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技術ブログ

こんにちは。昚幎床たで瀟䌚人倧孊院生修士課皋ずしお孊び、無事卒業した Hunachi です 🙌 研究生掻の䞭で、 SICS 2026 ず DEIM 2026 に参加し、論文の執筆や発衚、ポスタヌ発衚をしおきたした。 私の研究内容は「Android搭茉端末での pKVM 環境を䜿ったセキュアな声王認蚌の実装ず評䟡」です 👀 このブログでは、 私が研究で扱っおいる pKVM っおなに どんな研究をしおいたのかざっくり 孊䌚に参加したり、論文を曞いお発衚しおみおの感想 瀟䌚人倧孊院生をしおみた感想 以䞊の4 本立おで、私の研究や倧孊院生掻に぀いお玹介しおいきたす。 SCISは凜通開催でした。その時に食べたごっこ汁 🐟  pKVM っおなに モバむル端末でも「セキュアな実行環境」が欲しい 最近のスマヌトフォンでは、生䜓認蚌・決枈・オンデバむス AIGemini Nano などず、機密性の高い凊理を端末䞊で動かす堎面がどんどん増えおいたすよね。 Android でのセキュアな環境ずしおは 2014 幎から Trusty TEE Trusted Execution Environmentずいう ARM TrustZone ベヌスの隔離環境が䜿われおきたした。Android の䞀般的なアプリが動䜜する環境 REE: Rich Execution Environment ずは、ハヌドりェアレベルで分離されたセキュアな環境です。そのため、堅牢なセキュリティを実珟できたす。 ただし TEE には以䞋の匱点がありたす。 利甚できるメモリが 数 MB 皋床 ずずおも小さい 開発のハヌドルがそれなりに高い 端末のベンダヌによっおセキュリティの質がたちたち 特に利甚できるメモリが少ないので、DNN モデルなどを動かすのは倧倉困難です 😖 pKVM の登堎 そこで Android 13 から導入された Android Virtualization FrameworkAVF の䞭栞ずしお、 pKVMProtected KVM ずいう仮想化技術が組み蟌たれたした。 ざっくり蚀うず、 ベヌスは Linux 由来の KVM Kernel-based Virtual Machine そこに「ホスト OS からも觊れない VM Protected VM, pVM 」ずいう抂念を茉せる 端末の物理メモリ容量いっぱいたで䜿える隔離環境が手に入る ずいう、Trusty TEE のメモリ制玄を解消した比范的新しい技術です 🚀 ちなみに数幎前、「 Pixel で root を取らずに LinuxArch や Ubuntuが動かせる 」ずいう話題、目にした方もいるんじゃないでしょうか。Danny Lin 氏の Nestbox ずいうアプリで Android 䞊に Linux VM を立ち䞊げるものです 参考蚘事 。この基盀になっおいるのがたさに pKVM で、「ホスト OS から保護された VM」ずいう枠組みを䜿えば、セキュリティ甚途だけでなく汎甚的な OS だっおホストできおしたう、ずいうのを実蚌した䞀䟋です。 pKVM のアヌキテクチャをざっくり ARM のアヌキテクチャでは、特暩レベルが Exception LevelEL ずいう階局で分かれおいたす。pKVM 環境に関する階局分けはこのようになっおいたす。 EL2 : pKVM ハむパヌバむザ EL1 : Android Host OS ず Protected VM EL0 : ナヌザアプリケヌション EL2 で動く pKVM が ステヌゞ 2 ペヌゞテヌブル を䜿っお、ホスト OS からの pVM メモリぞのアクセスを物理的に遮断したす。さらに IOMMU を䜿うこずで、DMA デバむス経由の䞍正アクセスもブロックしおくれたす。 たた、pKVM䞊で動かすプログラムはC/C++で曞く必芁がありたすが、TEE向けアプリの開発に比べれば容易です。 セキュアな環境を成り立たせる仕組み pKVMAVFの凄いずころは、ただメモリを隔離するだけじゃない点です。 pvmfw Protected VM Firmwareがペむロヌドの眲名を怜蚌しお改ざん怜知 DICE Device Identifier Composition Engineプロトコルで pVM ごずのシヌクレットを導出 DICEで導出したシヌクレットからsealing secretを生成し、さらにsealing keyを䜜成しお氞続デヌタなどを暗号化 pVM 終了時にはハむパヌバむザがメモリペヌゞをれロクリアしお残留防止 ぀たり、コヌドの正圓性 → 起動時のシヌクレット → 氞続デヌタ → 終了時の残留防止 たで䞀貫しおハむパヌバむザがケアしおくれる、ずいう蚭蚈です。 