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なぜGoogle Workspaceは組織の力を引き出すのか Google Workspaceは、個人の力に頼るのではなくチーム全体の生産性向上を重視するGoogle独自の思想を体現しています。その本質は、単に個人の作業を効率化するだけでなく、従来の情報を送る・交換するやり方から、クラウド上で共有するコラボレーションの働き方へ、仕事のあり方そのものを根底から変える力を持つ点にあります。
G-gen の奥田です。当記事は、2026年3月19日に開催された Agentic AI Summit 2026 Spring で筆者と弊社の今野が登壇したセッション「Gemini Enterprise と ADK で実現する業務特化型エージェント開発の最前線 — ユーザー認証連携における Google Workspace 操作の実装方法と事例を公開」のレポートです。 セッションの概要 なぜ AI エージェントにユーザー認証が必要なのか サービスアカウントのリスク OAuth 2.0 によるユーザー認証連携 デモ : 議事録カレンダー登録エージェント デモの概要 Google Workspace への応用 なぜ ADK を選んだのか コードの実装 構成図とソースコードのディレクトリ構成 エージェントの定義 認証トークンの取得とカレンダー API の呼び出し 開発中に遭遇した落とし穴 ADK の State オブジェクト LiteLLM のセキュリティに関する注意 Gemini Enterprise へのデプロイ 参考リンク セッションの概要 当セッションでは、AI エージェントが Google Workspace のサービスを操作する際に不可欠な ユーザー認証連携 をテーマに、実装方法と事例を紹介しました。 セッション前半では、AI エージェントにおける認証の重要性を具体的なシナリオで解説し、議事録から Google Calendar にイベントを自動登録するエージェントのライブデモを行いました。後半では、 Gemini Enterprise 、 Agent Development Kit (以下、 ADK )、 Agent Engine を組み合わせたアーキテクチャと、 OAuth 2.0 連携の実装ステップを紹介しました。 参考 : Gemini Enterprise 参考 : Agent Development Kit(ADK) 参考 : Agent Engine 参考 : OAuth 2.0 Agentic AI Summit 2026 Spring での実績は以下のとおりです。 合計 オンライン オフライン CSAT G-gen セッション 741 名 556 名 185 名 3.9 なぜ AI エージェントにユーザー認証が必要なのか サービスアカウントのリスク AI エージェントを業務で利用する場合、「エージェントが誰として外部サービスにアクセスするのか」が重要な設計課題です。 たとえば、社員 A さんが AI エージェントに「来週の火曜日に会議を入れて」と依頼したとします。エージェントは A さんの代わりに Google Calendar を操作する必要があります。このとき、システム共通のサービスアカウントに権限を一括付与して動かすと、エージェントは A さんだけでなく B さんや他の組織の C さんのカレンダーにもアクセスできてしまいます。 技術的には動作しますが、業務での利用には適しません。AI エージェントは人間と違い、バックグラウンドで大量のデータに触れることができます。だからこそ「誰として動いているのか」を明確に設計することが不可欠です。 OAuth 2.0 によるユーザー認証連携 この課題の解決策が OAuth 2.0 を使ったユーザー認証連携です。 仕組みはシンプルです。ユーザーが一度ログインして権限を許可すると、エージェントはそのユーザーのアクセストークンを使って API を呼び出します。エージェントはそのユーザーの権限の範囲内でしか動作しません。 A さんの AI エージェントが行った操作は「A さんが自分の権限で実行した」という記録です。コンプライアンスの観点でも重要なポイントです。 デモ : 議事録カレンダー登録エージェント デモの概要 セッションでは、議事録や ToDo メモからタスクを抽出し、Google Calendar にイベントを自動登録するエージェントのライブデモを行いました。 デモの流れは以下のとおりです。 Gemini Enterprise 上でエージェントを起動し、OAuth 認証を完了する 直近のカレンダー予定を確認する 日時とタイトルを入力してイベントを追加する 約 6,300 文字の架空の議事録(ポータルサイトプロジェクト)をエージェントに渡す エージェントが議事録から 9 個の ToDo を抽出し、カレンダーに一括登録する 不要なプライベートの予定を削除する デモで約 6,300 文字の議事録を使用したのは、 Gemini の従来の強みである大規模コンテキストウィンドウを利用するため です。長文の議事録であっても分割せずに一度で処理できることを示す狙いがありました。 エージェントは 9 個のタスクを抽出しましたが、そのうち 2 つは会議のアイスブレイク時に話題に上がったプライベートな内容(入学式の話)でした。エージェントがこれらを業務タスクと同列に扱ってカレンダーに登録しました。 デモ後半では「プライベートの予定を削除」と入力するだけで、エージェントが自律的に予定の性質を判断し、該当するイベントのみを削除しました。これは、エージェントが文脈を理解し、カレンダーの内容を自律的に評価した実践的な事例です。 このエージェントの導入効果として、 議事録 1 件あたりのカレンダー登録作業を手動10分から自動で1分程度に短縮 できます。