学生データ分析AWARD 2024 優勝チームインタビュー (神田外語大学チーム)

インタビュー 公開日:
ブックマーク
学生データ分析AWARD 2024 優勝チームインタビュー (神田外語大学チーム)
2024年12月に開催された学生データ分析AWARD 2024にて優勝に輝いた、神田外語大学チームのお二人にインタビューをさせていただきました。

2024年12月に開催された学生データ分析AWARDにて優勝に輝いた、神田外語大学のお二人にインタビューをさせていただきました。
ベトナム、インドネシアなどから42万人以上の方々が利用している技能実習生制度について、その課題点を探り解決への提案までデータを活用した分かりやすいプレゼンテーションにまとめられていました。
どのようにデータと向き合い、発表を作り上げていったのでしょうか。

タイトル

技能実習生が働きやすい社会づくり

メンバー

田澤章帆さん 神田外語大学 グローバル・リベラルルアーツ学部
荒崎智芳さん 神田外語大学 グローバル・リベラルルアーツ学部

(以下敬称略とさせていただきます)

チームが結成された経緯を教えてください。どのように学生データ分析AWARDのことを知り、なぜ参加してみようと思われましたか。

データサイエンスの授業でのペアワーク発表がきっかけでした。発表の後、担当の先生からAWARD出場に関するアンケートがあり、興味があると回答しました。事前にペアワークをしていたので、その延長線上で挑戦してみることにしました。また、このコンテストを通して、Tableauとデータの扱い方を学ぶことは、将来社会に出たときに必ず役立つことだと考えたからです。

神田外語大チーム

なぜこのテーマに決定されたのでしょうか。

田澤:日本語教育のインターンシップでカンボジアの送り出し機関を訪問したことが、今回のテーマを選んだきっかけです。その際、技能実習生たちが挨拶のマナーを身に着けたり、熱心に発音練習に取り組んだりしている様子を目の当たりにし、彼らが日本で働くことに対して大きな希望や期待を抱いていることを実感しました。一方で、日本では技能実習生の労働環境が社会課題となり、技能実習制度から育成就労制度への移行など、制度の変化が起きている現状があります。実際、送り出し機関の方からも、実習生が日本で働き始めた後にネガティブな知らせが届くことがあると伺いました。こうした現実を知る日本人として、彼らが日本で働くことに抱いている前向きな気持ちを心から応援できない自分に気づき、衝撃を受けました。そこで、技能実習生がより良い環境で働けるように、何か自分にできることはないかと考えるようになりました。その結果、今回の目的として、技能実習生が直面している困難を明らかにし、その解決に向けた具体的なアクションを提案することをテーマに選びました。

荒崎:以前授業内発表で使用したデータは在留外国人についてのものだったため、より深く知りたいと思いこのテーマにしました。また、大学の様々な授業で世界の現状や社会問題などについて学ぶ機会がありましたが、日本の少子高齢化問題はしばしば触れられることがあったことと、普段生活をしていても少子高齢化を感じる場面があったため、この社会問題は深刻であると実感しました。一方で近年、日本への外国人観光客や技能実習生も増加傾向にあることはニュースなどで知っていました。しかし技能実習生に対するニュースは明るいものばかりではありませんでした。それを見るたびに、日本に期待を持ってきた技能実習生たちが、彼らの母国へ帰国する際にも日本へ来て良かったと思えるようになってほしいと感じていました。そこから日本へ学びにきた外国人と共に協働することは、お互いの国や文化を知るきっかけにもなり得るし、結果的に社会問題の解決に繋がるのではないかと考えたからです。

出場を決めてから準備の時間はどのくらい取ることができましたか。本番に向けてスムーズに進みましたか。

二週間ほどでした。しかしテーマを変更したため、実際に今回のテーマに決まってからの準備期間は1週間ほどでした。初めのテーマはジェンダーにおける多様性だったのですが、お互いの知識が同じくらいのテーマの方がやりやすいと分かり、変更しました。振り返ると、時間のない中で変更するか迷いましたがテーマ変更の選択は正しかったと思います。

