PRIVACY TECH NIGHT #3 「合成データ」
イベント内容
PRIVACY TECH NIGHTとは?
「PRIVACY TECH NIGHT」は、Privacy Tech(プライバシー保護のための技術)※1について紹介するイベントです。
近年のプライバシー意識の高まりや法規制の強化などの背景を受けて、プライバシー保護が益々重要になっており、Privacy Techが注目されています。
本イベント「PRIVACY TECH NIGHT」では、Privacy Techの概要といった基本的な内容から、技術の詳細や最新動向や論文紹介などの応用的な内容まで、幅広いテーマでお送りします。
必ずしもセキュリティやプライバシーの専門家ではない技術者の方、データ関連事業を担当されている方も対象に、Privacy Techの理解促進と普及を目的としたイベントを目指しています。
前回は、プライバシーの技術・法律・ガバナンスという広い観点での「PRIVACY NIGHT」に続き、今回は技術の観点で「PRIVACY TECH NIGHT」を行います。
今回のテーマは、「合成データ(Synthetic Data)」です。合成データとは、個人情報などの実際のデータベースから、統計的な特徴を抽出して、その特徴を維持するように生成した人工的なデータです。実際のデータではないため、プライバシーが保護されることが期待されております。
今回は、合成データの技術概要を解説し、様々な分野における事例や近年の研究開発の動向について紹介しつつ、今後の期待や課題について議論します。
また、本番終了後は懇親会も予定しております。日頃からPrivacy Techに関心を持たれている方と、ぜひこの機会に交流を深められればと思っています。
今後益々重要となるPrivacy Techについて、参加者と講演者が一緒に勉強することで、より安全で豊かな社会の実現を共に目指していきましょう。是非お気軽にご参加ください!
※1 Privacy Techとは、PETs(Privacy Enhancing Technologies)、プライバシー保護技術、PPDM(Privacy Preservince Data Mining)など、様々な呼び方がありますが、本イベントではプライバシー保護に資する技術の総称としてPrivacy Techと表記しています。
開催日時
2024/4/16(火) 19:00-21:30 (懇親会:20:45-)
開催場所
LINEヤフー株式会社 22F オーディトリアム(東京都新宿区四谷一丁目6番1号 四谷タワー 受付:2Fオフィスエントランスホール)
アクセス概要:https://comore-yotsuya.jp/access/
タイムスケジュール
時間 | コンテンツ | 登壇者 |
---|---|---|
18:30- | Open | ※この時間から受付可能です |
19:00 - 19:05 | イントロダクション | |
19:05 - 19:20 | 発表1) 合成データの概要とヘルスケア業界における事例 | 波多野 卓磨(日鉄ソリューションズ) |
19:20 - 19:30 | 発表2) 金融業界における合成データの活用事例 | 森 毅(日本総合研究所) |
19:30 - 19:40 | 発表3) LINEヤフーの差分プライバシーx合成データの研究事例 | 高橋 翼(LINEヤフー) |
19:40 - 19:55 | 発表4) 合成データの学会活動動向 〜データ合成技術評価委員会の立ち上げと取り組み 〜 | 千田 浩司(群馬大学) |
19:55 - 20:40 | パネルディスカッション | パネラー:上記登壇者、ファシリテーター:竹之内隆夫(LINEヤフー) |
20:40 - 20:45 | クロージング | |
20:45 - 21:30 | 懇親会 | |
21:30 | End |
セッション概要
発表1) 「合成データの概要とヘルスケア業界における事例」
個人情報の保護と活用を両立するプライバシー強化技術の中でも、特に元の個人データの構造や統計的な特徴を保持して生成される「プライバシー保護合成データ」は、有用性・安全性を高いレベルで実現し得るものとして期待され、海外ではヘルスケア領域での活用事例が報告されている。一方で、合成データの法的な位置づけや利活用シーンが不明瞭であること、合成データ作成の標準的な技術が確立していないこと、などの課題が存在し、これらは国内での普及の阻害要因となっている。本講演ではプライバシー保護合成データの概要と現状課題について調査した結果を報告する。
波多野 卓磨(日鉄ソリューションズ システム研究開発センター 主務研究員)
2015年日鉄ソリューションズに入社し、以降プライバシー保護に関する研究開発と実現場適用に従事。医療・製薬領域を中心に、匿名加工業務の設計・実行支援を多数実施。2017年より情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会プライバシーワークショップが主催する匿名加工・再識別コンテストPWS Cupの運営委員を担当中。2023年よりデータ合成技術評価委員会に参画中。
発表2) 「金融業界における合成データの活用事例」
AI・データ利活用の促進と並行して、データ保護規制の動きも拡大している。プライバシーテックはデータ利活用におけるプライバシー保護を実現・強化する技術群の総称であり、中でも合成データは実在する個人のデータを直接用いないことで、プライバシーを保護できる技術として近年注目されている。本講演では金融領域における合成データの活用事例と普及に向けた展望を述べる。