タスクの抜け漏れを防ぐ実用的なエージェントです。 Google Workspace への応用 今回のデモでは Google Calendar を題材にしましたが、同じ OAuth 2.0 連携の仕組みを使うことで、Google Workspace の各サービスにも応用できます。 Gmail では、エージェントがユーザー本人としてメールボックスに下書きを作成したり、宛先・件名・本文を含むメールを送信できます。たとえばミーティングの議事録をまとめて関係者にフォローアップメールを自動送信するといった使い方が可能です。 Google ドキュメント や Google スライド では、箇条書きや構成案を渡すだけでドキュメントやスライドの雛型を作成できます。ユーザーはブラッシュアップやクリエイティブな作業に集中できます。 Google ドライブ では、ユーザー自身がアクセス権を持つファイルだけを検索できるため、他者のファイルに触れるリスクがありません。社内ドキュメントをナレッジベースとして RAG 構成と組み合わせる使い方が効果的です。 共通するポイントは、すべての操作がユーザー本人の権限の範囲内で動作することです。 なぜ ADK を選んだのか エージェント開発のフレームワークには LangChain や CrewAI など複数の選択肢があります。今回 ADK を採用した理由は大きく2つです。 1つ目は、 Google Cloud のエコシステムで完結させたかった ことです。フロントエンドの Gemini Enterprise、実行基盤の Agent Engine、そして開発フレームワークの ADK をすべて Google Cloud のサービスで統一することで、認証トークンの受け渡しやデプロイがマネージドサービス間でシームレスに連携します。前述のとおり、 tool_context.state を通じた OAuth トークンの自動受け渡しは、この統一されたエコシステムがあってこそ実現できる仕組みです。 2つ目は、 ADK と OAuth 2.0 を組み合わせた実装事例がまだ少なかった ことです。ADK 自体の利用例は増えていますが、Gemini Enterprise の OAuth 連携と組み合わせて Google Workspace を操作するパターンは、2026年4月現在でも公開事例が限られています。今回のセッションとデモを通じて、この実装パターンを広く共有したいという意図がありました。 コードの実装 構成図とソースコードのディレクトリ構成 構成図は以下です。 ソースコードは GitHub で公開しています。 参考 : G-gen-Tech-Blog/agentic-ai-summit-2026-spring-session-report リポジトリのディレクトリ構成は以下です。 . ├── __init__.py ├── agent.py # エージェント定義 ├── tools.py # ツール関数(Calendar API 操作) ├── config.py # 設定値の管理 ├── requirements.txt # 依存パッケージ ├── .env_example # 環境変数のサンプル ├── .gitignore └── README.md エージェントの定義 以下は ADK でエージェントを定義する agent.py の全体です。49 行でエージェントの定義が完結しています。 # agent.py from google.adk.agents.llm_agent import Agent from . import tools from google.adk.models.lite_llm import LiteLlm root_agent = Agent( name= "calendar_agent" , model=LiteLlm( "vertex_ai/gemini-3-flash-preview" , vertex_location= "global" ), description= "議事録を解析して Google Calendar にイベントを登録するエージェント" , instruction= """あなたは議事録からTodoを抽出して Google Calendar に登録するアシスタントです。 以下の手順で作業してください。 1. ユーザーから議事録を受け取る。 - ファイルパスが渡された場合は read_todo_file ツールでファイルを読み込む。 2. テキスト内容を解析し、議事録からTodoとそれに関係する情報を抽出する: - 日付・時刻(今年は2026年。月/日 の形式なら 2026年として解釈する) - イベントタイトル - 説明(あれば) - 終日イベントかどうか 3. 抽出した各イベントについて create_calendar_event ツールを呼び出して登録する。 - 日時は ISO 8601 形式にする(例: 2026-02-20T14:00:00) - 終日イベントの場合は日付のみ(例: 2026-03-01)、end_datetime は翌日にする - 時間の指定がない場合は終日イベントとして扱う - 終了時刻の指定がない場合は開始から1時間後を終了時刻とする - タイムゾーンは Asia/Tokyo 4. Todo テキストに参加者(メールアドレス)の記載があれば attendees に指定する。 ユーザーが参加者を指定した場合は、そのメールアドレスを追加する。 5. 登録結果をユーザーに報告する。 注意事項: - すべての日時は日本時間 (JST, Asia/Tokyo) を基準とする。 時刻の指定がある場合は日本時間として解釈すること。 - テキストは自由形式。「2/20 14:00 美容院」のようなフォーマットもあれば、 文章形式の場合もある。柔軟に解析すること。 - 日付が曖昧な場合は確認を求める。 """ , tools=[ tools.read_todo_file, tools.create_calendar_event, tools.list_calendar_events, tools.update_calendar_event, tools.delete_calendar_event, ], ) Agent クラスの model に LiteLlm で gemini-3-flash-preview (2026年4月現在)を指定しています。 instruction にはシステムプロンプトとして議事録の解析手順を記述し、 tools に呼び出し可能なツール関数を登録しています。 ADK では LiteLlm を使うことで Gemini 以外のモデル(Claude、GPT など)にも切り替えられます。 参考 : ADK LiteLLm ドキュメント 認証トークンの取得とカレンダー API の呼び出し 今回の構成で最も注目すべきポイントは、Gemini Enterprise・ADK・Agent Engine の3つのサービスが連携してユーザーの認証トークンをシームレスに受け渡す仕組みです。 通常、OAuth 2.0 を使ったアプリケーション開発では、トークンの取得・保存・リフレッシュ・有効期限の管理といった複雑な認証フローを開発者自身が実装する必要があります。しかし、Google Cloud のエコシステムではこの課題が解消されています。ユーザーが Gemini Enterprise 上で OAuth 認証を完了すると、取得されたアクセストークンは Agent Engine のセッションに自動で保存されます。ADK のツール関数では、引数として渡される ToolContext の state からそのトークンをわずか1行で取得できます。 この「Gemini Enterprise(認証 UI)→ Agent Engine(トークン管理)→ ADK(トークン利用)」という一連の流れが、Google Cloud のマネージドサービス間で自動的に実現される点が、このエコシステムの大きなメリットです。 以下の get_calendar_service 関数がその実装の核心です。 from google.oauth2.credentials import Credentials from googleapiclient.discovery import build from google.adk.tools import ToolContext def get_calendar_service (tool_context: ToolContext): """ Agent Engine 環境で Google Calendar サービスを認証・生成します。 """ # 1. 環境変数から管理画面で設定した ID を取得 auth_id = os.getenv( "AUTH_ID" ) # 2. トークンの取得を試みる access_token = tool_context.state.get(auth_id) if not access_token: access_token = tool_context.state.get( "authentication" ) # 3. トークンが見つからない場合 if not access_token: raise ValueError ( "認証トークンが取得できませんでした。" "チャット画面で Google ログインを完了させているか確認してください。" ) # 4. 取得したトークンでカレンダーサービスを構築 creds = Credentials(token=access_token) return build( "calendar" , "v3" , credentials=creds) ポイントは tool_context.state.get(auth_id) のわずか1行です。この1行の背後では、以下の処理が Google Cloud のマネージドサービスによって自動的に行われています。 Gemini Enterprise がユーザーに OAuth 同意画面を表示し、認可コードを取得する Agent Engine が認可コードをアクセストークンに交換し、セッションの state に保存する ADK のツール関数が ToolContext 経由でそのトークンを取得する 開発者が実装するのは tool_context.state.get(auth_id) でトークンを取り出し、 Credentials に渡す部分だけです。トークンの取得フロー、リフレッシュ、有効期限の管理はすべてマネージドサービス側が担います。 認証フローの実装が、Google Cloud のマネージドサービス連携により数行のコードに集約されています。 以下は、メインのツール関数である create_calendar_event です。 def create_calendar_event ( summary: str , start_datetime: str , end_datetime: str , tool_context: ToolContext, description: str = "" , timezone: str = "Asia/Tokyo" , attendees: list [ str ] | None = None , ) -> dict : """Google Calendar にイベントを作成する。""" service = get_calendar_service(tool_context) s_dt = start_datetime.strip() e_dt = end_datetime.strip() # 終日イベントかどうかの判定 is_all_day = ( "T" not in s_dt) and ( ":" not in s_dt) if is_all_day: s_dt = s_dt.replace( "/" , "-" ) e_dt = e_dt.replace( "/" , "-" ) event_body = { "summary" : summary, "description" : description, "start" : { "date" : s_dt}, "end" : { "date" : e_dt}, } else : if " " in s_dt: s_dt = s_dt.replace( " " , "T" ) if " " in e_dt: e_dt = e_dt.replace( " " , "T" ) event_body = { "summary" : summary, "description" : description, "start" : { "dateTime" : s_dt, "timeZone" : timezone}, "end" : { "dateTime" : e_dt, "timeZone" : timezone}, } if attendees: event_body[ "attendees" ] = [{ "email" : email} for email in attendees] event = service.events().insert(calendarId= "primary" , body=event_body).execute() return { "status" : "success" , "event_id" : event[ "id" ], "summary" : event[ "summary" ], "html_link" : event[ "htmlLink" ], } get_calendar_service(tool_context) を呼び出すことで、ログイン中のユーザーの権限で Google Calendar API を操作しています。終日イベントと時間指定イベントを date と dateTime で区別し、 attendees パラメータで参加者の追加にも対応しています。 開発中に遭遇した落とし穴 ADK の State オブジェクト 開発中、認証トークンの中身を確認しようとした際に以下のエラーに遭遇しました。 # やりたかったこと:state の中身を一覧表示したい print (tool_context.state.keys()) 上記の様に入力すると、以下の結果になります。 AttributeError: 'State' object has no attribute 'keys' ADK の State オブジェクトは、標準の Python 辞書( dict )ではなく、Python の MutableMapping プロトコルにも準拠していません。辞書のように値の取得や代入はできますが、 .keys() や .items() といった標準的なメソッドは持っていません。これはバグではなく、会話状態の差分追跡を確実に行うための意図的な設計です。 注意すべき点として、ADK には以下2つの state が存在します。 session.state tool_context.state ( context.state ) session.state は標準の Python 辞書( dict )であるため .keys() や .items() が通常どおり使えます。 一方、ツール関数の引数として渡される tool_context.state は前述の State オブジェクトであり、これらのメソッドは使えません。 session.state.keys() は正常に動作するのに tool_context.state.keys() ではエラーになるため、両者を混同するとデバッグ時に混乱を招きます。 ツール関数内では tool_context.state を使うため、 .get() メソッドで安全に値を取り出す必要があります。 # 正しい方法:.get() で安全に取得 access_token = tool_context.state.get(auth_id) 操作は .get() や直接代入( tool_context.state[key] = value )に留めることが推奨されます。ADK を使ったエージェント開発を始める方は、この仕様を事前に把握しておくとデバッグ時間を節約できます。 参考 : Context - Agent Development Kit (ADK) LiteLLM のセキュリティに関する注意 LiteLLM v1.82.7 / v1.82.8 は、サプライチェーン攻撃(TeamPCP)により侵害されました(2026年3月24日)。本デモの GitHub リポジトリのサンプルコードでは v1.83.0(攻撃後の正規リリース、2026年3月31日公開)にピン留めしています。 詳細は以下を参照してください。 参考 : LiteLLM 公式セキュリティアップデート 参考 : GitHub Issue #24518(タイムライン) Gemini Enterprise へのデプロイ 作成したエージェントを Agent Engine にデプロイした後、Gemini Enterprise のコンソールからエージェントを追加できます。画面からの操作のみでデプロイが完了します。 ユーザーごと、またはグループごとにエージェントの利用権限を管理することも可能です。組織全体への安全な展開が実現できます。 参考リンク 参考 : Agentic AI Summit 2026 Spring 参考 : 登壇資料 参考 : G-gen-Tech-Blog/agentic-ai-summit-2026-spring-session-report(ソースコード) 以下の動画でセッションの実演をご覧いただけます。 奥田 梨紗 (記事一覧) クラウドソリューション部データインテリジェンス課 Google Cloudの可能性に惹かれ、2024年4月G-genにジョイン。 Google Cloud Partner Top Engineer 2025&2026 Follow @risa_hochiminh
