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はじめに 東京科学大学情報理工学院情報工学系修士1年の千代丸怜央と申します。 2025年2月7日から ...
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(以下、AWS ジャパン)が実施する「 生成 AI 実用化推進プログラム 」は、生成 AI の活用を支援する取り組みです。お客様のニーズに合わせ、生成 AI による価値創出のため戦略策定に取り組む方向けの「戦略プランニングコース」、カスタムモデルによる課題解決に取り組む方向けの「モデルカスタマイズコース」、公開モデルによるビジネス課題解決を狙う方向けの「モデル活用コース」をご用意しております。 その「生成 AI 実用化推進プログラム」の参加者や、GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)の関係者、生成 AI に関心を持つ企業が一堂に会する「生成 AI Frontier Meetup」が、2026 年 2 月 17 日に開催されました。2024 年 11 月 の 第 1 回 、2025 年 2 月 の 第 2 回 、2025 年 4 月 の 第 3 回 、2025 年 8 月 の 第 4 回 、2025 年 11 月 の 第 5 回 に続き、今回が第 6 回となります。本記事では、イベントの模様をレポートします。 本イベントの司会進行は、AWS ジャパン 事業開発統括本部 グロース事業開発本部長の塚本 陽子が務め、全体を通じて登壇者の紹介やセッションの案内を行いました。 開会のご挨拶 イベントの冒頭では、AWS Japan サービス&テクノロジー事業統括本部 AIソリューション部 部長の金杉 有見子がご挨拶をしました。 金杉 有見子はまず、AWS の生成 AI 活用支援の取り組みを紹介しました。直近では 2026 年 1 月末に「 フィジカル AI 開発支援プログラム 」を発表しており、募集開始から約 2 週間で数十社もの応募があったことを報告しました。 加えて、これまでの実績として「生成 AI 実用化推進プログラム」への参画企業は 2024 年の開始以来 270 社を超え、本イベントの参加者も延べ 1,000 人以上に達していると報告。コミュニティが着実に拡大している旨を共有しました。 続いて、2026 年の展望として「AI エージェント」と「フィジカル AI」の 2 つのキーワードを挙げました。 1 つ目の「AI エージェント」については、社内の情報検索やシステム運用、コーディング支援など、多岐にわたるユースケースで PoC(概念実証)から実運用への移行が進んでいる現状を説明。クラウド普及期がそうであったように、今後はレイテンシーやレジリエンス、セキュリティ、コストの最適化が重要な課題になってくると指摘しました。 2 つ目の「フィジカル AI」については、物理世界を認識して自律的にタスクを遂行する技術の重要性を語りました。Amazon では長年この領域に取り組んでおり、グローバルでの累計稼働台数が 100 万台に達しています。その 100 万台目が、日本のフルフィルメントセンターで稼働を開始した実績を紹介。労働力不足などの社会課題を解決しうる技術として、注目が集まっている分野であると述べました。 最後に金杉は「AI 技術の進歩は速いからこそ、その変化を楽しみながら業務変革に取り組んでいきたい」と語り、本イベントが「学び、楽しみ、つながる場」となることへの期待を込めてご挨拶を締めくくりました。 AWS セッション AWS セッションでは、PwC Japan コンサルティング合同会社 TDC-DAX所属 Director の木村 俊介氏(写真右)と、AWS ジャパン 生成 AI 推進マネージャーの梶原 貴志(写真左)によるディスカッションが行われました。 セッション序盤で議論の中心となったのは、PwC 社が経年で実施している「生成 AI 実態調査」に基づく分析です。2023 年春の時点では、生成 AI を「検討・推進中」とする日本企業は約 20% でしたが、2025 年には約 56% が「活用中」と回答するまでに普及しました。 続いて、日本、米国、中国、ドイツ、英国の 5 カ国比較調査の結果が示されました。日本は他国と比較し、「効果を創出できた企業の割合」で大きく遅れをとっている現実が浮き彫りになりました。 その要因として木村氏が強調したのが、トップダウンによる推進体制の欠如、特に CAIO(Chief AI Officer)の不在です。生成 AI の深い知見を持ち、全社的な推進を担うリーダーの存在が、成功の鍵であると語られました。また、他国の技術に依存しない「AI 自給率」を高めることが、今後の日本の競争力を高めるうえで重要であるという提言もなされました。 セッション終盤では、生成 AI の課題であるハルシネーションへの向き合い方について議論が交わされました。木村氏は、一意な正解が求められる「決定論的な処理」には不向きである一方、文章要約やシミュレーションといった「確率論的な処理」には極めて有効であるとし、業務への適性を見極めることが重要だと説きました。 