Googleの機械学習関連サービスまとめ
近年、GoogleやAmazon、Microsoftなどの企業が機械学習関連のサービスを次々リリースしており、AIや機械学習への注目が増してきています。
その中でもGoogleは、機械学習の勉強に使えるサービスや実際の開発から機械学習の実行に使えるものまで、様々なサービスを提供しています。
そこで今回は、Googleが提供している機械学習関連のサービスをまとめて紹介いたします。
Googleの機械学習サービス一覧
Googleは様々な機械学習関連のサービスを提供していますが、今回紹介するのは以下の6つのサービスです。
- AI講座「Learn with Google AI」
- Pythonの実行環境「Google Colaboratory」
- 機械学習用ライブラリ「TensorFlow」
- 機械学習モデル構築サービス「Cloud ML Engine」
- 機械学習用の様々なAPI
- 機械学習モデルの構築サービス「Cloud AutoML」
AI講座「Learn with Google AI」
Learn with Google AIはGoogleの提供する機械学習の勉強用サービスです。このサイトでは、もともとはGoogleの社員に機械学習の基本概念を教えるため使われていた教材を公開しており、機械学習の初心者から専門家まで幅広いレベルに合わせたコンテンツが用意されています。
その中でも、機械学習のコンセプトを学習できる15時間のオンライン講座「Machine Learning Crash Course」は無料で受講可能です。
ブラウザ上でPythonの実行環境を構築できる「Google Colaboratory」
Google Colaboratoryは、Jupyter notebookというPythonの実行環境をブラウザ上で動かせるサービスで、機械学習の教育や研究に使用されることを目的にGoogleが無料で提供しています。
機械学習で必要な環境がすでに構築されているため、ブラウザさえ用意できればすぐに機械学習を始められます。また、Google Colaboratoryで書いたコードがGoogle Driveで保存されるため、複数人での共有も簡単におこなえるのも便利です。
機械学習用ライブラリ「TensorFlow」
TensorFlowはGoogleが公開している、機械学習の分野で使用するためのOSS(オープンソフトウェアライブラリ)です。ライブラリとは、プログラミングでよく使う機能やデータなどをまとめたもののことで、プログラムに組み込んで使用します。
TensorFlowを利用することで機械学習における計算やシミュレーションをおこなうことができます。使いこなすには機械学習についてある程度理解している必要があります。
機械学習モデル構築サービス「Cloud ML Engine」
Cloud ML Engineは機械学習を実行するためのクラウドサービスで、Googleが提供するGoogle Cloud Platform(GCP)という様々なクラウドサービスのひとつです。
機械学習の実行には、複雑な計算や膨大なデータを伴うことが多く、大量のマシンリソースが必要になります。そのため、計算の高速化など、本格的に機械学習を実行する場合には、そのための実行環境を構築する必要があります。
Cloud ML Engineを利用することで、機械学習の実行に必要な実行環境を構築する必要なく、すでに用意されたGoogleのインフラを利用することができます。
機械学習用の様々なAPI
Googleは機械学習で学習済みモデルを利用できる様々なAPIを公開しています。APIとは、あるソフトウェアが自己の機能の一部を公開して、他のソフトウェアでその機能を利用できるようにしたものです。
Googleの提供している機械学習用のAPIには以下のようなものがあります。
- VisionAPI:画像認識に使えるAPI
- SpeechAPI:音声認識に使えるAPI
- NL API:テキスト分析に使えるAPI
- Translation API: 翻訳に使えるAPI
- VideoIngeligence API:動画分析に使えるAPI
自分で機械学習モデルを作成せずとも、これらのAPIを使うとすでに学習済みのモデルを利用できます。
例えば、人間の顔が写っている画像を検知して処理したい場合には、Vision APIを利用することですぐにその機能を実装できてしまいます。
非エンジニアでも機械学習モデルの構築を可能にする「Cloud AutoML」
Cloud AutoMLは、機械学習モデルの構築を可能にするクラウドサービスです。
機械学習の知識が浅い人でもモデル構築ができるというのが一番の特徴です。具体的には、独自の画像認識モデルの作成や利用ができます。
例えば、フリマアプリのメルカリではブランド品の識別にAutoMLの利用を試みています。
まとめ
ここまで紹介してきたように、Googleが提供する機械学習用のサービスには様々なものが存在します。機械学習関連の技術向上スピードは非常に早く、これからもさらに新しいサービスが生み出されていくでしょう。現時点でもサービスが次々提供されており、どのようなサービスが存在するのか把握するのが難しいかもしれません。
この記事のように、様々なサービスをまとめたものがお役に立てれば幸いです。機械学習を利用する際に、是非今回紹介したサービスを参考にしてみてください。
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