PLL回路の設計と応用【オンデマンド版】

書籍情報

発売日 : 2022年12月05日

著者/編集 : 遠坂 俊昭

出版社 : CQ出版

発行形態 : 単行本

ページ数 : 320p

書籍説明

内容紹介

PLL回路設計では,各ブロックの伝達関数を求めて,負帰還の位相余裕からループ・フィルタの特性を目的に応じて設計することが重要です.ループ・フィルタ定数の算出と多くの設計事例を示しながら,シミュレーションと実測によりその特性を検証しています.

目次

★目次

☆第1章 PLLの動作と回路構成
◎   PLLとシンセサイザ技術のあらまし
○ 1.1 PLL回路の基本動作
  ●PLL回路を構成する三つのブロック
  ●PLLの応用と周波数シンセサイザ
  ●PLL回路の各部の動作波形
○ 1.2 PLL回路および周波数シンセサイザの構成
  ●入力周波数のN倍出力を得る方法
  ●入力周波数のN÷M倍出力を得る方法---入力に分周回路を入れる
  ●入力周波数のN÷M倍出力を得る方法---出力に分周回路を入れる
  ●入力周波数のN×M倍出力を得る方法---プリスケーラを追加する
  ●ヘテロダインと組み合わせる---(fin×N)+fLを得る
  ● DDS(Direct Digital Synthesizer)と組み合わせる
○ 1.3 PLLシンセサイザでは信号純度がポイント
  ●理想シンセサイザ出力は1本のスペクトル
  ●AM---振幅変調が起こると---AM性ノイズ
  ●FM---周波数変調されると---FM性ノイズ
  ●FM性ノイズの影響
○ 1.4 シンセサイザ以外へのPLLの応用
  ●ディジタル・データからのクロック再生
  ●周波数-電圧変換---FM復調回路
  ●モータの回転スピード制御
○ コラム■dBcとは
○ コラム■PLL回路の発明はベルシーゼ氏

☆Appendix A PLL回路はOPアンプと同じ負帰還の応用
○ A.1 OPアンプ回路との相似
  ●PLL回路とOPアンプ回路の似ているところ
  ●PLL回路とOPアンプ回路の違うところ
○ A.2 増幅回路に学ぶ負帰還の仕組みと特性
  ●負帰還のあらまし
  ●負帰還によって改善される特性
  ●負帰還のもっている問題点---動作不安定になる条件
  ●負帰還のようすをシミュレーションする
  ●利得-周波数特性のピークをAβの複素平面に見る

☆第2章 PLL回路の伝達特性
◎   PLL回路の特性はループ・フィルタで決まる
○ 2.1 PLL回路の伝達特性を理解しよう
  ●PLL回路の各部の伝達特性
  ●簡単な例題---クロック50逓倍回路のとき
  ●ループ・フィルタ特性を除いた伝達特性を求める
  ●使用しているループ・フィルタ特性とPLL回路の伝達特性
  ●PLL回路における負帰還の効果
○ 2.2 ループ・フィルタ設計の基礎知識
  ●CRローパス・フィルタの詳しい特性
  ●ステップ特性をもたせたCRローパス・フィルタ
  ●CR多段フィルタにおける利得と位相の関係
  ●普通のCRローパス・フィルタ---ラグ・フィルタを用いると不安定
  ●安定なPLLにはラグ・リード・フィルタ
○ コラム■シミュレーションにはSPICEが便利