最後に梶原は、AWS の「生成 AI 実用化推進プログラム」が、技術面だけでなく組織変革や人材育成も支援可能であることをアピール。木村氏は「AI の進歩の波は止められない。業務を楽にするパートナーとして、AI とうまく付き合っていくべき」と参加者にメッセージを送り、セッションを締めくくりました。 プログラム参加者によるライトニングトーク ここからは、生成 AI 実用化推進プログラムに参加する各社の代表者が登壇し、「カスタマー事例 モデル開発」「カスタマー事例 モデル利用」「モデル開発者紹介」の 3 部構成で取り組みを紹介しました。AWS ジャパン シニア フロンティア AI スタートアップ ソリューションアーキテクトの針原 佳貴(写真左)と、AI/ML Specialist SA の飯塚 将太(写真右)がモデレーターを務め、登壇者に質問を投げかけつつ進行しました。 株式会社みずほフィナンシャルグループ デジタル戦略部 デジタル・AI推進室 テクノロジー開発チームヴァイスプレジデントの皆川 拓 氏は、同社が開発する LLM について紹介しました。「金融業界特有の知見や専門用語」「規制・法令」「行内の内部データ」を学習させ、高度な業務判断を可能にしています。新入行員が受験する実務テストを用いた評価では、最新の汎用モデルと同等の正答率を達成しました。今後は、パラメータサイズの拡大や強化学習などに取り組み、実業務で価値を発揮するエキスパートモデルの構築を目指しています。 ライオン株式会社 デジタル戦略部 DX推進チームの百合 祐樹 氏は、創業130年の歴史の中で蓄積してきた研究開発のナレッジを継承・活用するための自社特化型 LLM 開発の事例を紹介しました。従来の RAG だけでは網羅的な情報検索や文脈理解に限界があったため、Qwen 2.5-7B をベースとした独自モデルを構築。今後は非構造化データのクレンジング・加工による学習データ拡充や Post-Training の実施、ナレッジ検索アプリや AI エージェントへの活用などを進めていく方針です。 株式会社電通デジタル ディレクター 鈴木 初実氏は、AI エージェント型 IDE「 Kiro 」によるデモ開発プロジェクトの事例を紹介しました。タイトなスケジュールの中、「Kiro」を駆使して通常の 10 倍以上の速度での開発に成功。鈴木氏は、AI に指示を出す際は「文脈を徹底的に伝えること」「わからないことは指示せず、AI に聞くこと」「まずは動くものを作り、細かく改善を繰り返すこと」が重要であるとし、非エンジニアであっても適切なツールと対話手法を用いれば、大幅な効率化が可能であると語りました。 日本経済新聞社 技術戦略ユニット 大塚 恭平 氏と田邉 耕太 氏(写真は大塚 氏)は、組織全体のシステム開発・運用を効率化するための社内向けプラットフォームについて発表しました。本プラットフォームは、社内ドキュメントに基づき回答するチャットボット機能や開発・運用業務を自動化するワークフロー実行機能を提供しています。アーキテクチャとしては、 Amazon Bedrock AgentCore Runtime 上に MCP サーバーを配置し、Strands Agents を利用して AI エージェントをデプロイしています。 Sky株式会社 IT統括本部 Skyスタイル部 AI Innovation Lab 課長代理 神崎 真行 氏は、全社員が毎日提出する膨大な「日報」を AI エージェントで分析し、組織のリスク検知に活用した事例を紹介しました。導入にあたっては、役職や部署による閲覧権限の制御が課題でしたが、 Amazon Redshift の行レベルセキュリティを活用することで、AI 経由でのアクセスでも厳格な権限管理を実現。導入後、マネージャーの日報確認時間は 4 分の 1 に短縮され、メンバーの SOS 早期発見や 1on1 の質の向上など、組織運営において具体的な成果を上げています。 株式会社アクト・ノード 代表取締役 百津 正樹 氏は、人手不足が深刻な農業現場を支援するエージェント AI を紹介しました。農業生産者がチャットで「鶏が暑がっていないか見てほしい」といったリクエストを送ると、AI がカメラ映像を定期的に監視し、異常があれば通知します。百津氏は、AI を「生産者の能力を拡張するアイアンマンスーツ」のように機能させ、日本の一次産業を支えていきたいと展望を語りました。 開発者モデルご紹介 ここからは、基盤モデルを開発する各社の代表者が登壇しました。 ONESTRUCTION株式会社 AI Lead 日高 洸陽 氏は、建設業界の課題解決に向けた同社の取り組みと、自社開発の基盤モデルについて発表しました。同社の AI チームは「3 次元設計を AI によって自動化すること」を目指し、研究開発を続けています。約 30 億パラメーターという小型モデルでありながら、特定のタスクにおいてフロンティアモデルを凌ぐ性能を達成。今後はフィジカル AI や建設ロボットなどへの応用も見据えています。 Airion株式会社 CTO 大熊 拓海 氏は、製造業の Factory Automation 領域における「ラダープログラム生成用大規模言語モデル」の研究開発について紹介しました。