BPStudy#197〜モダン・ソフトウェアエンジニアリング
イベント内容
zoomを使ってのリモート開催です。zoomのURL等は、当ページの「参加者への情報」欄に記載されています。別途、参加者にメールにてお知らせします。
イヴァー・ヤコブソン氏をご存知でしょうか。
ヤコブソン氏はオブジェクト指向ソフトウェア開発の先駆者であり、統一モデリング言語(UML)の開発に大きく貢献した(グラディ・ブーチ、ジェームズ・ランボー氏の3者の叡智を結集したことで「スリー・アミーゴ」と呼ばれた)人物です。彼はSEMAT(Software Engineering Method and Theory)の共同設立者であり(2009年設立)、その活動の中から生まれたEssenceフレームワークの開発に中心的な役割を果たしました。
Essenceフレームワークは、ソフトウェア開発の普遍的な要素とプラクティスを特定し、あらゆる開発プロジェクトに応用可能な基盤を提供しています。
そのEssenceフレームワークについてヤコブソン氏が学生向けに執筆した書籍が「モダンソフトウェア・エンジニアリング(原著のタイトルは、"The Essentials of Modern Software Engineering")」です。
今回のBPStudyでは、ESSENCEを使った開発現場の支援に取り組んできたシステム情報フェローの小林 浩さんに、Essenceに関する概要と、Essenceを使って関わった活動の事例について説明いただきます。
第1部 モダン・ソフトウェアエンジニアリング“Essence”の概要と適用事例
(19:30〜20:30)
小林 浩 氏
私は2014年頃に、プロジェクトの現場力向上のための改善施策に取り組んでいました。特に従来からある“大きなチェックリスト”を使用した第三者によるチェックに加えて、現場が自らプロジェクトの状態に気づくためのシンプルな仕組みを作れないかと考えていました。
そしてIvar Jacobson氏らによるソフトウェアエンジニアリングの共通理解・再定義の運動であるSEMAT(Software Engineering Method and Theory)という運動と、そこから生まれたソフトウェアエンジニアリングの文字通り“エッセンス”(本質)として整理された基盤である“Essence”を知りました。
その後、日本国内では早稲田大学の鷲崎弘宜教授がSEMATの日本支部を2013年に設立してEssenceの普及啓発に努めていることを知り、日本支部へ入会しました。以来、社内やお客様、社外のワーキングループ等で鷲崎教授のご支援を得ながらEssenceを活用しておりました。
そして2020年の5月には、Ivar Jacobson氏らによるEssenceに関する解説書”THE ESSENTIALS OF MODERN SOFTWARE ENGINEERING”の翻訳書である「モダン・ソフトウェアエンジニアリング」が、角征典氏の翻訳、鷲崎弘宜教授監修により、翔泳社から刊行されました。この書籍を読み、それまであまり注目していなかった“エッセンシャル化”について理解を深め、エッセンシャル化により、世の中の様々な開発プラクティスの真価を捉えられることを理解しました。
今回の講演では前半でEssenceに関する概要を説明します。後半で私が関わった活動の中から、3つの異なる効果を狙った適用事例を紹介します。
一つ目はカーネルアルファを活用して「視野の拡張」を狙った事例、二つ目は同じくカーネルアルファを活用して「原因の深堀」を狙った事例、三つ目はあるプラクティス(具体的には匠Method)をエッセンシャル化することによって「プラクティスの真価の把握」を狙った事例です。
Essenceの全てを深く理解するのはなかなか大変で、私も十分に理解しているとはとても言えません。そのような私でも色々なところで活用して効果を実感できました。今回の講演をきっかけに、皆様が“とりあえず理解した“ところから“気軽に使ってみよう”と思っていただければ幸いです。
自己紹介
小林 浩 氏
株式会社システム情報 フェロー、CMMコンサルティング室 室長。
CMMI高成熟度リードアプレイザー(開発,サービス,供給者管理)。AgileCxO認定APHコーチ・アセッサー・インストラクター。SAFe SPC/LPM。 Scrum Alliance認定ScrumMaster。PMI認定PMP。SE4BS検討メンバー。QA2AQ翻訳メンバー。IBMとアクセンチュアにてエンジニア、PM、品質管理等を経験後、現在は組織能力向上を支援するコンサルティングサービスを提供。
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