VR（バーチャルリアリティ）アプリをできるだけ簡単かつ最速で作る方法を紹介します。作ったアプリはパソコン、スマホ、VRデバイス（Meta Quest2/3/3S）で遊べます。開発にはHTMLとJavaScriptを使います。A-Frame（エイ・フレーム）というオープンソースのツールを使うことで、数行〜数十行のコードを書くだけで本格的なVRアプリができます。 A-Frameの基本的な使いかたから始め、画像、動画、音声など様々なメディアの利用方法、3DCGモデルの利用方法、アニメーション付けの方法、様々なインタラクションや空間の移動方法、物理シミュレーションの利用方法、360度写真／動画の利用方法、そしてAR（拡張現実）やMR（複合現実）の作り方まで、A-Frameの機能を使い倒します。日本語ではまとまった情報が少ないA-Frameですが、環境の構築〜開発〜公開まで、ゼロからVR開発を始めることができるよう、できるだけ詳細に解説しました。 本書の主な対象は大学生を想定しました。本書は、筆者が勤めている大学の授業で用いている自作テキストを一般向けに改編したものです。とはいえ、プログラミングなどの経験が無くても作れるよう、詳細な解説に努めましたので、大学生でなくても、専門学校生、高専生、高校生でも、もちろん一般のかたでも、本書に沿ってVRアプリ開発を進められると思います。 筆者は2019年に『VRアプリを作ろうーA-FrameでかんたんWebVR入門』という書籍を出版しました。本書はその改訂＆大幅パワーアップ版にあたります。A-Frame自体も当時よりたいへん強力になりました。また、筆者の授業で教材として使いながら、例題や解説の分かりやすさを向上させ、つまずきがちなポイントの解消に努めてきました。結果として分量は98ページから196ページと、2倍に大増量となりました。 ぜひごいっしょにVRの世界に一歩を踏み出しましょう。