☆第3章 PLL回路のループ・フィルタ設計法
◎   パッシブ/アクティブ・ループ・フィルタの設計事例と検証
○ 3.1 パッシブ・ループ・フィルタの設計
  ●ラグ・リード・フィルタのボーデ線図
  ●PLL回路とラグ・リード・フィルタを組み合わせたときの特性
  ●分周数が変化すると
  ●ループ・フィルタの定数を正規化グラフから求める--- Appendix Bを参照
○ 3.2 10~100kHz PLLシンセサイザのループ・フィルタ設計
  ●実験するシンセサイザのあらまし
  ●ループ・フィルタを除いた伝達特性を求める
  ●時定数:小,M=-10dB,位相余裕60°で設計する
  ●時定数:中,M=-20dB,位相余裕50°で設計する
  ●時定数:大,M=-30dB,位相余裕50°で設計する
  ●試作器の出力波形を見ると
  ●出力スペクトラムを観測すると
  ●ロック・スピードはどうなったか
○ 3.3 アクティブ・ループ・フィルタを使うとき
  ●アクティブ・ループ・フィルタとは
  ●2次アクティブ・ループ・フィルタのボーデ線図はどうなるか
  ●3次アクティブ・ループ・フィルタ
  ●アクティブ・ループ・フィルタのノイズ
  ●アクティブ・ループ・フィルタの定数を正規化グラフから求める
○ 3.4 25~50MHz PLLシンセサイザのループ・フィルタ設計
  ●実際の回路でアクティブ・ループ・フィルタを設計する
  ●正規化グラフを使用し,ループ・フィルタの定数を求める
  ●時定数:小,M=0dB,位相余裕50°で設計する
  ●時定数:中,M=-10dB,位相余裕50°で設計する
  ●時定数:大,M=-20dB,位相余裕50°で設計する
  ●試作器によるデータ---出力波形
  ●出力スペクトラム
  ●ロック・スピードはどうなっているか
  ●ロック・スピードをシミュレーションする
○ 3.5 位相余裕による特性の違い
  ●実験は50逓倍回路で
  ●ループ・フィルタの設計
  ●位相余裕が40°のとき
  ●位相余裕が50°のとき
  ●位相余裕が60°のとき
  ●シミュレーションで周波数特性を見る
  ●出力波形のスペクトラム
  ●ロック・スピードはどうなったか
  ●PLL回路の最適位相余裕は40°~50°
○ コラム■周波数変動のようすを測定できるモジュレーション・ドメイン・アナライザ

☆第4章 4046と位相比較器のいろいろ
◎   PLL回路に使用する定番デバイスの基礎知識
○ 4.1 PLLの定番デバイスは4046
  ●PLLの入門は4046から
  ●4046にも三つのタイプがある
  ●74HC4046は位相比較器を3種類内蔵
  ●4046に内蔵されているVCOの特性
○ 4.2 位相比較器の働きがポイント
  ●アナログ位相比較器
  ●ディジタル位相比較器
  ●位相周波数型比較器
  ●4046のPC2タイプ位相比較器
  ●デッド・ゾーン
  ●電流出力タイプ位相比較器
  ●高速位相比較器AD9901

☆第5章 電圧制御発振器VCOの回路技術
◎   VCOに求められる特性とさまざまな発振回路の方式
○ 5.1 VCOに要求される性能
  ●VCOのあらまし
  ●周波数可変範囲
  ●周波数制御の直線性
  ●出力ノイズ
  ●出力波形歪み
  ●電源電圧変動に対する安定度
  ●周囲温度変化に対する安定度
  ●外部磁界や振動による影響
○ 5.2 弛張発振器によるVCOの構成
  ●ファンクション・ジェネレータの基本動作
  ●ファンクション・ジェネレータによるVCOの構成
  ●ファンクション・ジェネレータIC MAX038の利用
○ 5.3 帰還発振器
  ●帰還発振器の基本動作
  ●帰還発振器を安定発振させる工夫
  ●RCによる帰還発振器の構成
  ●ステート・バリアブルVCO
○ 5.4 高周波で利用するLC発振回路とVCOへの利用
  ●基本はハートレイ/コルピッツ発振回路
  ●コルピッツを改善したクラップ発振回路
  ●反結合発振回路
  ●LC発振器をVCOにする可変容量ダイオード
  ●市販されているLC発振VCO
○ 5.5 その他のVCO
  ●振動子による帰還発振器
  ●遅延発振器

