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Fashion Tech Night #01 Produced by Fashion People +

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Fashion Tech Night #01 Produced by Fashion People +

9月12日(月)19時30分より、「Fashion Tech Night #01 Produced by Fashion People +」が開催されました。

このイベントの主催である「Fashion People +」は、ファッション業界の求人・転職サービス「クリーデンス」が運営する、ファッション業界で働く人を応援するコミュニティです。

イベントのテーマは「Fashion Tech」。ファッション業界主催のイベントではありますが、dots.とのコラボならではの内容となり、ファッション業界、インターネット業界から200名を超える方々が参加されました。

イベント前半には、まず、スタイラー株式会社の小関翼さんが「Fashion Tech業界の動向について」を共有。そして、小関さん、ターミナル株式会社の瀬戸恵介さん(@keisukeseto0226)、株式会社エアークローゼットの天沼聰さん、シタテル株式会社の河野秀和さんの4名から各社が提供するサービスについて紹介されました。

イベント後半は、「Fashion Techの内情、ぶっちゃけトーク!」と題した4名によるパネルディスカッションを開催。

それではさっそく中身をご紹介します!

Fashion Tech業界の動向について

まず、「Fashion Tech業界の動向について」というテーマでスタイラー株式会社の代表取締役である小関さんに講演していただきます。小関さんはFashion Techに対する理解を広めるため、経産省や文化服装学院でも度々講演をしています。

小関翼(こせき・つばさ)/スタイラー株式会社代表取締役。東京大学大学院修了。日英のメガバンクに勤務した後、Amazonで事業開発を担当。2015年3月、スタイラー株式会社を設立。趣味はスケートボード。

18兆円という巨大な市場規模を持つアパレル市場をテクノロジーで変えていく「Fashion Tech」。小関さんは、Fashion Techそのものを広める活動をされています。

現在、日本では業界を横断するイベントが少なく、テクノロジーとファッションの掛け合わせに取り組む人はまだまだ少ない状況です。そのため、小関さんは「Fashion Tech Summit」というイベントを開催したり、「Fashion Tech Map」を作成したりして、「Fashion Tech」業界で活躍しているプレイヤーを取り上げて紹介しています。

ファッション業界はテクノロジーの活用が遅れている?

2013年の経産省による各国のファッション販売チャネルのデータによると、日本のEC化率は8%でした。現在は9〜10%くらいで2020年には14〜15%くらいになると予想されています。オフラインの販売比率が多数を占めており、ビジネスとしては欠かせない要素だと読み取れます。

このようにファッション業界を含むリアルビジネスでのテクノロジーの活用は遅れているのですが、一方で、それはインターネット業界がリアルビジネスへの進出遅れていることと同義です。そもそも日本は産業ごとでコミュニティが分かれすぎています。リアルビジネス側はテクノロジーに対する理解があまりありません。しかし、まだまだネット完結型のビジネスモデルよりも、リアルビジネスの方が市場規模の大きい分野も多くあります。

それゆえに、今後は既存のリアルビジネスとテクノロジーとのコラボレーションがどんどん増えるのではないかと小関さんは感じています。

リアルビジネスとテクノロジーとのコラボレーションは、既に世界的な潮流でもあります。

2014年におけるVCの投資額は、日本では1200億円。2016年は1800億円ほどだと想定されていますが、これはアメリカ、中国はもちろん、韓国と比較しても全然低い額です。なぜなら、日本は大企業とスタートアップで完全に分かれているからです。

アメリカでは投資されたスタートアップの出口は、大企業やメガベンチャーへのバイアウト。日本でも徐々にスタートアップに投資をしたり、バイアウトするケースが増えていますが、既存プレイヤーがお金を流せないので結局シュリンクしているのが現状です。

韓国は日本の1/4規模のGDPですが、VCの投資額は1.5倍くらいあります。投資元は主に財閥系。韓国では財閥がもつ影響力が大きく、財閥系の企業へ入れなかった人からの妬みを回避するため、つまり、ある種CSR的にスタートアップに投資しているという背景があるようです。

