機械学習とディープラーニングの違いを説明できるようになりましょう

プログラミング 公開日: 更新日:
ブックマーク
機械学習とディープラーニングの違いを説明できるようになりましょう
ChatGPTやStable Diffusionといった生成系AIを活用したサービスが話題となり、私たちの生活にも浸透しつつあります。 そういったサービスの誕生と深い関わりを持つのが機械学習とディープラーニングです。これらの用語はしばしば混同されることがありますが、それぞれの概念とその違いについて理解しておくことは、データサイエンスや人工知能の分野で作業する際に重要です。この記事では機械学習とディープラーニングの違いについて簡単に解説します。

機械学習とは

機械学習はコンピュータプログラムがデータから学習し、その経験を通じてタスクを改善する手法の総称です。これはデータからパターンやトレンドを抽出してモデルを構築し、そのモデルを用いて新しいデータから予測や判断を行うプロセスを指します。

機械学習は大きく以下の3つのカテゴリに分類されます。

教師あり学習

教師あり学習は既存のデータから学習し、未知のデータに対して予測を行う手法です。これは教師データと呼ばれる正解ラベルを含む訓練データを使用してモデルをトレーニングし、その後、新しいデータに対して予測を行います。

よく用いられるアルゴリズムには線形回帰、決定木、ランダムフォレストなどがあります。

有名な例としては多数の写真とそれぞれに「犬か猫か」というラベルを与えて、コンピュータに犬と猫を見分ける方法を学ばせるものがあります。

他にも住宅価格予測では、過去の不動産データとその価格を教師データとしてモデルを構築し、新たな物件の価格を予測します。

教師なし学習

教師なし学習はデータ内のパターンや構造を発見し、データをクラスタリングしたり次元削減したりする手法です。ラベルなしデータを使用してモデルを構築し、類似したデータをグループ化するクラスタリングや、データの次元を削減して可視化や特徴抽出を行うPCA(主成分分析)などが該当します。

例えばたくさんの文章を与えて、その中で似たような意味を持つ言葉をグループ分けすることができます。

マーケティングでは顧客セグメンテーションを行う際にクラスタリング手法を用いて、顧客をセグメントに分類することに活用されます。

強化学習

強化学習はエージェントが環境と対話しながら、報酬を最大化するための行動を学習する手法です。エージェントは行動を選択し、その結果として得られる報酬を最大化するように学習します。

ゲームAIにおいて強化学習は大きな役割を果たしています。例えばAlphaGoは囲碁の世界チャンピオンを破ったことで知られています。エージェントは対局の結果から報酬を学習し、対局戦略を改善していきました。

ディープラーニングとは

ではディープラーニングとはどのようなものでしょうか。ディープラーニングは機械学習の一部であり、多層のニューラルネットワークを使用して高度なタスクを実行する技術です。これは、人間の脳の神経細胞を模倣したネットワーク構造を使用し、大量のデータから自動的に特徴を学習します。

データに含まれる特徴を人間が与えるのではなく、自動的に学習するというのがディープラーニングの大きな強みです。

ニューラルネットワーク

ディープラーニングでは、多層のニューラルネットワークが主要なモデルとなります。ニューラルネットワークは入力層、中間層(隠れ層)、出力層から構成され、それぞれの層にはユニット(ニューロン)が存在します。一般的にこの中間層が多くなるほど、ニューラルネットワークはより高度な特徴を学習できるようになります。

特徴の自動学習

ディープラーニングではデータの中にある特徴の抽出を手動で行う必要がありません。ネットワークはデータから自動的に特徴を学習し、高度な表現を生成します。例えば画像認識ではディープラーニングを用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を構築し、モデルが自動的にエッジ、形状、パターンなどの特徴を学習します。

タスクへの適応性

ディープラーニングは、画像認識、音声認識、自然言語処理などの多岐にわたるタスクに適用できます。モデルの適応性が高く、データ量が増えるほど性能が向上する傾向があります。近年注目されている自然言語処理においては、ディープラーニングを用いたリカレントニューラルネットワーク(RNN)やトランスフォーマーを活用して、テキスト生成や機械翻訳の改善が行われています。GPTもまたトランスフォーマーの一種です。

まとめ:機械学習とディープラーニングの違いは何か

機械学習はコンピュータがデータを使って自ら学ぶ方法です。単体では考える力を持っていないコンピュータでも、多くのデータを学ぶことで「経験」を積むことができるのです。そうして得た経験をもとにモデルを構築し、それを用いて新しいデータに対して予測や判断を行います。教師あり学習、教師なし学習、強化学習といった手法が存在します。

ディープラーニングはその機械学習の一部です。つまり違いがあるというよりも、同じことを目的とした別の手法と考えることができます。ディープラーニングはより深く学習することができるのです。

ディープラーニングで用いられるニューラルネットワークは人間の脳を模して形成されており、データに含まれる特徴を自分で見つけ出すことができます。

機械学習とディープラーニングの違いはそれぞれの活用場所に現れます。例えば機械学習はおすすめの映画を予測するシステムや、手書き文字を認識するアプリなどで利用されます。一方でディープラーニングは自動運転車が道路を認識する技術や、音声アシスタントが人の声を理解する技術などで活用されています。また、ChatGPTやStable Diffusionといった話題の生成系サービスもディープラーニングを活用しています。

場面に応じて最適な選択をすることができるよう、それぞれ概要だけでも理解しておきましょう。

TECH PLAYでは、ITに関わる様々なイベント・勉強会・講演会・交流会・カンファレンス・セミナーなどの情報を集約し掲載しています。

テクノロジーと共に成長しよう、
活躍しよう。

TECH PLAYに登録すると、
スキルアップやキャリアアップのための
情報がもっと簡単に見つけられます。

面白そうなイベントを見つけたら
積極的に参加してみましょう。
ログインはこちら

タグからイベントをさがす