【バンダイナムコネクサス×三井住友海上】データのプロが明かした──データ活用に欠かせない「器用貧乏力」とは?

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【バンダイナムコネクサス×三井住友海上】データのプロが明かした──データ活用に欠かせない「器用貧乏力」とは?
今やデータ活用は企業の競争力向上に欠かせない。データ活用には、データストラテジスト・ビジネストランスレーターという人材が不可欠となる。データストラテジストやビジネストランスレーターには、幅広いスキルが求められるが、それは具体的にどのようなスキルなのか。また、人材はどう育成していけば良いのか。バンダイナムコネクサス、三井住友海上保険でデータ活用推進に取り組むプロが自社で求められるスキルなどについて、事例を通して紹介した。

バンダイナムコネクサスが展開する分析事業

株式会社バンダイナムコネクサス 松浦 遼氏
株式会社バンダイナムコネクサス
データ戦略部
ゼネラルマネージャー 松浦 遼氏

最初に登壇したのは、バンダイナムコネクサス データ戦略部 ゼネラルマネージャーの松浦遼氏。2019年にバンダイナムコネクサスに入社。データ戦略部を立ち上げ、グループ向けのデータ活用取り組みの実施や、グループ横断データ活用プロジェクトの推進も担っている。 松浦氏のセッションタイトルは「エンタメデータ利活用のための『感情移入』と『器用貧乏』」である。

バンダイナムコグループにおけるIP(Intellectual Property:キャラクターなどの知的財産のこと)軸戦略を掲げており、「IPを最適なタイミング、最適な商品・サービス(出口)、最適な地域で届けることで、IPの価値を最大化すること」を目標としている。

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バンダイナムコグループの1社であるバンダイナムコネクサスでは、データ分析事業を展開している。

まず、松浦氏が紹介したのが、ライブ事業とゲーム事業の横断分析の事例。「ゲームタイトルに関連するオンラインのライブイベントを実施すると、ゲーム内のユーザー消費行動がどう変化するのか、ライブ施策がゲームに及ぼす影響を推定したいというお題が出ていた」と松浦氏は言う。

正しい分析のための工夫として、松浦氏たちはファンの感情に向き合って、バイアスを取り除くための仕掛けを施したという。

「ライブ不参加者のうち、元々そんなにゲームで遊んでいなかった人を除くなど、ライブ参加を目的変数とした分類モデルで、ライブ参加に分類されたユーザーを非介入群として抽出。ファンの感情に向き合うことには、かなり力を入れています」(松浦氏)

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もう一つ、松浦氏がファンの感情に向き合うための施策として、「ゲーム内ログ分析を行っている」と語る。ビジネスとしてのKPIと、感情を表すログを結び付けた分析である。

過去のKPI実績から売上向上に寄与するKPIを発見し、ゲームログの分析でKPI向上のヒントを発見。運用施策に反映し、KPI向上を図っていくのである。 「バンダイナムコでは、事業理解と感情理解の両輪が必要なビジネスモデルになっている。それの理解にデータ分析が貢献している」(松浦氏)

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データ利活用拡張には器用貧乏力が必要なのか

現在のモバイルゲーム市場は成熟しており、開発費や宣伝費などかなりの投資が必要になり、投資の確度を上げていく必要があるという。そこで同社ではIPに関するデータや市場に関するデータ、ゲームタイトル固有のデータなどからモデル化し、リリース後のダウンロード数と売上を予測しているという。

「その予測を見ながら、売上やダウンロード数を上げていくためにはどんな打ち手が必要かなど、ゲームタイトルの開発に関する意思決定に利用しています」(松浦氏)

このような分析は、ビジネス担当のデータストラテジストと分析担当のデータサイエンティストとが密接に関わりながら進めることになる。具体的に行うことは以下の図の通りだ。

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ではなぜ、データ活用には器用貧乏力が必要なのか。
先ほどのゲームのKPI予測のプロジェクトのネクストフェイズでは、関連する業務フローの中で、予測したKPIをシステムに取り込んで運用する要件が出てきたという。「これまでは特にシステムと接合する要件がプロジェクトに入っていなかった」という松浦氏。だが、システムを開発するには分析フェイズとは異なるスキルが必要になるため、「プロジェクト担当者がたまたま開発に明るいメンバーだったことに助けられた」という。

そのほかにもマーケティングに関する統計分析であれば、数理的な知識だけでなくマーケティングやプロモーションの知識がないとうまくいかなかったりする。

「このようにさまざまな知識をつまみ食い的に求められることが多いので、データストラテジストは器用さを持つことが大事になってくると思います」(松浦氏)

