[Math & Coding分科会]微積分入門#06〜大人になって必要になった人のために〜
イベント内容
Math & Codingについて
Math & Codingは数学とプログラミングの知識を向上したい方が集い学び合う場です。 機械学習やデータ分析予測業務の仕事のニーズが高まるにつれ数学とプログラミングの 両方を習得していくことはとても重要です。 どちらも習得に時間はかかりますが、学べば品質の高い仕事につながると考えます。
趣旨
「微分積分 (理工系の数学入門コース 1)和達 三樹」を使って、大学での微積分学を全8回に渡り、講義します。
今回の連続シリーズについて
誰に言われるまでもなく、微積分は必要だ、と考える方はたくさんおられると思います。統計学や機械学習などデータサイエンスの学習をやり始めると偏微分や多重積分で悩まれる方も多いでしょう。
アマゾン等で調べてみると杉浦光夫著『解析入門I, II』東京大学出版会や高木貞治著『定本 解析概論』が有名らしい。いざ、取り組んでみると、ε-δ論法という迷路から抜け出られなくなる、諦める。このような方も多いかと思います。この2冊は、その名の通り「解析学」なのです。
大学で学ぶ微分積分(解析学)には2つの側面があります。
- 微積分の問題を具体的に解く(微積分法)
- ε-δ論法に代表される極限や収束により関数のふるまいを吟味(解析)する(解析学)
実は、データサイエンスの問題は、微積分の計算だけで大抵のことが解決されるのです。実用面では、解析学は必要ありません。(ただし、ある程度のレベルまでは、です)
微積分は、データサイエンスを含む、理工学の基礎体力ともいえます。解析学は、筋トレのように繰り返して、"使って学んで"を重ねて、徐々に深めていく学問なのです。
この連続講座では、"使って学んで"の1周目を提供します。この講座を通して、微積分の計算テクニックに親しんでいただき、データサイエンスなど必要とされる分野への基礎体力をつけてほしいと望んでいます。そして、さらなる解析学への橋渡しをできればと考えています。
注意
微積がもつ理論的背景(メタ認識)には計算をこなさないと至りません。すべてを参加時間で提供するのはやはり無理です。目安としてノート一冊分は自力で計算してください。
教科書
理工系の数学入門コース(微分積分)
解析学のいわゆる有名本(解析入門I,IIや解析概論)ではなく、躊躇される方もいるかもしれません。この本の著者である和達三樹先生は数理物理学の泰斗で、非線形科学(ソリトン)などで業績のある方です。仁科記念賞(日本で最も権威ある物理学の学術賞)も受賞されています。物理学者は微積分のヘビーユーザであり、一流な物理学者は数学者と遜色なく、数学に精通しています。この書籍には、その和達先生が選出した、微積分を必要とする方への最低限のノウハウが詰め込まれています。
到達目標
- 微積分に関して、自己解決ができる計算力をつける
- 解析学に自力で到達できる基礎素養をつける
やること・やらないこと
やること
- 極限操作、ε-δ論法(教科書に載っている範囲内でやります)
- 初等関数の取扱
- 代数関数(2x+1など,よく見る関数のこと)
- 指数関数、対数関数
- 三角関数
- 逆三角関数
- 微分法(必要となるパターンはほぼ網羅予定)
- 積分法(必要となるパターンはほぼ網羅予定)
やらないこと
- 実数論
- 無限級数等の級数論
- 微分方程式とベクトル解析
- 微分方程式とベクトル解析は、別途講座を設けます
- 煩雑すぎる微積テクニック
- 特殊関数
- 複素関数の微積
スケジュールとコンテンツ(目次)--(回数や日時は変更になる場合があります!)
- 1 基本的なこと/2 変数と関数 (1回目 2017年11月7日火曜日)
- 1-1 いろいろな数/1-2 グラフで数を表わす/1-3 数列と極限/1-4 再び極限について
- 2-1 関数/2-2 いろいろな関数/2-3 関数の極限/2-4 再び関数の極限について/2-5 連続と不連続/2-6 連続関数
- 3 微分法 (2回目 2017年11月14日火曜日/3回目 2017年11月21日火曜日)
- 3-1 速 度/3-2 微分係数と導関数/3-3 導関数の計算/3-4 関数の性質/3-5 基本的な定理/3-6 テイラーの定理/3-7 微分
- 4 積分法 (4回目 2017年11月28日火曜日 /5回目 2017年12月12日火曜日)
- 4-1 不定積分/4-2 不定積分の計算/4-3 定積分/4-4 定積分と不定積分/4-5 定積分を拡張する/4-6 数値積分法
- 5 偏微分 (6回目 2017年12月19日火曜日)
- 5-1 2変数の関数/5-2 偏微分/5-3 全微分/5-4 平均値の定理/5-5 偏導関数の応用
- 6 多重積分 (7回目 2018年1月9日火曜日/8回目 2018年1月16日火曜日)
- 6-1 多重積分/6-2 2重積分は積分を2度行なう/6-3 積分変数の変換/6-4 多重積分の応用/6-5 線積分
- 7 無限級数 (やりません)
- 7-1 無限級数/7-2 有界な単調数列/7-3 正項級数/7-4 絶対収束級数/7-5 ベキ級数/7-6 一様収束する関数級数
費用と会場について
会場は人数把握の上、手配いたします。大阪市内を予定しています。押さえ次第、ご連絡いたします。 費用は1000円を予定しています。費用は会場費と運営費に充てさせてもらいます。
講師 略歴
hrokm
