最先端FinTech技術取組事例 〜 アクセンチュア×FinTech 〜

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コンサルの視点で”シンギュラリティ”を語ろう AI/ロボット時代の金融ITと金融パーソンのあり方

2人目の登壇は、アクセンチュア金融グループにおける人工知能・ロボットソリューションなどのリーダーを務める下野さんです。

下野崇(しもの・たかし)/アクセンチュア株式会社 金融サービス本部 マネジング・ディレクター。日本債券信用銀行(現、あおぞら銀行)や外資系コンサルティング会社、外資系ITベンダーを経て、2016年にアクセンチュアへ入社。

アクセンチュアには、金融サービス本部にAI・ロボティクスチームがあります。金融専門チームにAIの専門家がいる例は同業他社では類をみません。そのAI・ロボティクスチームを率いる下野さんは、シンギュラリティについて持論を語ります。

「昨今、シンギュラリティについての議論は確かに盛んです。私が某メガバンクの専務とお話しした際にも、専務の口からシンギュラリティという言葉が出ていました。

しかし、ビジネスとしてはまだまだどうにかなる段階ではありません。人間以上のことはできないんです。『AIに仕事を奪われる』という話がよくありますが、人間がいかにAIやロボットを使ってその浮いた時間をどう使うかを議論したほうがよっぽど生産的だろう思います。人間がちゃんと制御できるルールを作ればいいのです」

次に下野さんは日本市場におけるAIについて指摘します。

「現在の日本では働き方の転換が求められています。効率化余地が多い日本の金融機関でも、AIを活用化した業務効率化が検討されていることは事実です。

ただ、日本のマーケットでは囲碁の世界チャンピオンに勝利したソフトウェアに代表されるような『高度なAI』にばかり注目が集まってしまっています。今、グローバルではそれよりもライトなAIによる『デジタル補助』や『RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)』が活発化しているんです」

下野さんは次のような事例を列挙します。

  • グローバル損害保険会社で、デジタル補助による顧客対応を実現している事例
  • 欧州グローバル銀行で、人工知能を搭載したロボットが顧客対応を行なう事例
  • グローバル損害保険会社で、画像認識により車の損害度を自動判断する事例

続けて、下野さんはRPAについて説明します。

「今、金融機関ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入が進んでいます。『ロボット』と言っても、物理的なものではなく、バーチャルなロボットです。

RPAとは、簡易な意思決定を伴った入力オペレーションの技術で、人間が行っていた入力業務の大半をロボットが行えるようになっているんです。

アクセンチュアはRPA関連のコンサルティングにおいてかなりのシェアを持っています」

下野さんは海外金融機関のお客様の事例を動画紹介。例えば、お客様にEメール打つときに、お客様ごとに多少のパーソナライズはあってもほとんどの部分がコピペで作成するとします。この事例では、ロボットが10通のEメールを178秒で送信したのに対し、人間は1通を送るのに208秒もかかってしまっていました。

「RPAは画面に映りさえすれば、システムをまたいでも自動化できるし、その設定にプログラミングも不要です。

自動化できる主な作業は『クリック』『文字入力』『コピペ』『画面切り替え』『検索・置換』などです。私自身も銀行に勤めていましたから業務の内容はよくわかりますが、銀行員の業務には、ロボットに置き換え可能なものが多数存在します。。

今は難しいことほど人間ではなくロボットに任せる傾向があります。人間が介在すればミスが起こるだけではなく、不正も行なうからです。だからRPAを進めようというのが世界の流れなんです」

下野さんはアクセンチュアが自社開発して使っているRPAのツールで、交通費申請を自動化するデモを実施。そして、AIやRPAの取り組みが盛んなシンガポールの銀行、DBSの動画を紹介して講演を終了します。

「今動画を見ていただいた通り、DBSは昼の業務では多くのテクノロジーが取り入れられ、ペーパーレスで自動が進んでいます。

そして、営業時間が終わった夜の時間は、ライブを開催したり、勉強会をやったりと様々なイベントを銀行のオフィスで実施しているんです。それも月に1度ではなく、週に2回も3回も行っています。

ロボットやAIで浮いた時間はこのように使うべきだと私は思います。リアルな人間との接点を作るのに、人間の時間を使えばいいのです。

海外でAIプロジェクトを推進する企業の多くは、並行して人材育成プロジェクトも走らせています。つまり、人間は事務処理ができるだけではダメなのです。

私たちアクセンチュアはテクノロジーで時間を浮かす部分ももちろんですが、浮いた時間をどう使うかが一番大切だと考えています」

懇親会!

終了後は懇親会です! 30分程度の短い時間ではありましたが、多くの参加者が山根さん、下野さんに質問しに行く様子がみられ、改めてFintechへの関心の高さが伺えました。

またの開催を楽しみにお待ちしています!

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