しかもバンダイナムコネクサスのデータ分析事業は、ゲーム事業だけではなく、グループ全体に向けた分析にも取り組むことが増えてきた。バンダイナムコグループが掲げる「データユニバース構想」により、ゲーム事業で得たノウハウを他事業に横展開する事例も登場している。

松浦氏が紹介したのは、ゲームのKPI予測を参考に、トイホビー・アミューズメント事業の販売数予測を実施した事例。IPや市場・商品の情報から販売数を予測し、在庫の過不足を解消したいという要望を叶えるためだ。

分析要件としては、設定した入荷量に対応する販売数を予測し、その根拠をステークホルダーに説明できるようにすること。また、プロジェクト全体の費用対効果を測るために、機会損失や廃棄に伴う損失額のシミュレーションをするという「結構難しい要件が出てきた」と、松浦氏は言う。

要件だけではない。利害関係者の多さも「複雑性を増していた」と松浦氏。そこでPMを務めるデータストラテジストは、バリューチェーン全体の登場人物と受益関係を理解した上で、ビジネス活用に必要なアウトプットと要件を整理する。ビジネス側のルールや暗黙知の存在については、PMとデータサイエンティストで分析をアジャイル的に進めながら、改めて要件を確定していったという。

データ活用を推進する人材に求められるスキルとは何か。松浦氏はそれを料理に例える。

「調理技術だけではなくてメニュー作りや材料集めができる力も必要です。当社でもビジネス担当と分析担当を分けていますが、双方が両方の領域を侵食していく器用さが求められると思っています」(松浦氏)

その他にも、実装していくには根回し力なども求められるという。今後、分析テーマが拡大すると、当然、必要とされる技術力も多岐にわたる。

また、顧客領域拡大に伴い、ビジネスも拡大する。技術、もしくはビジネスの側面で、一つ一つのスキルを深くするだけではなくて、隣のスキルをどんどん吸収していく。

「データの利活用を拡張するには、そういう器用さが求められます。またそういう器用さを持った人が活躍できると思います」(松浦氏)

代理店系損保でマーケティング部門を立ち上げた理由

三井住友海上火災保険株式会社 木田 浩理氏
三井住友海上火災保険株式会社
CXマーケティング戦略部長 CMO 木田 浩理氏

続いて登壇したのは、三井住友海上火災保険(以下、三井住友海上) CXマーケティング戦略部長兼CMOの木田浩理氏。木田氏は日本エビデンスベーストマーケティング研究機構の代表理事も務めている。木田氏は「データ活用に必要なビジネストランスレーター思考」というテーマでセッションを行った。

プロパー社員が多い三井住友海上。その中で木田氏は「この会社で9社目という異例の存在」と笑みを浮かべる。NTT東日本や日本IBMで営業を経験した後、百貨店、アマゾンなどでデータ分析・マーケティングを独学してきた。

2018年に三井住友海上にデータサイエンティストとして入社。データ分析の立ち上げや分析人材の育成に従事。マーケティングの組織がなかったため、2021年にマーケティング専門組織を立ち上げ、CMOに就任した。

「私はいろんな職種を転々としてきたこともあり、私自身が器用貧乏と言えるかも知れません」(木田氏)

災害の激甚化による保険料の値上げ、ネット情報収集の一般化やダイレクト型保険の普及など、周囲環境の大きな変化により、お客さまの意識・行動も徐々に変化している。

「既存のビジネスモデルがいつまでも続くという前提での思い込みではなく、エビデンスやファクトに基づき判断しなければ、流れから取り残されるのではないかと考え、3年半前にCXマーケティング戦略部を立ち上げました」(木田氏)

ここでいうエビデンスとは、異なる状況下で繰り返し観測される市場や消費者行動の規則性のこと。例えばマーケティングの有名な法則として、パレートの法則(売上の8割は、全顧客のうち2割で生み出している)があるが、実際にデータ分析をすると、2:8にならないケースも多い。

「現実と理屈が乖離しているとき、間違っているのは理屈。エビデンスベーストマーケティング(EBM)で、ビジネスやマーケティングの当たり前を見直していくことにした」(木田氏)

JTCを変革するために取り組んだ3つのポイント

伝統的日本企業(JTC)の中で、現状と異なることを促進することは容易ではない。また旧来の営業体制では不十分である。

「そこで組織改革をするところからスタートしました」(木田氏)

