
Azure
Microsoft Azureとは、Microsoftが提供するクラウドサービスの総称です。
企業や開発者向けに、コンピューティング、分析、データストレージ、ネットワーキング、AIサービスなど多岐にわたるサービスを提供しています。
スケーラブルで柔軟性が高く、オンプレミス環境と統合しながら使えるハイブリッドクラウドソリューションとしても評価されています。
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こんにちは。SCSK渡辺(大)です。 2026年1月〜4月にかけて、 AWSとAnthropic の協業が一気に加速しました。 新モデルの連続リリース、開発者ツールの統合深化、サイバーセキュリティの新イニシアチブ、そして史上最大規模の投資拡大まで。 正直、情報を追いきれないので Kiro に整理してもらいました。 本記事では、この期間に発表された主要ニュースを時系列で整理し、 それぞれ 「誰にとって嬉しいのか」「何が変わるのか」 を掘り下げます。 引用元はAWSまたはAnthropicの公式サイト・ブログを中心にしています。 忙しい人向け:3分でわかるまとめ この4ヶ月を一言でまとめると、 「Claudeが開発者のツールから、組織全体のインフラへと進化した」 ということです。 なぜそう言えるのか?以下の3つの変化が根拠です: 使える人が広がった :これまでClaude CodeはエンジニアがBedrock経由で使うものでしたが、 Claude Cowork の登場で営業・経理・人事など エンジニア以外の全社員 がClaude Desktopを安全に使えるようになりました 管理の仕組みが整った : IAMプリンシパル別コスト配分 により 「誰がいくら使ったか」が見える化 され、組織全体でのAI利用を管理できるようになりました 長期的な安定供給が保証された : Amazonの最大330億ドル投資 と、Anthropicの10年1,000億ドルAWS支出コミットにより、 両社の協業が長期的に継続する見通し となりました 以下のテーブルは、 AWS × Anthropicのエコシステム全体 がこの4ヶ月でどう変わったかを、レイヤーごとに整理したものです。 レイヤー 説明 2025年末まで 2026年4月時点 Claudeモデル Bedrock上で使えるAnthropicのAI Opus 4.5 / Sonnet 4.5 Opus 4.7 / Sonnet 4.6 / Mythos Preview 開発者ツール エンジニアがコードを書くためのツール Claude Code(Bedrock対応済み)/ Kiro Claude Code + Claude Cowork(Bedrock対応)+ Kiro(GovCloud対応・Opus 4.7対応) エージェント基盤 AIが自律的にタスクを実行する仕組み AgentCore Runtime AgentCore Runtime + Managed Harness + CLI + Skills コスト管理 Bedrockの利用料金の可視化 AWSアカウント単位でしか把握できない IAMプリンシパル単位(チーム別・個人別に把握可能) Claudeの利用方法 AWSアカウントからClaudeを使う手段 Amazon Bedrockのみ Amazon Bedrock + Claude Platform on AWS(Preview) セキュリティ AIを使った防御の取り組み 標準的なモデル利用 Project Glasswing(Mythosによるゼロデイ脆弱性の自動発見) 認定資格 Claudeのスキルを証明する試験 なし CCA Foundations(Anthropic初の公式認定試験) 投資規模 AmazonからAnthropicへの出資額 Amazon累計80億ドル Amazon累計最大330億ドル / Anthropic 10年間で1,000億ドル以上をAWSに支出コミット 特に注目すべき3つのニュース Project Glasswing(4月7日) — Anthropicの最強モデ ル「Claude Mythos」 がサイバーセキュリティ特化で限定公開。AWS・Apple・Google・Microsoftなど約50組織がパートナーに。コーディング能力テスト(SWE-bench Verified) で93.9%、サイバーセキュリティテスト(Cybench)で100%を達成 Amazon × Anthropic 投資拡大(4月20日) — Amazon 50億ドル追加投資、Anthropic 10年間で1,000億ドル以上をAWSに支出コミット。新たに「Claude Platform on AWS」も発表 Claude Cowork in Bedrock(4月21日) — エンジニア以外もClaude Desktopを安全に使えるように。データはAWS内に留まり、Anthropicへのシートライセンス(1人あたり月額○円)は不要の従量課金 観点別の評価 観点 良い点 検討・留意すべき点 コスト Sonnet 4.6がOpus並みの性能をより低コストで提供。IAMプリンシパル別コスト配分で可視化も改善。Coworkはシートライセンス不要の従量課金 Opus系は高性能な分、料金も相応(入力5ドル/出力25ドル per 100万トークン)。Claude Codeの利用量は開発者によって大きく異なるため、IAMコスト配分を活用した予算管理の仕組みづくりが重要 セキュリティ Project Glasswingは防御側に先行アクセスを提供する画期的なアプローチ。Bedrock経由ならデータはAWS内に留まる Mythos Previewは現時点では限定公開のため、一般利用はできない。AI全般の能力向上に伴い、防御側・攻撃側双方の能力が高まる点は業界全体の課題として注視が必要 選択肢と柔軟性 Claude Platform on AWSの登場で選択肢が増加。Claudeは3大クラウド(AWS / GCP / Azure)すべてで利用可能な唯一のフロンティアモデル AWSとAnthropicの長期的なパートナーシップが深まる中、自社の要件に合った利用形態(Bedrock / Claude Platform on AWS / 直接API)を選定することが重要 開発者体験 Claude Code / Cowork / Kiro / AgentCoreの統合が進み、「開発→テスト→デプロイ→運用」の全フェーズでClaude + AWSの組み合わせが使える ツールの選択肢が増えた分、「どれを使うべきか」の判断が複雑に。用途に応じた使い分けガイドの整備が望まれる ここから先は各ニュースの詳細です。気になるトピックだけ読んでもOKです。 目次 タイムライン一覧 Claude Opus 4.6 — Bedrock提供開始(2月5日) Claude Sonnet 4.6 — Bedrock提供開始(2月17日) Kiro — Claudeモデル対応の加速(2月〜4月) Claude Certified Architect — Foundations 試験開始(3月12日) Project Glasswing & Claude Mythos Preview(4月7日) Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分(4月上旬) Claude Opus 4.7 — Bedrock提供開始(4月16日) Amazon × Anthropic 投資拡大 & Claude Platform on AWS(4月20日) Claude Cowork in Amazon Bedrock(4月21日) AgentCore新機能 — Managed Harness / CLI / Skills(4月22日) 今後の注目ポイント 引用元一覧 タイムライン一覧 日付 ニュース ひとことで言うと 2月5日 Claude Opus 4.6 Bedrock提供開始 Anthropicの最高性能モデルがAWSで使える 2月17日 Claude Sonnet 4.6 Bedrock提供開始 Opusに迫る性能をより安く 2月5日〜 Kiro — Claudeモデル対応の加速 GovCloud対応、Opus/Sonnet 4.6即日対応、1Mコンテキスト 3月12日 Claude Certified Architect Foundations Anthropic初の公式認定資格 4月7日 Project Glasswing & Claude Mythos AIがゼロデイ脆弱性を自動発見する時代の幕開け 4月17日 Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分 「誰がいくら使ったか」が見える化 4月16日 Claude Opus 4.7 Bedrock提供開始 コーディング性能がさらに向上、東京リージョン対応 4月20日 Amazon 50億ドル追加投資 & Claude Platform on AWS 史上最大規模のAI投資。