森 毅(日本総合研究所 先端技術ラボ AIスペシャリスト)
2020年より日本総合研究所にて先端技術に関する調査及び、業務適用に向けた実証実験等に従事。プライバシー強化技術(プライバシーテック)が専門領域。解説レポートに「プライバシー強化技術の概説と動向」、「プライバシー保護合成データの概説と動向」など。2023年度よりデータ合成技術評価委員会、2024年度よりPWS実行委員会に参画
発表3) 「LINEヤフーの差分プライバシーx合成データの研究事例 」
LINEヤフーで研究開発に取り組んだ「差分プライバシーを前提とする合成データ生成モデル」の研究事例を紹介します。差分プライバシーは、機械学習モデルのプライバシー保護尺度としてグローバルスタンダードとして知られています。その一方で、複雑なアルゴリズムが要求されるGANやVAEのような高次元データの生成モデルの学習には、ノイズ加算に伴う性能劣化等の課題があります。これら課題を解決するLINEヤフーの研究事例として、ICDE 2021およびICLR 2022に採択された技術を紹介するとともに、近年の研究動向や生成AIとの関係についても俯瞰します。また、CVPR 2024で発表予定のDiffusion Modelに対する著作権保護についても概要を紹介します。
髙橋 翼 (LINEヤフー研究所 上席研究員)
LINEヤフー研究所 上席研究員 / SB Intuitions 研究員。プライバシーテックやAI安全性に関する研究開発を担当。事業貢献とトップカンファレンス採択を両立する組織作りがモットー。NEC中央研究所、Carnegie Mellon大学 Visiting Scholarを経て、2018年末よりLINE。博士 (工学)
発表4) 「合成データの学会活動動向 〜データ合成技術評価委員会の立ち上げと取り組み 〜 」
データ合成技術は,有用性の高い匿名化データの生成手段として海外で実用化が進んでいる.国内でもデータ合成技術を利用したパーソナルデータの安全な利活用の促進が期待されるが,健全な技術の普及には安全性の評価が不可欠である.そこで情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会の作業部会(PWS組織委員会)は,データ合成技術評価委員会を立ち上げ,合成データの安全性の指標やリスクアセスメント手法,技術と法規制との関係整理,および社会実装に向けた検討等を行っている.本講演では,当委員会のこれまでの取り組みについて紹介し,今後の展望について述べる.
千田 浩司(群馬大学 情報学部 准教授)
2000年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了.同年日本電信電話(株)入社.博士(工学).2022年群馬大学情報学部准教授,2023年より国立情報学研究所客員准教授兼任.データプライバシー,暗号プロトコルの研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,日本医療情報学会,ACM各会員.2023年より情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会主査.
注意事項
キャンセルポリシー
- 予定が変更になり都合がつかなくなった場合には、速やかに参加のキャンセルをお願い致します。
- 参加枠を確保しているにも関わらず不参加(ドタキャン)や、前日〜当日のキャンセルを頻繁にされる方は、参加を希望されている他の参加者を優先させて頂く場合があります。 スケジュール都合がわからない状態で「とりあえず」お申込みいただくことはご遠慮願います。
アンチハラスメントポリシー
セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント・ストーカー等の他人への迷惑行為を行うことは禁止します。
反する行為があった場合、警告や退去勧告などの対策を行います。 具体的に何をしたかではなく、相手に嫌な思いをさせたらそれはハラスメントです。以下についての不快な言動・表現・差別を含みます。
- 性のこと:性差・性同一性・性的指向
- 体のこと:外見・身体的特徴・年齢・ハンディキャップ(障がい・病気)
- 文化のこと:国籍・言語・宗教・支持政党・社会的身分
- 一方的な迷惑行為:不適切な接触・ストーカー・妨害・脅迫・強要・望まない写真撮影や録音録画
【みなさんに期待する行動】
- ハラスメント行為に加担しないこと。
- 相手をリスペクトして行動すること。(全員が個性を表現できるよう過ごしましょう)
- すべての法令を遵守すること。(知的財産権・商標・意匠・その他の権利侵害をせぬようにしましょう)
- 妨害となる行為をしないこと。(破壊的や威圧的な言動、武器や危険物の持ち込みなどは禁止です)
- スタッフの指示に従うこと。
【不適切な行為を見つけたら?】
もしもあなたがハラスメントを感じたり、不適切な行為を目撃した場合、お近くの運営スタッフまでお声がけください。
面と向かって伝えにくければ、下記のメールアドレス宛でもかまいませんのでお聞かせください。
teppei.miki@lycorp.co.jp
プライバシーポリシー
- 本セミナー開催にあたり、個人情報の管理については、プライバシーポリシーに基づき厳重に管理いたします。詳細は以下をご確認ください。
LINEヤフー(株):https://www.lycorp.co.jp/ja/company/privacypolicy/
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