取り組んだポイントは大きく3つだという。

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第1に人材。個人のスキルや経験、勘、度胸で判断していた人材を、データや根拠をもとに判断・提案する人材にする。

第2は組織。今までは仮説があっても施策検証が出来なかったので、各マーケ機能を統合した組織を発足させた。

第3は環境。代理店系損保のお客さま接点はすべて代理店経由だったのを、タッチポイントを作って強化を図ることだ。

「3年半でこのように変化させました」(木田氏)

では具体的にどのような取り組みをしたのか。人材については、「データとマーケティング双方を理解したハイブリッド人材の育成に取り組みました」と、木田氏は語る。

元々同社にはデータサイエンティストの育成プログラムがあったため、データ分析力とビジネス経験のある人たちに、マーケティングを学ばせるというプログラムを作ったのだ。

「この3年間で1200人を一気に育成しました」(木田氏)

データもマーケティングも事業課題もわかる、ビジネストランスレーターに近い人材が1200人いることの何が良いのか。

「JTCの企業風土を変えるには、塊が必要だからです」(木田氏)

ビジネストランスレーターとは、意思決定者、分析者・データ、ビジネス・現場という関係者間をつなぐことができる人材。そのためにはビジネススキーマ活用力、ビジネス背景理解力、プロジェクト遂行力、データ解釈基礎力という4つのスキルが求められる。

「その中でも私が重視しているのがビジネススキーマ活用力。これは現場に入り込んで得る形式知と暗黙知。ビジネスの前提・背景を理解、解釈するのに必要だからです」(木田氏)

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ビジネススキーマ活用力が重要なのはビジネストランスレーターだけではない。データサイエンティストにもデータストラテジストにも重要になるという。

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組織については、各マーケ機能を統合したCXマーケティング戦略部を新設。その中にデータ組織も配置している。

「マーケティングをするには、CDPや外部データを一体として動かせるようにする必要があるため」と木田氏は言う。同部署ではデータとエビデンスに基づき研究を行い、業務へフィードバックするというサイクルを確立している。

環境への取り組みについては、タッチポイントを強化。その代表例がCMの作成。従来のCMとの違いは、エビデンスに基づいたCMになっていること。データサイエンティストなどが現場に赴き、保険に入るモチベーションをいろんな角度から調べ上げたという。代理店系損保のメリットをストーリーにして訴えるCMを作成したのである。

「CDPからわかったデータに加え、実際に現場に行って出てきた知見データなどをすべて組み合わせました」(木田氏)

また一方でライトユーザーへの徹底的な浸透施策も実施した。タレントではなく「クレヨンしんちゃん」という誰もが知っているキャラクターを起用し、広告を展開したのである。

「これらの施策により、契約数も劇的に増加。好感度、NPS(Net Promoter Score:顧客が商品を他の人にどれだけ勧める意思があるか)などのKPIにおいて、上昇率は代理店系損保で1位を獲得しています」(木田氏)

最後に木田氏は次のようにまとめ、セッションを締めた。

「ビジネストランスレーター人財を大規模に育成すること、データセントリックを組織開発の思想に組み入れること、顧客タッチポイントをデータドリブンに改善すること。これら3つが企業変革を起こす重要なポイントです」(木田氏)

【パネルディスカッション】

テーマ①データ活用を業務にどう組み込む?ビジネストランスレーターに求められる実践的アプローチ

続いては、パネルディスカッションが行われた。メンバーは松浦氏、木田氏にバンダイナムコネクサスデータ戦略部 プロダクトアナリティクス課の佐伯暁生氏、三井住友海上火災保険CXマーケティング戦略部 データアナリティクスユニット長の安田浩平氏が加わった。

株式会社バンダイナムコネクサス 佐伯暁生氏
株式会社バンダイナムコネクサス
データ戦略部プロダクト
アナリティクス課 佐伯暁生氏

株式会社バンダイナムコネクサス 安田 浩平氏
三井住友海上火災保険株式会社
CXマーケティング戦略部
データアナリティクスユニット長 安田 浩平氏

佐伯氏はプロダクトアナリティクス課のデータアナリストとして、主にスマートフォンゲームや家庭用ゲームのログデータ分析に携わっている。一方の安田氏は現在の部署に所属するまでは、データサイエンティストとして仕事に従事。そこからマーケティングを学び、CXマーケティング戦略部に異動。データアナリティクスユニットのリーダーとして、メンバーを率いている。