Claudeの安定供給を長期保証 4月21日 Claude Cowork in Amazon Bedrock エンジニア以外もClaude Desktopを安全に使える 4月22日 AgentCore Managed Harness / CLI / Skills コードを書かずにAIエージェントを動かせる この記事で出てくる用語の補足 AIモデルやAWSサービスの名前がたくさん出てくるので、先に整理しておきます。 用語一覧を開く(クリックで展開) 用語 ざっくり言うと Amazon Bedrock AWSが提供する「AIモデルの窓口」サービス。Claude、Nova、Llamaなど複数のAIモデルをAPI経由で使える。データはAWS内に留まるので、セキュリティ面で安心 Claude Anthropic社が開発したAIモデルのブランド名。性能順に Mythos > Opus > Sonnet > Haiku というラインナップがある トークン AIモデルが文章を処理する単位。日本語の場合、1文字が1〜3トークン程度。料金は「100万トークンあたり○ドル」で計算される コンテキストウィンドウ AIモデルが一度に読める文章の量。1Mトークン ≒ 日本語で約30〜50万文字(文庫本5〜8冊分) SWE-bench AIモデルの「プログラミング能力テスト」。GitHubの実際のバグ修正タスクを解けるかを測定する。スコアが高いほど優秀 Kiro AWSが開発したAI搭載のコードエディタ(IDE)。VS Codeベースで、Claudeモデルを使ってコードの生成・レビュー・テストを支援する Claude Code Anthropicが開発したターミナル(コマンドライン)で動くAIコーディングツール。2025年5月にGA(正式版)。Bedrock経由でも利用可能 Claude Cowork Claude Desktopアプリのエンタープライズ向けモード。エンジニア以外のビジネスユーザーがリサーチや文書作成にClaudeを使える AgentCore AWSが提供する「AIエージェントの実行基盤」。AIが自律的にツールを使って作業するための仕組み MCP Model Context Protocol。AIモデルが外部ツール(データベース、API等)と連携するための標準規格 IAM AWSの認証・認可サービス。「誰が何にアクセスできるか」を管理する ゼロデイ脆弱性 まだ誰にも知られていないソフトウェアのセキュリティ上の弱点。発見されるまで対策が取れないため非常に危険 Claude Opus 4.6 — Bedrock提供開始(2月5日) Anthropicの最高性能モデルがBedrock経由で利用可能に。コーディング、エージェント、エンタープライズ業務のすべてで業界トップの性能を発揮。 何が変わったのか Claude Opus 4.6は、Anthropicが「世界最高のコーディングモデル」と位置づけるフラッグシップモデルです。 これがAmazon Bedrockで使えるようになったことで、AWSの認証(IAM)やネットワーク分離(VPC)といったセキュリティの仕組みの中でOpusを利用できるようになりました。 項目 内容 コンテキストウィンドウ 1Mトークン (日本語で約30〜50万文字を一度に読める) 最大出力トークン 128K SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) 80.8% (Opus 4.5と同等水準を維持しつつ他の能力が大幅向上) Terminal-Bench 2.0(ターミナル操作テスト) 65.4% 推論(Reasoning) サポート(Extended Thinking対応) 料金 入力 5ドル / 出力 25ドル(100万トークンあたり) 誰にとって嬉しいのか エンタープライズ開発チーム :複雑なコードベースの理解・リファクタリングに最適。長時間のエージェントタスクでも安定動作 Claude Code利用者 :Bedrock経由でOpus 4.6を使えるため、 APIキー管理不要・IAM認証・VPCエンドポイント のセキュリティメリットを享受 Kiroユーザー :Kiro IDEでもOpus 4.6が 同日(2月5日)に利用可能 に(2.2xクレジット乗数) Opus 4.6はSonnet 4.6(入力3ドル/出力15ドル)と比べて入力約1.7倍・出力約1.7倍の価格です。コスト最適化が重要な場合は、Sonnet 4.6をメインに使い、複雑なタスクのみOpusに振り分ける「モデルルーティング」戦略が有効です。 参考: Claude Opus 4.6 now available in Amazon Bedrock — AWS What’s New Claude Sonnet 4.6 — Bedrock提供開始(2月17日) Opus 4.6に迫る性能を、より低コストなSonnet価格帯で実現。各種ベンチマークでOpusとほぼ同等のスコアを記録。 何が変わったのか 項目 Sonnet 4.6 Opus 4.6(参考) SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) 79.6% 80.8% OSWorld(PC操作の自動化テスト) 72.5% 72.7% コンテキストウィンドウ 1Mトークン 1Mトークン 入力 / 出力料金 3ドル / 15ドル per 100万トークン 5ドル / 25ドル per 100万トークン OSWorldは「AIがPC上でマウスやキーボードを操作してタスクを完了できるか」を測るベンチマークです。Sonnet 4.6は72.5%で、Opus 4.6の72.7%とほぼ同等のスコアを記録しました。なお、この「Computer Use」機能はAnthropicのAPI経由で利用できるもので、Bedrock経由での利用方法はAnthropic Messages API(bedrock-mantle)またはBedrock Agentsを通じた形になります。 注目の新機能:Context Compaction(コンテキスト圧縮) 長い会話を続けると、AIモデルが読める量(コンテキストウィンドウ)の上限に近づきます。Sonnet 4.6では、 上限に近づくと自動的に過去のやり取りを要約して圧縮する 機能が追加されました。これにより、長時間の作業でも会話が途切れにくくなります。利用方法はシンプルで、APIリクエストに「入力トークンが○○を超えたら圧縮する」というパラメータを追加するだけです。 誰にとって嬉しいのか 大量にAIを使う組織 :Opus並みの性能を、 より低コスト(入力3ドル/出力15ドル vs Opusの5ドル/25ドル) で利用可能。大量のリクエストを処理する場合に最適 Claude Codeユーザー :Claude Codeの早期テストでは、Sonnet 4.5より 70%の確率で好まれた ( Anthropic公式発表 ) Kiroユーザー :Kiro IDEでも 同日(2月17日)に利用可能 に(1.3xクレジット乗数) 参考: Claude Sonnet 4.6 now available in Amazon Bedrock — AWS What’s New Kiro — Claudeモデル対応の加速(2月〜4月) AWSのAI搭載IDE「Kiro」が、Bedrockに新モデルが追加されるたびに即座に対応。