Econ Fiesta 2

2021/03/05(金)19:00 〜 21:15 開催
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イベント内容

Econ Fiesta

経済学者が産業界で活躍できるフィールドはここ10年で大きく広がり、社会課題やビジネス課題の解決に貢献しています。 このトレンドを継続させ、さらに大きな流れとしていくべく、本勉強会では経済学者がテック企業をはじめ産業界でどのような研究や働き方をしているのかを紹介していきます。

産業界での経済学の活用シーンに関心のある方や経済学を活用できる民間企業でのキャリアに関心のある方の参加を想定しておりますが、どなたでも参加いただけます。

第一回目のEcon Fiestaに引き続き「株式会社サイバーエージェント」さん、そして今回新たに「株式会社エコノミクスデザイン」さんと一緒に開催いたします。
※前回の様子はこちらのブログで紹介しています。

最新情報と勉強会の様子はSansan DSOCのTwitter(@SansanDSOC)にてお知らせいたします。

参加対象

  • 経済学の研究者、大学院生・学部生
  • 経済学の知見をビジネスに役立てたい方
  • データの「意味」を見出すためのヒントが欲しい方

タイムテーブル

時間 コンテンツ 発表者
19:00-19:05 挨拶
19:05-19:25 発表1 株式会社エコノミクスデザイン 坂井 豊貴・今井 誠
19:25-19:45 発表2 株式会社サイバーエージェント 冨田 燿志
19:45-20:05 発表3 Sansan株式会社 Juan Martínez・小松 尚太・西田 貴紀
20:10ごろ 勉強会終了予定
20:15-21:15 オンライン懇親会 飲み物等は各自でご準備をお願いします

※タイムテーブル・発表順は後日変更になる可能性がございます。予めご了承ください。

発表詳細

発表1:坂井 豊貴・今井 誠 / 株式会社エコノミクスデザイン

テーマ:メカニズムデザインのビジネス実装

約半世紀前にメカニズムデザインは誕生した。始祖はレオニド・ハーヴィッツ。ソヴィエト革命直前のロシアに生まれた彼は、一家とともにその地を逃れ、やがてアメリカで数理経済学者として身を立てた。主たる功績は「分権的制度の設計」。それは中央集権的なソヴィエトの政治体制に対して、分権化された自由市場や民主制の設計可能性を問うものであった。それがメカニズムデザインという分野の礎となり、2007年、ハーヴィッツはノーベル賞の桂冠に輝いた。
今日、メカニズムデザインはビジネスの道具にまで成長した。決定的だったのはIT革命。ウェブ上で無数の人々が情報を送受信するサイバー空間と、メカニズムデザインとは素晴らしく相性がよかった。その華々しい成功例には、世界各国の周波数オークションや、Googleの広告オークションがある。
ところが日本ではいまだにこの学問を導入する機運が乏しい。別の言い方をすれば、まだ先行者利益がある段階である。これまで今井誠と坂井豊貴はデューデリ&ディールの不動産オークションで、メカニズムデザイン(その一部としてのオークション理論)の知見を導入し、成功をおさめてきた。さらにはサービスの評価点を与えるレーティング方式の設計や、人々の意識を調査する新方式の開発にも、メカニズムデザインの知見を活用してきた。
20年に、今井と坂井は星野崇宏と安田洋祐とともに、Economics Design Inc.(EDI)を創業した。メカニズムデザインやデータ分析を始めとする、経済学を活用したコンサルティング&エデュケーション企業である。21年には新サービス「The Night School」を開始。これはビジネスに特化した経済学を学ぶ、ビジネスパーソン向けのオンラインスクールである。
いかにして学知をビジネスに活用するか。このセミナーではEDIの取り組みについて話す。ハーヴィッツの生誕からおよそ100年。富の源泉は、物資や工場といった有形資産から、知識や情報といった無形資産へと変化した。経済学という無形資産が富の源泉となったのは時代の必然だという話も展開したい。

メカニズムデザインは、オークションの制度設計やレーティングの制度設計の研究分野である。インターネット時代になり、この分野のビジネス実装が活発化してきた。世界的な成功事例としては、Googleの検索型広告にメカニズムデザインの学知の活用などがある。日本において、メカニズムデザインのビジネス実装を行っている事例として、デューデリ&ディールの不動産オークションの事例と経済学のビジネス実装のためのプラットフォームとして、Economics Design Inc.(EDI)の取組みを発表する。EDIでは、どのような形でビジネスの武器としての経済学を配っていくか?など、経済学者とビジネスマンの双方の目線からから紹介していきます。
本発表では、不動産オークションと武器としての経済学を学ぶ”The Night School”の事例について、紹介していきます。