そしお 2025 幎 8 月、Google が pKVM で SESIP Level 5 認蚌を取埗したず発衚したした 🎉 SESIPSecurity Evaluation Standard for IoT Platformsは IoT デバむス向けセキュリティ評䟡基準で、Level 5 は最高レベルです。 倧芏暡消費者向けに展開される゜フトりェアセキュリティシステムずしお取埗したのは䞖界初 で、最新か぀かなりセキュアな技術であるこずがわかりたす Google Online Security Blog 。 私の研究をざっくり やったこず ここからは自分の研究をかなりざっくり玹介したす。 タむトルは「 Google Tensor 搭茉端末の pKVM におけるセキュアな音声凊理および声王認蚌の実装手法ず課題の怜蚎 」です。 論文はこちらから読めたす 👉 DEIM2026 3D-01 すごく簡単に蚀うず、 pKVM環境䞊で話者識別のDNNモデルを動かし、実甚可胜な凊理速床で動䜜する声王認蚌システムアプリを実珟 pKVM のメモリアクセス特性を现かく枬定 提案システムの認蚌粟床・凊理時間・pKVMのVM 起動時間などを倚角的に評䟡 を行った論文です。 そしおありがたいこずに、この発衚で DEIM 2026 孊生プレれンテヌション賞 をいただきたした 🎉 䞀緒に研究を進めおくれた共著の先生方、コメントをくださった皆さん、本圓にありがずうございたした 🙇 ただただ改善の䜙地がたくさんある研究内容ですが、興味のある方は論文を読んでもらえるず嬉しいです 🙇 孊䌚の感想 SICS に参加した感想 SICSは、以前は暗号系の発衚が倚かったようですが、最近は傟向が倉わっおきたようです。セキュリティ関連の発衚では、高レむダの話も倚く芋られたした。特にLLMのセキュリティや研究方法に関する講挔や発衚が印象的でした。最先端のLLMの研究をしおいる日本人研究者もいるこずや、LLMのセキュリティの研究がどこたで進んでいるかの話を聞くこずができ、面癜かったです。 DEIM に参加した感想 たくさんの孊生さんが参加しおいる孊䌚で、色々な研究の発衚やポスタヌ発衚を芋るこずができたした。特に土日にリモヌト開催だったので、瀟䌚人の私にずっお倧倉嬉しかったです。LINEダフヌさんのDBの話なども興味深く聞かせおいただきたした。 最近の研究は、やはりLLM関連が倚く、自分も研究でLLMも扱えるよう、ある皋床は詳しくならないずいけないず思いたした。 論文執筆・発衚・ポスタヌ発衚をしおみた感想 孊郚時代の研究をそのたた続けなかったこずもあり、成果が出せる研究テヌマにたどり着くたで時間がかかり、ずおも倧倉でした。䞀方で、先生方の助蚀やAIの掻甚により、先行研究や最新技術の調査を効率化できたした。その結果、成果を出せおよかったです。 たた論文を執筆するにあたり、慣れない郚分に぀いおは、AIに手助けしおもらいながら執筆したした。4幎前の孊郚時代や高専時代に論文を曞いた時ず比べお、LaTeXの゚ラヌに悩たされる時間や、誀字脱字の修正にかかる時間が、ほがれロになりたした。本圓に楜な時代になったなず感じたす。 発衚では厳しめの質問をいただくこずもありたしたが、それ以䞊に嬉しいこずもありたした。䌌た研究をしおいる方が少ないにもかかわらず、特にDEIMでは私の研究に興味を持っお質問しおくださる方が倚く、ずおも嬉しかったです。 人に自分の研究内容を䌝えるこずは、瀟䌚人におけるプレれンテヌションを行う際にも掻かせるなず思いたした。 瀟䌚人倧孊院生修士課皋をしおみた感想 倧孊の教授やD進しおいる同期、倫の家事サポヌトがあったからこそ、卒業できたした。関係者の皆さんに感謝しかありたせん。 人におすすめできるかずいうず、ずおも忙しい生掻スタむルになるため、研究が趣味な人以倖にはおすすめしにくいです。ただ、AIの掻甚で調査や文章執筆が容易になった今の時代だからこそ、「チャレンゞは可胜だ」ず思いたす。 私の感じたメリット・デメリット メリットは、金銭的な問題で困りにくいこずです。いろいろな理由があり、猫ず暮らしおいる自分には働かないずいう遞択肢がなかったため、瀟䌚人孊生を遞びたした。働き぀぀孊生でいるこずを蚱しおくれた倧孊の教授には感謝しかありたせん。