他ファームと何が違うのか?富士通のコンサルティング組織「Uvance Wayfinders」の魅力
2025年4月、富士通はコンサルティング専門組織のグローバルコンサルティングビジネスグループ「Uvance Wayfinders」を新設した。Uvance Wayfindersは同社グループの顧客対応部門や、AI・量子コンピューティングなどの先進技術部門と連携し、プロジェクトをリードしている。従来のコンサルティング組織や他のコンサルティング企業とどう違うのか。Uvance Wayfinders Japanを率いる工藤 晶氏をはじめとする主要メンバーがUvance Wayfindersの魅力を語った。2025年4月、富士通はコンサルティング専門組織のグローバルコンサルティングビジネスグループ「Uvance Wayfinders」を新設した。Uvance Wayfindersは同社グループの顧客対応部門や、AI・量子コンピューティングなどの先進技術部門と連携し、プロジェクトをリードしている。従来のコンサルティング組織や他のコンサルティング企業とどう違うのか。Uvance Wayfinders Japanを率いる工藤 晶氏をはじめとする主要メンバーがUvance Wayfindersの魅力を語った。
アーカイブ動画
「Uvance Wayfinders」のビジョンと現在地
富士通株式会社
Head of Japan, Managing Partner,
Uvance Wayfinders
工藤 晶(くどう・あきら)氏
Uvance Wayfinders(以下、Wayfinders)とはどんな組織か。その紹介をするために、日本統括としてWayfindersの日本展開を推進する工藤氏が登壇した。
Wayfindersの語源であるWayfindingとは、道なき状況や不確実な環境下で、雲・太陽・波・鳥の動きなど自然のサインを頼りに大洋を航海する伝統技術。「AIや量子などの新しいテクノロジーが登場し、ビジネスを取り巻く状況はめまぐるしく変わっています。そんな中でお客さまが目的地に向かうためには、先頭に立ってお客さまをリードするだけではなく、時には殿(しんがり)を務めることも必要です。そんな役割を担う仲間の集まりであるという思いを込めて、Wayfindersと名付けました」(工藤氏)
Wayfindersは「4つの方法でお客さまへの価値を向上させる」と工藤氏は言う。1つ目はフジトラ(Fujitsu Transformation:2020年10月から本格始動した全社DXプロジェクト)のインサイトを体系化。「2019年に時田が社長に就任して以降、富士通は大きく変わった」と工藤氏。その改革の経験を惜しまず体系化して公開・提供。経験を基にお客さまの課題に挑むのだ。2つ目は業務改革への踏み込み。SE中心にお客さま課題に挑む場合、業務自体を変えていくという発想に結び付けるのは難しい。そこでWayfindersのコンサルタントが入り、お客さまの業務やビジネスの変革に踏み込んでいくという。3つ目は最新技術の活用。「富士通の研究所ではAIや量子、スパコンなどさまざまな最新技術の研究が行われています。私たちは研究所の皆さんとそれらの技術をどうビジネスに生かしていけば良いか議論し、お客さまに価値あるものとして展開できるように取り組んでいます」(工藤氏)
4つ目は富士通の文化を継承。「最後まで逃げずにお客さまと共に成果を届けるところまでサポートします」(工藤氏)
Wayfindersが設ける5つのコンサルティングケイパビリティ
Wayfindersは5つのコンサルティングケイパビリティを設けている。
まずは業種別コンサルティングを行うインダストリー。お客さまの言葉が理解できないと、課題もわからない。そこで業種ごとに専門性を持ったコンサルタントが担当する。次はオペレーション。「オペレーションを改革するチームとインダストリーを担当するチームが一緒になってお客さまの事業変革に携わります」(工藤氏)
だが、変革をしようとするとそれを阻む社員が出てくることがある。そこでマネジメントを変えたり、デザインコンサルティングなどを行うのが体験コンサルティング。これらの変革の土台となるのがテクノロジー。そしてこれら4つのケイパビリティの中心にあるのが、データ&AIである。「この5つのケイパビリティを拡充しながら、お客さまに提供していくことを考えています」(工藤氏)
Wayfindersが手掛ける事例紹介
富士通株式会社
Head of Global Technology Practice, Managing Partner,
Uvance Wayfinders