中国の投資額は2014年時に2兆200億円。2016年は3兆7000億円くらいの見込みがあり、アメリカに匹敵するベンチャーコミュニティできると予想されています。その投資額のほとんどは、中国ネット業界3巨人、つまり、検索エンジンサービスの「バイドゥ」、ECサービスの「アリババ」、SNSやメッセンジャーアプリを提供する「テンセント(=中国版Facebook)」が担っています。

アジアのトレンドは「会話型コマース」

日本を除くアジアでは、スマートデバイスが情報収集の中心的役割を果たしています。

ここで大きなトレンドとなっているのが「会話型コマース」です。日本でもLINEやFacebookメッセンジャーのチャットボットの発表以来大きな注目が集まっていますが、送金機能を実装した中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」はすでに大きな成功収めています。

このようにコミュニケーションとコマースが早期に融合しているアジアではECで買い物する前にコミュニケーションをするのは当たり前。中国の大手EC「タオバオ」を例に出すと、ユーザーは購入前に平均2回ほどチャットで問い合わせをします。その内容はサイズや在庫を聞くだけではなく、オススメ商品を聞いたり、値切り交渉を行ったりしているとのこと。取引されるものに売り手と買い手とで情報差があるため、コミュニケーションで解決を図っている事例だと考えられます。

小関さんはコミュニケーションとコマースの融合の例として、台湾の「PAZZO」のFacebookページを紹介します。

同ページは100万「いいね!」を達成。「PAZZO」と志向や位置付けが近い日本の某アパレルブランドの「いいね!」数は、4000〜5000くらいです。台湾の人口は2500万人弱ですから、SNSがインフラ化している様子が伺えます。

商品の写真はカタログ的に並んでアップされ、コメント欄にはユーザーから数百件のコメントがつくことも。そのコメント欄では、ユーザーからサイズやコーディネートのオススメが尋ねられ、店員もそのコメントに対応するのが当たり前になっています。

なぜならば、オンラインでも対応をしないと売れないとわかっているからです。このようにアジアのコマースは、店頭での接客がウェブにまで延長しているのです。

会話形のコマースは、人につないで会話を行う「コンシェルジュ型」と、人工知能が解決する「ボット処理型」の2つのタイプに大きく分けられます。

「必ずしもどちらかが優れているということはありえないので、目的達成の為にどちらを選択すればUXとして優れているか考える必要がある」と小関さんはまとめました。

ユーザーのニーズにショップが対話で応える

小関さんにFashion Techの動向を伺った後、自身が展開する「STYLER」を紹介していただきます。

「STYLER」は、ユーザーの商品リクエストに対して様々なショップがオンラインで接客できるサービスです。

洋服を購入する際、具体的にアイテムを絞り込んで買い物する方はそれほど多くないでしょう。抽象的なイメージをもとに店舗を見て回ったり、ECサイトで膨大なアイテム数から検索してみたりとなかなかイメージに近いものを探すのに苦労している人も多いはず。

「STYLER」では「こんなシーンに似合うアイテムが欲しい」のように自分のニーズを投稿すれば、全国の複数のショップやからアイテム情報がどんどん届くのです。

ユーザーは自分の欲しいものを「STYLER」にトピックとして投稿します。そこにブランドやショップがアイテム情報を貼り付けていくわけですが、これは会話型のサービスだと捉えることができます。

そのトピックは「STYLER MAG」というオウンドメディアのコンテンツとしてまとめられ、さらにそのコンテンツは提携するメディアに配信されるので、横断的なファッション情報がどんどん集まる仕組みです。

もちろん、自身で投稿せずに他のユーザーのトピックを閲覧するだけの利用もできるので、ファッションに関するメディアとしての役割も果たしています。

一方、ブランドやショップはアイドリングタイムなどを活用して、トピックに対応するわけですが、実際に参加する効果はあるのでしょうか?

