【レポート】IoT最前線!アビームのIoT活用ノウハウを全部見せます!

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【レポート】IoT最前線!アビームのIoT活用ノウハウを全部見せます!

2018年9月4日(火)19時30分より、「IoT最前線!アビームのIoT活用ノウハウを全部見せます! ‐アビームコンサルティング Meetup #03-」が開催されました。

IoTをテーマにアビームコンサルティングが主催するイベントには、申込み開始直後から約200名もの参加申し込みが集結。当日は、抽選で選ばれた約120名が参加しました。

当日の内容は下記の通りです。

「はじめに」
アビームコンサルティング株式会社 渡部さん

「ABeam IoT みせます! 事例紹介+デモ」
アビームコンサルティング株式会社 増尾さん
アビームコンサルティング株式会社 五十嵐さん
アビームコンサルティング株式会社 鈴木さん
アビームコンサルティング株式会社 木村さん

パネルディスカッション
住宅設備メーカー クライアント担当者
アビームコンサルティング株式会社 豊嶋さん
アビームコンサルティング株式会社 渡部さん
アビームコンサルティング株式会社 安藤さん

「おわりに」
アビームコンサルティング株式会社 橘さん

それでは内容をご紹介します!

はじめに

まずは、渡部さんによるオープニングです。


渡部敦史(わたべあつし)/アビームコンサルティング株式会社 P&T Digital ビジネスユニット IoTセクター マネージャー。SIベンダーを経て、アビームコンサルティングへ入社。

まず渡部さんは、IoTを取り巻く環境として次の4つのキーワードを挙げて説明します。

1. デジタル・ディスラプション

「テクノロジーを使って新たなビジネスを生み出す企業が、既存の産業を破壊し、現在のビジネスを席巻しています。(『デジタル・ディスラプション』) 今まであたりまえだと思われていた領域に、IoT、AIなどの新しいテクノロジーを使って新たなサービスとして提供することで価値を生み出しているわけですね」(渡部さん)

2. 国家プロジェクト

「まず、動き出したのがドイツです。『Industrie 4.0』というキーワードでもよく知られていますね。

ドイツの他にも、アメリカは『Industrial Internet』、中国は『中国製造2025』、日本は『Connected Industries』というテーマを掲げ、デジタル変革/新しいものづくりを推進しています」(渡部さん)

3. エコシステム

「各国の有名企業は自社のコア技術を活かして、お客様に新しい付加価値を提供することに注力しています。そのために多くの企業がとる戦略が、エコシステムの構築です。自社の製品/テクノロジーなどの強みを活かすために、他社のコア技術を利用するビジネスパートナーシップを結ぶわけですね」(渡部さん)

4. 次世代モノづくり

「これまでの日本のモノづくりは、高品質を付加価値として提供してきました。しかし、モノ自体の価値というよりも、モノを使っていかに消費者に価値を提供できるのかにシフトチェンジが起こっていますね。

今後は部門や企業の垣根を超えたイノベーションを生み出して競争力をつけていかなければいけません」(渡部さん)

続いて、アビームコンサルティングにおけるIoTの取り組みを紹介します。

「単に『IoT』といっても、各社各様の取組みがあり、目指す方向性も多岐に渡ります。アビームIoTは、『収益軸:コスト削減を行うのか or 売上を拡大するのか』『変革軸:プロセスを変革するのか or モデルを変革するのか』という軸で、6つのIoTスコープを定義しています。実際にお客様とIoT取組みを検討する際も、このIoTスコープを参考に、どの領域の取組みテーマに焦点当てるかを探ります」(渡部さん)

最後に渡部さんは事例の概要を紹介し、講演をまとめました。

ABeam IoT みせます! 事例紹介+デモ

続いては増尾さんによる事例紹介のセッションです。


増尾 卓巳(ますお たくみ)/アビームコンサルティング株式会社 P&T Digital ビジネスユニット ITMSセクター シニアコンサルタント。通信系SI会社での分散・クラウド環境におけるシステム開発を経験し、アビームコンサルティングへ入社。

