PHPのisset・empty・is_nullの違いを理解しよう

はじめに

PHPには、変数の状態を確認するための関数がいくつかありますが、その代表的な関数としてisset・empty・is_nullがあります。これらの関数は似ているようで、実はそれぞれ異なる挙動をします。

まずそれぞれの関数の比較表をご紹介した後、それぞれの関数について詳しく解説します。

isset・empty・is_nullの比較表

isset・empty・is_null、それぞれの関数に該当の値をセットすると、次の結果が返却されます。

それぞれの関数の挙動

それでは関数ごとに詳しくみてみましょう。

isset

isset関数は、変数がセット（宣言）されていて、かつNULLでない場合にtrueを返します。

ポイントは、「変数がセット（宣言）されている」かどうかです。

例えば、$varが未定義の場合、

// $varが未定義
var_dump(isset($var));   // false

変数がセットされていないので、falseが返却されます。

またnullがセットされている場合、

$var = null;
var_dump(isset($var));   // false

同じくfalseが返却され、これ以外はtrueが返却されます。

empty

empty関数は、変数が空であるかどうかを確認します。変数がnull、0、空文字、空配列などの場合にtrueとなります。

ポイントは、「変数が空であるか」どうかです。

empty関数でtrueになる例を見てみましょう。

$var = '';
var_dump(empty($var));   // true

$var = 0;
var_dump(empty($var));   // true

$var = null;
var_dump(empty($var));   // true

$var = [];
var_dump(empty($var));   // true

// $var2が未定義
var_dump(empty($var2));   // true

上記以外の場合は、falseが返却されます。

is_null

is_null関数は、変数がnullである場合にtrueを返します。

ポイントは、その名の通り、「nullであるか（もしくは未定義か）」どうかです。

$var = null;
var_dump(is_null($var));   // true

// $var2が未定義
var_dump(empty($var2));   // true

上記以外の場合は、falseが返却されます。

注意点（未定義の変数）

最後にもう一歩踏み込んで、未定義の変数を扱う際の注意点をお伝えします。

上記の比較表を見ると、issetとis_nullは正反対の判定をしているように見えます。
しかし、is_nullは未定義の変数に対して使用すると、前述した通りtrueを返却すると同時に、Warningが発生します。

ですので、isset = !is_nullと思い、is_nullを使って判定を書いてしまうと、意図せずWarningを発生させてしまうことになるので、注意が必要です。

// $varが未定義
var_dump(isset($var));   // false
var_dump(!is_null($var));   // false + $varが未定義のため、Warningが発生する

おわりに

isset・empty・is_nullは間違いやすい関数ではありますが、よく使う関数でもあります。
その特性をよく理解して、適切に使用できるようにしましょう。