#7 なんば哲学勉強会【1冊目:ウィトゲンシュタイン『数学の基礎』第7回目】

2023/06/23(金)18:20 〜 20:00 開催
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イベント内容

概要

第2・4金曜日夜に大阪難波で哲学書を読むゼミ形式の勉強会です。取り上げる哲学書は時期によって異なりますが、基本的に「隅から隅まで読む」というより、要点となる箇所を集中的に読解することで、そこでの理解を手がかりに勉強会終了後にひとりで同じテキストを通読できるようになるための素養を手に入れてもらうことを目的とします。要点となる(と思われる)箇所については、主催者がそこをまとめた資料をそのつど作成して配布します。勉強会に関するお問い合わせはphil.math0820[@]gmail.comまで([]を外してください)。

第1期では、主催者が専門とするウィトゲンシュタインのテキストのなかでも特に問題作といえる『数学の基礎』(日本語版全集7巻に収録)を読みます。詳細は以下をご覧ください。

テキストについて

ウィトゲンシュタイン(1889-1951)は、ハイデガーと並んで20世紀最大の哲学者と称されることもあるオーストリア出身の哲学者です。ウィトゲンシュタインは、生前公刊した唯一の哲学書『論理哲学論考』のほかに、膨大な数の草稿を遺しました。『数学の基礎』もそのひとつです。

『数学の基礎』は、かなりの問題作として知られています。まず、そこでのウィトゲンシュタインの基本的な主張は、数学を基礎づける哲学的試みはすべて失敗するというものです。なかでもウィトゲンシュタインは師であるラッセルの論理主義や、数学的対象の実在を信じるプラトニズムと呼ばれる(ゲーデルなどの)立場に強く反発します。そこから、数学の証明は真理の発見ではなく発明に関わる(数学者は発明家である)という主張が導かれたりもします。

こうした主張は、プラトン以来2000年以上続く、数学の本性をめぐる哲学的考察の伝統においては異質のものです。しかし、そこに『数学の基礎』の魅力があるともいえます。本勉強会は、『数学の基礎』読解を通じて、哲学と数学の関係性、哲学的考察の諸特徴などについて理解を深めることを目的とします。

なお、類似のテキストに、講談社学術文庫から出版されている『ウィトゲンシュタインの講義:数学の基礎篇』があります。必要に応じてこちらに言及することもあるかもしれませんが、今回の読解対象はあくまで大修館書店の全集第7巻に収録されている『数学の基礎』ですので、お間違えのないようお願いします。全集は高価ですので、購入いただく必要はありません。

こんな方におススメ!

  • 哲学に興味がある、哲学のゼミをのぞいてみたい
  • 何かを学び始めたい、もしくは学び直したい
  • 難解な哲学書に触れてみたい
  • 学問を通じて人々と交流したい

主催者紹介

大学で研究員をしたり非常勤講師をしたりしながら博士論文を準備中の研究者(見習い)です。

専門は哲学、特に後期ウィトゲンシュタインのメタ哲学(「哲学とは何(であるべき)か」を問う哲学)です。修士論文では、「哲学的問題は問題として成立していないから答えようがない」というウィトゲンシュタインの見解について考察しました。博士論文もその延長線上にあるものになる予定です。

これまでの出版物として『ユーモア解体新書』(共著論文が掲載されています)と『ゆるレポ』(「バ美肉」に関する記事を書いています)などがあります。

SOU数学ラボの管理人は小学校時代の同級生であり、 「双方向入門勉強会【数学研究者⇄哲学研究者】」の共催者(哲学パート担当)でもあります。

注意事項

勉強会に関して

  • なるべく18時25分までには入室してください。
  • お釣りのでないように参加費をお支払いください。
  • 飲み物は持ち込み自由です。飴やガム以外の食事はご連慮ください。
  • 宗教の勧誘や過度な営業活動などはご遠慮ください。
  • 当日までの連絡なく不参加の方、キャンセルを繰り返される方は以後参加をお断りする場合があります。
  • 周りの方へ迷惑行為やハラスメントを行った場合は、その場でご退室もしくは以降の参加をお断りします。