三原 哲(みはら・さとし)氏
Wayfindersではどのようなプロジェクトを実施しているのか。それを紹介したのがグローバルテクノロジープラクティスヘッドの三原 哲氏である。まず三原氏はプロジェクトを遂行する際の基本的な考え方を説明した。「富士通がまたコンサルティング部門を立ち上げたんだと受け取っている人もいるはず」と三原氏。
Wayfindersが持つ2つの特徴
Wayfindersはこれまでのコンサルティング会社やITベンダーとは異なる2つの特徴があるという。1つが「その場で課題解決できるフォワードデプロイ型のワン・シングルチーム」。「我々にプラスして、研究所の技術者やSE、デザイナー、フジトラの実務経験者などをプロジェクトチームにアサインしています。またお客さまの課題を解決するため、メンバーは固定ではなく動的にアサインを組み替えることもあります」(三原氏)
メンバー組み替えだけではない。一般的なコンサルティングプロセスは、最初にマネジメントコンサルティングから始まり、次にITコンサルタントがお客さまと話をして仕様を決め、それを基にSEが実装。稼働後はオペレーション担当のエンジニアが、オペレーションをサポートするというプロセスをたどる。だがWayfindersの場合は、ワンチームによる一気通貫なので、パラレルで物事を動かしていくこともできる。「そこが競合他社と大きく違うところ」と三原氏は語る。
もう1つが「スライドではなく、実際に動くものでプロジェクトを推進すること」だ。「特にAIのプロジェクトは進化が激しいので、今何ができるのかを都度、確認しながら進んでいくことが大事だと考えています」と三原氏は説明する。
この2つの特徴を生かして、「できるだけ早く価値の創出につなげていく」(三原氏)と言う。

Wayfindersが手掛ける3つの特徴的な事例
具体的な事例として最初に挙げたのは、製造業A社のデジタルツイン化による業務改革事例。製造業A社ではいち早く全社業務をデジタルツイン化する方針を定め、現在Wayfindersと共にデジタルツイン化に取り組んでいる。「サプライチェーンの一部領域から始めて、アジャイルでデジタルツイン化を拡大。可視化にとどまらず、AIを活用した業務の高度化にも取り組んでいる」(三原氏)
2つ目は、金融業B社によるAI駆動型開発導入によるサービス改善事例。「AI駆動型開発はシステム開発の効率を上げるだけではないと私たちは考えている」と三原氏。例えばサービスをより早く、品質も高く、低コストで提供できることはもちろん、コストが削減された分を新しい投資に回すこともできる。「非常に意義のあること」と三原氏は語る。
今回B社で行っているプロジェクトは、ミッションクリティカルな基幹システムの開発をAI駆動型に置き換えていくというもの。「新規開発だけではなく保守開発も含め、すべてのプロセスをAI駆動型に変えていこうとしています」(三原氏)
3つ目は、エンターテインメント会社C社の新ビジネスモデルによる新たな収益源獲得の事例。「資料レベルで構想するだけではなく、実際に動くものを日々、お客さまと一緒につくりながら取り組んでいます。カルチャー変革も兼ねているので、非常にワクワクするプロジェクトです」(三原氏)
パネルディスカッション
工藤氏、三原氏のセッション終了後、Wayfindersのコンサルタントによるパネルディスカッションが行われた。パネラーとして登壇したのは末崎 大輔氏、タライル シリル氏、丸山 れいも氏の3人。工藤氏がファシリテーターを務めた。
富士通株式会社
Associate Partner
Uvance Wayfinders
末崎 大輔(すえざき・だいすけ)氏
富士通株式会社
Associate Partner
Uvance Wayfinders
タライル・シリル氏
富士通株式会社
Associate Partner
Uvance Wayfinders
丸山 れいも(まるやま・れいも)氏
——自己紹介と富士通に入社した理由
工藤氏:自己紹介をお願いします。
末崎氏:新卒で富士通のグループ会社に入社し、9年間、システムエンジニアとして従事していました。その後、コンサルティングファーム2社を経験。両社で17年ほどコンサルタントとして従事し、2025年7月に富士通に戻ってきました。テクノロジーに強い会社で仕事をしたいという思いを軸に、転職先を探していました。転職エージェントの担当者から、富士通が本気でコンサルティング部門をつくろうとしているという話を聞き、興味を持ちました。また自分がシステムエンジニアからコンサルタントにキャリアチェンジした経験も、富士通なら生かせると思い、富士通の門を叩きました。
