Tableau データ分析AWARD 2023 準優勝チームインタビュー (神田外語大学チーム)

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Tableau データ分析AWARD 2023 準優勝チームインタビュー (神田外語大学チーム)
2023年12月に開催された学生によるTableauデータ分析AWARDにて準優勝に輝いた、神田外語大学「KUISチーム」のお二人にインタビューをさせていただきました。

2023年12月に開催された学生によるTableauデータ分析AWARDにて準優勝に輝いた、神田外語大学「KUISチーム」のお二人にインタビューをさせていただきました。
日本が抱える深刻な問題に仮説とその検証というアプローチを繰り返して分析を進める姿が印象的でした。
どのようにしてこのテーマに辿り着き、分析していったのでしょうか。

発表の概要:

タイトル:日本の自殺問題の分析と解決策の提案
鈴木:今回、自殺問題をテーマとして選んだきっかけは、私達が現在受けている様々な授業の中で、日本の自殺問題が世界的に見ても危機的な状態にあり、日本の自殺死亡者率がなぜ非常に高いのか原因を模索し、改善に繋げたいと考えこのテーマを選びました。

中島:主な内容としては2012年と2022年の自殺者数、自殺死亡率(自殺者数/人口)を可視化し、比較するというものでした。自殺に関してコロナの影響があるか、どの月が自殺者数が多くなりやすいかなどを分析することができました。

メンバー紹介

KUISチーム

鈴木咲桜さん
神田外語大学 グローバル・リベラルルアーツ学部

中島クラレンズさん
神田外語大学 グローバル・リベラルルアーツ学部

(以下敬称略とさせていただきます)

このテーマに決定するまでの経緯などを教えてください。

鈴木:タイトルと概要説明でも述べたように、社会的に注目されている自殺問題について興味があり、自殺問題を扱うテーマに決定しました。
自殺問題をテーマにする以前はフェアトレードや水問題等のテーマを用いることも検討していましたが、扱いたかったデータの収集が困難であったことを理由に、最終的に自殺問題をテーマとすることに決定しました。

中島:鈴木さんが言われているように最初はフェアトレードをテーマに扱おうと考えていました。それは自分が現在、フェアトレードを普及、販売する団体を立ち上げたことがきっかけです。しかしながら、現在、フェアトレードに関する統計データなどが限られており、あったとしても自分で整理しなければかなり扱いづらいものばかりでしたので諦めました。水問題に関しても同様で、データの扱い辛さに戸惑いました。結果として数字として扱いやすく、かつ自分たちの関心のあるテーマとして自殺問題を扱いました。

チームが結成された経緯を教えてください。また、どのようにデータ分析AWARDのことを知り、なぜ参加してみようと思われましたか。

鈴木:大学で行われているデータ・サイエンスの授業で、担当の井芹先生からデータ分析AWARDをご紹介いただき、データ分析のスキルを得られる良い機会になるのではないかと考えチームを結成しました。

中島:自分はかなり単純ですが、賞金に惹かれたことと同じ学部の先輩が前回のデータ分析AWARDで準優勝したことがきっかけです。参加する分には大きなデメリットはないと感じたのですぐに興味がありそうな人に声をかけて、鈴木さんが賛同してくれたので参加しました。

出場を決めてからの準備の時間はどのくらい取ることができましたか。本番に向けて、準備など進行はスムーズでしたか。

鈴木:出場を決定してからも他の授業の課題や準備であまり発表の準備をスムーズに進行することはできませんでした。実際、発表当日から遡って約2週間ほど前に準備を始め、最終的に発表する内容が完成したのはかなりギリギリになりました。
今回、計画的に予定を立て、時間に余裕のある状況で準備を進行できれば、より良い発表ができたと思います。

中島:時間はかなり少なかったです。そもそも学校の課題がずっしりとのしかかってきていて準備まで行けなかったのが事実です。それでも発表当日は少しづつ迫ってくるので時間を作って準備をしていたのを覚えています。

