【クルーズ/ZOZO/カカクコム(食べログ)各社の技術負債への向き合い方!】技術で切り開く未来~長期運営プロダクトが抱えた苦境と変化の話~TECH HILLS #1

2021/11/24(水)19:00 〜 20:50 開催
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【スライド1】TECHHILLS-テックヒルズ- 「SHOPLIST」の技術負債-長年構築されてきたレガシーシステムを脱却することで見えてきた未来-

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【クルーズ/ZOZO/カカクコム(食べログ)各社の技術負債への向き合い方!】技術で切り開く未来~長期運営プロダクトが抱えた苦境と変化の話~TECH HILLS レポート



今回は、「各社の抱える技術的負債への向き合いかた」をテーマに株式会社ZOZO、株式会社カカクコムをゲストにお迎えし、3社でのイベントを開催しました。

プロダクトを運営する企業様で1度はぶつかり、長年積み上げられた技術的負債はどうやって解消していけばいいの?
諦めて新しい環境をゼロから作るべき?そもそも技術的負債に向き合える組織ってどんなもの?と頭を抱えた経験のある方は少なくないと思います。

今回は長期運用&大規模なプロダクトを持つ3社に技術的負債とどのように向き合ってきたのか、具体的な事例をもとにご紹介いただきました。

トップバッターは株式会社カカクコムの太田様です!

「食べログ」アプリでの技術的負債との向き合い方

(株式会社カカクコム 基盤チームリーダー 太田 定志さん)

食べログというと普段から多くの人が使っているイメージがありますが、2018年頃に「利用言語や開発環境が古いまま」「食べログAPIのメジャーバージョンアップ時の負債が残っていた」など、
技術的負債が山積み状態でさらに、これらの負債が複合的に作用し、複雑化していたことが問題になっていたそうです。
そこから、技術的負債を返済すべくリアーキテクチャプロジェクトを開始し、リソースを確保するために、組織部隊をサービス開発チームと、リファクタリングや環境改善を専門とした基盤チームに分け、課題をしていくまでのお話をしていただきました。
お話いただいた詳細の内容は以下のリンクからご覧ください!
・イベントスライド:こちら
・太田様の技術ブログ:こちら

太田様のお話を聞いて、チーム力や個人のモチベーションは企業の生産性に直結するものであり、無視できない重要な要素であることを再認識できました。



続いてハードボイルドな弊社CTOの鈴木が「SHOPLIST.com by CROOZ」の歴史とともに長年蓄積されてきた技術的負債の解消方法についてお話しました。

「SHOPLIST」の技術負債-長年構築されてきたレガシーシステムを脱却することで見えてきた未来-

(クルーズ株式会社 CTO 鈴木 優一)

ファッションアイテムを中心に幅広いジャンルのアイテムを購入できる「SHOPLIST.com by CROOZ」ですが、実は既存のサービスのソースコードを基に6ヶ月という超短期間で開発していました。
その結果、可読性の低いソースコードでコーディングされており、サービスの拡大に伴う改修や新規機能追加にも時間がかかるという問題が発生していました。

そこで、リファクタリングやサポート切れミドルウェアのバージョンアップなど、山積みになっていた技術的負債と向き合うことに舵を切りました。
まず、技術的負債があることによる問題を経営層に理解してもらい、必要なリソースを確保することと、技術的負債と長期的に向き合い続けるための仕組み化を徹底させました。
その結果、エラーログ件数は半減し、組織には負債を放置せずに向き合える文化が育まれ、質の低いコードが混ざることが少なくなりました。

取り組みを進める上で、経営陣の協力を得るため具体的にどんな問題が発生しているかを理解してもらい、システムやツールを整備して満足せず組織全体に浸透するよう仕組み化することの重要性を熱く話しました。
お話の内容詳細は以下のリンクからご覧ください!
イベントスライド:こちら
技術負債を解消させるまでの裏話:こちら



最後に、株式会社ZOZOの脇阪様から、WEARアプリのリプレイスと組織の変遷についてお話いただきました。

ファッションコーディネートアプリWEARのリプレイスと組織の変遷

(株式会社ZOZO メディア開発本部本部長 脇阪 博成さん)

現在1500万ダウンロードを突破しているファッションコーディネートアプリのWEARですが、2020年のリニューアルでは、リファクタリングではなくあえてリプレイスをしたそうです。
背景としては、技術スタックが2004年開始のZOZOTOWNと同じものであり、古いインフラ環境のままリファクタリングの改善を行うことに限界を感じたため、リプレイスを選択したのだとか。
実際に行ったこととして、技術面では、開発言語の変更や、モノリシックアーキテクチャへの移行、組織面では、リプレイスにかかる定員を増員して解決を行ったそうです。
この取り組みの中で組織面の問題が浮上しつつも結果的には短期間で大きな成果を出すことができたとのこと。
お話いただいた詳細の内容は以下のリンクからご覧ください!
イベントスライド:こちら

まとめ

今回のイベントでは、企業の技術的負債という普段なかなか表に出てこない裏話まで深掘りして聞くことができました。
技術的負債を返済していくにはそれぞれの企業が抱えている問題と根本から向き合う必要があり、技術面だけでなく、組織全体を見直していくことが大切であるということが印象的でした。

次回は2022年4月13日です!ご期待ください!