GovCloud対応、1Mコンテキスト正式化、オープンウェイトモデル追加など、この期間で大きく進化。 Kiroとは Kiroは、AWSが開発したAI搭載のコードエディタ(IDE)です。VS Codeをベースにしており、Claudeモデルを使った「スペック駆動開発」が特徴です。普通のAIコーディングツールが「コードを書いて」と頼むとすぐコードを生成するのに対し、Kiroは まず要件定義書(スペック)を作り、それに基づいてコードを生成・検証する というアプローチを取ります。 この期間のKiroの主なアップデート Kiro Models Changelog に基づく時系列です: 日付 内容 2月5日 Claude Opus 4.6対応 — Bedrock提供と同日。2.2xクレジット乗数。us-east-1で利用可能 2月10日 オープンウェイトモデル追加 — DeepSeek 3.2(0.25x)、MiniMax 2.1(0.15x)、Qwen3 Coder Next(0.05x)が利用可能に。低コストの選択肢が増加 2月17日 Claude Sonnet 4.6対応 — Bedrock提供と同日。1.3xクレジット乗数。us-east-1とeu-central-1で利用可能 2月下旬 GovCloud(US-East / US-West)対応 — 米国政府機関や規制産業の開発者がKiroを利用可能に 3月24日 Opus 4.6 & Sonnet 4.6が1Mコンテキストに正式対応 — 200Kから1Mに拡大し、「experimental」マークが外れてGA(正式版)に 4月17日 Claude Opus 4.7対応 — 2.2xクレジット乗数。まずIAM Identity Center認証ユーザーから段階的に展開 ポイント Bedrockへの新モデル追加と同日にKiroでも利用可能 になるパターンが定着。AWSのAI開発ツールとしてのKiroの位置づけが明確に Claudeだけでなく オープンウェイトモデル (DeepSeek、MiniMax、Qwen等)も選択可能。クレジット乗数が低い(0.05x〜0.25x)ため、コストを抑えたい場合の選択肢になる 3月24日のアップデートで、Opus 4.6とSonnet 4.6が 1Mコンテキストウィンドウに正式対応 。大規模なコードベースやドキュメントを一度に読み込めるようになった エンタープライズ向けには Model Governance 機能も追加。管理者が「どのモデルを使って良いか」を制御でき、データレジデンシー要件に対応 Kiroの利用にはAWSアカウントは必須ではありません。Google、GitHub、AWS Builder IDでもサインインできます。ただし、組織での利用にはAWS IAM Identity Centerが推奨されています。 参考: Kiro Models Changelog / Opus 4.7 is now available in Kiro — Kiro Blog Claude Certified Architect — Foundations 試験開始(3月12日) Anthropicが初の公式認定資格を開始。Claudeを使った本番システム構築スキルを証明する試験。AWS認定資格のClaude版のようなイメージ。 何が変わったのか 項目 内容 試験名 Claude Certified Architect – Foundations(CCA-F) 開始日 2026年3月12日 試験時間 120分 問題数 60問(多肢選択) 合格スコア 720 / 1000 受験料 99ドル 前提知識 Claudeでの本番システム構築経験6ヶ月以上 試験範囲 Claude Agent SDKを使ったエージェントシステム設計 MCP(Model Context Protocol) のサーバー/クライアント実装 Claude Codeの CLAUDE.md を活用したプロジェクト管理 6つの本番シナリオ(カスタマーサポートエージェント、マルチエージェントパイプライン、CI/CD統合など) 誰にとって嬉しいのか AIアーキテクト・エンジニア :スキルの客観的証明が可能に。AWS認定資格と同様に、転職・昇進の武器になる SIer・コンサルティング企業 :Anthropicの Claude Partner Network と連動。1億ドルのトレーニング・セールスイネーブルメント投資の一環 組織の意思決定者 :チームのClaude活用スキルを定量的に評価できる この試験は「プロンプトが書けるか」ではなく「本番システムを設計・運用できるか」を問う実践的な内容です。AWS認定ソリューションアーキテクトと同じ感覚で取り組めます。 Project Glasswing & Claude Mythos Preview(4月7日) この期間で最大のインパクト。 Anthropicが「Opusの上位」に位置する新モデルクラス「Claude Mythos」を発表。サイバーセキュリティに特化した限定公開で、AWS・Apple・Google・Microsoftなど約50組織がパートナーに。 何が起きたのか Anthropicは2026年4月7日、 Project Glasswing を発表しました。これは、Claude Mythos Previewという未公開の最先端モデルを使い、世界の重要ソフトウェアのセキュリティ脆弱性を発見・修正するイニシアチブです。 簡単に言うと、 「AIが人間のセキュリティ専門家よりも高い精度でソフトウェアの弱点を見つけられるようになった。その力を、まず防御側(守る側)に先に渡して、悪用される前に弱点を直そう」 という取り組みです。 Claude Mythos Previewのスペック 項目 Mythos Preview Opus 4.6(参考) SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) 93.9% 80.8% SWE-bench Pro(より難しいコーディングテスト) 77.8% 53.4% Cybench(サイバーセキュリティテスト) 100% — コンテキストウィンドウ 1Mトークン 1Mトークン 最大出力トークン 128K 128K 提供形態 ゲーテッドリサーチプレビュー (許可された組織のみ) 一般提供 利用可能リージョン us-east-1のみ 複数リージョン Project Glasswingのパートナー ローンチパートナー(12組織) : Amazon Web Services、Anthropic、Apple、Broadcom、Cisco、CrowdStrike、Google、JPMorganChase、Linux Foundation、Microsoft、NVIDIA、Palo Alto Networks 加えて約40の追加組織(インターネットの重要インフラを構築・保守する企業)が参加。 Anthropicのコミットメント 1億ドル のモデル利用クレジットをProject Glasswing参加者に提供 400万ドル のOSSセキュリティ組織への直接寄付(Linux Foundation経由250万ドル + Apache Software Foundation 150万ドル) リサーチプレビュー後の料金:入力25ドル / 出力125ドル per 100万トークン( Anthropic公式 ) 誰にとって嬉しいのか セキュリティチーム : 数千のゼロデイ脆弱性 を自律的に発見できるモデルを防御目的で利用可能。従来の自動スキャンツールでは見つけられなかった脆弱性を検出 OSS開発者・メンテナー :Linux Foundationがパートナーに含まれており、OSSの重要プロジェクトのセキュリティ強化に直結 AWS顧客 :Amazon Bedrock経由でアクセス可能(許可リスト制)。AWSのCISO Amy Herzogも「 AIによる防御を脅威が出現する前に構築する 」と言及 留意点: Claude Mythos Previewは現時点では一般公開されていません。許可リストに含まれた組織のみがアクセスでき、AWSアカウントチームから直接連絡があります。Anthropicは防御目的での利用を優先しており、段階的にアクセスを拡大する方針です。 ▼ なぜ「慎重なリリース」なのか — 背景を読む(クリックで展開) Anthropicは、Claude Mythosの能力が非常に高いレベルに達していることを認識しており、責任あるリリースのために以下の方針を採用しています: 防御優先 :まず防御側(セキュリティチーム、OSSメンテナー)にアクセスを提供し、脆弱性を修正する時間を確保 段階的公開 :インターネットの重要インフラを担う組織を優先し、徐々にアクセスを拡大 学びの共有 :パートナーが発見した知見を業界全体で共有し、エコシステム全体のセキュリティを向上 UK AI Security Institute(AISI)は、Claude Mythosが「他のどのモデルも合格できなかったサイバーセキュリティテストに合格し、事実上すべてのテストで他のフロンティアモデルを上回った」と確認しています。 Anthropicの レッドチーム評価 では、主にメモリ安全性の脆弱性に焦点を当てた結果が公開されています。 参考: Project Glasswing — Anthropic / Amazon Bedrock now offers Claude Mythos Preview — AWS What’s New Bedrock IAMプリンシパル別コスト配分(4月17日) Amazon Bedrockの利用コストを、 「誰が」「どのモデルに」「いくら使ったか」 を自動で記録・可視化できるように。アプリのコードを変更する必要はなし。 何が変わったのか これまでBedrockのコストは「AWSアカウント全体でいくら」としか把握できませんでした。チームが増えてClaude CodeやCoworkを使う人が増えると、「誰がどれだけ使っているのか」が見えないという課題がありました。 新機能により: AWSの利用明細レポート(CUR 2.0)に、 誰がリクエストしたか の情報が自動で記録される IAMユーザーやロールに「チーム名」「コストセンター」などのタグを付けておけば、 チーム別・プロジェクト別・個人別 のBedrock利用コストを分析可能 AWS Cost Explorer(コスト分析ツール)でグラフ化もできる 具体例 | 誰が | 何を使ったか | いくら | |------------------------------|-------------------------------|----------| | arn:aws:iam::...:user/alice | Claude4.6Sonnet-input-tokens | $0.069 | | arn:aws:iam::...:user/alice | Claude4.6Sonnet-output-tokens | $0.214 | | arn:aws:iam::...:user/bob | Claude4.6Opus-input-tokens | $0.198 | | arn:aws:iam::...:user/bob | Claude4.6Opus-output-tokens | $0.990 | 誰にとって嬉しいのか FinOps(コスト管理)チーム :「どのチームがどのモデルにいくら使っているか」が一目瞭然。予算超過の早期検知が可能 Claude Code / Coworkを組織展開する管理者 :開発者ごとの利用量を把握でき、 コスト管理とガバナンスの両立 が実現 マルチテナントSaaS事業者 :テナント(顧客)ごとのAIコストを正確に按分可能 この機能は コード変更不要・追加料金なし で利用できます。IAMプリンシパルへのタグ付けとBilling設定のみで有効化されます。 参考: Introducing granular cost attribution for Amazon Bedrock — AWS ML Blog Claude Opus 4.7 — Bedrock提供開始(4月16日) Opus 4.6の後継。コーディング性能が大幅向上し、高解像度画像の読み取りにも対応。 東京リージョンでもローンチ初日から利用可能。 何が変わったのか 項目 Opus 4.7 Opus 4.6(参考) SWE-bench Verified(コーディング能力テスト) 87.6% 80.8% SWE-bench Pro(より難しいコーディングテスト) 64.3% 53.4% コンテキストウィンドウ 1Mトークン 1Mトークン 高解像度画像 対応 (チャート、密なドキュメント、画面UIを正確に読み取れる) 標準解像度のみ Adaptive Thinking 対応 (質問の難しさに応じて「考える量」を自動調整) Extended Thinking Bedrock提供リージョン us-east-1、 ap-northeast-1(東京) 、eu-west-1、eu-north-1 — Opus 4.6との違い(わかりやすく言うと) AWSの公式ブログ によると: あいまいな指示でもより適切に対応してくれる(「いい感じにして」でもちゃんと動く) 問題解決がより徹底的になった(手抜きしない) 指示への追従がより正確になった(言ったことをちゃんとやる) 長時間タスクでも途中で迷子にならなくなった Kiroでの対応 Kiroでも 4月17日(Bedrock提供の翌日)にOpus 4.7が利用可能 になりました( Kiro Changelog )。2.2xクレジット乗数で、まずIAM Identity Center認証ユーザーから段階的に展開されています。 誰にとって嬉しいのか エージェント開発者 :長時間の自律タスク(8時間以上)でも安定動作。AgentCoreとの組み合わせで本番運用に耐えるエージェントを構築可能 ナレッジワーカー :スライド作成、財務分析、データ可視化などの業務タスクが改善 東京リージョンユーザー : ローンチ時点で東京リージョン(ap-northeast-1)に対応 。日本のユーザーにとってレイテンシ(応答速度)面で大きなメリット APIアクセス Opus 4.7は bedrock-runtime (AWS標準のAPI)と bedrock-mantle (Anthropic互換のAPI)の両方で利用可能です。 以下はサンプルです。 # Anthropic SDK(Bedrock Mantle経由) from anthropic import AnthropicBedrockMantle mantle_client = AnthropicBedrockMantle(aws_region="us-east-1") message = mantle_client.messages.create( model="us.anthropic.claude-opus-4-7", max_tokens=32000, messages=[{"role": "user", "content": "..."}] ) 参考: Claude Opus 4.7 is now available in Amazon Bedrock — AWS What’s New Amazon × Anthropic 投資拡大 & Claude Platform on AWS(4月20日) この期間で最も戦略的なニュース。 Amazonが50億ドル(約7,500億円)を追加投資し、Anthropicは10年間で1,000億ドル以上をAWSに支出することをコミット。さらに「Claude Platform on AWS」が発表。 投資の全体像 項目 内容 Amazonの即時投資 50億ドル (約7,500億円) 将来の追加投資(マイルストーン連動) 最大 200億ドル (約3兆円) Amazonの累計投資額 最大330億ドル (過去の80億ドル + 今回50億ドル + 将来最大200億ドル) Anthropicの10年間AWS支出コミット 1,000億ドル以上 確保するコンピュート容量 最大 5GW (ギガワット) 使用チップ Trainium2 → Trainium3 → Trainium4 + Graviton Anthropicの年間売上(ランレート) 300億ドル以上 (2025年末の90億ドルから急成長) 「5GW(ギガワット)」はデータセンターの電力容量の単位です。参考までに、一般的な大規模データセンターは数十〜数百MW(メガワット)程度。