G-gen の杉村です。2026年3月に発表された、Google Cloud や Google Workspace のイチオシアップデートをまとめてご紹介します。記載は全て、記事公開当時のものですのでご留意ください。 はじめに Google Cloud のアップデート Gemini 3.1 Flash-Lite が Preview 公開 IAM で Service account principal sets が使えるようになった BigQuery の Conversational Analytics がアップデート gemini-embedding-2-preview が登場 Cloud Storage に Rapid bucket が登場(GA) Cloud Run への IAP 認証の直接設定が一般公開(GA) BigQuery でグローバルデフォルトロケーションが設定可能に AlloyDB のエンハンストバックアップが一般公開(GA) BigQuery data preparation が Cloud Storage と Google ドライブに対応 Cloud NGFW(Enterprise tier)に URL フィルタリングが登場 Imagen モデルが廃止へ 音楽生成モデル Lyria 3 が Vertex AI 経由で使用可能に(Public Preview) Vertex AI Search の回答モデルに gemini-3.1-pro、gemini-3-flash が登場 AlloyDB と Cloud SQL で Conversational analytics が Preview 公開 TPU7x が提供開始 Google Workspace のアップデート Google Workspace の Gemini アプリの共有(公開リンク)が可能に Gemini in Chrome の対応地域が拡張(日本は未対応) NotebookLM にスライドの PPTX 形式エクスポートなどの機能追加 Google Meet の会議の参加者承認時、疑わしいリクエストが分けて表示される Gemini アプリでこれまでより長く3分間の音楽の生成が可能に Google Workspace に「ゲストアカウント」機能が登場 Google ドライブのランサムウェア検出が Beta 版 → 一般公開(GA) はじめに 当記事では、毎月の Google Cloud(旧称 GCP)や Google Workspace(旧称 GSuite)のアップデートのうち、特に重要なものをまとめます。 また当記事は、Google Cloud に関するある程度の知識を前提に記載されています。前提知識を得るには、ぜひ以下の記事もご参照ください。 blog.g-gen.co.jp リンク先の公式ガイドは、英語版で表示しないと最新情報が反映されていない場合がありますためご注意ください。 Google Cloud のアップデート Gemini 3.1 Flash-Lite が Preview 公開 Gemini 3.1 Flash-Lite (2026-03-03) Gemini 3.1 Flash-Lite が Preview 公開。 「Gemini 2.5 Flash に相当する回答品質」を目指している。Vertex AI や Google AI Studio から利用可能。 IAM で Service account principal sets が使えるようになった Service accounts (2026-03-03) IAM で Service account principal sets が使えるようになった。あるプロジェクト/フォルダ/組織配下の全サービスアカウント or 全サービスエージェントを指すセット。 あるプロジェクト内の全サービスアカウントは principalSet://cloudresourcemanager.googleapis.com/projects/123456789012/type/ServiceAccount 、あるフォルダ内の全サービスエージェントは principalSet://cloudresourcemanager.googleapis.com/folders/123456789012/type/ServiceAgent のように表現される。 IAM 許可ポリシーや拒否ポリシーに、プリンシパルとして書き込める。 BigQuery の Conversational Analytics がアップデート BigQuery release notes - March 09, 2026 (2026-03-09) BigQuery の Conversational Analytics がアップデート。 BigQuery Studio の SQL 実行結果から会話をスタートできる AI.FORECAST、AI.DETECT_ANOMALIES、AI.GENERATE に対応 ObjectRef 対応で非構造化データが扱える パーティション列で効率的にクエリをする ジョブ履歴に {‘ca-bq-job’: ‘true’} が付く 次の質問のサジェストが出る gemini-embedding-2-preview が登場 Gemini Embedding 2 (2026-03-10) gemini-embedding-2-preview が登場。 マルチモーダルなエンベディングモデルで、ドキュメントの OCR や動画から音声トラックを抽出することも可能。 