「これがデジタルシフトの答え」――イオン、ネットスーパーを次世代型に大改革へ

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「これがデジタルシフトの答え」――イオン、ネットスーパーを次世代型に大改革へ

「これがデジタルシフトの答え」――イオン、ネットスーパーを次世代型に大改革へ

イオンは11月29日、英ネットスーパー企業Ocado Groupの子会社Ocado Solutionsと、日本国内における独占パートナーシップ契約を締結したと発表した。

この提携により、イオンはデジタル、AI及びロボティクス機能の強化に向けて、2020年3月までに新会社を設立し、顧客により快適なオンラインショッピング体験を提供する「次世代ネットスーパー」の実現を見据える。2023年にはOcado社のソリューションを利用した日本第1号の顧客フルフィルメント・センター(中央集約型倉庫、CFC)を設立する予定で、2030年までに6000億円の売上を目指す。

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▲イオン 代表執行役社長 岡田元也氏(左)、OcadoGroup CEO ティム・スタイナー氏

今回イオンが提携したOcado社は、実店舗を持たず、オンラインで食料品などの注文を受けて顧客に届けるサービスを手掛ける、ロンドンに本社を構える企業。AIとロボットを駆使したCFCと宅配システムを独自に確立、そのノウハウや技術を他社に提供するビジネスモデルを構築しており、世界中の小売業者に対して、エンドツーエンドのオンライン食料品・日用品販売のソリューション「Ocado Smart Platform」を提供中だ。

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▲Ocado社は世界中の小売業者に「Ocado Smart Platform」を提供中。今回、そのパートナーにイオンが加わった

同日開かれた記者会見で、イオンの代表執行役社長である岡田元也氏は、「イオンは以前からデジタルシフトすることを言明していた。今回の取り組みが、その答えだと受け止めてもらいたい」と本提携への意気込みを語った。

イオンの代表執行役副社長である吉田昭夫氏は、パートナーとなるOcado社を「一言で言えば、世界で最も優れたエンドツーエンドのソリューションを有し、英国において最も顧客満足度の高い、ネットスーパーNo1企業」と評価。Ocado GroupのCEOであるティム・スタイナー氏も「イオンという素晴らしいパートナーを選ぶことができて今後を楽しみにしている。日本市場で成功できる100%の自信を持っている」とイオンへの信頼と期待を見せた。

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▲イオン 代表執行役副社長 吉田昭夫氏

吉田氏は本提携の狙いを、日本国内の顧客ニーズと国内食料品オンライン市場とのギャップを埋めることだと説明する。

「日本の人口は今後5年以内に『65歳以上』が全体の30%近くを占めるようになり、国内食料品マーケットは縮小すると見られている。しかしながら、共働き世帯や単身世帯が増えていることに着目すると、仕事と家事の両立に課題があり、そこにひとつのニーズがある」

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▲日本が直面している社会環境の変化

「これから消費の中心を担っていくのはミレニアル世代。2025年には、労働人口の75%をこの世代が占めると言われている。彼らの特色は近年の社会トレンドそのものであり、そこからネットスーパーの役割も見えてくる」

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▲近年の主なトレンド

国内食料品市場における2016〜2018年の売上成長率をみると、「ネットスーパー」は20%の伸びを示している。ただし、オフライン市場規模の「62兆円」に比べ、オンライン市場規模は「1.7兆円」と全体のパイはまだ小さい。

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▲国内食料品市場における2016〜2018年の売上成長率

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▲オフライン市場、オンライン市場の規模

吉田氏は、ネットスーパーに求められる顧客ニーズとして、「時短」「好きな時間に、好きな場所でお買い物」「豊富な品ぞろえ」「高品質な商品」「鮮度に妥協しない」「荷物を運ぶ必要がない」「信頼感のあるブランド」の7つを挙げ、Ocada社との提携でこれらのニーズが満たせることを強調した。

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▲イオンが特定した7つの顧客ニーズ

イオンが2023年に設立予定のCFCには、Ocado社が開発した、典型的な食料品や日雑品など50商品を5分でピッキングできるというロボット「ボット」を導入する。

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▲イオンがCFCに導入する「ボット」

ボットは互いに5mmの間隔を保ち、秒速4mの速度で動き回ることが可能で、1台の1日の総走行距離は50〜60km。Ocado社の最新の高度自動化倉庫内では、これらの大量のロボットが免許不要周波数帯を使った高密度のモバイルネットワークの中でコミュニケーションをしている。各ロボットに対して、保証レイテンシーのもとで毎秒10回の指示を出せるそうだ。

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▲CFC内でボットが稼働している様子

イオンのCFCには「高密度保管庫」も設け、従来のスーパーマーケットの2倍の量の商品を保管できるようにする。効率的なオペレーションと物流網を構築し、顧客がアプリを通して「いつでも、どこでも、何でも」買えるサービスの提供を目指す。さらに、これらの技術を既存のネットスーパー事業や店舗ピックアップ、クリック&コレクトなどにも活用していく方針だ。

「(次世代ネットスーパーの)稼働までの間に、現段階で活用できるOcado社のノウハウも使いながら、イオンの既存のネットスーパーの大改革を行っていく。新たなネットスーパーが稼働するときには、お客さまがスムーズに移行できるようにしたい」(イオン 代表執行役社長 岡田元也氏)

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▲(左から)イオン 代表執行役社長 岡田元也氏、同 ネットスーパー事業 リーダー バラット・ルパーニ氏、同 代表執行役副社長 吉田昭夫氏、OcadoGroup CEO ティム・スタイナー氏、Ocado Solutions CEO ルーク・ジェンセン氏

尚、イオンのデジタル領域での取り組み事例は、2020年2月7日(金)に渋谷で語られる予定である。
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