新型コロナウィルス感染対策に関して

  • マスクの着用をお願いします。
  • アルコールを用意していますので、入場時に手の消毒をお願いします。
  • 咳、くしゃみなどの際は口を抑えるなどの配慮をお願いします。
  • 参加者同士の物理的な接触(握手など)を極力避けるようお願いします。
  • 体調が優れない場合は、参加はご遠慮下さい。(必ずConnpassにてキャンセル処理をお願いします。)

SOU数学ラボについて

大阪なんばにある、数学専攻の博士課程大学院生が管理人をしているスペースです。 管理人の研究室兼オフィスでもありますが、ここで数学の勉強会やイベントを開いたり、大人向けに数学の個人レッスンをしています。また勉強会やイベントの開催場所をお探しの方はこちらをご覧ください。

アクセス

このページにも地図は載っていますが、SOU数学ラボ内に写真付き道案内ページを作ってみたので、そちらも是非参考にしてください。

開催中の他のイベント・勉強会

当スペースでは様々なイベントや勉強会を定期開催しています。

フライデー数学ナイト(第1・3金曜日18時30分~20時30分)

数学好きのための交流イベントです。当スペースの勉強会に何度か参加し、すっかり数学好きになってしまったITエンジニアの方が主催しています。勉強会のしっかりとした雰囲気ではなく交流メインですが、(各回最大1人まで)希望者がいれば数学の発表を披露していただきます。またそんな発表者に主催者なりにお返しができたらと参加者数に応じた謝礼をお渡しする仕組みを用意しました。日ごろの勉強の成果報告や振り返り、卒論・修論発表などのリハーサルに是非是非ご活用ください! 参加申し込み受付中のイベント一覧はこちらから。

なんば哲学読書会(第2・4金曜日18時30分~20時30分)

大学外での哲学の気軽な勉強会を作ろうと、下記の双方向入門勉強会の哲学パート担当者でもある、若手哲学研究者が運営しています。1冊のテキストをテーマに勉強会を進めていきます。毎回資料を配布し予習や前提知識は不要になっているので、どの回からでも気軽に参加可能です。参加申し込み受付中のイベント一覧はこちらから。

公理的集合論入門勉強会(毎週日曜日10時~11時30分)

不完全性定理勉強会の参加者である、数学基礎論志望の大学生が発表役の勉強会です。毎回このconnpassで参加申し込みを受け付けています。詳しくはこちらから。またこのイベントはオンラインでも参加可能です。

帽子パズル研究会(第1・3日曜日12時~15時)

管理人の研究進捗報告も兼ねた、ゼミ形式勉強会です。管理人の主研究テーマである「囚人と帽子のパズルの無限化」の話をたくさん(ばっかり)します。帽子パズル研究の最前線を体験できます。詳しくはこちらも参考にしてください。

不完全性定理勉強会(第2・4日曜日12時~15時)

ゲーデルの不完全性定理の証明の理解を目標とした勉強会です。当スペース管理人が発表を担当しています。すでに固定メンバーが6人いて新規メンバー募集はしていませんが、見学は対応できる可能性があるので、興味のある方はご連絡ください。詳しくはこちらも参考にしてください。

開催していたイベント・勉強会

双方向入門勉強会【数学研究者⇄哲学研究者】(毎週土曜日16時~19時)

数学と哲学の若手研究者が異分野交流を目指して互いの専門分野について教えあう新しいタイプの勉強会です。 数学パートと哲学パートに分かれていて、数学パートは当スペースの管理人が担当しています。毎回参加申し込みをこのconnpassにて受け付けています。途中からの参加もお気軽にどうぞ。最新の回の申し込みなど詳しくはこちらから

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