「STYLER」では月の来店客数が200人ほどのショップで検証を実施します。その内容は来店された全てのお客様に「今日は『STYLER』を見て来店しましたか?」と尋ねるというもの。

その結果、「STYLER」経由で来店したお客様は全体の15%にも及びました。さらに、その72%が商品を購入するという効果が測定されました。

送客効果が実証され、「STYLER」を導入したショップからの好意的な感想を紹介して小関さんによる講演は終了しました。

「ブランド」と「バイヤー」をつなぐプラットフォーム

続いての登壇者は、ターミナル株式会社の代表取締役である瀬戸恵介さんです。瀬戸さんはファッション業界向けBtoBマーケットプレイス「TERMINAL ORDER」を運営しています。

瀬戸恵介(せと・けいすけ)/ターミナル株式会社 代表取締役。1980年東京都出身。2008年株式会社ピーアール・ダイレクトを設立。 2010年株式会社クーポッドを設立し、同年GROUPONに売却しグルーポン・ジャパン株式会社となった後も継続して代表取締役を努める。2013年ザ・リアルリアル株式会社を設立。2014年ターミナル株式会社を設立し現在に至る。グルーポンの”スカスカおせち騒動”で凹んだ経験あり。

「TERMINAL ORDER」は、日本唯一のファッションブランド向けのBtoBマーケットプレイスサービス。リリース当初はアパレルブランドの展示会支援に特化したサービスでした。

2015年にはブランドの要望により、多くのバイヤーと繋がれるマーケットプレイス型機能を導入。これが功を奏し、創業から2年あまりでジャンル問わず200ブランド、百貨店や大手セレクトショップなど6000バイヤーがサービスを利用しています。「イケてるブランド」が参加していることも大きな特徴です。

この「TERMINAL ORDER」は、海外で先行していた「Joor」を意識していると瀬戸さんは語りました。

ブランドが「TERMINAL ORDER」を導入するメリットは大きく2つ。

1. 効率化・コスト削減
「8割のブランドがコスト削減の目的でまず導入している」と瀬戸さん。

ブランドは年に2〜4回行われる展示会の際、オーダーシートを大量に印刷し、派遣スタッフを雇って受注業務を行います。そこで「TERMINAL ORDER」ではアナログだった業務を大幅に効率化。ブランドは大きくコスト削減が達成できます。

また、いつでもどこでもオーダーが可能になるため、バイヤーにもメリットが生まれます。

2. オンラインPR
ブランドが新しい取引先を増やすために「TERMINAL ORDER」では6000人ほどのバイヤーに向けてブランドの情報を流します。その情報はGoogleやSNSにおける独自のマーケティングをもとに発信されます。

バイヤーが気になる記事からブランドをフォローするようになれば、オンライン上でのマッチングが成立。現状は週数十件のマッチングが成立し、ブランドは効率的にバイヤーと繋がることができています。

「オンラインPR」の展開を拡大しながら、「ターミナル」はブランドに対する今後の展望として以下の3つを掲げます。

  • 与信管理や請求業務などを代行
  • 大型受注に対する融資サービスの提供
  • 海外進出のサポート

「TERMINAL ORDER」は、海外マーケットとの架け橋になることも目標にしています。現在登録している6000ほどのバイヤーのうち、300〜400は海外バイヤーであり、バイヤー画面は言語対応で海外とのやりとり可能とその準備は着々と進んでいます。将来的には拠点もニューヨークとパリに置き、現地のショールームや合同展示会と連携していくことで、ブランド支援を展開していきたいと瀬戸さんは語りました。

ファッションレンタルサービスの3つの展望

3人目の登壇者は、株式会社エアークローゼットの代表取締役である天沼聰さんです。天沼さんは、新感覚オンラインファッションレンタルサービス「airCloset」を運営しています。

天沼聰(あまぬま・さとし)/株式会社エアークローゼット 代表取締役CEO。  ロンドン大学卒業後、アビームコンサルティング株式会社にてIT・戦略コンサルタントを約10年にわたり経験し、その後、楽天株式会社に移籍。UI/UXに特化したWebのグローバルマネージャーを務める。2014年7月、株式会社エアークローゼットを創業。尾崎豊が好き。

ファッションショーでモデルからも評価が高かった「AirCloset」は、スタイリストが選定した洋服を月額制で返却期限や回数制限なくレンタルできる女性向けの新しいファッションサービスです。送料やクリーニングも不要で、お気に入りの洋服は買い取ることも可能です。

