入門:ディープラーニングとは?

プログラミング
AIで表される人工知能(アーティフィシャルインテリジェンス)、MLで表される機械学習(マシンラーニング)、そしてDLで表されるディープラーニング(深層学習)の違いを説明します。ディープラーニングのこれから、どんな分野のビジネスで活用できるか解説します。
入門:ディープラーニングとは?

毎日の生活でディープラーニングという文字をよく目にします。AIで表される人工知能(アーティフィシャルインテリジェンス)、MLで表される機械学習(マシンラーニング)、そしてDLで表されるディープラーニング(深層学習)、この3つの区別が良く分からない、と感じる人が多いのも現状です。まず、それぞれの技術の基本的な知識を説明します。そして、ディープラーニングを、ビジネスにどのように活用できるか解説していきます。

入門:ディープラーニングを理解しよう


AI:アーティフィシャルインテリジェンス/人工知能とは?

人工知能(英語ではAI: Artificial Intelligence)は、最も広義な意味合いがあり、機械学習やディープラーニングを内包する概念です。人工知能は、「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と定義されています。人工知能の研究は、イギリスの数学者 Alan Turing が先駆者だといわれており、1950年代ごろから始まりました。人工知能研究の最終的な目標は、「人間と同じ程度に、世の中の目標を達成し、問題を解決できるコンピュータプログラムを作ること」と言われています。

ML:マシンラーニング/機械学習とは?

人工知能に内包される機械学習(英語ではML: Machine Learning)は、「データから規則性や判断基準を学習し、それに基づき未知のものを予測、判断する技術」です。研究が始まった頃は、「学習する」という点に重きがおかれていましたが、現在では「学習に基づいて予測・判断する」点に注目されるようになっています。「学習」という言葉から連想できるように、与えられたデータや繰返しの実行結果から、その事象の傾向やクセなどの特徴を学習し、それを次回以降に利用できるよう法則化・自動化する点が、機械学習の醍醐味と言えます。1980年代より、機械学習の研究が活発化しています。

DL:ディープラーニング/深層学習とは?

人工知能に内包される機械学習、そして、この機械学習に内包されるのがディープラーニング(英語ではDL: Deep Learning)です。ディープラーニングは、より基礎的で広範な機械学習の手法であるニューラルネットワーク(英語ではNN: Neural Network)という分析手法を拡張し、高精度の分析や活用を可能にした手法です。ニューラルネットワークは、脳の神経回路の仕組みを模した分析モデルです。入力層、中間層(隠れ層)、出力層という3つの層からなります。中間層を2層以上に多層化したニューラルネットワークを、ディープラーニングといいます。この中間層が複数あることで、より複雑で、高精度の認識が可能になりました。2010年代より、ディープラーニングが、第三次AIブームを引き起こしています。

ディープラーニングと人工知能(AI)の違い

ディープラーニングの基本定義を確認したところで、人工知能との違いをみていきましょう。 ひとことで言うと、人工知能が総合的な概念や技術であるのに対して、ディープラーニングは、この人工知能を支えるひとつの手法であるということです。
それで、人工知能(AI) > 機械学習(ML) > ディープラーニング(DL)という方式がなりたちます。 例えば人間は、果物を見たとき、「リンゴなのか、オレンジなのか」すぐに判断することができます。これまで得た情報・経験(色などの見た目、味や感触など)を通して、推測し判断します。この脳が行っている判断を概念としてコンピュータで模倣することが、人工知能です。この判断を行うために、どうしても必要なものが情報・経験になります。これらの情報・経験を学習する手法のひとつが機械学習であり、その中でも、人の脳に模した学習手法が、ディープラーニングになります。

ディープラーニングとニューラルネットワークの違い

ディープラーニングは、人の脳に模した学習手法のひとつです。それに対して、ニューラルネットワークは、計算アルゴリズムのひとつです。学習能力を持ち、必要とされる特徴データを、与えられるデータや情報に基づき自動形成することができます。 例えば、画像データを処理するにあたって、プログラミングによって判断する場合、「リンゴは赤い」「オレンジは橙色だ」などの特徴データを人間が指定する必要がありました。しかし、ニューラルネットワークのアルゴリズムを用いるなら、特徴データを与える必要がありません。大量の画像データを与えることで、コンピュータ自らが学習し、判断できるようになります。 ニューラルネットワークを用いた計算アルゴリズムは、人工知能では苦手とされていた画像認識や、音声認識などの処理に対して効果を発揮します。

入門:ディープラーニングでできること


では、ディープラーニングを用いると何ができるのでしょうか?結果の精度が向上し、実用処理が可能になったプロセスや応用事例を見ていきましょう。

処理可能なプロセス

ディープラーニングによって可能となった代表的なプロセスには、つぎのようなものがあります。

画像認識プロセス、画像生成プロセス、テキスト処理プロセス、音声認識・生成・合成プロセス、翻訳処理(自然言語処理(認識・生成))プロセスなどです。 画像データから、人間なのか、動物なのか、物体なのか、などの判断や、人間であれば性別や年齢を推測することができます。また、画像より絵画を生成、希望のトーンに合わせて自動加工を行うサービスをあります。 音声データから、人の語る言葉を認識し、返答することができます。さらには、声から健康状態やストレスを検出することもできます。

また、言語を認識し生成するという分野でも、話題がつきません。例えば、Google翻訳の翻訳精度の向上や、Twitter上で提供されている女子高生AI「りんな」など、ディープラーニングの技術に基づいて、サービスが提供されています。

ビジネスの応用事例

ビジネスの応用事例として、幾つかを列挙します。 株取引の分野において、みずほ証券の株取引システム(みずほ証券)は、ディープラーニングを利用して、ある時刻に株価が上昇するか下落するかを予測する株取引システムを導入しています。 ロボティックスの分野において、Softbankが提供するロボット「Pepper」も有名です。ディープラーニングにより、「感情表現」を実現しており、接客や受付など、様々な用途で用いられています。 自動車の分野において、Tesla Motorsが提供する電気自動車「model S」には、レベル2(加速・操舵・制動の複数を担う)の運転支援技術が搭載されており、この技術にはディープラーニングが用いられています。

ディープラーニングのこれから

1950年代から始まった第一次AIブーム、機械学習が登場し1980年代からは第二次AIブームに火がつきました。そしてディープラーニングの登場で、2010年代以降、第三次AIブームとなっています。 多くの企業やベンチャー企業、大学や政府機関が、ディープラーニングの実用化を進めています。日本においても、総務省が2016年7月に「次世代人工知能推進戦略」を公表し、国としての戦略を掲げて取り組み始めています。この中では、人工機能(AI)技術の利活用イメージが掲載されています。医療・ヘルスケア分野、教育分野、防災分野、ビジネス分野、コミュニケーション支援分野、介護・福祉分野、農林水産分野、など日本がこれから直面する「高齢化社会」や「多発する自然災害」への対策として、人口機能(AI)を最大限に用いられていくことでしょう。

まとめ

人工知能、深層学習、ディープラーニングの違いがはっきり分かりましたか?ディープラーニングは、多くのビジネス分野で用い始められています。エンジニアとして、ディープラーニングに関連する技術は必須といっても、過言ではないでしょう。ディープラーニングに関する知識を活用していきましょう。


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