5GWはその数十倍の規模で、AIモデルの学習・推論に必要な膨大な計算能力を支えるためのものです。 Claude Platform on AWS とは 新発表。 AnthropicのClaude Platformを、AWSアカウント内から直接利用できる新しい選択肢です。 これまでClaudeを使うには「Bedrock経由」か「Anthropicに直接契約」の2択でしたが、新たに「AWSアカウントのまま、Anthropicのネイティブ体験を使う」という第3の選択肢が加わります。 Amazon Bedrock Claude Platform on AWS 推論インフラ(AIが動く場所) AWS管理 (データはAWS内に留まる) Anthropic管理 (データはAnthropicインフラを経由) 認証・課金・監査 AWS(IAM / CloudTrail / AWS Billing) AWS(IAM / CloudTrail / AWS Billing) 利用可能モデル Claude + Nova + Llama + Mistral + DeepSeek等 Claudeのみ AWS管理機能 Guardrails、Knowledge Bases、Agents、PrivateLink等 なし(Anthropicネイティブ機能を利用) データレジデンシー(データの保管場所) AWSリージョン内 Anthropicインフラ経由 追加の契約・認証情報 不要 不要 ステータス GA(正式版) Coming Soon (プレビュー) 誰にとって嬉しいのか 全AWS顧客 :Claudeの安定供給が長期的に保証される。5GWのコンピュート確保は、「使いたいときに使えない」状況の低減を意味する Anthropic APIを直接使っている組織 :Claude Platform on AWSにより、 既存のAWSアカウント・IAM・課金をそのまま使いながら Anthropicネイティブの体験を得られる データの保管場所に厳しい要件がある組織 :Bedrockは引き続きAWSインフラ内でデータが完結。要件に応じて使い分けが可能 アジア・欧州のユーザー :国際推論の拡大が明記されており、東京を含むリージョンでの可用性向上が期待 留意点: Claude Platform on AWSは Bedrockの代替ではなく、新たな選択肢 です。複数のAIモデルを使いたい場合、データをAWS内に留めたい場合、Guardrails等のAWS管理機能が必要な場合はBedrockが最適です。「Claudeだけ使いたい」「Anthropic APIから移行したい」場合にClaude Platform on AWSが選択肢になります。 参考: Anthropic and Amazon expand collaboration for up to 5 gigawatts of new compute — Anthropic / Amazon and Anthropic expand strategic collaboration — About Amazon Claude Cowork in Amazon Bedrock(4月21日) 開発者だけでなく、全社員にClaudeを届ける。 Claude Desktopアプリ(Cowork)がAmazon Bedrock経由で動作可能に。データはAWS環境内に留まり、エンタープライズのセキュリティ・ガバナンス要件を満たす。 何が変わったのか Claude Coworkは、Anthropicのデスクトップアプリ「Claude Desktop」のエンタープライズ向けモードです。これまでAnthropicのサーバーを経由していましたが、 Amazon Bedrock経由でAIの処理を実行 できるようになりました。 つまり、 社員がClaude Desktopを使っても、データが社外(Anthropicのサーバー)に出ない ということです。 Claude Code vs Claude Cowork — 何が違うのか Claude Code Claude Cowork 対象ユーザー 開発者 全社員 (営業、マーケ、経理、人事等) インターフェース ターミナル(黒い画面)/ IDE デスクトップアプリ(普通のチャット画面) 主な用途 コーディング、コードレビュー、リファクタリング リサーチ、文書分析、レポート作成、データ整理 Bedrock経由 対応済み 今回新たに対応 MCP対応 対応 対応 対応OS macOS / Linux / Windows macOS / Windows エンタープライズ向けの特徴 データの保管場所 :AIの処理はAmazon Bedrockで実行。データはAWSリージョン内に留まる 認証 :AWS IAMまたはBedrock APIキーで認証 ネットワーク分離 :VPCエンドポイント経由でアクセス可能(インターネットを経由しない) 監査 :AWS CloudTrailで全操作を記録 課金 :AWS Billingに統合。 Anthropicへの別途シートライセンス(1人あたり月額○円)は不要 。使った分だけの従量課金 テレメトリ :Anthropicに送信されるのは匿名の集計データ(トークン数、モデルID、エラーコード)のみ。設定で無効化も可能 デバイス管理 :MDM(モバイルデバイス管理)システムから設定をプッシュ可能 誰にとって嬉しいのか IT管理者・CISO : 社員が個人のAIサービスに業務データを入力してしまうリスクへの対策として有効 。Bedrock経由なのでデータがAWS外に出ない エンジニア以外の社員 :プロダクトマネージャーがリサーチブリーフを作成、経理が月次レビューを整理、オペレーションがSOPを統合——すべてClaude Desktopから 既にClaude CodeをBedrock経由で使っている組織 : 同じセットアップをそのまま流用 してCoworkを展開可能 Claude Coworkは「開発者向けのClaude Code」を「組織全体の社員」に拡張するものです。Bedrock経由であれば、 Anthropicへのシートライセンス料は不要 で、AWS Billingに統合された従量課金のみです。 参考: From developer desks to the whole organization: Running Claude Cowork in Amazon Bedrock — AWS ML Blog AgentCore新機能 — Managed Harness / CLI / Skills(4月22日) Amazon Bedrock AgentCoreに3つの新機能が追加。「アイデアから動くAIエージェントまで数分」を実現。 そもそもAIエージェントとは AIエージェントとは、 AIが自分で考えて、ツールを使って、タスクを完了する仕組み のことです。普通のAIチャットは「質問→回答」で終わりますが、エージェントは「目標を与えると、自分でWebを検索したり、コードを実行したり、ファイルを操作したりして、最終的な成果物を作る」ことができます。 何が変わったのか 新機能 ざっくり言うと ステータス Managed Harness 「AIモデル」「指示文」「使えるツール」を設定するだけでエージェントが動く。プログラミング不要 プレビュー AgentCore CLI ターミナルからエージェントの作成→テスト→デプロイ→運用を一貫して実行 GA Pre-built Skills AgentCoreのベストプラクティスをClaude Code、Codex、Cursorに直接提供。 Kiroには既にPowerとして組み込み済み 近日公開 Managed Harnessの特徴 マルチモデル対応 :Bedrock / OpenAI / Geminiを切り替え可能。セッション中のモデル切り替えも可能 ファイルシステム永続化 :エージェントがタスクを中断・再開可能 ビルトインツール :Shell(コマンド実行)、ファイル操作がデフォルトで有効。Browser(Web閲覧)、Code Interpreter(コード実行)、MCP、Gateway等を追加可能 追加料金なし :Harness自体は無料。