最適化問題
5.3 個体ベースモデルによる物質循環系解析
5.3.1 宇宙における循環系と最小の生態系
5.3.2 個体ベースモデルの微小生態系への適用
5.3.3 オブジェクト指向による実装の工夫
5.4 IBMによる微小生態系の解析結果
5.4.1 解析結果1 実験結果との比較
5.4.2 解析結果2 計算結果から推察される事実
5.5 まとめ
第6章 道路交通・鉄道への応用
6.1 道路交通・鉄道におけるソフトコンピューティング
6.2 道路交通網における最適ルート探索
6.2.1 利用するデータ
6.2.2 単一ルート探索アルゴリズム
6.2.3 複数ルート探索アルゴリズム
6.2.4 最適ルート探索のためのリンクコストの調整
6.2.5 まとめ
6.3 道路交通における信号機の最適系統制御
6.3.1 道路交通信号機の系統制御とその課題
6.3.2 GAによる最適オフセット探索
6.3.3 交通流量一定時の最適オフセット探索
6.3.4 交通流量変動時の最適オフセット探索
6.3.5 まとめ
6.4 鉄道におけるソフトコンピューティング
6.4.1 制御分野への応用(予見ファジィ制御列車自動運転システム)
6.4.2 設計・計画への応用(乗務員運用問題への適用)
6.4.3 保守分野における応用(AIを活用した保守業務支援)
6.4.4 研究・評価分野における応用(GAによる最小運転時隔運転方法の導出)
6.5 まとめ
著者情報
一般社団法人 日本計算工学会
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