プロフィール(坂井 豊貴):

慶應義塾大学教授、Economics Design Inc.取締役、デューデリ&ディール・チーフエコノミスト
ロチェスター大学経済学博士課程修了(Ph.D.取得)。東京経済研究センター業務総括理事。主著『多数決を疑う』(岩波新書)は高校国語の教科書に掲載、著書はアジアでの翻訳が続く。読売新聞、朝日新聞の書評委員を歴任。メカニズムデザインで多くの国際業績をあげる。

プロフィール(今井 誠):

デューデリ&ディール取締役、Economics Design Inc.代表取締役、ディアブル代表取締役
オークション理論の実装した不動産オークション、「経済学×ビジネス」の月例ワークショップ”オークション・ラボ”の主宰や武器として使える経済学を学ぶ”The Night School”など、経済学のビジネス実装の先駆け的取組みを行う。

発表2:冨田 燿志 / 株式会社サイバーエージェント AI事業本部 AI Lab リサーチサイエンティスト

テーマ:身近なところからはじめるマーケットデザイン

2012年にはマッチング理論とその実践に関する功績によりアルヴィン・ロスとロイド・シャープレーが、2020年にはオークション理論とその実践に関する功績によりポール・ミルグロムとロバート・ウィルソンがノーベル賞を受賞するなど、ミクロ経済学・ゲーム理論の知見を用いて実際の市場・制度を設計する「マーケットデザイン」は近年注目を浴びており、日本でもマーケットデザインの社会実装への取組みが進められている。だが、こうしたマーケットデザインの取り組みは、一般の私たちからはどこか遠いところで行われているものと感じられてはいないだろうか。 本発表では、「論文の投稿前に社内で相互にレビューする仕組みを作る」という身近な問題に発表者がマッチング・マーケットデザインの知見を活かして取り組んでいる実践例を紹介する。マーケットデザインはどこか遠いところでのみ取り組まれるものではない、一般の私たちから身近なところでも実践できるものであるということをお伝えしたい。


プロフィール(冨田 燿志):

2019年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。専門はミクロ経済学、ゲーム理論。 2020年株式会社サイバーエージェント新卒入社。AI Lab経済学チームにて、メカニズムデザイン・マーケットデザインのビジネス応用を目指す研究と実践を行う。

発表3:Juan Martínez・小松 尚太・西田 貴紀 / Sansan株式会社 DSOC 研究開発部

テーマ: The Economics of Business Networks: Estimation and Applications at Scale

ビジネスの出会いは偶然生じるものもあれば、戦略的に相手を選んで出会うこともある。その背後にあるメカニズムを明らかにすべく、ジョンズホプキンス大学のAngelo Mele教授と共同研究を行っている。本発表では、その研究内容を紹介する。具体的には、ネットワークの統計モデリングであるERGM(Exponential Random Graph Models)を拡張し、名刺アプリ「Eight」のネットワークデータを用いてモデルを推定することである。応用したモデルをもとにしたシミュレーションの活用例も合わせて紹介する。


プロフィール(Juan Martínez):

エルサルバドル共和国出身。慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了。卒業後は、労働・教育・開発経済学に関する研究を行いながら、フィンテック系ウェブサービスのバックエンド開発に従事。現在は、名刺交換に関するデータを用いて、経済学の研究やソーシャルネットワークの分析、機械学習に基づく研究開発を行う。

プロフィール(小松 尚太):

東京大学大学院農業・資源経済学専攻修士課程修了。開発経済学と因果推論を学ぶ。卒業後、インターンとしてコートジボワールの国際農業研究機関に在籍。稲作農民を対象としたフィールドワークや分析、作物多様化に関する調査など、サブサハラ・アフリカにおける農業研究に従事。
2020年、Sansan株式会社に新卒として入社し、現在はネットワーク経済学の応用を研究する。

プロフィール(西田 貴紀):

一橋大学大学院経済学研究科修士課程修了。専門は計量経済学、労働経済学。現在は、経済学の知見をもとに「出会いのデータベース」から新しい価値を生み出すべく、新サービスの研究開発に従事。その傍ら「Dawn of Innovation」(NetSci Visualization Prize 2019受賞)などの、出会いが持つ意味や価値をアートワークとして表現・発信するプロジェクトにも挑戦。