シリル氏:私は来日して18年になります。アニメーションや動画、UI/UXなど主にクリエイティブを得意としていますが、開発やWebデザインなどさまざまな仕事に従事してきました。日本でも複数の会社を経験していますが、最も長く働いたのはコンサルファームです。9年間従事した後、三原さん経由でこれまでとは違う形のコンサルティング組織をつくると聞き参画を決めました。実は、私は富士通をエアコンの会社だと思っていたのです。だから親に富士通に就職するというと、「エアコンのエンジニアになるんですか」と言われました。
丸山氏:新卒で投資銀行に入行し、約6年間、リサーチセールスとして従事しました。その後、コンサルティング業界に転身。戦略系コンサルティングファーム、ビッグ4と呼ばれる総合コンサルティングファームを経て、2025年9月Wayfindersに参加しました。
私が富士通を選んだのは、コンサルティングの仕事が好きだからです。富士通はSIer力が強いため、私は専門である戦略やチェンジマネジメントなど上流工程のコンサルティング業務に注力できる。しかも富士通の研究所が持っている最新テクノロジーや、富士通自身が変革してきた実践知も活用できる。これらに魅力を感じ、入社を決めました。
——入社後に感じたこと、入社して分かった意外なリアル
工藤氏:最初のテーマは入社後に感じたこと、意外なリアルについてお聞かせください。
シリル氏:ザ・日本という場面が多々ありますが、意外なことに英語が話せる人が多いことにびっくりしました。前職のコンサル会社よりも英語が話せる人が多いかもしれません。
工藤氏:確かに。海外の方がいろんなポジションにいらっしゃることに、僕も驚きました。
末崎氏:富士通に戻ったのは17年ぶりです。現在の富士通の社員数は現在12万人。層が非常に厚く、探せば何かしらの専門家が国内に必ずいるんです。テクノロジーのカバレッジの広さにリアルに驚きました。しかも声をかけると皆、非常に協力的なんです。
工藤氏:本当にいろんな人がいますよね。僕が一番びっくりしたのは、マグロの脂のりの解析の仕組みを研究している人がいたこと。一般的にマグロの脂のりの確認は、尻尾の所を指で触るのですが、レーダーで検知する技術をスタートアップと一緒に開発しているんです。面白い人がいるなと思いました。
シリル氏:富士通の良さは、面白いアイデアがあればやらせてくれるところだと思います。
工藤氏:いろんなスタートアップのインキュベーションも支援しているので、アイデアを形にしていくことはかなりフレキシブルに実現できるような環境だと思います。丸山さんはいかがですか。
丸山氏:私が意外に思ったのは「ない」ことです。富士通は誰もが知っている日本有数の大企業です。グローバルにも進出しており、戦略もしっかりしていると、多くの人はポジティブなイメージを抱くと思いますが、驚くほどプラットフォームが揃っていないんです。管理するものが驚くほどないんです。前職はビッグ4の一社だったので、プラットフォームが揃っており、その上でコンサルティングビジネスを展開していました。一方で、富士通は揃っていない。ですが、自分で必要だと思えばつくることができる。そういう楽しさもあります。
工藤氏:組織が立ち上がったのは2025年4月。今は制度や仕組みを作っている段階なので。形が決まっていないので、面白いアイデアがあればどんどん取り入れていければいいなと思っています。
シリル氏:富士通は90年の歴史を持つ会社ですが、Wayfindersは立ち上がったばかりの組織です。つまり私たちは新しいアパートに引っ越したばかりの段階。家具や食器は、必要になったときに揃えれば良い。最初から全部揃える必要はないと思います。
工藤氏:確かに僕たちは引っ越しがようやく終わった段階で、これからその場所に合う家具などを楽しんで揃えていく段階です。しかも富士通には様々なリソースがあります。そういう中でスタートアップができるのは、ユニークな経験。それがWayfindersの醍醐味だと思います。
次の話題に移りたいと思います。末崎さんが携わっているプロジェクトでは、富士通内でどのようなコラボレーションがありますか。
——富士通内でのコラボレーション状況
末崎氏:私が担当している案件はすべて、Wayfindersだけでは完結しません。お客さまを担当しているセールスとエンジニア、それに我々コンサルタントがチームを組みサービスを提供しています。つまり担当案件ではコラボレーションが当たり前です。そしてそれが当たり前にできる環境があります。セールスやエンジニアの方と話をしていると、刺激を得ることもたくさんあるので、楽しいですね。