このチームの特徴や強みがありましたら教えてください。

鈴木:特に分析の部分での繋がりは意識しました。特に自分たちの発表は自殺というテーマに対して問いを5つ設けています。
始めてまだ日は浅く、データ分析を行う機会は他チームと比較し、少ない方だと思います。しかし、大学でプレゼンテーションを行う機会が多い私たちは、比較的発表を行うことに慣れていると思います。

中島:鈴木さんが言われるように、発表慣れしていることは強みだと思います。自分自身、成果物を発表するのは好きですし、当日はとてもリラックスして発表に挑むことができました。

プレゼンの様子

プレゼンの進行や話す人の切り替えがスムーズなのが印象的でした。良いプレゼンになるように意識した点や苦労した点がありましたら教えてください。

鈴木:良いプレゼンになるよう、一つ一つの内容につながりが出来るよう意識しました。また、発表ギリギリまで改善していたので、発表時はうまくできるか非常に緊張しました。

中島:たしかにそれぞれの問いが独立しすぎないように気をつけました。一つ一つが独立しすぎてしまうと話がスッと入ってこれなくなります。なるべく関連性の高いものを隣に置くようにしました。また、問いと仮説、分析結果の部分は説明に慣れているということで私がすべて担当しました。

まず仮説を立て、その検証を行う進め方をされていました。これは授業や課題などで普段からそのような進め方が習慣になっているのでしょうか。

鈴木:データ・サイエンスの授業で仮説を立ててから検証を行う形でデータ分析を行っていたことから自然と習慣になっていたのではないかと思います。

中島:IMRAD形式です。まずは問いから入り、仮説を立てました。そして分析方法を示したうえで、分析結果を読み取り、そこから導き出される考察を考えました。このような方法はデータサイエンス概論の授業で習いました。また、普段のほかの授業においてもエッセイやレポートを書くことが多く、慣れている部分はあると思います。

仮説と検証

グローバル・リベラルアーツ学部では主にどのようなことを学ばれるのでしょうか。その中で普段からデータを活用した授業が行われているのでしょうか。

鈴木:グローバル・リベラルアーツ学部では主に平和について学んでいます。平和とは何か、平和な世界を創るために私たちは何をすることができるのか、など様々な分野を幅広く学んでいます。データを活用する授業はいくつかあり、これまで私たちは、数的思考法やデータ・サイエンスの授業を受講してきました。

Tableauの使用歴はどのくらいですか。普段どのようにTableauの使い方を学んでいますか。また、Tableauの恩恵を受けていると感じられることがあれば教えてください。

鈴木:9月から週1度の授業を通してTableauを使用し始めました。Tableauのどこにどのようなデータを入力すれば、図や表を作ることができるのかを学びました。また、授業外の時間でもデータ・サイエンスの担当をされている井芹先生にお力添えをいただきました。

中島:同じく9月からの授業で初めて使い始めました。授業ではそこまで高度なことは学んでいません。私たちの学部は理系ではないので、発表で行った分析はかなりシンプルなものが多いことがわかると思います。Tableauの恩恵はこれから受けることになると思います。というのも、まだまだ扱うには能力不十分なところはあると考えているからです。これから自分が立ち上げた団体でデータを上手く用いることが出てくると思うので、使いながらまた勉強していきたいと考えています。

今回使用するデータはどのように選定、収集されましたか。また、データを集めたり分析する際に苦労したことはありますか。

鈴木:今回データ収集の際、自分たちが使用したいデータがなかなか見つからず、苦戦しました。使用したい年のデータがなかったり、Tableauに入れた際にうまく機能しなかったりと、データ収集に多くの時間を使用しました。

中島:使いたい、かつ扱いやすいデータを探すのが大変でした。世にあふれているデータのほとんどが扱いづらいものばかりだと痛感しました。これからはデータを扱える人間は重宝されそうだなと。
自分たちはまず、テーマ選びの時点で数値としてのデータが出やすいものを選びました。当初、テーマとして選んだフェアトレードや水問題は数字として変化を測ることが難しく、データが少なかったため、早々に諦めました。Tableau初心者2人が一からデータをクリーニングすることはさすがに荷が重いと感じたためにした決断です。今思えば、これは重要な決断だったと思います。