共同研究者 プロフィール(Angelo Mele):

Johns Hopkins University - Carey Business School 准教授。University of Illinois at Urbana-ChampaignでPh.D(経済学)を取得。主に社会的・戦略的相互作用が個人および集合的な社会経済的なパフォーマンスにどのような影響を与えるのかについて研究している。Econometrica、American Economic Journal: Economic Policy、Review of Economics and Statistics、Regional Science、Urban Economicsなどでの論文掲載実績がある。

配信方法

Zoomでの配信を予定しております。登録者へ開催前日までにURLをご連絡いたします。

会社紹介

Sansan株式会社 DSOC

DSOCは、Sansan株式会社のデータ統括部門です。 私たちが取り扱うデータは、名刺だけではありません。 名刺、書類、プレスリリース、業績や株価など企業の公開情報―― あらゆるビジネスデータから「出会いのデータベース」を構築する。 DSOCのミッションは「Activating Business Data」。 私たちは、あらゆるビジネスデータに向き合い、自社が展開するサービスだけでなく、社会の在り方、そして「出会い」そのものにイノベーションを起こすような新しい可能性を生み出しています。 https://sansan-dsoc.com/

株式会社サイバーエージェント AI事業本部

サイバーエージェントグループのデジタルマーケティング分野におけるサービス開発を行う組織です。AIを活用した新たな事業機会を創出のため、2019年9月2日に新しく発足致しました。AI事業本部ではアドテクノロジー、小売DXセンター、AIクリエイティブ、AIシフト(AI導入支援事業)、新規事業の5つの領域を中心に事業開発に取組み、新たに「Data Science Center」を新設いたします。Data Scienceに関わる技術者を横断組織へ集約することで、各サービスにおける開発効率ならびに精度強化を図ります。 https://cyberagent.ai/

株式会社エコノミクスデザイン

Economics Design Inc. はメカニズムデザインやデータ分析を始めとする、経済学を活用したコンサルティング&エデュケーション企業です。 経済学者の坂井豊貴・星野崇宏・安田洋祐と、経済学をビジネスに活用してきた今井誠が、2020年6月に共同創業しました。 法人向けにコンサルティング業務を、個人・法人向けに「ビジネス特化の経済学」スクールを提供しています。 https://econ.news/

アンチハラスメントポリシー

本勉強会はアンチハラスメントポリシーを定めております。参加者は内容をご確認、ご同意の上で申し込みをお願いします。

本勉強会では、特定の社会的属性――ジェンダー・性自認・性的指向、障がい、外見・身体的特徴、エスニシティ・国籍、年齢、宗教、特定のツールやプログラミング言語、専門とする学問領域、教育的バックグラウンドなど――に基づく差別的言動を、一切許容しません。 加えて、参加者による以下のような行為を、SNS、イベント会場等問わず禁止します。

・攻撃的な発言
・脅迫行為
・ストーキング行為
・つきまとい
・不適切な接触
・性的な画像の掲示などを含む不適切な情報の開示
・その他、事務局が不適切と判断した行為
参加者がこれらの行為に加担した場合、事務局側は当該参加者に対し必要な処分を行うことができます。この処分には、当該参加者への勧告、今後のイベントに参加者・登壇者として関わることの禁止などを含みます。また、今後のよりよい運営のために、事態の詳細をレポートとして公開する場合があります。 本サービスの中で、「これはハラスメントではないか?」と感じたり、他の誰かがハラスメントを受けていることに気が付いた場合、または事務局側の体制がこれらのポリシーを満たさないと感じることがあった場合には、以下までご連絡ください。

mail:33tech@sansan.com

以上、勉強会の健全な運営のため、ご協力をお願いします。

注意事項

・イベントの様子(写真)・内容をまとめ、後日公開させていただく予定です。

・技術交流が目的の勉強会のため、知識の共有および参加者同士の交流を目的としない参加はお断りしております。

・参加枠が大幅に埋まらない場合には開催を延期または中止する場合がございます。

・参加目的が不適切だと判断される場合には、運営側で参加をキャンセルさせていただく場合がございます。

・個人情報取扱いについて https://jp.corp-sansan.com/privacy_event02に定める利用目的に必要な範囲で利用し当社が責任をもって厳格に管理いたします。参加者は内容をご確認、ご同意の上で申し込みをお願いします。

その他、ご不明点などございましたら、遠慮なくご連絡いただけますと幸いです。

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