- K大学大学院 博士前期課程 理論物理学専攻 満期退学
- 北陸先端科学技術大学院大学(Jaist) 情報科学研究科 博士前期課程 人工知能・分散処理専攻 満期退学
大学時代は理論物理学と数学、ヴァイオリンに明け暮れる。 理論物理学修士課程で素粒子理論、数理モデル、宇宙論、量子コンピュータなどを修学。一年間休学し、文学理論、理論経済学、金融工学を修める。 Jaistにて人工知能や分散処理などの基礎理論を修学する。 外資系大手ソーシャルメディア、大手ソーシャルゲーム、大手アドテクなどを経て、現在はフリーランス。
参考文献
- [キーポイント多変数の微分積分 (理工系数学のキーポイント (7))](https://www.amazon.co.jp/dp/4000078674 キーポイントシリーズは、初めて専門書に取り組んですっきりしない時に、光明をもたらせてくれます。"多変数の微分積分"は、重要なところを多くを語らず、スッキリだった(ような記憶があります)。
- 公式集 (モノグラフ) 矢野 健太郎 訂はどれでも可。高校数学、さまざまな式変形の基礎が網羅されている。
- 数学:物理を学び楽しむために この講座を終えたとき、ベクトル解析などは自習可能になっているはず。この本にはベクトル解析で学ぶべきコンテンツは十分にカバーされています。
- 田島一郎著『イプシロン-デルタ』 共立出版
- 田島一郎著『解析入門』 岩波全書 微積を習熟したのち、この書を手にとると、タイトルは解析入門とあるが、普通のレベルでの解析学はほぼ終了し、ルベーグ積分や関数解析へ接続できる名著。
- 金子晃著『数理系のための基礎と応用 微分積分 I, II —理論を中心に』サイエンス社
- イチオシ!数理物理学周辺の関数解析を専門とされた大先生。かつては、いわずと知れた「偏微分方程式入門」(東大出版)、解析入門の演習書「解析演習」(東大出版)で日本の数学・物理学徒は苦しめられました。金子先生はそのノウハウあってか、親しみやすく、含蓄があって、深さもある、非常に素晴らしいシリーズをお書きになられています。日本人でよかったと思える好書です。しかしながら、初学者には幾分辛いかもしれません。2周目に好適、かつ人類の98%にとっては一生モノです。私は金子先生と吉田耕作先生の著作が大好きです。
- 微分積分読本 1変数/続 微分積分読本 多変数 小林 昭七 小林昭七先生は現代幾何学のすごい人、しかしその著書は柔らかく、深い。
- 高木貞治著『定本 解析概論』岩波書店 一応書いておきます。私は持ってません、やってません。
- 杉浦光夫著『解析入門I, II』東京大学出版会 一応書いておきます。私は持ってません、やってません。
- 微分積分の演習書 多く演習書が出版されており、微分積分演習 (理工系の数学入門コース演習1,和達三樹)と明解演習微分積分 (明解演習シリーズ,小寺 平治)を挙げるのみとします。微積分には多くの問題があり、膨大なパターンがあります。初めは「すべてを解く」と意気込まず、できるところ、必要なところから挑戦するが最善だと思います。
- 微分積分(共立講座 21世紀の数学) 黒田 成俊 黒田先生は、知る人ぞ知る関数解析(物理出身)の大家で、不動の基本書関数解析 共立数学講座 (15)や 量子物理の数理(要するにHilbert空間上の偏微分方程式の振舞い、直交関数列です)なども書かれています。 chap2,3の実数と連続性、級数の扱いなど、渾身、異色の出来。難しいですが、しっかり読むと、高度な確率論をする際に大いに役に立ちます。
微積の知識は経済学にもそのまま使えます。
少し上級、ベクトル解析的
少し異色です
僕好みの統計・確率の参考書(しっかり計算をしているという意味で)
- 統計入門 (サイエンスライブラリ―理工系の数学〈20〉) 和田 秀三
- 基本演習確率統計 (基本演習ライブラリ (3)) 和田 秀三
- 確率・統計 (理工系の数学入門コース 7) 薩摩 順吉
- 確率入門 (文化情報学ライブラリ) 片山 徹
- 小寺平治の著作、明解演習 数理統計とゼロから学ぶ統計解析
- 統計学入門 蓑谷 千凰彦
- 数理統計学―基礎から学ぶデータ解析 鈴木 武, 山田 作太郎
- 確率と確率過程 伏見 正則
興味のある方はぜひ参加くださいませ!
参加にあたり予習は不要です!!
講師としてご協力いただける方も大募集中!!!
リンク
- GitHub:math_conding_AnalyticsForPrimersノートや資料のアップロードで使います
- Math & Coding 分科会 FBページ
今後開講を模索している分野
僕に教えられる分野で、希求されており、知っていることで知らない人より圧倒的なアドバンテージを得られる、と思われる分野をやっていきたいと考えています。
- ベクトル解析(統計学や機械学習で使う範囲で。divやrotなし)
- 常微分方程式(求積法でできる解法のみ。級数法(特殊関数)や"解の存在定理"はやりません)
- 最適化数学
- 統計学
- 情報理論
- 確率過程・確率解析とファイナンス数理(測度論をあまり使わない範囲で)
- 離散数学(グラフ理論、組合せ論、オートマトンetc)
- advanced統計学(一般化線形モデル、時系列解析etc)
- 機械学習
- 機械学習のための連続最適化
- DeepLearning
- 機械学習プロフェッショナルシリーズを制覇
- 量子情報
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