働き方の多様化や環境の変化により、新たな洋服と出会う機会が減った女性は増えているのではないでしょうか。こうした背景をもとに、天沼さんは「発想とITで人々の日常に新しいワクワクを創造する」を企業ミッションに掲げ、「感動する洋服との出会い」をテーマとした「AirCloset」を立ち上げます。

増え続ける情報とモノに対して時間は限られています。「AirCloset」が目指しているのは「最適な出会いを創出し、ユーザーに新たな感動体験を提供していくこと」と天沼さんは語ります。

雑誌やSNSでの拡散により会員数は大きく伸び、現在は約9万人もの利用者がいます。その90%以上は働く女性で、年齢層は20代後半から40代。平均年齢は30代半ば。トレンドに左右されにくいコンサバファッション中心に揃え、300以上のブランドが登録されています。

「AirCloset」はサービスでありながら「2015年度グッドデザイン賞」を受賞しています。「使い込むほどに、『好みへの適応』と『知との遭遇』の相反する欲求がバランスされていく経験を提供している」とUXが評価され、普段選ばない洋服に出会えることもユーザーにとって大きな付加価値になっていることが伺えます。

また、「AirCloset」はユーザーに「新しい洋服との出会いや購買意欲の向上のきっかけ」を与えるメリットがあるだけではなく、ブランドにとっても「新規顧客開拓やブランド認知度向上の機会」を与えるメリットがあります。

さらに、ユーザーの利用情報から消費者の好み・情報をビッグデータ化することで、ファッション業界での活用に繋げることを天沼さんは考えています。これにより、消費者に近い事業者が生産メーカーと素早く情報交換することを可能になるわけです。

「AirCloset」の今後の戦略は主に次の3点です。

・アイテム拡大
アパレルだけでなく、アクセサリーなども展開

・ライン拡大
メンズやシニア、キッズの市場に拡大

・海外展開
アジア、東南アジアに進出

「AirCloset」では、例えば不動産業者の株式会社エイブルとの協働で実店舗をオープンさせていますが、その他にも業界を問わず様々なコラボレーションへ積極的に取り組み、新しい価値を生み出していくそうです。

国内初! ファッション生産クラウドソーシング

4人目の登壇は、シタテル株式会社の河野秀和さんです。河野さんは、国内初の衣服生産クラウドソーシングサービス「sitateru」を運営しています。

河野秀和(かわの・ひでかず)/シタテル株式会社 代表取締役。外資系金融機関を経て、総合リスクマネジメント事業やシタテルの前身となる会社を設立。2014年にシタテル株式会社を設立。熊本と東京を拠点に事業を展開している。

「sitateru」は、国内の縫製工場と連携することでワンストップに衣服を生産できるクラウドソーシングサービスです。全国のアパレル工場における技術やリソースなどのデータ管理と、アパレルに精通した専門コンシェルジュによる生地やパターンなどの生産サポートにより、「短期間・高品質・小ロット」の生産を実現しています。

後発の類似サービスも出てくるなか、「sitateru」のバリューは「ブランドと工場のマッチングにおいて真ん中に立ち、責任を取っていくビジネスモデルにある」と河野さんは言います。

そして、製造におけるポイントは次の3つに分かれます。

・マーケット開拓
様々な顧客の依頼に対応するためにマーケットの分析を行います。

・コントロールシステム
洋服を作る際のあらゆる工程をデータベースに落とし込み、プロセスとして管理します。

・工場インフラ構築
IoTなどのセンサーから工場の稼働状況を可視化していきます。工場の繁忙期や閑散期、どこの部門で何をつくっているのかを把握し、リードタイムをできるだけ正確にとっていくことでデータベースを構築していきます。

2016年8月末には、生産依頼数が1000社を達成し、現在も工場や自治体の協力、経産省からの支援などを受けて工場の登録数が伸びている状況です。

最近ではエリアを限定し、その土地のデザイナーや工場を使って生産を完結する「ローカライズ」なプロジェクトも増えてきています。

さらに、日本のマーケットに対して日本のインフラを使っている現在の状況を、「今後は海外のブランドに展開して拡張していきたい」と河野さんは展望を語りました。

裏話も飛び出すパネルディスカッション!