工場の制御機器で使われるラダー言語は学習データが少なく、既存の汎用 LLM では実用的なコード生成が困難でしたが、同社は提携企業から提供された大量のデータを基に継続事前学習を実施。その結果、コンパイル成功率や評価スコアにおいてフロンティアモデルの 2 倍以上の性能を記録しました。 登壇者の皆様 クロージング クロージングの前半では、経済産業省 商務情報政策局 情報産業課 AI産業戦略室 総括補佐 秋元 裕太 氏が、同省が推進する GENIAC の最新動向について講演しました。 従来からの「領域特化モデルの研究開発」支援に加え、新たに「ロボット基盤モデルの研究開発」枠を設けるとし、自動運転車やドローン・無人航空機等の開発に必要な計算資源やハードウェア調達を支援することを発表しました。また、データ活用に関する支援として、「製造業データ等の AI-Ready 化に関する研究開発」と「データエコシステムの構築等に関する研究開発」を展開し、現場データを AI 開発に活かすための後押しをすると説明しました。 加えて、懸賞金活用型プログラム「GENIAC-PRIZE」の次期計画についても触れられました。R8 年度では、「個別産業の社会課題解決に資するAIエージェント開発」「開発者育成(学生)のための公開型の基盤モデル開発」をテーマに設定する予定であるとし、積極的な参加を呼びかけました。公募開始は 2026 年 5 月を予定しています。 クロージングの後半では、AWS ジャパン 事業開発統括本部 生成 AI 推進マネージャーの梶原 貴志が、次回の「生成 AI Frontier Meetup」は 2026 年 5 月 28 日に開催予定であると言及。加えて、近日開催予定の生成 AI 関連のイベントもご案内しました。 Amazon Quick Suite で変わる業務の現場 ~活用企業・AWS社員による事例紹介~ 企業のデジタル変革を推進するリーダー層および実務担当者の皆様に、 Amazon Quick Suite の統合 AI 機能を通じた業務効率化とデータに基づく意思決定の実現方法をご紹介。日時:2026 年 3 月 26 日(木)14:00~18:30 開催方式:ハイブリッド / 目黒セントラルスクエア 21F GENIAC 基盤モデル開発者向け Deep Dive セッション Amazon SageMaker HyperPod 等を活用した、スケーラビリティと堅牢性を備えたモデル学習環境構築についての学習 Amazon SageMaker HyperPod の利用経験があるパートナーによる活用事例紹介 Slurm・Kubernetes を活用した機械学習に関するベストプラクティスとナレッジの学習 AWS 独自チップ( AWS Trainium 、 AWS Inferentia )の活用シーンとベネフィットの学習 日時:2026 年 4 月 9 日(木)10:00~18:00 開催方式:対面 / 目黒セントラルスクエア 21F [Online] AWS サポート直伝! Kiro CLI 実践ワークショップ AWS サポートの現役エンジニアによる、実践的な Kiro CLI トラブルシューティングハンズオン。生成AIを用いてAWSの運用を効率的に行いたいインフラエンジニア、Kiro の具体的な活用方法を知りたいエンジニア、開発者、デジタル変革・DX推進に携わる方に。 日時:2026 年 4 月 15 日(水)15:00~18:00 開催方式:オンライン 参加者交流会の様子 交流会では、各セッションで共有された事例を起点に、登壇者と参加者が自由に意見を交わす様子が目立ちました。AI エージェントの実運用における課題や、自社モデル開発の工夫など、各種のテーマをめぐって熱心な議論が行われました。業種や役割を超えたネットワーキングも進み、新たな連携や共創の芽が育まれる場となりました。 会場内には、全般的な質問に応じる「よろず相談」、技術的な相談に応じる「Ask an Expert」コーナーも設けられ、ご参加のお客様の質問に回答いたしました。 会場内には、技術的な相談に応じる「Ask an Expert」コーナーや、各種の疑問を気軽に相談できる「よろず相談」コーナーも設けられ、参加者の方々の質問に回答いたしました。 おわりに 第 6 回を迎えた本イベントでは、AI エージェントやフィジカル AI といった最新トレンドの解説に加え、多様な業界の実践事例が共有され、生成 AI の活用が着実に広がっていることを実感できる場となりました。AWS ジャパンは、今後も業界横断での交流や技術支援を通じて企業の生成 AI 活用を後押しし、その実用化と発展に貢献してまいります。