裏側のRuntime(CPU/メモリ)の従量課金のみ Amazon Bedrock AgentCore Managed Harnessを試してみた 2026年4月22日にプレビューリリースされたAmazon Bedrock AgentCore Managed Harness (以下、AgentCore Harness)を、AWSマネジメントコンソールで触ってみました。私と同じく「AIエージェントを動かす基盤」と言われてもピンとこない方向けに、コンソール操作の流れに沿って「何が作られるのか」「料金はどうなるのか」等の整理をしてみました。 blog.usize-tech.com 2026.04.24 誰にとって嬉しいのか エージェント開発者 :「AIに考えさせる→ツールを選ばせる→実行する→結果をAIに戻す」というループを自分でプログラムする必要がなくなる プラットフォームチーム :CLIとCDKサポートにより、エージェントのデプロイをCI/CDパイプラインに組み込める Claude Code / Kiroユーザー :Pre-built Skillsにより、AgentCoreのベストプラクティスがIDEから直接利用可能 参考: Amazon Bedrock AgentCore adds new features — AWS What’s New 今後の注目ポイント Claude Platform on AWSのGA(正式版) :価格体系やデータの保管場所に関する詳細が明らかになる Trainium3の本格稼働 :2026年後半に予定。AIの処理コストの低下やキャパシティ拡大が期待 Project Glasswingの成果公開 :パートナーが発見した脆弱性の共有が進む見込み Claude Mythos Previewの一般公開時期 :現時点では未定。段階的な拡大が予想される AgentCore Managed HarnessのGA :プレビューから正式版への移行時期 Kiroの進化 :Opus 4.7対応の全ユーザーへの展開、さらなるモデル追加やエンタープライズ機能の強化 引用元一覧 全引用元を表示(クリックで展開) トピック 引用元 Claude Opus 4.6 AWS What’s New Claude Sonnet 4.6 AWS What’s New 、 Anthropic公式 Kiro Opus 4.6対応 Kiro Blog Kiro Sonnet 4.6対応 Kiro Blog 、 Kiro Changelog Kiro GovCloud対応 AWS News Blog Kiro 1Mコンテキスト正式化 Kiro Changelog Kiro Opus 4.7対応 Kiro Blog 、 Kiro Changelog Kiro モデル一覧 Kiro Docs 、 Kiro Models Changelog CCA Foundations Anthropic Partner Network Project Glasswing Anthropic公式 、 Anthropicブログ Claude Mythos Preview AWS What’s New 、 Anthropic Red Team IAMコスト配分 AWS ML Blog 、 AWS What’s New Claude Opus 4.7 AWS What’s New 、 AWS News Blog 投資拡大 & Claude Platform on AWS Anthropic公式 、 About Amazon Claude Cowork in Bedrock AWS ML Blog AgentCore新機能 AWS What’s New 、 AWS ML Blog Weekly Roundup(Mythos) AWS News Blog Weekly Roundup(Opus 4.7) AWS News Blog 以上。 当記事において不備がございましたらご連絡いただけますと幸いです。
こんにちは、阿部です。 前回 は、Prisma Cloudについての記事を投稿しましたが、今回はPrisma Cloudの後継製品であるCortex Cloudについて書いていきます。 Cortex Cloudには下記表の通りスキャンモードが2つあり、クラウド環境のオンボード時にどちらかを選択する仕様になっています。 今回は「Scan With Outpost」の方を選択してAWSアカウントをCortex Cloudにオンボードする方法を実際に試していきたいと思います。 スキャンモード 説明 備考 Cloud Scan スキャンをPaloAltoNetwoks社所有のCortex Cloud環境から実行 ※推奨はCloud Scan ■メリット ・スキャナーVM等のリソースはCortex Cloudの環境に作成されるため追加コストが発生しない ・オンボード時のエラー発生が比較的少ない ■デメリット ・スキャンされたデータがCortex Cloudのクラウドアカウント環境へ一時的に置かれるため、データを自社環境外に持ち出せない要件には不向き Scan With Outpost ユーザーが所有するクラウドアカウントにOutpost環境を作成し、Outpost環境からスキャンを実行 ■メリット ・スキャナーVM等のリソースもユーザーが所有するクラウドアカウント上に作成するため、データが外部環境に置かれることがない ■デメリット ・Outpost環境専用のクラウドアカウントの用意が別途必要 ・Outpost環境用の追加コストが発生 「Scan With Outpost」モードでオンボードするためには、事前にOutpost環境を作成しておく必要があります。 そのため、以下の流れで作業を進めます。 Outpost環境の作成 監視対象となるAWSアカウントのオンボード用テンプレートファイルの発行 監視対象となるAWSアカウントでのオンボード作業 Outpost環境の作成 まず、Outpost環境の作成から実施します。 Outpostの前提条件 Outpostを作成するクラウドアカウントは、Outpost専用のクラウドアカウントが必要です。Outpost専用のクラウドアカウントでは、他のリソースが使用されていない状態である必要があります。 クラウドアカウントには、1つのOutpostのみをホストできます。 Outpostを利用するには、クラウドプロバイダーからの追加許可が必要となり、追加のクラウド費用が発生する場合があります。 参考:https://docs-cortex.paloaltonetworks.com/r/Cortex-CLOUD/Cortex-Cloud-Posture-Management-Documentation/Outposts 事前準備 Outpost環境の作成は、Terraformで実行します。そのため、以下を準備する必要があります。 ローカルマシンにTerraformをインストール ローカルマシンにAWS CLIをインストール AWS CLIの実行に使用するIAMユーザーおよびアクセスキー リソースを作成する権限を上記IAMユーザーに付与(今回はAdministratorAccess権限で検証しました) TerraformのテンプレートファイルはCortex Cloudコンソール上からダウンロードします。 Terraformのインストール 以下の手順でTerraformをインストールします。 公式ページ からTerraformをダウンロード ダウンロードしたファイルを解凍し、「terraform.exe」を以下のフォルダに配置 C:\Windows\System32 コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、バージョンが表示されることを確認できればインストール完了 # terraform version AWS CLIのインストールおよび設定 以下の手順でAWS CLIをインストールします。 公式ページ の手順に従いAWS CLIをインストール コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、バージョンが表示されることを確認できればインストール完了 # aws –version 以下のコマンドを実行し、Terraform実行に使用するIAMユーザーのアクセスキーとシークレットアクセスキーを設定。 # aws configure 接続してみる テンプレートファイルの発行 Outpost作成用のテンプレートファイルを以下の手順でダウンロードします。 Cortex Cloudコンソールにログインする [ Settings ] → [ Configurations ] → [ Data Collections ] → [ Outposts ] の画面を表示する 画面右上の [ New Outpost ] → [ AWS ] をクリック Cloud Tag(作成するリソースに付与するタグ)を追加したい場合は [ + Add Tag ] からタグを追加する ※今回は特に追加せず進めます [ Next ]をクリック [ Download Terraform ] をクリックしてファイルをダウンロードする テンプレートファイルには7日間の有効期限がある点に注意してください。 期限を過ぎてしまった場合は、再度テンプレートを発行する必要があります。 Terraformの実行 以下の手順でTerraformを実行し、Outpostを作成します。 ダウンロードしたテンプレートファイルを任意のフォルダに配置し解凍する。 コマンドプロンプトを起動し、以下のコマンドを実行して解凍したフォルダへ移動する。 # cd <解凍したフォルダ> 以下のコマンドを実行し、「 Terraform has been successfully initialized! 」と出力されることを確認する。 # terraform init 以下のコマンドを実行する。 しばらく待つと「Only ‘yes’ will be accepted to approve. 」と表示されるので、「 yes 」を入力する。 # terraform apply –var-file=template_params.tfvars 「 Apply complete! 」と表示されることを確認する。 以下のファイルはOutpost環境の削除やアップデートに必要になるため、 必ず保管 しておくこと。 テンプレートファイル(Outpost用のtar.gzファイル) Terraformを実行すると実行フォルダ内に作成される末尾が.tfstateのファイル Cortex Cloud上で確認 [ Settings ] → [ Configurations ] → [ Data Collections ] → [ Outposts ] の画面を表示し、作成したOutpostが表示され、ステータスがConnectedになっていることを確認します。 以上でOutpost環境の作成は完了です。 監視対象となるAWSアカウントのオンボード用テンプレートファイルの発行 Outpost環境が作成できたら、監視対象のAWSアカウントをオンボードするためのテンプレートファイル(CloudFormationテンプレート)を以下の手順で発行します。 Cortex Cloudコンソールにログインする [ Settings ] → [ Data Sources & Integrations ] の画面を表示する 画面右上の [ + Add New ] → [ AWS ] → [ Add Another Instance ] をクリック 以下の通り選択し、「Show advanced settings」をクリック 項目名 設定値 備考 Scope 今回はAccountを選択 Scan Mode Scan With Outpost を選択 Choose Outpost 作成したOutpostを選択 作成したOutpostが選択肢として表示される 事前にOutpostを作成しておく必要があるのは、上記のChoose Outpostという項目でOutpostを選択するためです。 詳細設定の各項目を入力・選択し、「Save」をクリック ※今回は基本デフォルトから変更せず進めました 項目名 説明 Instance Name オンボードする環境を示す任意の名前を入力 Scope Modifications ・全リージョン監視の場合は変更不要 ・リージョンを絞る場合は「Modify Scope by Regions」を有効化して指定(Include)または除外(Exclude)するリージョンを選択 Additional Security Capabilities 有効にする機能を選択 Cloud Tags 追加するとCortex Cloud用に作成するAWS側リソースにタグを追加で付与可能 Collect Audit Logs ・デフォルト(Use Automated collection)だとCortex Cloud用にCloudTrail等が新規作成される ・Custom (user defined)を選択すると既存のCloudTrailを指定可能 [ Download CloudFormation ] をクリックし、テンプレートファイルをダウンロードする テンプレートファイルには7日間の有効期限がある点に注意してください。 期限を過ぎてしまった場合は、再度テンプレートを発行する必要があります。 以上で監視対象のオンボード用テンプレートファイルの発行は完了です。 監視対象となるAWSアカウントでのオンボード作業 発行したCloudFormationテンプレートを監視対象のAWSアカウントで実行してCortex Cloudにオンボードします。 CloudFormationテンプレートの実行 監視対象のAWSアカウントにAdministratorAccessのIAMポリシーが付与されているIAMユーザでログイン [ CloudFormation ] > [ スタック ] の画面に遷移し、[ スタックの作成 ] > [ 新しいリソースを使用(標準) ] をクリック [ 既存のテンプレートを選択 ] および [ テンプレートファイルのアップロード ] を選択 [ ファイルの選択 ] を押下して、ダウンロードしたテンプレートファイルをアップロードし、[ 次へ ] をクリック 任意のスタック名を入力し、画面下部の [ 次へ ] をクリック 画面下部の「AWS CloudFormationによってIAMリソースがカスタム名で作成される場合があることを承認します」にチェックを入れ、[ 次へ ] をクリック 確認画面下部の [ 送信 ] をクリック [ イベント ] タブで、スタック名の論理IDのステータスが「CREATE_COMPLETE」であることを確認 AWSアカウント側でスタックが完了すると、作成されたリソース情報がCortex Cloudに通知される仕組みとなっています。 これでAWSアカウント側での作業は完了です。 Cortex Cloud上で確認 [ Settings ] → [ Data Sources & Integrations ] の画面からAWSを表示して、CloudFormationテンプレートを実行したAWSアカウントがオンボードされていることを確認します。 以上で「Scan With Outpost」モードでのAWSアカウントのオンボード作業がすべて完了しました。 まとめ 今回は、Outpost環境の作成からScan With OutpostモードでのAWSアカウントのオンボードまで確認できました。 次回以降で、AzureでのOutpost環境作成や、Outpost環境をリージョンを絞って作成する方法等も紹介できればと思います。 また、当社では、複数クラウド環境の設定状況を自動でチェックし、設定ミスやコンプライアンス違反、異常行動などのリスクを診断するCSPMソリューションを販売しております。 マルチクラウド設定診断サービス with CSPM| SCSK株式会社 マルチクラウド環境のセキュリティ設定リスクを手軽に確認可能なスポット診断サービスです。独自の診断レポートが、運用上の設定ミスや設計不備、クラウド環境の仕様変更などで発生し得る問題を可視化し、セキュリティインシデントの早期発見に役立ちます。 www.scsk.jp ご興味のある方は是非、お気軽にお問い合わせください。
