【オープンイノベーター列伝/伊藤羊一】アイコンとなる人物を作れ。まずは商売抜きに、信頼関係の構築を。<前編>

インタビュー 公開日:
ブックマーク
【オープンイノベーター列伝/伊藤羊一】アイコンとなる人物を作れ。まずは商売抜きに、信頼関係の構築を。<前編>

【オープンイノベーター列伝/伊藤羊一】アイコンとなる人物を作れ。まずは商売抜きに、信頼関係の構築を。<前編>

ベンチャー企業と独自のネットワークを持つ伊藤羊一氏(49歳)。大学を卒業して日本興業銀行に入行した後、大手文房具・事務用品メーカーのプラスに転じ、ロジスティクス再編などを行った経歴を持つ。現在はグロービス経営大学院で客員教授を務めるほか、アクセラレーター、インキュベーションプログラムでメンターやアドバイザーを手がけ、ベンチャー企業の育成などを通じ、オープンイノベーションの醸成を支援している。今回、伊藤氏に、オープンイノベーションを起こすためのベンチャー企業との出会い方や、関係性の構築方法などを具体的に伺った。

■きっかけは、ベンチャーなら新しい商材をたくさん生み出せると感じたこと。

伊藤氏がベンチャーに興味を持ったのは新しい商材を求めてのこと。業界大手の文房具・事務用品メーカーであるプラス株式会社に勤務していた時のことだ。従来のままの商材を扱っているだけでは、いずれ寿命が来ると行き詰まりを感じていたと話す。「全国のお客様が食いつくようないいネタはないかと探していたところ、ベンチャーが面白いことをやっていると聞いたんです」。伊藤氏は実際に担当者と会い、ある商品を紹介される。自身は、あまりピンと来なかったと言うが、地方のクライアントに見せたところ、大きな反響を得たそうだ。

「東京にいると情報はたくさん入ってくるし、目新しさを感じにくいところがあります。でも、地方はまだまだ新しいモノやサービスとの出会いが少ない面があります。そう考えると、 BtoBでも新しい商材はいくらでもあるはず。ベンチャーの持っている商材を販路に乗せ、全国展開したら面白いんじゃないかと思いました。でも、ベンチャーのことは何も知らないし、どうしていいかもわかりません。だったら、まずは知り合いを作ろうと、やみくもに会いにいきました」。伊藤氏は、ベンチャーが大企業の前でプレゼンを実施する「モーニングピッチ」に足繁く通い、やがてその存在が知れ渡るまでになった。

■ベンチャーとつながりを作るにはキャラ立ちしたアイコンが必須。

ベンチャーとつながりオープンイノベーションを生み出すためには、ステップを踏むことが必要だと説く。「最初から組織で動こうとすると、組織立った行動が“足かせ”になってしまいます。最初の段階では、むしろ個人がキャラ立ちすることがとても重要なんです。『この人のところに行けばいいんだね』というベンチャー企業にとってのアイコン、スポークスマンを作ります。ただし、ネットワークを作るのと何らかの成果を生み出すのは別物です。一人ではできません。ヒト・モノ・カネを動かすことが必要で、ヒトに関することはアイコンとなる人物が行います。ベンチャーとのネットワーク作りはもちろん、社内に対しても営業を行い、志を同じくする仲間を集います。その上で、個人でできないことを組織で成し遂げていくんです」。成果を出す具体的な形として、アクセラレータープログラムやCVCがある。「今はアクセラレーターやインキュベーションプログラムが増えています。非常に良い流れだと感じています。私自身、プラス勤務時代にもっとやっておけば良かったと思っています」。組織立った動きを十分にできなかったことを、一つの反省点として持っているとのことだった。 Alt text 今はまだプログラムやCVCから目立った成果は出ていない。そのため、世間的にはオープンイノベーションの重要性を「気づいている人は気づいている」段階だ。しかし、伊藤氏は現状の課題よりも、今後への期待を大きく持っている。「社会を揺るがすインパクトのあるものが出てくれば世間も注目すると思っています。その意味で、プログラムやCVCなどを通じ、オープンイノベーションで何らかの成果を出すことは強く求められています」。

スタートアップとリレーションを築くためのノウハウ

オープンイノベーションを起こすために独自の技術やサービスを持ったベンチャーとリレーションを築くためのノウハウは、伊藤氏の場合、以下の2つに集約される。

■まず始めは「組織」で動くよりも「個」で動き、ベンチャーにとってのアイコン・スポークスマンとなる。

■ピッチやアクセラレーター、インキュベーションプログラムを通して、なるべく多くのベンチャーと出会う。

▼eiicon 次回イベントのお申込みはこちら▼

eiicon meet up!!vol.6 ~社会課題解決 「飢餓0/持続可能な農業を」AgriTech特集~ https://techplay.jp/event/623301

Alt text eiicon: https://eiicon.net/

日本最大級のオープンイノベーションプラットフォームとオープンイノベーションに特化したハンズオンコンサルティングで、企業の事業フェーズに合わせたOIの支援にて事業化をサポートする集団です。 ・オープンイノベーションプラットフォーム「AUBA」: https://auba.eiicon.net/ 「価値ある出会いが未来を創る」をテーマに、オープンイノベーションのパートナーを探すことができる、ビジネスマッチングプラットフォーム。登録数27,000社。課題・事業成長に必要なリソースなど自社情報を登録、相互に発信し、企業の新たなつながりを実現・サポートします。 ・AUBA Enterprise: 社内新規事業・オープンイノベーションプロジェクト含め、弊社の事業創出支援経験豊富なコンサルタントが企業ごとのお悩み・ニーズに応じフルカスタマイズで支援を設計。事業戦略の支援から実際のパートナー共創にむけた具体的な出会いの場の創出・チームアップ支援、新規事業創出支援まで企業のフェーズに合わせた支援にて事業化をサポートします。 ・メディア「TOMORUBA」: https://tomoruba.eiicon.net/ 事業を創るビジネスパーソンのための“事業を活性化するメディア”。全国各地あらゆる業界のスタートアップ・中小企業・大手企業から地方自治体・大学まで、資金調達・資金提供・共同研究などの様々な情報や事業を創るためのノウハウ情報などを配信しています。 2022年12月、革新的で優れたサービスとして「第4回 日本サービス大賞」優秀賞を受賞。 https://service-award.jp/result04.html 2023年2月には、アクセラレーションプログラムを通じた全国のスポーツチーム/団体とパートナー企業とのマッチング、共創創出など、一連のオープンイノベーションへの取組により「第5回 日本オープンイノベーション大賞」スポーツ庁長官賞を受賞しました。 https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20230120oip.html 会社HP:https://auba.eiicon.net/ 電話番号:03-6670-3273(代表) メールアドレス: info@eiicon.net

テクノロジーと共に成長しよう、
活躍しよう。

TECH PLAYに登録すると、
スキルアップやキャリアアップのための
情報がもっと簡単に見つけられます。

面白そうなイベントを見つけたら
積極的に参加してみましょう。
ログインはこちら

タグからイベントをさがす