工藤氏:新参者の組織なので、最初は抵抗に遭うのではという心配があったのですが、全くないんですよね。
末崎氏:私も最初は正直、身構えていたのですが、びっくりするぐらいオープンに受け入れてくれました。
工藤氏:丸山さんはいかがですか。
丸山氏:1つの案件に携わるにあたり、いろんな能力、経験を持った人たちがコラボレーションしていく。そういう横のつながりだけではなく、縦のつながりも感じています。私はそれを勝手に富士通のバトンと呼んでいます。例えばこの前、コンサルティングサービスとしては初めてのお客さまに提案に行ったのですが、ものの10分で「お願いします」と受注することができたんです。私たちが受注できた背景には、SIerとしてそのお客さまに良い仕事を届けてきたこと、そして仕事のないときにも営業が定期的に訪問をするなど関係を繋げていたからです。そういう信頼のバトンがつながって私たちのところに来た。先人たちが築いてきた縦のつながりを感じましたね。
工藤氏:そういうつながりがあるからか、お客さまも温かく受け入れてくれるような気がします。
丸山氏:おそらく富士通はこれまでもお客さまの中に入って泥臭く汗をかきながら「伴奏」してきたと思うんです。あえて「奏」という字を使うのは、富士通はお客さまと一緒に走るだけではなく、お客さまの強みと富士通の強みをオーケストレートして、共創するという姿勢がある。これも縦横のつながりがあるからできることだと思いました。
工藤氏:お客さまが輝くように私たちがメロディーを奏でる。Wayfindersでもそんな形ができれば嬉しいですね。
シリル氏:お客さまの課題を解決するよう取り組むのは当たり前ですが、信頼を得るためには彼らの想像を超えるものを提供することが大事だと思うんです。
というのも頼まれたものをつくるだけなら、AIでできるからです。Wayfindersではお客さまに寄り添って、お客さまが考えることよりも先を考えたものを届けたいと思います。そういう考え方になるよう、社内も変えていきたい。私自身は、そういうやり方で社内とコラボレーションしてお客さまにソリューションを提供しています。
工藤氏:シリルが担当しているプロジェクトでは、お客さまの視点よりも一歩先を見て取り組んでいるということですね。富士通はお客さまから言われたことをしっかりつくることにかけては天下一品です。そうであるがゆえに、お客さまが本当につくりたいものを見極めるのが難しかったのだと思います。
ですが私たちWayfindersであれば、お客さまの半歩先、一歩先を提案することができます。
丸山氏:CxOクラスの方々がおっしゃることは、氷山の一角です。それをコンサルタントである私たちが深掘りした上で、さらに一歩先を提案することが求められます。ですが、富士通にはその提案を一緒に支えてくれるメンバーが多重層的にいます。富士通だから、お客さまが考える一歩先の音楽を奏でられると思います。
——AIが進化するとコンサルティングは不要になる?
工藤氏:AIがさらに進化すると、コンサルティング自体が不要になるのではという意見がありますが、この点についてはどう思いますか。
末崎氏:最近、IT部門の業務変革にどうAIを活用するのかという話をすることが増えています。三原さんも話されていましたが、従来の人月業務モデルはAIによって破壊されると思います。ではコンサルタントのやる仕事がなくなるかというとそうは思いません。確かに資料をつくったり、プログラムコードを書いたり、テストケースをつくったりという仕事はなくなるかもしれませんが、仮説を立てたり、テクノロジーの使い方を考えたりすることは人間の重要な役割として残ると思います。
工藤氏:サプライズ質問への回答、ありがとうございます。富士通では因果推論のAIというコンサルティングビジネスをディスラプトする技術を開発している一方で、Wayfindersというコンサルティングビジネスもつくっている。富士通にはAIや量子など、独自のテクノロジーがあります。Wayfindersはそれらの技術を使って、AIに駆逐されないコンサルティングビジネスへと変えていく。そういう難題に立ち向かえる。それが、僕が富士通に来た理由です。
シリル氏:ChatGPTやGeminiなど、今は誰もがAIツールを活用できるようになりました。確かにAIにストラテジーやチェンジマネジメントについて問いかけると、ある程度の答えは出てきます。つまりお客さまはそこまでできるようになりますが、アーキテクチャやセキュリティを考えることは、まだまだ人間がやるべきことだと思います。
工藤氏:チェンジマネジメントを主に担当している丸山さん、いかがですか。
