超デジタル世界

書籍情報

発売日 : 2023年01月24日

著者/編集 : 西垣 通

出版社 : 岩波書店

発行形態 : 新書

書籍説明

内容紹介

誹謗中傷やフェイクニュースがあふれ、詐欺やサイバー犯罪で脅かされる場となりつつあるインターネット。DXやメタバースがこの傾向を助長することはないのか。日本がデジタル後進国となってしまった原因は?インターネットを健全な集合知のうまれる場とする道筋を考え、日本のとるべき道を探る。著者渾身の書き下ろし。

目次

 はじめに

第一章 DXとはオープンネット化
 デジタル敗戦
 行政デジタル化の挫折
 DXの本質
 オープンネットの弱点
 デジタル庁の役割

第二章 メタバースの核心
 超世界のなかのAI
 AIユートピア
 シンギュラリティと超人間主義
 AIディストピア
 メタバースと意味の不在
 ソサエティ5・0

第三章 ネット集合知をうむオートポイエーシス
 インターネットの分権思想
 集合知を問い直す
 ポストモダニズムとデータ科学の矛盾
 新実在論の限界線
 主観が客観をつくる
 ネオ・サイバネティクスと閉鎖性
 オートポイエーシスから基礎情報学へ

第四章 分断深めるデジタル大国アメリカ
 トランプ現象とQアノン
 集合知シミュレーションの教訓
 デジタルな魔術的支配
 多文化主義の陥穽
 没落する中間層
 ポスト・アメリカニズムへの渇望

第五章 日本はデジタル化できるのか
 輸入される知
 トップダウンDXの危うさ
 オモテナシの裏側
 内むきの完璧主義
 日本人とロボット
 安心サブネットと情報教育深化

 主要引用参照文献
 図表出典一覧

著者情報

西垣 通
西垣, 通, 1948-