増尾さんは、住宅設備メーカーの工場において現場改善を実践した事例を紹介します。

「この住設機器メーカーの工場では、トイレなどの衛生機器を生産していました。

このトイレは、まず原料を型にはめる『成形』、その後の『乾燥』『検査』、釉薬を塗る『施釉』、『焼成』、『最終検査』という工程を経て、生産されます。

この各工程は全て異なる人が担当しています。ですからクライアントはデータから得られる知見に限界があることを課題と感じていました。

製品を一意に特定するIDは存在していたのですが、各工程の担当者が逐一IDを入力するのはあまりにも負荷が高いと判断されていたので、一気通貫したデータの管理ができていなかったのです。

そこで、既存の業務プロセスを変更することなく実践できる画像認識を導入することを提案しました(増尾さん)

続けて、増尾さんは画像認識を導入するための検証フェーズについて話します。

「今回の案件では、アルゴリズムの実装が比較的容易に実現できる『dlib』というC++のライブラリを採用しました。

実査師の画像認識の流れは『前処理』と『推論』の2段階で行われています。まず、『前処理』として、そのままでは文字が読み取りにくかったため画像の色をグレースケールで反転させ、画像の向きを縦に揃えています。その後がマシンラーニングを活用した『推論』ですね。

そして、抽出した文字領域から文字の読み取りを行います。72%の精度を達成したため、チューニングの余地は残ったものの実際の運用へ投入することに決定しました」(増尾さん)

次に、アーキテクチャについて紹介します。

「私たちは『AWS』を使うことが多いのですが、今回も『AWS』での構成を検討しました。

まず、『SageMaker』でモデルを作成し、工場のネットワーク内の『Greengrass』にモデルをあげます。そして、カメラからの画像を定期的にIoTのゲートウェイにあげて、エッジ側の『Greengrass』で画像の前処理と推論を行うわけです。

その推論結果を、『AWS IoT』に入れて『DynamoDB』へ格納します。また、モデルの検証のために保持する必要がある画像データは『S3』に保存するという構成ですね。

しかしながら、今回は制約があり『Greengrass』の採用は見送りました。前処理と推論を行うため、『Lambda』用にパッケージするには資材が大きくなりすぎ、実行環境を作るのがとてもむずかしかったのです。

『Greengrass』は使えませんでしたが、その代わりに採用したのが『Device SDK』です。こちらは制約が少なく自由度の高いエッジ処理が可能です」(増尾さん)

最後に増尾さんはこの画像認識のデモを披露し、最後に講演をまとめます。

「画像認識の結果、この工場では工程間をまたいでデータをつなげるようになりました。

これまでトイレの生産は工場とはいっても、職人さんの力量に依存する部分も大きかった。現場経験や勘による試行錯誤を繰り返して品質を向上させていたのですが、どうしても10%前後の不良品が出てしまっていました。

今回、工程をまたいでデータを管理できるようになったことで、どの工程に問題があったのかを数字で客観的に把握できるようになることを期待しています」(増尾さん)

パネルディスカッション

続いてはパネルディスカッションのセッションです。住宅設備メーカークライアントの担当者、アビームコンサルティングの豊嶋さん、渡部さんがパネラーを、アビームコンサルティングの安藤さんがモデラーを務めます。


住宅設備メーカー クライアント担当者


豊嶋 修平(とよしま しゅうへい)/アビームコンサルティング株式会社 P&T Digital ビジネスユニット IoTセクター マネージャー。外資系コンサルファームでの勤務、ITソリューションプロバイダの立ち上げなどを経験し、アビームコンサルティングへ入社。