丸山氏:今、企業の戦略や中期経営計画の中にはAIという言葉が必ず書かれています。そのため、AIを導入することが目的になりがちですが、現場の人たちにAI活用を自分事にさせ、行動変容を起こしていけるよう、システム+人の面で支援しています。
工藤氏:AIが世の中を変えていくのは間違いないと思いますが、今時点でお客さまが業務にAIを活用して大きく生産性を改善できるかというと、なかなか難しい。そこで富士通では現在、業務部門がどうしたらうまく使えるのか試しながらAI活用を進めています。自分たちで実験する文化が富士通の中にはあるので。僕たちコンサルタントはその知見を持って、お客さまをサポートする。そんな形でプロジェクトを進めています。
最後の質問です。Wayfindersでどんな未来をつくっていきたいですか。
——メンバーが描くWayfinders、それぞれの未来
シリル氏:私はAI活用にメンバーと共に積極的に取り組んでいます。世の中にないもの、イノベーション・インパクトを与えられるものを作っていきたいと思っています。
末崎氏:富士通に入社する前、あるお客さまのところでベンダー選定のお手伝いをしたことがありました。そこで富士通の提案に何度か接したことがあったのですが、内容も誠実で地に足が着いており、減点要素はほぼありませんでした。その一方でエッジの効いた提案もなく、加点要素もほとんどありませんでした。これは必ずしも富士通全体を表しているわけではないかもしれませんが、少なからず、そういう文化があると思います。真面目であるが故に、ミッションクリティカルなシステムを支えているが故に冒険やチャレンジができない壁がある。
Wayfindersとしてはそのような提案にスパイスを利かせていく、加点要素になるような味付けをしていければいいなと思っています。
丸山氏:この組織に入って初めて、コンサルタントは主役じゃなくていいんだと心から思えたんです。
私が投資銀行からコンサルティング業界に転身する時の面接で、「コンサルに対してどういうイメージを持っていますか」と尋ねられたのです。私は「黒子の仕事だと思っています」と答えました。つまり主役はお客さまだと。その後、コンサルティング業界で働くことになりましたが、意外とコンサルが主役みたいに扱われることが多かったんです。私も自分が輝かなきゃ、成果を出さなきゃと常に頑張っていました。
Wayfindersでは違います。富士通は数兆円の売上を上げている企業です。そういう状況の中で、改めてコンサルは主役ではないと実感できたのです。
富士通のコンサルはお客さまに対峙する主役でもあるし、富士通の他の組織と縦・横につなげる触媒でもある。私たちが活動することで富士通全体はもちろん、日本の企業や社会を変えていける。そんな未来をつくっていけると思うのです。
工藤氏:Wayfindersは富士通の一部門です。私たちの究極のパーパスは、私たちのコンサルティングスキルを富士通全体に行き渡らせて、富士通の価値を大きく上げることです。そしてそれをお客さまを通して、日本全体に伝播させ、日本を盛り上げていく。まだまだ組織としてはないものだらけでメンバーには迷惑をかけることがあると思いますが、0→1(ゼロイチ)で新しいことがやりたい、今と違う環境で可能性に挑戦したいという方は、ぜひ、一緒に新しい日本、新しい富士通をつくることにジョインしてほしいと思います。
Q&Aセッション
Q.Wayfinders事業の新規案件、新規クライアントの獲得において、営業部門とはどのように連携を取っておりますでしょうか。
末崎氏:営業部門とは必ず、同じチームとして動いています。私たちの部署自体が立ち上がったばかりで、社内での認知度が十分ではなかったこともあり、これまでは営業部門から我々に声をかけていただいて提案するということが多かったのが事実です。ですが、徐々にWayfindersにどういうケイパビリティを持っている人がいて、何ができるのかということが社内で認知されつつあります。これからは能動的なアプローチを増やしていきたいと思っています。
工藤氏:最近はいろんなリクエストが来るようになりましたからね。末崎さんが言ったように営業から私たちに話が来るケースと、お客さまから直接こういうことをやりたいと言われるケースがあります。
「お客さまにもっと踏み込みたいけど、どういう風にすればよいかわからない」という営業からの相談もたくさん来ます。コンサルティングファームでパートナーと一緒に営業するよりも、さらにダイナミックな形で動けるところがWayfindersで仕事をする面白さだと思います。
Q.富士通単体でコンサルタントを揃えようとしなくとも、すでにRidgelinez(リッジラインズ)にそれなりの人員がいると思います。彼らとの連携は、どのようになっていますでしょうか。どうあるべきだと考えていらっしゃいますでしょうか。