このチームの特徴や強みがありましたら教えてください。

意見の食い違いがあったとき、お互いの意見を妥協せず共有し、考えることができます。
学校生活で、日ごろから英語や留学生と関わることが多いのが強みなので、今回のコミュニティ形成の提案や言語AIの活用につなげることができたと思います。

kg1.png

発表をお聞きして、お話の組み立て方がとてもお上手であると感じました。データを用いて状況を説明し、課題を洗い出し、そこに対するアプローチを説明する流れが円滑で理解しやすかったです。このような流れは、普段の授業での学習で身についたものですか。

私たちの学部は普段から授業内でプレゼンをする機会が多いです。グループ発表でやるものもあればペアや個人でやるものもあります。テーマを決め、多角的な視点から課題を見つけ出し、自分たちのアイデアを出し合って解決策を導くという過程を入学以降何度も体験しているので、今回の発表にもこの点を生かすことができたと思います。

資料もシンプルでありながら的確で、聞いている側が受け入れやすいものでした。資料作りについて工夫したことなどはありますか。

実際は資料のデザインなどにももう少し力を入れたかったのですが、時間も限られておりデータを可視化する過程に時間がかかったので、デザイン重視よりも、目で見て内容を簡潔に理解できる資料作りに変更しました。背景色には寒色を使用し、グラフやマークなどが目立ちやすいように心がけました。ところどころイラストを差し込んだりデザインを工夫したりして見ていても面白いと感じるものを作りたいと考えました。

プレゼンの進行もスムーズで聞きやすかったです。良いプレゼンになるように意識した点や苦労した点がありましたら教えてください。

前半と後半で分けて発表する方式にしました。お互いが説明しやすいパートを選択したため、その分理解も深いので説明もスムーズにできたのではないかと考えます。

提案の中にはAIの活用も含まれていました。普段の授業や課題の中でもAIの活用は自然に考慮するようになっていますか。

授業によってAIを認められている場合とそうでない場合があるため、AI活用を普段からしているというわけではありません。しかし、私たちの学部には実際にAIを使用し、AIのメリット・デメリット、何ができて何ができないのか、などということを学べる授業があります。このような授業を通して上手に効果的にAIを使用するという方法を身につけることができたのではないかと考えます。

課題解決のためにコミュニティの提案がありました。実現に向けた活動などをされるご予定はありますか。

現時点では、具体的に考えていません。ですが、これからより技能実習生の実情を知るために勉強をして行きたいと思います。そして、彼らが必要としていることを明確にし、大学生、行政、技能実習生機構と繋がっていきたいと考えています。

Tableauの使用歴はどのくらいですか。普段どのようにTableauの使い方を学んでいますか。また、Tableauの恩恵を受けていると感じられることがあれば教えてください。

二人とも、二か月ほどです。9月からのデータサイエンス概論の授業で使用するようになりました。先生の使用方法の解説のもと、サンプルデータを用いてTableauの使い方を学びました。
現在取り組んでいるプロジェクトの必要性の根拠としてTableauを用いてデータを証明しようと考えている段階です。この場面においてTableauの恩恵が受けられるのではないかと考えます。

今回使用するデータはどのように選定、収集されましたか。また、データを集めたり分析する際に苦労したことはありますか。

政府統計データに様々な情報があり、オープンデータが豊富だったため、助かりました。
ですが、技能実習生を含む在留外国人の言語力にフォーカスしたデータというものは集めるのが難しかったです。そのため、在留外国人の抱える困難として言語の壁があげられていることに焦点を当てました。