Cloud Storage に Rapid bucket が登場(GA) Rapid Bucket (2026-03-10) Cloud Storage に Rapid bucket が登場(GA)。 VM と同じゾーンにバケットを配置することで低レイテンシで高スループットを実現。AI/MLやデータ分析、ロギング、ストリーミング記録などに使用することを想定。 Cloud Run への IAP 認証の直接設定が一般公開(GA) Configure IAP for Cloud Run (2026-03-13) Cloud Run にロードバランサーなしで IAP 認証を設定する機能が Preview → 一般公開(GA)。 GA にあわせて組織外ユーザーの認証も可能になった。これまでは組織内ユーザーに限定されていた。 BigQuery でグローバルデフォルトロケーションが設定可能に Specify global settings (2026-03-16) BigQuery でグローバルデフォルトロケーションが設定可能になった。 組織レベルまたはプロジェクトレベルで適用できる。これまで場所の指定がない場合はシステム側の挙動に依存していたが、このアップデートにより、意図しないリージョンでのリソース作成や、場所指定漏れによるエラーを未然に防ぐことができる。 AlloyDB のエンハンストバックアップが一般公開(GA) Manage enhanced backups (2026-03-16) AlloyDB のエンハンストバックアップ(拡張バックアップ)が一般公開(GA)。 Backup and DR サービスと連携。一元化されたバックアップ管理プロジェクトで管理および保存される。 変更不可のストレージ: バックアップは、Backup and DR で管理される Backup Vault に保存される 保持の適用: ポリシーにより、バックアップの誤った削除や悪意のある削除を防ぐ 高度なスケジュール設定: バックアップの頻度と保持ルールを高度にカスタマイズできる 一元管理: AlloyDB、Cloud SQL、Compute Engine などの複数のGoogle Cloud ワークロードにわたって統一されたモニタリングとレポート BigQuery data preparation が Cloud Storage と Google ドライブに対応 BigQuery release notes - March 23, 2026 (2026-03-23) BigQuery の「データ準備(Data preparation)」が、Cloud Storage と Google ドライブからのデータ取り込みに対応。 Data preparation とは、AI によるデータエンジニアリング支援ツール。ファイルをテーブルに取り込んで変換等する作業などが簡単に実装できる。 Cloud NGFW(Enterprise tier)に URL フィルタリングが登場 URL filtering service overview (2026-03-24) Cloud NGFW(Enterprise tier)に URL フィルタリングが登場。 HTTP(S)トラフィックのドメイン / SNI 情報に基づいて URL フィルタリングを行う。 Cloud NGFW の Enterprise tier では、VPC にエンドポイントを構築し、パケットを横から検査する。エンドポイントの存在した時間に応じて料金が発生する。 参考 : Cloud Next Generation Firewall pricing Imagen モデルが廃止へ Vertex AI release notes - March 24, 2026 (2026-03-24) 画像生成モデル Imagen モデルが廃止へ。 推奨される後継モデルは gemini-2.5-flash-image (いわゆる Nano Banana 2)。以下のようなモデルが廃止される(一部抜粋)。 imagegeneration@006 imagetext@001 imagen-3.0-capability-002 imagen-3.0-fast-generate-001 imagen-3.0-generate-002 imagen-4.0-fast-generate-001 imagen-4.0-generate-001 imagen-4.0-ultra-generate-001 音楽生成モデル Lyria 3 が Vertex AI 経由で使用可能に(Public Preview) Lyria 3 (2026-03-25) 音楽生成モデル Lyria 3 が Vertex AI 経由で使用可能になった(Public Preview)。インプットにはテキストと画像が使える。 lyria-3-pro-preview : 184秒の音楽生成 lyria-3-clip-preview : 30秒の音楽生成 Vertex AI Search の回答モデルに gemini-3.1-pro、gemini-3-flash が登場 Answer generation model versions and lifecycle (2026-03-26) Vertex AI Search の回答モデルに新しいモデルが登場 gemini-3.1-pro-preview gemini-3-flash-preview なおこれまで使えていた Gemini 3 Pro Preview は使用不可になる。 AlloyDB と Cloud SQL で Conversational analytics が Preview 公開 Conversational analytics for Cloud SQL for PostgreSQL overview (2026-03-26) AlloyDB for PostgreSQL、Cloud SQL for PostgreSQL / MySQL で、Conversational analytics(会話型分析)が Preview 公開。 