TechHarmonyエンジニアブログでは、 AWS・Oracle Cloud・Azure・Google Cloud 各分野の受賞者 にフォーカスし、インタビューを通してこれまでの経歴や他の受賞者に聞いてみたいことをつないでいく「 リレーインタビュー 」をお届けしています。 第7弾は、「2025 Japan AWS Ambassadors」 を受賞された広野 祐司(ひろの ゆうじ)さん。 Japan AWS Top Engineers は、特定の AWS 認定資格を持ち、AWS ビジネス拡大につながる技術力を発揮した活動を行っている方、または技術力を発揮した重要な活動や成果がある方が選出されるプログラムです。 日々どのようにAWSと向き合い、どんな経験を積み重ねてきたのか。 そして、受賞に至るまでの背景には、どのようなキャリアストーリーがあったのでしょうか。 本インタビューでは、広野さんのこれまでの経歴やAWSへの向き合い方、さらに「次の受賞者へ聞いてみたいこと」まで、じっくりとお話を伺いました。 プロフィール 2025 Japan AWS Ambassadors 所属:クラウド事業本部クラウドサービス第二部 氏名:広野 祐司 【自己紹介】 社内クラウド人材育成や、お客様向け内製化支援をしています。 AWS サーバーレスサービスと React を使用した当社独自教育アプリ開発とそのコンテンツ作成をしており、その過程で得た AWS 技術情報をさらにコンテンツに追加したり、お客様案件に活用したりするサイクルを回しています。 本編 AWSエンジニアになった背景を教えてください。 12年間のグループ会社出向から帰任することが決まったときにちょうど 当社 社員向けAWS教育を強化する会社方針が打ち出され、その 教育担当としてアサインされたこと がきっかけ です。 AWS未経験の教育担当という負い目を感じていたので、当初は必死でAWS資格取得を頑張りました。そのうち研修講師をすることが非効率だと感じるようになって e-Learningツール を開発したり、マネジメント層への研修成果報告に労力がかかっていたので 社員の受講状況・資格取得状況を可視化するツール を開発したり、と 自分のAWSの勉強も兼ねてアプリ開発をしていたら、それが得意分野になってしまいました。 今ではその経験からお客様にアドバイスする立場になっています。ようやくAWS教育ができるようになった、と胸を張って言えるようになったかな、とこれを書きながら改めて思いました。 エンジニアとして大切にしている価値観や信条はありますか? 自分が手を動かして、 つくりたいものを自由につくれるエンジニアでありたい と 考えています。 自分が手を動かしているからこそ得られる洞察があり、他人へのアドバイスも現実的、実践的なものにできる と考えています。その代わり、広範囲をカバーすることができないデメリットはありますが、そこは割り切っています。 私は 「高くてうまいは当たり前、早くて安くてうまいを追求したい」 という考えを常に持っています。IT文脈において「うまい」を「品質が高い」という意味に置き換えると、それを前提に ITで何か目的を達成したいと考えたとき、クラウドの利用が不可欠で、かつマネージドサービス、サーバーレスアーキテクチャを優先的に採用して設計することが必然になります。 元々私がハードウェアが好きではなかったというのもあり、低レイヤーの技術から解放してくれる、ソフトウェアとしてITシステムを構築できるクラウドは私に合っていましたね。 この度は受賞おめでとうございます! 受賞に至るまで特に重点を置いて取り組んできたこと・乗り越えたチャレンジを教えてください。 AWS領域で既に社内で先人達が活躍している中で、 自分が早期に勝負できる技術領域はどこになるのか 、 をまず考えました。 先人達と比べると数年のディスアドバンテージがあったので、 当時まだあまり使われていなかったサーバーレスであれば先駆者になれると思い、VPC、EC2、コンテナはすっ飛ばしてサーバーレス技術習得にチャレンジ しました。 結果的にその選択は良かったと思っていて、サーバーレス領域においてはすぐに社内から相談をもらえる存在になることができました。 受賞がご自身のキャリアやチームに与えた影響はありますか? 私自身の プレゼンスが向上した と感じました。AWSが社内外で受賞者を称賛したことで知名度が上がり、登壇依頼が増えたことで実感しました。 社外の受賞者と会話したことで、自分の強み、弱みを知ることもでき、強みに関しては負けていない、と自信を持つこともできました。 言葉は悪いですがAWS未経験から数年での成り上がり人生は、笑い話にして毎年当社新入社員研修で講演させてもらっています。ただし、それまでのAWS以外のIT業務経験が大きな下支えになっていることは間違いなく、 これまでやってきたことは1つも無駄になっていない ことを新入社員に伝えています。そういう気持ちでこれからの長い社会人人生に取り組んで欲しいという思いです。 今後、個人として、挑戦してみたい新しい技術・分野や、目指している目標について教えてください。 私は 身に着けた技術力はどんどん捨てていくもの だと考えています。ITは特にそうだと思うのですが、日々新しい技術が開発されるので、古い技術に固執していては時代に取り残されてしまいます。過去の知識、経験は今の自分を育てるために必要だったと強く思いますし、必要あれば引き出しから取り出しますが、 他の新しい技術領域に鞍替えすることに迷いはない です。 今は サーバーレスとAI領域でまだまだやることがある と考えていますが、これは面白いな、と思ったことがあればまた転身すると思います。変な話、面白い、と思えることが私が挑戦する動機なのかもしれません。 私は野心家ではないので、何か大きなことを成し遂げたい!という野望はなく、 将来は個人で開発したスマホアプリで一儲けしたい な、 ぐらいのことを考えています。 前回のリレーインタビューでの安彦 洋樹さんから 広野さんへのご質問です。ご回答をお願いいたします 広野さんはAmbassadorとして、これまで主にクラウドネイティブ、DevOps、モダンWebアプリケーション開発等の第一人者として技術者育成に尽力されてきたかと思います。しかし近年AIの台頭により本領域についても変革期を迎えていると感じているのですが、広野さんはこの状況に対し、 今後はどのような取り組みを構想されていますでしょうか。 これまで提供してきたトレーニングで身に着けていただいたことは、既にAIが人に代わってできるようになってきています。そのため、例えば既存の実践トレーニングを開催するにしても、 AIを活用してトレーニングの目的を達成する方向に変えています。 また、AI-DLCに代表される、開発におけるAI活用では Git, IaC, CI/CD の相性が良く、それらがますます求められていると感じています。改めて、 その技術領域の教育もセットでAIを活用できる人材の育成 を考えたいです。 次のインタビューは AWS Top Engineers の「貝塚 広行」さんです!貝塚さんにお聞きしたいことはありますか? 貝塚さんは長年ネットワークやLinux領域に従事された後、クラウド領域に活躍の幅を広げられたと思います。貝塚さんご自身はクラウドがない時代からIT業界にいたわけなので、その順で学習されてきたことは自明なのですが、今、 IT技術の学習をクラウドから始めた若手がネットワークなどの基盤技術を学習しようと思ったら、どうしたらよいと思いますか? 広野 祐司さん、ありがとうございました! 最後に、読者の方へメッセージをお願いいたします! 人間って、好きなことでないと続かないな、とすごく感じています。多くの人にとって、仕事を通して自分の技術力を大きく向上させられることは稀で、基本的にはプライベートな時間に勉強していくしかないと考えています。それが仕事で自分の立ち位置を確立することにつながります。でもそれって、好きでないとできないな、と。自分が何を好きなのか、何であれば頑張れるのか、を見つけることは今後のキャリアに大きく影響するので、そういうことも意識して仕事に取り組んでもらえたらと思います。 次回インタビューは、2025 Japan AWS Ambassadors を受賞された 貝塚 広行(かいづか ひろゆき) さんです。 次回の記事もお楽しみにお待ちください!






