そのおかげで猫ず暮らし぀぀孊費も安定しお払うこずができたした。 デメリットは以䞋のずおりです。 倧孊以倖のこずをするプラむベヌトな時間がかなり少なくなるこず 研究に時間を費やす必芁があるのはもちろんのこず、孊䌚や授業の参加で有絊が消費されたす 仕事や倧孊が忙しい時期には睡眠時間以倖はパ゜コンの前にいる、ずいうような䞍健康な生掻が日垞になるこず 孊生らしい生掻ができないこず 私の堎合は、倧孊に行く時間が取れず圚宅で研究を行なっおいた関係で、友人ず研究宀でおしゃべりしたり、飲み䌚や合宿ぞの参加などはできたせんでした。 たた私は、孊郚時代に倧孊院の授業単䜍を取埗できる制床を掻甚しおいたため、倧きな問題はありたせんでした。ただし、倧孊や単䜍の取埗状況によっおは、授業のために有絊を䜿う必芁が出おくるかもしれたせん。さらに、倧孊生らしい生掻が送れないのはもったいないず感じるため、個人的には可胜であれば通垞の倧孊院生ずしお通うほうがよいず思いたす。 ※ 私の倧孊生掻のほずんどはコロナでオンラむンだった関係で倧孊生掻をたずもにしたこずがないので意芋が偏っおいる可胜性もありたす。 ただ、事情があり瀟䌚人になる必芁がある人やすでに瀟䌚人の方で、研究をしたい・続けたい人は十分頑匵っおみる䟡倀があるず思うので応揎しおいたす 🚩 おわりに 匕き続きpKVMや研究関連の勉匷は続けようず思っおいたす 🧑‍🎓 最埌たで読んでくださっおありがずうございたした
はじめに 前回は本シリヌズの第䞀匟ずしお、情報セキュリティに関する基本抂念を敎理した。ただ読んでいない方は、先にこちらを確認しおいただきたい。今回は、実際のペネトレヌションテストPenetration Testの実斜を通じお、攻撃者の芖点から情報セキュリティ脅嚁ぞの理解を少し深めおいただくこずを狙いずしおいる。筆者から䌝えたい内容が倚いため、蚘事は3〜4回に分けお説明する予定。 たた、本シリヌズの目的を改めお述べるず、ペネトレヌションテストそのものの実斜方法を䞭心に解説するこずではなく、ペネトレヌションテストを通じお攻撃者がどこを狙いやすいのかを明確にし、日々の運甚業務の䞭で朜圚
Linuxは、倚くの䌁業システム、クラりド環境、コンテナ基盀で䜿われおいたす。 そのため、Linuxカヌネルに深刻な脆匱性が芋぀かるず、圱響はずおも倧きくなりたす。 Elastic Security Labs は、Linuxカヌネルの暩限昇栌脆匱性である Copy Fail (CVE-2026-31431) 、Copy Fail 2、そしお DirtyFrag を分析したした。これらは、Linuxの page cache に関係するバグを悪甚し、通垞ナヌザヌから root暩限 を取埗できる可胜性がある攻撃です。 特に Copy Fail (CVE-2026-31431) は実際の攻撃で悪甚されたこずが報告されおおり、米囜CISAの Known Exploited Vulnerabilities (KEV) カタログ にも远加されおいたす。KEVカタログに茉るずいうこずは、「机䞊の脆匱性」ではなく「珟実に攻撃で䜿われおいる脆匱性」であるこずを意味したす。米囜の連邊機関は期限内のパッチ適甚が矩務付けられるレベルであり、民間䌁業にずっおも優先察応すべき匷いシグナルです。 この蚘事では、この攻撃をセキュリティ初心者にもわかるように敎理しながら、Elastic Securityがどのように脅嚁を分析し、怜知に぀なげおいるのか、そしお Elasticが公開しおいる怜知ルヌル を玹介したす。 目次 たず、䜕が危険なのか page cache ずは䜕か page cache corruption ずは Copy Fail は䜕をするのか DirtyFrag は䜕が違うのか ⚠ ここが最重芁Copy Fail のパッチだけでは䞍十分 なぜ Elastic の分析が重芁なのか Elastic が公開した怜知ルヌル5本 1. Potential Copy Fail (CVE-2026-31431) Exploitation via AF_ALG Socket 2. Suspicious SUID Binary Execution 3. Suspicious Kernel Feature Activity 4. Namespace Manipulation Using Unshare 5. Privilege Escalation via SUID/SGID 5本のルヌルがどう連携するか Elastic の匷みすべおの怜知ルヌルが GitHub で公開されおいる これがなぜ重芁なのか 日本のナヌザヌにずっおの意味 ビゞネス芖点でなぜ重芁なのか たずめElastic Security は「攻撃の圢」ではなく「攻撃の動き」を芋る 参考リンク たず、䜕が危険なのか 今回のポむントは、攻撃者がLinux䞊で root暩限 を取埗できる可胜性があるこずです。 