今回の発表を振り返り、時間があればもっとやってみたかったこと、挑戦してみたかったことはありますか。

荒崎:時間があればもう少しスライドのデザインを工夫したかったです。今回は本当にシンプルなもので、これはこれで良かったのですが、もし時間があればまた違うデザインに挑戦していたと思います。Tableauももう少し色々な分析方法を使用してみたかったなと思います。

kg2.png

チーム外にご協力をいただいた方はいますか。感謝のお言葉などもありましたらお願いします。

データサイエンス概論担当の井芹先生です。先生から、授業との両立のために参加に後ろ向きだったのを、参加してみないかと背中を押していただきました。
また、発表に向けてTableauの使い方からそのデータからどう考えるかの様々な視点をご指導いただき、我々の考える提案の根拠になるデータ分析を行うことができました。またEuan先生のチャットボットも使用させていただきました。
先生方のご指導・ご協力があってこその優勝です。本当にありがとうございました。感謝申し上げます。

お二人は今後、どのようなお仕事をしていきたいとお考えですか。そこにデータ分析やTableauの活用は含まれそうでしょうか。

田澤:日本に住む外国籍の子どもたちをサポートするウェブサイトの作成とイベントの開催のプロジェクトを進行しています。プロジェクトを提案するにあたり、なぜその取り組みに需要があるのかを示すためにはデータからの根拠が必要となります。その際に、今回のようなデータ分析、Tableauが活用されていくと考えます。さらに、ジェンダーに関する量的研究を考えています。卒業論文で質的な研究を行いました。その裏付けとなる根拠として量的研究からデータ分析を活用できるのではないかと考えます。

荒崎:将来は現在大学で学んでいる言語を生かして日本や外国でお仕事をしたいと考えています。現在の目標は在外公館派遣員になることです。大学2年生ということもあり、これからも様々な経験をすると思うので一つ一つの糧を大切にしていきたいです。Tableauやデータ分析に触れる機会があれば今回の経験を生かしたいと考えています。

学生データ分析AWARDに参加されてのご感想をお聞かせください。

荒崎:私はデータを扱う分野は苦手だからこそ今回挑戦しましたが、改めて参加して良かったと思います。少しずつですが、データに馴染んできたり、他の発表を聞いて勉強になることも多くありました。本番までは本当に忙しく不安もとてもありましたが、頑張りが結果として現れたことは非常に嬉しかったです。ありがとうございました。

田澤:数学が苦手な私は、データ分析とは無縁で、大学の授業の単位のために取り組んでいました。ですが、今回の参加を機に、データを使って物事を説明することがいかに大切なことなのかを知ることができました。データの根拠に基づき、これまでの経験を結びつけることができ嬉しかったです。今後のキャリアにつながるよい経験となりました。

次回出場される皆さんへのアドバイスがありましたらお願いします。

荒崎: 少しでも興味がある、やってみようかなと感じたのなら参加した方がいいと思います。また私は本当にデータなどが苦手ですが、今回このような結果に繋がったので、データなどに苦手意識を持っている方でも自分のできる範囲で最大限の工夫をすれば、きっと楽しく、参加して良かったと感じると思います。応援しています。

田澤:ぜひ、挑戦してください!なにか解決したいことや疑問を持っている事象に対して、データという根拠に基づいて証明することができます。これは、他者に物事をわかりやすく納得してもらうために重要なスキルとなります。頑張ってください!

インタビューにご協力いただきました、田澤さん、荒崎さん、ありがとうございました!

「より多くの人にデータ分析者・データアナリスト・データサイエンティストの道に興味を持ってもらいたい」と考えて、データ分析ユーザーの有志で始めたAWARD、学生データ分析AWARDです。優勝賞金は30万円、準優勝は10万円。 全国の大学生・大学院生・高専生が応募可能です。 2024年10月から応募開始です。

テクノロジーと共に成長しよう、
活躍しよう。

TECH PLAYに登録すると、
スキルアップやキャリアアップのための
情報がもっと簡単に見つけられます。

面白そうなイベントを見つけたら
積極的に参加してみましょう。
ログインはこちら

タグからイベントをさがす