データ分析をする業種でお仕事をする人を改めて解説してみる。あなたはどれ?
どうも、totokoです。
ビッグデータ分析がメジャーなお仕事として認知されるようになりました。
そうなると当然、それに伴った職業が出現します。
これはITが台頭してきた時に「サーバエンジニア」とか「クライアントエンジニア」とか「システム管理者」という職業が出てきたのとと同じような現象だと思って頂いて差し支えないと思います。
そして、今回の場合だと、「データ分析をする業種」という業種による大きな箱があり、その中にいくつかの職種があると思います。
なぜ、「データ分析をする業種」と面倒くさい表現をしているのかというと、現状、ビッグデータ分析に関する業種が無いからです。
まあ、あえてつけるならば「データ分析サービス業」とでもつけましょうか?
このまだまだ業態がもやもやなこれを今回はビシッと分けていこうかと思います。
あ、これらの項目分けはあくまでも、今のところはW.I.データサイエンス部のコラム内でのみ通用しているということをお忘れなく。
もっとも、僕をはじめとしたW.I.がメジャーな集団となればもしかするとスタンダードになるのかもしれませんが……。
データ分析サービス業は3つの職種に分けられる
さて、まずはこの「データ分析サービス業」で働く人達を3つに分けましょう。
1つ目は「機械学習エンジニア」、2つ目は「データエンジニア」、3つ目は「データコンサルティングアナリスト」です。
今回は簡単な定義分けをしていこうと思います。
分析結果からサービスを届ける「機械学習エンジニア」
機械学習エンジニアは定義としては簡単です。 彼らは「分析結果から実際の商品となるからくりを作っている」人たちです。
データエンジニアが収集、解析したデータを元に実際のユーザーに届けるための仕組み(サービス)を作っています。
自動運転で例えると、実際に車への制御指示を行うからくりを作っている人たちです。
昨今の「データサイエンティスト」と呼ばれる人たちは大体この人達であると言っても過言ではないでしょう。
煩雑なデータを整える「データエンジニア」
データエンジニアはとにかくかき集めたビッグデータを分析したり、それこそ「こういうデータを収集しよう」とデータ収集のためのロジックを作ったりします。
また、データセットの処理をしたり、ユーザの行動特性などを分析して予測モデルを作ったりします。
機械学習エンジニアと似ているようですが、機械学習エンジニアが表側を担当しているとすれば、データエンジニアは裏側を担当しているのです。
自動運転で例えると、カメラやセンサが捉えた沢山の情報の解析して機械学習エンジニアが、扱いやすいような形に整形することを行っています。
機械学習エンジニアとデータエンジニアは結構兼任しているパターンがありますが、大規模なところだと専業していたりしています。
この「機械学習エンジニア」と「データエンジニア」のことをしばしば「データサイエンティスト」と呼んでいたりしています。
データから何を行うべきかを推理し、提案する「データコンサルティングアナリスト」
クライアント(お客さん)が抱える課題だったり、世の中(まだこの時点ではサービスを展開していないのでユーザはいない)が欲しいなと思うことに関して、それらを解決するための仮設を立てます。
そして、データ解析結果を元に具体的な解決案を提案する人のことです。
例えば、ジム経営の会社が持っている大量のトレーニングデータやユーザデータをデータエンジニアが解析し、その結果を元に「このようなサービスをやってみるのはどうですか?」とジム経営の会社に提案を行います。
そして、それを実際の形(サービス)にする際に、コンセプトを考えたりするのも一つの役目であると言えるでしょう。
彼らは先の2人と違い、バリバリのエンジニアというよりもどちらかと言うとビジネスよりの人であると言ってもいいかもしれません。
実際に、マーケティングの知識が必要だったりという、マインド的な能力が必要とされるでしょう。
一応、totokoはここに分類されると思います。
逆に、W.I.データサイエンス部で勉強会を開催している田代は「機械学習エンジニア」&「データエンジニア」であると言えるでしょう。
完全分業ではないが、いずれそうなるはず
まだまだ、日本では認知度が低いです。
そのため、結構兼任していたりしています。
メインはエンジニア部分だけど、アナリストとして提案とかもするよって人もいます。
というか、現状しっかりとしたスキルアッププロセスがないので、ここらへん(3種類)まとめて「データサイエンティスト」と呼んじゃったりもしています。
僕が今メインにしているゲーム開発で例えると
- 機械学習エンジニア=クライアントエンジニア
- データエンジニア=サーバエンジニア
- データコンサルティングアナリスト=プロデューサー/ディレクター/プランナー
と置き換えても完全に間違いではないと思います。
先述しましたが、現在はその境界線が曖昧ですが、ビッグデータ分析だったりAIだったりが当たり前になってくると何でも屋よりも、一つに特化したスペシャリスト集団を作って、チームでやっていくのがあたりまえになると思います。
現状人が少ない!
とは言っても、国内ではそもそも「職業:データサイエンティスト」って言う人たちが本当に少ないです。
どっかの会社でエンジニアとして働いていて、なんとなくデータ解析をしているとかいう人たちはいますが、名刺に「データサイエンティスト」と書いている人はそんなにいないかと思います。
ですが、絶対に100%必ず、大AI時代に突入すると思います。
というか、すでに片足突っ込んでいます。
自動運転技術がその分かりやすい例ですよね。
さらには街にいるpepperくん、彼も立派なAIです。
そうなると当然、データサイエンティストが必要になるわけです。
実際問題、経済産業省調べだと、2020年までに、人工知能やIoTなどの先端技術を扱える人が4.8万人不足するとまで言われています。
もう人が足りない! 何をするにも人がいない! だからって外様の人たちを取り合っていても仕方がない。
だって、現状足りないのに、これからもっと必要になるって言われているんですから、取り合っている場合じゃないんです。
よし、じゃあなっちゃえ
そうです。そうなったらなっちゃえばいいんです。
ただ、ロードマップがない。わからない。
それが問題ですね。
どんなお仕事でもちゃんとそこに至るまでの道なりというのは必要です。
それがあるから、どんどん新しいプレイヤーが出てくるわけです。
例えば、プロ野球選手なら、小学生の頃から野球チームに入って、高校野球で甲子園に行って、プロ志望届を出してドラフトで呼ばれるの待って……と言った感じです。
それと同じようにデータサイエンティストもなるためのロードマップをそろそろ用意しないといけません。
現状だと、「こういう勉強しましょう」だけで、実際に名乗ってお仕事するまでの道が不明瞭です。
そこら辺を明るみにしていかないとデータサイエンティストは一向に増えず、ず~っと人不足のままです。
なのでまずは業種が曖昧になっているものをちゃんと線引してあげて、「だったら僕は私はこれを目指す」と目的を明確にさせてあげる必要があります。
そうすれば、企業とのミスマッチを防ぐことができ、適切なスキルマッチが行われるはずです。
僕のコラムが技術的な内容というよりも、概念的な話に寄っているのは、僕が非エンジニアであるというのもありますが、少しでも多くの人にこれからはAIの時代だから、それに伴う技術者が必要なんだぜと知ってもらいたいからでもあります。