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はじめに Turingのインフラチームで、クラウドGPUクラスタの構築・運用を担当している大戸(おおど)です。前回の記事を書いた当時はMLOpsチームに所属していましたが、兼務期間を経て、現在はインフラチームの専任になりました。 Google Cloud Next Tokyo 26では、CTOの山口が「End-to-End 自動運転開発を加速するデータ - セントリックな GPU 計算基盤」を発表しました。そこで紹介したのが、Google Cloud上に構築したA3 Ultra(NVIDIA H200 × 8)30ノード、合計240 GPUのSlurmクラスタです。2026年3月に構
AI時代を支える「AIハイパーコンピューター」 最初のトピックは、チップ単体ではなく、データセンター全体を一つの計算基盤として捉える「AIハイパーコンピューター」に関する説明です。エージェント時代のコンピューティングは、もはや1つのチップだけでなく、データセンター全体で定義されるようになっています。だからこそ、生成AIの広がりとともにAIコンピューティングの需要が急速に高まる中、ハードウェアからモデル、プラットフォームまで全レイヤーを一貫して自社で手がけている点こそが、Googleの大きな強みになっています。
G-gen の今村です。当記事は、Google Cloud Next 26 Tokyo の1日目に行われたカスタマーセッション「 ツール導入ではない、企業のスタイルを創る「AI 戦略」としての Gemini Enterprise 」のレポートです。 他の Google Cloud Next Tokyo 26 の関連記事は Google Cloud Next Tokyo 26 カテゴリ の記事一覧からご覧いただけます。 セッションの概要 AI イノベーションラボの取り組みと背景 業務への AI の組み込み 自作 AI ツールの展開と終了 Gemini Enterprise の選定理由 検索精度とガバナンス要件 サードパーティ製品との連携 具体的な活用事例 事例1 : オンボーディングの効率化 事例2 : 上長の簡易クローンの作成 事例3 : Deep Research を用いた社内情報の統合 AI の使用状況と分析 高いアクティブユーザー率の維持 使用状況の可視化とスタイル分析 今後の展望 業務プロセスの変革と AI との協働 ツール導入で終わらせないために 関連記事 セッションの概要 当セッションでは、Sky株式会社の社内における AI 活用の試行錯誤や、Gemini Enterprise を活用した業務プロセスの変革事例について発表されました。 Gemini Enterprise については、以下の記事を参照してください。 blog.g-gen.co.jp 参考 : Gemini Enterprise とは何ですか? AI イノベーションラボの取り組みと背景 業務への AI の組み込み AI イノベーションラボ部門は、業務の中に AI を組み込むための部隊として活動しています。これまでに200ものシステムを開発し、社内で試行錯誤を続けています。取り組みの初期段階では、AI が組み込まれていることに気づかれないケースもあり、効率化や売上向上への貢献が見えづらいという課題がありました。 AI 導入への問題提起 自作 AI ツールの展開と終了 2022年に AI アプリケーションが使用可能になり、社内での活用検討が始まりました。内製を好む組織文化を背景に、「SKYAI」と呼ばれるツールや「SkyDeepResearch」の機能が独自に開発されました。これらのツールは常に使用される状態となり、主に管理職を中心に使用が拡大しました。 内製 AI の社内浸透 SKYAI の概要 AI を日常的に使う土台を作るため、調べ物の前に AI を配置したり、モバイル端末を貸与して OCR に対応させたりといった導線作りが行われました。さらに、プロンプトエンジニアリングの研修を実施し、AI 自身がプロンプトを評価して改善案を提示する機能も導入されました。これらの仕組みにより、ナレッジがフィードとして共有される環境が構築されました。 一方で、開発したツールを保守し続けることは、次のステップへ進む際の阻害要因になると判断されました。そのため、戦略的に SKYAI を終了させました。 SKYAI の戦略的終了 Gemini Enterprise の選定理由 検索精度とガバナンス要件 SKYAI の終了後、経営陣の意向を踏まえて新しい AI ツールとして Gemini Enterprise が選定され、全社員に一斉配布されました。選定の大きな理由の一つは、検索精度の高さです。自社のデータと組み合わせた際の検索精度が優れていることが、重要な評価ポイントとなりました。 Gemini Enterprise の導入開始 また、エンタープライズ向けのガバナンス要件を満たしていることも決め手となりました。生成 AI の成果物を知的財産としてビジネスに使用するためには、情報の保護などの要件に応える必要がありました。Gemini Enterprise は拡張性や安全性が高く、外部公開を制限する要件にも対応できるため、導入リスクが低いと判断されました。 