データを活用した発表

今回の発表を振り返り、時間があればやってみたかった、他にも挑戦してみたかったことはありますか。

鈴木:今回の発表を振り返り、課題が多く残ったため、時間があれば挑戦できたことや改善できた点も多かったのではないかと思います。

中島:鈴木さんが言われている通り、分析の中で生じた課題や疑問などについてもっと深堀りしたいと感じています。特に東北地方における自殺死亡率が高いという気付きに関して一体どのような要因が起因してそのような結果が生じているのか、検証してみたいと感じています。

チーム外にご協力をいただいた方はいますか。感謝のお言葉などもありましたらお願いします。

鈴木:データ・サイエンスの授業を担当をされている井芹先生は、お忙しい中私たちのためにたくさんの時間を設けてくださり、親身になってデータの使い方や、アドバイスをくださりました。井芹先生にはとても感謝しています。

中島:井芹先生には感謝しています。時間がない中で夜遅くまで面倒を見てくださりました。準優勝という結果は井芹先生のおかげです。本当にありがとうございます。

皆さんは今後、どのようなお仕事をしていきたいとお考えですか。そこにデータ分析やTableauの活用は含まれそうでしょうか。

鈴木:まだ具体的にしていきたい仕事は決まっていませんが、データ収集能力や活用、分析、そしてそれらをまとめられる能力があれば、今後どのような場面でも信頼できる情報を提供することができ、情報の可視化をすることもできるため、どのような仕事をしてもデータ分析のスキルは今後役立つ思います。

中島:将来のことははっきりとは決めていませんが、ここで得たデータ分析の能力は今後、自分の団体で活かしていきたいと考えています。

データ分析AWARDに参加されてのご感想をお聞かせください。

鈴木:今回、このような機会がなければTableauの活用方法にこんなにも興味を持つこともなかったですし、授業の内容を学ぶだけで終わっていたと思います。なので今回、このような機会を得ることができ、とてもよかったです。

中島:まずはTableauデータ分析Awardを開催していただいた、運営の皆さん、ありがとうございました。このような機会がなければ、データ分析の面白さに気づき、より追求していくことはなかったと思います。自分でデータを用いて分析するだけではなく、他者の発表も聞き、新しい知見を得られるだけでなく、データの見せ方や分析方法など大変勉強になりました。また、準優勝という結果も得ることができ、大変満足しています。

次回出場される皆さんへのアドバイスがありましたらお願いします。

中島:準備はしっかりと予定を立てて行うことです。課題などが多い学部は特に。
また、分析を行うにあたって、どうしてもテーマごとに難易度は変わってきます。自殺や気候変動(気温上昇)などは数値としてのデータが残りやすいので、データを探しやすいですが、大抵のものは数値として置き換えることが難しかったり、直近のデータしか存在せず、分析するにあたり、データ不足に陥る場合があると思います。慣れていない方は比較的優しいテーマを選び、それを深く追究していくことをお勧めします。
テーマ選びよりもいかにデータを可視化し、そしてそこから分析・考察していくのかというところが重要だと感じています。

おわりに

鈴木さん、中島さん、ご回答をいただき、ありがとうございました。
かなりお忙しい中、短時間でテーマの試行錯誤を繰り返し、最終的に自分たちの強みを活かして見事に準優勝という結果を残されました。
今後のご活動の中で、平和への貢献とデータ活用の組み合わせがとても楽しみです。

「より多くの人にデータ分析者・データアナリスト・データサイエンティストの道に興味を持ってもらいたい」と考えて、Tableauユーザーの有志で始めたAWARDです。優勝賞金は30万円、準優勝は10万円。 全国の大学生・大学院生・高専生が応募可能です。 2022年9月から応募開始です。

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