採用ブランディングの全体像を理解する【TECH PLAY -Branding Method- 第1章】
エンジニア採用は人材不足で競争が激化——注目されるのが転職潜在層とつながる「採用ブランディング」。本シリーズでは10年間で500社以上のエンジニア採用ブランディングを支援してきたTECH PLAYのノウハウを凝縮した「Branding Method」を基に、成功事例と具体策を全5回で解説します。こんにちは。TECH PLAYプランナーの坂本です。これまで80本以上のエンジニア向けコンテンツを企画・制作してきた経験を踏まえ、今回から「TECH PLAY -Branding Method-」をもとに、エンジニア採用や採用ブランディング、エンジニア向けのコンテンツ企画に役立つ実践的なノウハウをお届けしていきます。
このシリーズでは、私がナビゲーターとして、全5回にわたり「TECH PLAY -Branding Method-」を順を追ってご紹介します。
第1章では、採用ブランディングを始める上で欠かせない「全体像」を整理していきましょう。
全編をまとめた資料をダウンロードいただければ、採用ブランディングの全体像をより体系的に理解し、自社施策に活かすことができます。
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この記事で分かること
- 採用ブランディングの基本的な定義と目的
- なぜエンジニア採用が難しいのか、市場トレンドの背景
- 採用ブランディングが必要とされる理由
- 企業にとっての3つのメリット(事業・組織・採用の強化)
- 次に実践へ進むための第一歩
こんな方にオススメ
- エンジニア採用を担う人事・採用担当者
- 採用ブランディングや採用広報を強化したい方
- 自社の技術広報やコミュニティ運営に関わる方
※第1章は特に人事・採用担当者の皆さん向けですが、第2章以降は技術広報やエンジニアの皆さん、コミュニティ活動に携わる方にも役立つ視点をお届けします。
採用におけるブランディングとは|「知る」から「興味を持つ」まで
採用ブランディングとは、ターゲット人材が企業を「知る」→「興味を持つ」フェーズにおける活動全般を指します。

具体的には、以下のような施策が含まれます。
- 技術イベントや勉強会の開催
- 技術ブログやオウンドメディアでの発信
- 採用サイトや動画での情報提供
重要なのは「リクルーティング(スカウトや面接)」に入る前の段階で、ターゲット人材に“この会社で働いてみたい”と思ってもらえる状態をつくることです。
採用ブランディングの目的は、「事業計画と連動した人材採用」の実現です。目的にそった採用活動を行うことで、採用決定後に生じやすい”採用企業と採用された社員のミスマッチ”を防ぎながら社員のエンゲージメントを高めることができます。
エンジニア採用が難しい理由|市場環境の変化
ではなぜ、エンジニア採用においてブランディングが重要なのでしょうか。背景には、売り手市場の長期化と人材不足があります。
- IT・通信系エンジニアの有効求人倍率は 10倍以上 と非常に高水準
- DX推進を背景に事業会社の内製化が進み、競争環境が激化
- 2030年には 最大79万人のIT人材不足 が予測される
《出典》
転職求人倍率レポート(2025年7月)| パーソルキャリア株式会社
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX白書2023」
IT人材需要に関する調査|みずほ情報総研株式会社

さらに、経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によるとIT人材は72%が転職潜在層。つまり、採用競争が激化する一方でIT人材が不足している状況の中で今すぐ転職を考えている転職顕在層(約22%)だけにアプローチしていては採用が難しいのです。
採用ブランディングが必要な理由|TECH PLAYの定義
従来型の採用活動だけでは十分な成果を出すことが難しい状況が続いている中でTECH PLAYでは、採用ブランディングを 「自社らしさを伝え、ターゲット人材との早期接点をつくる活動」 と定義しています。
- 転職潜在層への情報発信を通じて、未来の採用候補者との関係性を築く
- 技術情報や開発文化を発信し、「技術的に面白いことをやっている会社」と認知してもらう
- 自社の理念・ビジュアル・行動を一貫して伝え、“自社らしさ”をブランド化する

これにより、応募者数の増加だけでなく、スカウト効率や内定承諾率の向上、入社後のミスマッチ防止といった効果が期待できます。
採用ブランディングのメリット|3つの観点から整理
採用ブランディングには、事業・組織・採用の3方向に大きなメリットがあります。
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事業強化
- 技術発信を通じてサービスの認知が広がる
- 開発パートナーや顧客との接点が増える
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組織強化
- 技術的な勢いが社内に波及し、チャレンジが生まれる
- 登壇や発信を通じてエンジニア個人やチーム全体が成長する
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採用強化
- 候補者から「面白い会社」と認知され、採用効率が向上
- タレントプールやリファラル採用が増える

採用ブランディングの結果として、厳しい採用環境を戦いやすくするための武器となるのです。
まとめ|今こそ「採用ブランディング」を始めよう
エンジニア採用は今後もますます難しくなると予想されます。だからこそ、短期的な採用活動だけに頼らず、中長期的なブランドづくりが不可欠です。
次回以降では、実際にどのように採用ブランディングを設計・実践していくのかを詳しく解説していきます。
皆さんは「転職潜在層」に自社の魅力をどう伝えていますか?
もし明確な取り組みがまだなければ、第1歩として「自社らしさ」を言語化することから始めてみましょう。
より詳細を知りたい方へ
本記事では「TECH PLAY -Branding Method-」第1章の内容を中心に解説しました。
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次回は「第2章:採用ブランディング活動のはじめ方」について解説します。
執筆者

坂本 奈穂
パーソルイノベーション株式会社
TECH PLAY BRANDING
2016年にパーソルキャリア(旧 インテリジェンス)に新卒入社し、約4年間IT・インターネット業界への採用支援を担当。その後、エンジニア領域の転職支援に従事。2022年よりエンジニア向け採用ブランディングのプランナーとして『TECH PLAY』に参画。これまで80本以上のイベントや動画・対談を企画。自動車業界をはじめメーカー・小売・IT・Web・スタートアップなど、様々な業界で企業の採用ブランディングを支援。