☆第6章 プログラマブル分周器の種類と動作
◎   PLLシンセサイザを構成するためのディジタル回路
○ 6.1 プログラマブル分周器の基本はダウン・カウンタ
  ●74HC40102/40103
  ●TC9198
○ 6.2 プリスケーラ(prescaler)
  ●プリスケーラIC
  ●パルス・スワロウ方式
  ●フラクショナルN方式
○ 6.3 PLL用のLSI
  ●PLL専用LSIの構成
  ●ADF4110/4111/4112/4113

☆第7章 PLL回路の計測と評価法
◎   パッシブ/アクティブ・ループ・フィルタのループ利得
○ 7.1 負帰還回路のループ利得の計測
  ●ループ利得の計測は難しい
  ●負帰還を施したままループ利得を計測
  ●負帰還ループ計測をシミュレーション
  ●実際に信号を注入するには
○ 7.2 FRAを利用する
  ●負帰還ループ特性計測のためのFRA
  ●FFTとの違い
  ●ネットワーク・アナライザとの違い
○ 7.3 PLL回路のループ利得測定
  ●バッシブ・ループ・フィルタを利用したPLL
  ●アクティブ・ループ・フィルタを利用したPLL

☆第8章 PLLの特性改善ノウハウ
◎   信号純度やロック・スピードを向上させるテクニック
○ 8.1 電源をきれいにする
  ●CMOSインバータ回路で実験してみると
  ●水晶発振回路で実験
  ●シリーズ・レギュレータの雑音特性を比較する
○ 8.2 VCOの制御電圧特性を改善する
  ●CD74HC4046のVCOの直線性を改善する
  ●CD74HC4046のVCOの周波数可変範囲を広げる
○ 8.3 VCOと位相比較器の干渉
  ●74HC4046はVCOと位相比較器が同居
  ●まずは74HC4046を1個で実験する
  ●74HC4046を2個使用し,VCOと位相比較器を分離する
○ 8.4 位相比較器のデッド・ゾーン
  ●74HC4046でデッド・ゾーンの影響を実験する
  ●PC2とバリメガVCOを組み合わせる
  ●4046のPC1とバリメガVCOを組み合わせる
  ●74HCT9046とバリメガVCOを組み合わせる
○ 8.5 ロック・スピードの改良
  ●ダイオードによるループ・フィルタ定数の切り替え
  ●アナログ・スイッチによるループ・フィルタ定数の切り替え
  ●D-Aコンバータによるプリセット電圧の加算

☆第9章 実用PLLシンセサイザの設計/製作
◎   ループ・フィルタの詳細設計と実測特性で示す
○ 9.1 74HC4046を使用したクロック・シンセサイザ
  ●実験などに便利な1Hz~10MHzの水晶代用シンセサイザ
  ●回路構成の特徴---すべてCMOS ICを使用
  ●ループ・フィルタの設計
  ●出力波形
  ●スペクトラム
  ●ロック・スピード
○ 9.2 TLC2933を使用したクロック・シンセサイザ
  ●TLC29xxシリーズのあらまし
  ●クロック・シンセサイザの回路
  ●ループ・フィルタを設計する
  ●出力波形のスペクトラムを計測
○ 9.3 HFシンセサイザ
  ●HFシンセサイザの回路
  ●ループ・フィルタの定数を求める
  ●スペクトラム
  ●ロック・スピード
○ 9.4 40MHz周波数基準信号用PLL
  ●40MHz周波数基準信号用PLLの回路
  ●ループ・フィルタの設計
  ●出力波形
○ 9.5 低歪み低周波PLL
  ●低歪み低周波PLLの回路
  ●ループ・フィルタの設計
  ●出力波形の合成

☆ Appendix B ループ・フィルタ設計のための正規化グラフ

著者情報

遠坂 俊昭
PLL回路の設計と応用【オンデマンド版】

3,520円 (税込)

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