最初のテーマは「データ活用を業務にどう組み込む?ビジネストランスレーターに求められる実践的アプローチ」だ。

安田:当社はデータがたくさんあるのですが、網羅的にいろんなお客さんとのタッチポイントを知ろうと思うと、実はデータが足りないということがありました。

そのため、我々の最初のアプローチは、タッチポイントを洗い出し、データの取得から始めました。バンダイナムコさんはデータの取得において、苦労したことや工夫されていることがあれば教えてください。

松浦:私たちが分析対象としているのはスマートフォンゲーム。ログの取得は基本的には可能なので、データソースはリッチです。

その一方で、ログを吐くポイントや細かい要件が開発パートナーさんによって異なるので、それをどう統合して分析するのかという点では難しいところがありました。また、ワールドワイド向けのゲームタイトルの規模感では、サービスが巨大になるためデータエンジニアリングの難易度も高くなります。

ゲーム以外のビジネスの場合は、市中の店舗で売っているものが対象となるので、顧客の姿を捕まえるのが難しい。そこでグループ内の統一ID「バンダイナムコID」を活用。顧客の動きを捉え、徐々にデータが取れつつある状況になっています。

テーマ②感情データをどう活用するか?

木田:「感情データをどう活用するか?」というお題に移りたいと思います。損保では感情データが多い。事故・災害に遭ったときは、お客さまの感情がダイレクトに伝わります。コールセンターにはそういうデータのログがありますが、これまで活用されていませんでした。

現在は、生成AIなどによって、コールセンターでの会話をテキスト化してサマライズすることもできるようになりました。そのほか、アンケートのデータも、CDPの中に格納していくことが重要だと思っています。

それらのデータを分析すると、カスタマージャーニーのどの部分で一番感情が高ぶったり、下がったりするのかがわかってくる。それをクリエイティブに生かす。そういう活用もあるのかなと思っていますが、いかがでしょう。

佐伯:直近で実施したのは、レビューとログの組み合わせ分析です。発売後のレビュー評価が伸びていかないゲームがあり、開発側では打てる手は打ったものの、いまひとつ向上しないというものでした。

そこでレビューに書き込まれているテキストから、低評価に結びつきが強い要素を探し出しました。いくつか見つけた要素の内、短期間で対応可能なものを抽出。ゲームの中で起きている現象についてかなり深いところまでログを追ったところ、明らかにこれはまずいと思われるところを見つけました。

それを修正したところ、数カ月はかかりましたが、レビュー評価の段階が1ランク上昇したという事例があります。

安田:佐伯さんがおっしゃったことと我々も似たようなことをしています。業界が違っても、共通する部分があるのだなと思いました。

松浦:VoCなどから感情データを読み解く分析は通常のSQLを使った分析エンジニアリングとは異なり、お客さまに定性的に深く迫るリサーチャー的な側面が強くなると思います。分析の方法としても自然言語処理系が増えていく。SQLによる分析力に加え、自然言語処理などもできる、そういう器用さが役に立つ気がします。

テーマ③「器用貧乏」なスキルでビジネスを変える!ビジネストランスレーターのリーダーシップ戦略

木田:器用さという話題がでたことで、「器用貧乏」なスキルでビジネスを変える!ビジネストランスレーターのリーダーシップ戦略というお題に移りましょう。私は社内では器用貧乏力とは言わず、ドラクエの賢者やFF(ファイナルファンタジー)の魔法剣士をイメージしてもらっています。

とはいえ器用さというのは、これまでデータ活用を学んできていなかった人たちに、ハイレベルなデータ分析を学ぶことを要求しているわけではありません。

データ分析であれば、Tableauが普通に使えること。課題解決であれば、マーケティングのフレームワークをある程度、理解できること。データとマーケティングの両方についてある程度わかる人財がリーダーシップを発揮していくと、プロジェクト全体の推進力が一気に変わるからです。

松浦:当社では分析担当とビジネス担当が明確に分かれているのですが、我々側に事業の分かる人、事業側に分析が分かる人がいると、確かにプロジェクトが加速するという手応えはあります。

安田:データ分析×マーケティングという立場にいるのですが、そこでつくづく思うのは、やはり幅広い知識が求められるということ。ディープダイブするポイントを決めないと、事業や組織は回りません。ですが、そのポイントを発見するには、幅広い知識が必要になりますからね。

松浦:金融のマーケティングとデータ分析の両方を理解している自分は器用貧乏かもしれないという視聴者のコメントがありました。ビジネスとデータ、どちらが主軸なのか。データ関連人材にとって永遠に答えの出ない問いだと思います。