休憩を挟んでイベントの後半はパネルディスカッションです。前半に登壇していただいた小関さん、瀬戸さん、天沼さん、河野さんの4名をパネラーとして迎え、主催者であるクリーデンスの藤田さんがモデレーターを勤めます。

参加者にもお酒やおつまみが振る舞われ、まずは、藤田さんの音頭で乾杯です!

それでは早速、パネルディスカッション「Fashion Techの内情、ぶっちゃけトーク!」の内容をご紹介します!

— 各社のプレゼンどうでしたか?
小関 以前からお三方知っているのですが、その時からどのくらい進化しているのかがわかって、すごい楽しかったです。
瀬戸 ユーザー目線で「AirCloset」はメンズの市場も需要があるなと思いましたね。
天沼 純粋に楽しかったですね。同じファッション業界でも各々の領域が異なり、各々がファッションとテクノロジーの融合を目指している感じがおもしろかったです。ここにいるどなたでもコラボできる可能性を感じます。
河野 業界の「デストラクション」ではなく「再構築」の話だと思っています。

— サービスをローンチしてからいかがですか? 苦労した点はありますか?
瀬戸 「TERMINAL ORDER」はリリースから2年と少し経過しましたが、初めは営業へいっても10戦10敗でした。誰も受け入れてくれなかったですね。「イケてるブランドさん」に導入していただくことには強くこだわりましたが、ようやく1ブランドに導入していただいても、その後が続かずで。そこで、実際のブランドの事業運用に合わせたシステムに変えたら、ブランドを取れるようになってきました。
天沼 アパレル業界って、ITに対して抵抗があるように感じませんか?
瀬戸 そういう傾向があるかもしれませんね。今は理解してもらいつつあると思います。
天沼 僕はファッション業界出身ではないので、「ITの人」として営業に行くわけです。そこで、ブランドさんに営業しても「ITって必要なの?」と言われたりして大変でしたね。
瀬戸 「AirCloset」にはどのようなブランドが参加しているんですか?
天沼 基本的には非公開にしています。普段着のファッションレンタルって、ブランドから見ると「買う」を「借りる」に変える。つまり、ブランディングを一気に崩すことが懸念されますよね。私たちは「出会い」をテーマにしているので、ブランド想起に繋がってはいけないと思っているのが非公開の理由です。
小関 「ITの理解」という観点から見ると、実はファッション業界ってテクノロジーへの理解が進んでいないように思えて、他のリアルビジネスよりは多少進んでいるんですよ。それはアパレル業界が危機意識を持っているからだと思います。「sitateru」で提携している工場の方はその辺りどうですか?
河野 ものすごく危機意識を持っていますね。自らiPad導入したりしている方もいます。苦労した点は、私たちはBtoBのサービスで、ユーザーも工場も潤沢にいるわけではないのでユーザーになってもらうことが難しいところですね。泥臭く獲得していくしかないと思っています。

— 現在の社内の体制を教えてください。
小関 正社員が10人いて、非常勤が10〜20人ほどいますね。非常勤のスタッフにも初期から手伝っていただいてますね。スタートアップは裁量大きく任せられる一方、人によって差が出ちゃうところが社内的にもチャレンジになっていると思います。規模感としては2倍にしたいので、採用も積極的に行っています。グローバルなプラットフォームでデータを活用することに興味がある人がたくさんきてくれています。
瀬戸 社員は15、16人くらいいます。そのうち開発3名、営業5、6名、オペレーションチーム3、4名。あとはマーケティングと財務の担当です。ちなみに天才エンジニアがいるので全部内製です。今後の規模は2〜2.5倍にして、エンジニアチームの強化を図っていきたいです。類似サービスも嬉しいことに出てきたので、開発の面で圧倒的な差をつけたいです。
天沼 社内は35人ほどで、社外スタイリストが100名強います。組織的には、スタイリンググループとマーケ、財務があって、エンジニアが全体の3分の1ほどプロダクトグループとして働いてくれています。来年度は1.5倍くらいの規模感を考えていて、人工知能とデータサイエンティストの担当を募集しています。それはお客様とアイテムが出会ったときの結果のデータを、最適な在庫管理や生産に繋げて業界としてのサイクルを回していけるようにしたいからです。
河野 私たちは14名ほどで、東京と熊本で半分半分くらいです。地方にカスタマーサービスを置くなどではなく、「東日本支社と西日本支社」みたいな感覚でどちらもほとんど同じ機能を持っています。来年度は社員数を倍にして、開発を中心にリアル産業に入っていき、サプライチェーン管理をしっかりしていこうと思っています。
小関 「シタテル」は東京にオフィス構えましたが、熊本との地域差を感じることありません?
河野 一応、場所を選ばないことを掲げていますけど、実際はめちゃくちゃ地域差を感じています。人の部分で特に苦労がありますね。ただ、熊本は雑念が生まれないから開発に集中できます。唯我独尊です(笑)。