はじめに こんにちは。リテールハブ開発部の清水です。 先日 SRE Kaigi 2026 に参加してきまして、私の中でSRE熱がかなり高まっています。 私たちはDatadogをオブザーバビリティ基盤として使用しているのですが、私自身はDatadogをまともに触った経験がありませんでした。 Datadogの画面を開くと左のメニューだけでも大量の項目があって、何ができるのか把握すること自体に大きなハードルを感じていました。 そのような中で、Datadog Learning Centerというものを知りました。無料でハンズオン形式の学習ができるとのことだったので、実際にやってみることにしました。 Datadog Learning Centerとは Datadog Learning Center は、Datadogが公式に提供している無料のオンライン学習プラットフォームです。 ブラウザ上でハンズオン形式でDatadogの各機能を実際に操作して学ぶことができます。 コースはGetting Started、APM、Logs、Kubernetes、Securityなどのカテゴリに分類されていて、初心者向けの入門コースから特定のケースにフォーカスしたコースまで幅広く用意されています。 学習環境について ラボという学習環境が提供されるので、ブラウザさえあれば学習できる形になっていました。 ラボの画面では左半分にターミナル、右半分に学習教材が表示されます。 学習用のDatadogアカウントが自動作成されて、IDとパスワードがターミナル上に表示される仕組みです。 これをDatadogのログイン画面に入力すれば、学習用のアカウントで実際のDatadog環境を自由に触ることができます。 自分の本番環境を壊す心配がないので、気軽に色々試せるのが良いところです。 なお、コンテンツはすべて英語です。英語が苦手な方にとってはややハードルが高いかもしれません。 最初に取り組んだコースについて Datadog Learning Centerの コース一覧画面 を開くと多数のコースがずらりと並んでおり、圧倒されます。 画面上部に LEARNING PATHS というリンクがあるので、ここを開くと目的別に整理された学習順序が紹介されています。 私はこの画面で紹介されている Core Skills Learning Path から始めました。 以下の6コースで構成されており、Datadogの基本的な操作スキルを身につけるための入門パスです。 Datadog Quick Start Tagging Best Practices Getting Started with Metrics Getting Started with Monitors Introduction to Dashboards Getting Started with Notebooks 所要時間 じっくり内容を確認しながら進めて、各コースで30分~1時間程度、合計4時間で終わりました。 学習した感想 Datadogに対する恐怖感が薄れた 一番大きな収穫は、Datadogでざっくりどんなことができるのかわかったことです。 学習前はDatadogの画面を開いても、左メニューに並ぶ項目が何を意味しているのかわからず、触ること自体に抵抗がありました。 学習後は、メトリクス、ダッシュボード、モニター、ログ、APM、トレース、Software Catalog、ノートブックといった用語がそれぞれ何を指しているのか、なんとなく掴めるようになりました。 正直なところ、すべてを完璧に理解できたわけではありません。ただ、「何がわからないかがわからない」状態から「各機能の役割はわかった上で、詳細はこれから深掘りしていけばいい」という状態になれたのは大きな進歩でした。 今回学習したCore Skills Learning Pathはよく使う部分をざっと紹介してもらうような内容となっており、他のコースで実践的な内容を学んでいけるのではないかと思います。 学習用Datadogアカウントの中身を見るだけで勉強になった 学習用Datadogアカウントには、架空のWebサービスを題材として本番さながらの設定やデータが最初から用意されています。 AIに「これはどんな機能ですか?」と会話しながら各画面を見ていくと各種機能について素早く理解が進むと感じました。 特にダッシュボードの作り方がすぐ真似できる要素があって参考になりました。 元々、私たちはテナントごとに別々のダッシュボードを用意していて、それぞれのダッシュボードの中でも各種リソース状況がフラットに並んでいるだけの状態でした。 学習用Datadogアカウントのダッシュボードから以下の内容を真似することにしました: ダッシュボードを全テナント共通にして、テンプレート変数で切り替える 画面上部にはリンク集とMonitor Summaryを設置する 画面要素をGroupウィジェットでグループ分けして表示する 改善前と見比べると、情報の整理や視認性がだいぶ向上したのではないかと思います。同じようにダッシュボードの構成に悩んでいる方の参考になれば幸いです。 おわりに Core Skills Learning Pathは、Datadogを初めて触る人にとって良いスタート地点でした。4時間程度の投資で、Datadogの主要機能の全体像と基本操作を一通り学ぶことができます。 Learning Centerにはこのパス以外にも、さまざまな機能に特化したコースが多数用意されています。今後も引き続き他のコースに取り組み、Datadogの活用の幅を広げていきたいと考えています。 Datadogを使っているけれどちゃんと学んだことがないという方は、ぜひCore Skills Learning Pathから始めてみてはいかがでしょうか。

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