木田:難しいですよね。会社によってデータをどこまで重視しているかによっても変わると思います。ですが、若手の方は選択肢を広げるために、どちらも限界までやってみることをお勧めします。

松浦:キャリアラダーがどこまで用意されているのか。そのあたりも考える必要があるかと思いますが、木田さんがおっしゃるように限界までやってみることだと思います。

質問が次々と寄せられたQ&Aコーナー

パネルディスカッション形式のままQ&Aに突入。多くの質問が投げかけられた。その一部を紹介する。

Q.データストラテジスト、ビジネストランスレーターの育成方法を聞きたいです。非常に先進的な2社だと思いますが、研修制度や勉強会などどんなことをしていますか。

松浦:データチームの中でのデータストラテジストと、事業側でデータが使える人の両方に対して育成が必要だと思っています。ですが、まだまだ育成が追いつかないため、今は即戦力となる人材を採用しています。

CoE組織のメンバーが、各事業におけるデータ活用のニュアンスの強いチームやマーケティングのチームを兼務し、その中でデータ活用を啓蒙していくことを行っています。そのほか、定期的に勉強会を開催するなどして、CoE組織から全社に向けてデータ活用を広げていく取り組みをしています。

木田:当社では自分たちで学べるよう、eラーニングの仕組みを提供。現在、外販も始めました。そして人事と組み、来年度には資格制度化する予定です。資格を取得すると、インセンティブがもらえる。

そういう若手が応募しやすい仕組みを作ることに加え、部署に戻ってもデータを活用ができるような環境を用意。スモールサクセス体験ができるようにしています。そうすることで、ビジネストランスレーターへの関心を高めています。

Q.小さな成功を作るという話でしたが、どうやってやる気を出させるのがミソですか。どうしてもやらされ仕事になってしまい部下のコントロールに悩みます。

安田:当社には希望した部署に応募して異動できる制度があります。私たちの部署はその制度を利用して異動してきた人たちがほとんど。また木田がいろんなところで、部署の良さや仕事の魅力をアピールしている。それに憧れて、異動してくるのでモチベーションが高い。そういう好循環ができていると思います。

Q.ファンの感情のデータはどういった判断で取捨選択してデータ分析の対象非対称となっているのでしょうか。

松浦:バンダイナムコでは、分析のテーマごとにどういうデータを使うかを決めていると思います。課題特定フェーズでは全量データなど広いデータを使い、最後一手二手を深掘りするところではより深いデータを使う。そんな感じで取捨選択しています。

Q.データ人材だけで会社が構成されているのって意外と珍しいと思いました。データサイエンティストとしての働きやすさはどうですか。

佐伯:大学院に通える時間は捻出できるぐらいの環境です。また中途で入ってきた人ばかりなので、バックグラウンドがバラバラなので着眼点が違うのも面白いところです。

安田:働きやすさの観点はいろいろありますが、裁量の大きさが特徴です。忙しい時期はありますが、思うように仕事が進められるのでストレスは感じません。


株式会社バンダイナムコネクサス
https://bandainamco-nexus.co.jp/
株式会社バンダイナムコネクサスの採用情報
https://bandainamco-nexus.co.jp/careers/
私たち株式会社バンダイナムコネクサスは、新しいアソビを開拓し続け、世界に最新・最高のエンターテインメントをお届けすることを目指す会社です。 社名「nexus(つながり・絆)」の名の通り、バンダイナムコグループが展開する多彩な事業をつなげ、IPファンのお客様との結びつきをより強めるサービスを展開。 直近では世界的なカンファレンス・TEDに弊社役員が登壇するなど、グローバルな活動も行っています。 ■バンダイナムコグループと私たちについて■ バンダイナムコグループは、玩具や店舗展開からデジタル領域まで世界でも有数の多業種に渡るエンターテインメント事業を展開。 その中で私たちは、事業共通するIPを軸にお客様との理解を深め、これまでにないエンターテインメントを生み出すことをミッションとしております。 事業単体では到達できない新たな発想や基盤構築を実現するべく、「事業単体/横断データ分析」や「IPファン向け情報発信の機能開発・運営」「商品連動を可能にしたブラウザゲームプラットフォーム”enza”の展開」などを通じて、バンダイナムコグループ各社との緊密な連携を日々行なっております。ネクサスの名のもと、グループ全体を俯瞰し、世の中をワクワクさせる取り組みを追及し続けます。

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