— 「このサービスはイケる!」と思ったのは?
河野 最近ですね。実稼働して1年半くらいなんですけど、現場に裁量を与えて従業員が仕事に楽しさを感じ始めてくれたときに「イケる」と思いました。
天沼 正直まだ思っていません。「感動する出会いをつくる」というのが理念で、現状はファッションレンタルという形で、UXを最大化することを会社のミッションとして押し出しています。ニーズがあることはわかりましたが、この事業単体でお客様に最高のUXを永続的に提供できるかはわかりません。PDCAをひたすら回して改善していき、お客様に価値あるユーザー体験を届け続けられるようにしていきたいですね。
瀬戸 2015年夏すぎくらいに「イケる」と感じました。それは「イケてるブランド」を毎月10くらい取れるようになったからです。その後はブランド数が100、150、200と伸びてきて、まだ目標には到達していませんが、流通総額も130億円くらいまで成長しています。
小関 グローバルなプラットフォームを目指しているので、まだ「イケる」とは思っていません。創業直後の想定からも、HRのところで読みがズレて6か月くらいビハインドしていますし。理想では、アジアでの事業をもう始めていたかったですね。

【会場からの質問】社内にファッション関係のブレインはいますか?
河野 コアメンバーはビジネスメンバーが多いですが、ファッションのプロはもちろんいます。縫製のプロとか。
天沼 創業時の3人は全員ITコンサル出身です。なので、100名規模の組織図を考えたときに、ファッション業界を知っている人が必要だと感じ、4人目にプロのスタイリストを役員に入れました。いまは社外顧問にもファッション業界の人に入ってもらっています。
瀬戸 エンジニアと財務以外はほぼファッション業界の方です。外資系卸の営業出身とか業界に詳しい人が多いですかね。業界の慣習や流れを理解してないと話にならないと思いますし。「TERMINAL ORDER」自体も彼らの声とユーザーであるブランドの声をもとに作られています。
小関 ファッション業界の人はいたほうがいいですけど、大事なのはバランス感だと思います。ファッション業界の人は、テクノロジーの知見を求めているので。

— 最後に「Fashion Tech」業界を志望する人にメッセージをお願いします。
小関 実は今のトレンドは「リアルテック」です。広告配信やネット完結よりも情報の価値があるのはリアルなファッションや不動産。この5年でそういう分野にテクノロジーがかなり進んでいくのではないでしょうか。リアル産業に特化したファンドを作りたいという話も結構耳にしますし、非常にチャレンジしがいのある分野だと思います。
瀬戸 この業界は「伸び代」しかありません。衣食住の「衣」を豊かにしたい思いは、20年後も変わらないと思います。テクノロジーを使ってどれだけ伸ばせるかっていうやりがいがあると思いますね。
天沼 業界のなかで新しいことに興味がある方にはすごく向いていると思います。資金も集まりやすくなっている状況なので、チャレンジしない理由はないのではないでしょうか。
河野 素材開発のテクノロジーがこれからどんどん進んでいけば、人間の着るものが変わっていったり、もしかしたら服も縫わなくなる時代がくるかもしれません。そういった流れのなかでも、人間が着る行為を意識してサービスを作り上げていきたいです。

懇親会で採用決定!

パネルディスカッションの終了後は懇親会が開かれました。

登壇者と参加者による交流は多いに盛り上がり、スタイラーの小関さんはなんと当日に新たな人材の採用が決まったとのことです! 人材採用おめでとうございます!

第2回「Fashion Tech Night」の開催を楽しみにしています!

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