安藤 IoTを活用したこのプロジェクトで、苦労した点を教えてください。

クライアント担当者 最初に苦労した点は、まず予算を確保してこのプロジェクトをスタートさせることでした。

世の中でさかんにAIやIoTが話題になっていますから、経営陣もやらなければいけないとわかっています。でも、スタートにはそれなりにお金が掛かりますよね。

ですから、どのくらいの費用対効果があるのかをきちんと経営陣に示すことができなければ予算は確保できません。そこで、POCから徐々に始めていくわけです。

豊嶋 プレッシャーを感じますね(笑)。

今回のプロジェクトで感じたのは、現場で熟練の職人さんと話すときと、住宅設備メーカーの経営陣に報告するときとでは頭の使い方は全く異なるということですね。

渡部 私は、別プロジェクトの話になりますが、IoTやデジタルには現場の人もとても期待感を持っていると思います。今まで悪かったことがよくなったり、よいものはさらによくなることを期待されています。

安藤 データ分析やITで感じた効果について教えてください。

クライアント担当者 ITのシステムや分析技術は、全ての条件に対して網羅的に相関関係を見たりだとか、不良との関係を見つけたりすることには非常に長けていると感じますね。その結果として、今まで気づいていなかったことがデータとしてわかるようになります。

現場からは「そんなことわかってたよ」と言われるのですが、それでも網羅的に見えて普段気づききれない部分が見えるようになるのは非常にいいことだと私は思います。

全体像さえつかめれば、条件をコントロールしながら、道筋は異なるが、いい製品が作れるようになると考えています。その条件のコントロールまで製造をつなげるようになると、100%良品が作れるようになると思いますので、そこを目指したいですね。その一歩を踏み出していると最近感じますよ。

渡部 ものごとは単一の要因で変化するわけではなく、複数の要因で変化しますよね。

不良が起こった場合には何かしらの対策をするわけですが、その対策が上手くいっても、上手くいかなくとも、ITを活用することで、結果がすぐにわかることが現場の人にとっても喜びなのかなと感じています。

豊嶋 一緒に取り組んで1年になりますが、みなさんが同じデータを見ながら議論するようになった点が大きな変化だと思いますね。さらに試行錯誤したことがデータに紐付いて残っていきますから、現場の方のナレッジがきちんと溜まっていくわけです。

安藤 最後にモノづくりの現場から見た、エンジニア、ソフトウェア、IT、データ分析などへ期待していることをお聞かせください。

クライント担当者 ITのシステムや分析の専門性には、現場の人間も私も非常に期待が大きいですね。ただ、それはいかに現場の効果に活かせるかという期待です。

そこにつながって初めて私たちの中では意味がありますので、エンジニアの方々にもその意識を共有してもらえたらうれしいですね。

安藤 ありがとうございました。

おわりに

最後に橘さんから本日のクロージングです。


橘 知志(たちばな さとし)/アビームコンサルティング株式会社 P&T Digital ビジネスユニット IoTセクター ダイレクター。メーカー系SIerを経て、アビームコンサルティングへ入社。

アビームコンサルティングでIoTを統括する橘さんは、同社のIoT事業の特徴を3点挙げ、イベントをまとめました。

  • デジタル、IoTでデジタルトランスフォーメーションを実現する
  • デジタルトランスフォーメーションを実現する新しいソリューションを提供し続ける
  • 新しい価値観を共有し共創していく集団、チームであり続ける

「デジタルの活用は、よいモノづくりやビジネスづくりのために必要なものです。私たちはコンサルファームではありますが、新しいビジネスの創出にも取り組みますし、お客様と一緒に事業を展開しようとも考えています。

また、デジタルトランスフォーメーションを実現するために、質の高い事例がベースとなるソリューションを提供することが私たちの役割です。グローバルで生き残れるデジタルトランスフォーメーションの支援を行いたいですね。

それを実現するためには、様々な方とプロジェクトを推進できる組織が必要です。ですから、異なるバックボーンを持った方を積極的に採用し、新しい出会いや発見を受け入れながら組織をつくっていきたいですね。そして、意識的自立と技能的自立の両立を目指して、ソリューションを提供し続けていきたいと思います」(橘さん)

懇親会!

約2時間ノンストップで続いたイベントの終了後は、懇親会のスタートです。渡部さんの音頭でカンパイ!

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