Google Cloud コンソールから自然言語を使って、テーブルに対するクエリを発行できる。BigQuery に続いて、運用データベースでも自然言語による DB へのクエリが可能になった。 TPU7x が提供開始 TPU7x (Ironwood) (2026-03-31) Google Cloud で新しい TPU「TPU7x」が提供開始。Google Kubernetes Engine(GKE)で使用可能。第7世代 TPU である Ironwood ファミリーであり、大規模 AI トレーニング・推論向け。 Google Workspace のアップデート Google Workspace の Gemini アプリの共有(公開リンク)が可能に Workspace admins can allow Gemini app conversation sharing for their organizations (2026-03-04) Google Workspace の Gemini アプリの共有(公開リンク)が可能になった。これまでは個人版のみ可能だった。 公開リンクは Google アカウントがなくても閲覧可。デフォルトで無効で、管理者設定で有効化の必要あり。許可するかどうかはセキュリティ上の考慮が必要。 Gemini in Chrome の対応地域が拡張(日本は未対応) Gemini in Chrome expands to more countries and languages, including Canada, New Zealand, and India (2026-03-13) Gemini in Chrome が従来の米国に加えて、カナダ、ニュージーランド、インドに対応。 Gemini in Chrome とは、開いているタブのコンテキストに基づいて記事の要約、解説、情報を検索したり、コンテンツの生成(テキスト・画像)、また Gemini Live などを使える機能のこと。 日本のユーザーは未対応なため注意。 NotebookLM にスライドの PPTX 形式エクスポートなどの機能追加 New ways to customize and interact with your content in NotebookLM (2026-03-20) NotebookLM に機能追加。 インフォグラフィックのスタイル指定 パワポ形式でのスライドのエクスポート スライド微調整 Cinematic Video Overviews (ただし英語のみ) ...など。 対象の Google Workspace エディションは全エディションだが、Cinematic Video Overviews のみ Business Standard 以上など。 Google Meet の会議の参加者承認時、疑わしいリクエストが分けて表示される Safeguarded guest admit flow in Google Meet (2026-03-24) Google Meetの会議の参加者承認にアップデート。信頼性が怪しい入室リクエストについては、通常のリクエストとは分けて表示されるようになる。 Gemini アプリでこれまでより長く3分間の音楽の生成が可能に Create longer musical tracks in the Gemini app with Lyria 3 Pro (2026-03-25) Gemini アプリで、新モデル Lyria 3 Pro により、3分間の音楽生成が可能になった。従来は30秒。 Google Workspace の Business Standard 以上のエディションで、2026年3月25日から数日かけてロールアウト。 Google Workspace に「ゲストアカウント」機能が登場 Introducing guest accounts: Collaborate securely and communicate with non-Workspace users in Google Chat (2026-03-30) Google Workspace に「ゲストアカウント」機能が登場。 外部の人を Google Chat 経由で招待すると、一意の ID が割り当てられたゲストアカウントが発行される。 Google ドライブ上のファイルの共同作業が可能(ファイル新規作成は不可)。Workspace Guests OU に配置され各種ポリシーを適用可能。 有償ライセンス数 × 5個のゲストアカウントが作成可能。 Google ドライブのランサムウェア検出が Beta 版 → 一般公開(GA) Ransomware detection and file restoration for Google Drive now generally available (2026-03-30) Google ドライブでランサムウェア検出&ファイル修復機能が Beta 版 → 一般公開(GA)。 デスクトップ版 Google ドライブを使っている場合に、ランサムウェアが検出されると、ファイル同期が停止され、管理者や本人にアラート通知。 万一、ドライブ上のファイルが暗号化されても一括復元が可能。 杉村 勇馬 (記事一覧) 執行役員 CTO 元警察官という経歴を持つ IT エンジニア。クラウド管理・運用やネットワークに知見。AWS 認定資格および Google Cloud 認定資格はすべて取得。X(旧 Twitter)では Google Cloud や Google Workspace のアップデート情報をつぶやいています。 Follow @y_sugi_it

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