生成AIの論点

書籍情報

発売日 : 2024年05月29日

著者/編集 : 喜連川 優

出版社 : 青弓社

発行形態 : 単行本

ページ数 : 200p

書籍説明

内容紹介

学問からビジネス、カルチャーと多様な領域で革新を起こしつつある生成AIについて、11人のトップランナーが多数の図版を用いてかみくだいてレクチャーする。原理論から各界での活用例、著作権などの法的課題といった主要な論点を凝縮した一冊。

目次

プロローグ 喜連川 優

第1部 生成AIの原理と課題

第1章 大規模言語モデルを研究する基盤――LLM-jp 黒橋禎夫
 1 ChatGPTとは
 2 LLMの歴史
 3 LLMと外部知識ツール
 4 LLMに関する懸念
 5 LLM-jp(LLM勉強会)の活動
 6 LLMの研究開発

第2章 NICTのLLMとその周辺 鳥澤健太郎
 1 NICTのテキスト生成AI開発
 2 LLMによる未知のリスク
 3 LLMに議論はできるか
 4 学習用データの重要性

第2部 生成AIの利活用

第3章 生成AIの活用と懸念に対する対策 井尻善久
 1 AIの進化
 2 LINEでの生成AI開発
 3 社会から理解される生成AIの応用に向けて

第4章 言語生成AIの弱点――なぜChatGPTは計算が苦手なのか 湊 真一
 1 算数が苦手なChatGPT
 2 ChatGPTの仕組み
 3 組合せ爆発という壁
 4 計算手順を理解することの難しさ

第5章 画像生成AIとその利活用 相澤清晴
 1 テキストからの画像生成例
 2 画像生成AIの技術発展の方向
 3 一般 vs プロフェッショナル
 4 画像生成AIの爆発的成長
 5 テキストからの画像生成の2つのブレークスルー
 6 CLIP――VLモデル(OpenAI)
 7 画像-言語ペアの大規模データセット
 8 拡散モデル(Diffusion Model)
 9 テキストによる条件づけ
 10 生成条件の広がり
 11 テキストからの画像生成のモデル規模
 12 画像生成モデルの発展と生成モデルの影響

第6章 生成AIとマンガ制作――制作における生成AIのリアル:2023年夏 小沢高広
 1 生成AIとどう関わるか?
 2 生成AIで何ができるの?
 3 生成AIにマンガは描けるの?
 4 文章生成AIをマンガに使おう!
 5 画像生成AIをマンガに使おう!
 6 今後の展望

第7章 画像生成AIを用いたブランドの創出 黒越誠治
 1 生成AIによるブランド創出プロセス
 2 バリエーションを生成する
 3 デザインの課題を解決する
 4 職人という価値

第8章 生成AIと日本古典籍 カラーヌワット・タリン
 1 くずし字認識アプリ・みをの開発
 2 古典籍への応用
 3 残された課題

第3部 生成AIと法

第9章 LLMの法的課題 宍戸常寿
 1 G7広島AIプロセスの現状
 2 OECD報告書
 3 個人情報保護
 4 政府の利用とセキュリティー
 5 プライバシーと差別
 6 AI開発者、特に基盤モデルの透明性確保とリスク評価

第10章 生成AIと著作権 奥邨弘司
 1 AIが生成した表現の著作物性
 2 機械学習と著作権
 3 生成表現による著作権侵害

第11章 生成AIにおける法的推論への適応限界 佐藤 健
 1 生成AIの法的推論への応用の問題点について
 2 ChatGPTで日本の司法試験の問題を解いてみた
 3 ChatGPTに起因するその他の法律応用の問題について
 4 生成AIの法的応用への解決――記号処理系AIとの融合

著者情報

喜連川 優
日本学術会議情報学委員会「ITの生む諸課題検討分科会」連携会員(特任)。情報・システム研究機構機構長、東京大学特別教授、総長特別参与。専門はデータベース工学。情報処理学会会長、日本学術会議情報学委員会委員長などを歴任。2009年ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞、20年日本学士院賞などを受賞。13年に紫綬褒章、16年にはレジオン・ドヌール勲章を受章。ACMフェロー、IEEEライフフェロー、中国コンピュータ学会栄誉会員。
生成AIの論点

2,640円 (税込)

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