Gemini Enterprise の選定理由 サードパーティ製品との連携 同社では Google Workspace を導入していませんでしたが、Gemini Enterprise は Microsoft などの他社製品(サードパーティ製品)との連携に寛容であったため、これが導入の障壁にはなりませんでした。 参考 : サードパーティのデータソースを接続する 具体的な活用事例 事例1 : オンボーディングの効率化 AI は、社内のオンボーディングにも活用されています。新しくチームに加わったメンバーにとって、大量の資料を読み込むことは負担であり、理解度にばらつきが生じるという課題がありました。 この課題を解決するため、部署ごとに整理した社内情報を Gemini Notebook に読み込ませ、学習ガイドを作成しました。これにより、新メンバーが自律的に学習を進められるようになり、早期の立ち上がりが実現しました。また、AI が読み取りやすい形式を意識してナレッジを蓄積する文化も生まれました。 事例1 Gemini Notebook については、以下の記事を参照してください。 blog.g-gen.co.jp blog.g-gen.co.jp 事例2 : 上長の簡易クローンの作成 業務の効率化を目的として、Agent Builder を使用した「上長の簡易クローン」が作成されました。社内ブログなどでアウトプットを行う文化を活かし、上長の判断基準や思考プロセスを学習させています。 メンバーがマークダウン形式でまとめた相談事項に対し、この簡易クローンが一次レビューを行います。これにより、あらかじめ指摘されそうな点をメンバー自身が改善できるようになり、上長の確認時間も短縮され、業務プロセスそのものの改善に繋がりました。 事例2 Agent Builder については、以下の記事を参照してください。 blog.g-gen.co.jp 事例3 : Deep Research を用いた社内情報の統合 社内に特化した AI 活用研修の調査において、情報の分散が課題となっていました。そこで Deep Research の機能を導入し、社内の蓄積情報と Web 検索の結果を掛け合わせる仕組みを構築しました。これにより、他社事例を単に模倣するのではなく、自社に最適なプランを効率的に作成できるようになりました。 事例3 参考 : Gemini Enterprise の概要 AI の使用状況と分析 高いアクティブユーザー率の維持 Gemini Enterprise 導入後、アクティブユーザー率は98%という非常に高い水準を維持しています。これは、社員が AI を一過性のツールとしてではなく、日々の業務に不可欠なものとして認識していることを示しています。ほぼすべての社員が継続的に AI を使用しています。 アクティブユーザー数 使用状況の可視化とスタイル分析 社員がどの程度 AI を使いこなせているかを把握するため、「スタイル分析」が行われています。スライド作成や提案書作成など、複数の AI ツールの使用状況を統合し、一つの基準で評価できる可視化ツールが内製されました。 この分析データをもとに、AI を活用できていない層に対して原因を特定し、アプローチを行うサイクルが確立されています。 スタイル分析 今後の展望 業務プロセスの変革と AI との協働 AI の活用は、ツールの導入にとどまらず、業務プロセスや組織のカルチャーを変革する段階に入っています。今後は、エンジニアリングの強化やオントロジーを用いたデータ形成により、さらなるカスタマイズが進められる予定です。 ここでいうオントロジーとは、社内のデータや知識の「概念と関係性」を定義・体系化する仕組みのことです。単に社内ドキュメントを蓄積するだけでなく、データ同士のつながりや定義を整理して AI に読み込ませることで、AI が社内文脈をより正確に理解し、高精度な回答や自律的なタスク処理を行える環境を目指しています。 AI Native への変革 また、AI が社員のプラットフォームに参加し、チャットのログから社員の困りごとを能動的に抽出するような「AI と働く」環境が構想されています。これにより、人間はより本質的なコア業務に集中できるようになります。プロンプトの内容や使用要件を定量・定性の両面から分析し、次なる戦略の立案にも役立てられています。 社内チャットに AI 社員の参加 ツール導入で終わらせないために AI の導入を単なる「ツールの導入」で終わらせてはいけません。経営の視点から将来のあり方やワークスタイルを明確に描き、それに適した AI を選択することが重要です。Gemini Enterprise はその選択肢の一つであり、効果的に活用することで、組織の働き方を次のフェーズへと引き上げられます。 関連記事 blog.g-gen.co.jp 今村 壱生 (記事一覧) クラウドソリューション部 ソリューションアーキテクト課 2026年3月にG-genへ入社。約7年間 Web 広告運用やウェブ解析に携わり、その後は社内 SE として開発業務に従事。広告運用の現場感と技術的な視点、その双方を併せ持つ経験をベースに、現在は Google Cloud のスキルアップに注力。データ活用とクラウド技術を融合させ、お客様のビジネス成長を支えるエンジニアを目指している。 Follow

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