三原氏:Ridgelinezは確かに富士通グループとしてコンサルティングビジネスを展開しています。
Wayfindersとの大きな違いは、Ridgelinezは富士通というブランドがついていないこと。そのため、立ち位置としては第三者的となります。そしてRidgelinezのメインの主戦場は日本国内です。
しかしながら私たちは富士通のブランド名を持ち、主戦場はグローバル。その2点が大きく違うところです。
案件ごとにうまく棲み分け、その上で一緒に組んで進めることもあります。
Q.リード獲得から商談化、提案書作成において、コンサルタントがいつどのようにアサインされるかを詳しくお伺いしたいです。
工藤氏:最初はパートナーもしくはアソシエートパートナーが営業と一緒にお客さまのところに伺い、提案書を作るあたりからコンサルタントが少しずつ入っていく。通常のコンサルティング会社とあまり変わらない動きだと思います。
Q.あくまでSIにつなげることができるようなテクノロジーに関連した案件の上流部分をWayfindersでも実施していく、という形でしょうか。純粋な、いわゆる戦略案件(中経策定や新規事業開発)は実施しないようなイメージでしょうか。
末崎氏:これは個人の考えですが、富士通ならではのコンサルティングを考えたときに、戦略や中期経営計画を策定することが、お客様にとって価値になるのであればやるべきだと思います。ですが、富士通の強みはやはりテクノロジーです。お客さまが求めていることを実現し、効果を導き出すには、その強みを最大限生かすべきだと思います。そう考えるとテクノロジーの案件の比重が高くなるのが実態かなと思われます。
丸山氏:私はどちらかというと戦略や中期経営計画の策定、チェンジマネジメントを専門にしています。末崎さんがおっしゃったように、確かに富士通がやる意味があるのかについては私もすごく気をつけて取り組んでいます。富士通の強みは技術もそうですが、エッジの立ったものをたくさん持っていること。そういうエッジの立った部分を生かして中期経営計画策定の支援をしています。
しかも今はテクノロジー自体が戦略になる時代。これまでのテクノロジーコンサルティングの知見を強みとして、お客さまが考える半歩先、一歩先の中期経営計画の策定を支援する。富士通がコンサルティングビジネスを展開する意味だと思っています。
工藤氏:テクノロジーの案件も、戦略や中期経営計画の策定という上流の案件も、皆さんが好きなことをやってほしいと思います。ですが戦略ファームと同じようなことをやりたいのなら、Wayfindersは違うと思います。私たちが価値を出せて、お客さまの助けになることをする。それが私たちの活動の基本スタンスです。
Q.富士通の独自のテクノロジーを使ったプロジェクト例など、お話しいただける範囲で大丈夫ですので教えていただきたいです。
三原氏:今はAIの案件が多いですね。AIベンチャーやハイパースケーラーとの違いは、「ナレッジグラフ」をベースにしていること。ナレッジベースの性能がよいため、LLMの性能、パフォーマンスもよくなる。そういったところが強みだと思います。
Q.AIは現在の能力であっても、プログラミングや資料作成などの業務は従来の半分以下で達成可能であると考えられます。コンサルにおいては、現在のAIの能力で何割程度置き換わることができると皆さん考えておられますか。また5年後の予測も教えてください。
工藤氏:3割程度置き換わればいい方かなと感じています。そもそも仮説を立てる、正しい問いを立てることがAIにできるのかというと、今の僕には答えることができません。
AIとディスカッションして思うことは、物事を最終的に決めるのは人間だということです。我々はコンサルタントとしてお客さまに対して、意思決定のためのディスカッションをします。このヒューマンタッチのところは、必ず残ると思います。人に伝える、人を動かす、そういう時間の割合が増えることで、そういうところに長けていないとコンサルタントとしてやっていくのは難しくなるのかもしれません。これは今時点での話なので、5年後に振り返ると全く違ったねという話になると思いますが、そういうわからないところも面白いのではないでしょうか。
文=中村 仁美
※所属組織および取材内容は2025年12月時点の情報です。
Uvance Wayfindersの採用情報
https://fujitsu.recruiting.jp.fujitsu.com/uwfconsulting/
おすすめイベント
関連するイベント