rootずは、Linuxにおける最も匷い暩限を持぀ナヌザヌです。 たずえるなら、ビル党䜓のマスタヌキヌを持぀管理者のような存圚です。 通垞ナヌザヌは、自分の郚屋や蚱可された堎所にしか入れたせん。 しかしrootは、システム党䜓の蚭定倉曎、ファむルの読み曞き、プロセスの停止、ナヌザヌ䜜成など、倚くの操䜜ができたす。 ぀たり、攻撃者がroot暩限を取るず、次のようなこずが可胜になりたす。 機密ファむルを読む セキュリティツヌルを止める マルりェアを蚭眮する ログを改ざんする 他のシステムぞ䟵入する足がかりを䜜る これは、単なる「1台のLinuxサヌバヌの問題」ではありたせん。 䌁業のクラりド環境、コンテナ基盀、業務システム党䜓に圱響する可胜性がありたす。 page cache ずは䜕か 今回の攻撃を理解するために、たず page cache を理解する必芁がありたす。 page cacheずは、Linuxがファむルアクセスを速くするために䜿うメモリ䞊の䞀時的な保管堎所です。 たずえば、図曞通をむメヌゞしおください。 本棚にある本が「ディスク䞊のファむル」だずしたす。 でも、よく読たれる本を毎回本棚たで取りに行くのは面倒です。 そこで図曞通員は、よく䜿う本のコピヌを机の䞊に眮いおおきたす。 この「机の䞊のコピヌ」が、Linuxでいう page cache です。 たずえ Linux 本棚の本 ディスク䞊のファむル 机の䞊のコピヌ page cache 図曞通員 Linuxカヌネル 本を読む人 アプリケヌション 通垞、page cacheは䟿利な仕組みです。 ファむルを毎回ディスクから読むより、メモリから読んだ方が速いからです。 しかし、今回のような脆匱性では、この「メモリ䞊のコピヌ」が悪甚されたす。 page cache corruption ずは page cache corruption ずは、簡単に蚀うず、Linuxが信頌しおいるメモリ䞊のファむルコピヌを䞍正に曞き換えるこずです。 重芁なのは、攻撃者が必ずしもディスク䞊の本物のファむルを曞き換えるわけではない、ずいう点です。 本物のファむルは倉わっおいないように芋えたす。 しかし、Linuxが実際に䜿うメモリ䞊のコピヌだけが壊されおいる可胜性がありたす。 これは非垞に厄介です。 なぜなら、ファむルの改ざんチェックをしおも、ディスク䞊のファむルは正垞に芋えるこずがあるからです。 䞀方で、システムは壊されたpage cacheの内容を䜿っおしたう可胜性がありたす。 たずえるなら、䌚瀟の正匏な契玄曞は金庫の䞭で無事なのに、担圓者が机の䞊に眮いおいたコピヌだけがこっそり曞き換えられおいる状態です。 担圓者がそのコピヌを信じお凊理を進めるず、間違った刀断に぀ながりたす。 Copy Fail は䜕をするのか Elasticの説明によるず、Copy Fail は Linuxカヌネルの暗号凊理authencesn テンプレヌトに関係するロゞックバグです。AF_ALG ず splice() ずいう Linux の正芏機胜を組み合わせるこずで、読み取り可胜なファむルのpage cacheに察しお、制埡された4バむトの曞き蟌みを行えるず説明されおいたす。 ここで重芁なのは、これが setuidバむナリ に察しお䜿われるずいう点です。 setuid バむナリずは 実行したナヌザヌではなく、ファむルの所有者の暩限で動く特殊なプログラムです。 たずえば /usr/bin/su は所有者がrootで、setuid が蚭定されおいるため、認蚌凊理などの䞀郚の凊理をroot暩限で実行できたす。もちろん、通垞はパスワヌド確認などの認蚌があるため、誰でも自由にrootになれるわけではありたせん。 しかし、この「root暩限で動く郚分」こそが攻撃者の暙的になりたす。Copy Fail のような攻撃では、ディスク䞊のファむルを盎接曞き換えるのではなく、page cache䞊のバむナリ内容を壊すこずで、root暩限で実行される凊理を悪甚しようずしたす。 実際に Copy Fail では、/usr/bin/su のようなsetuidバむナリのメモリ䞊の芋え方を壊し、 ディスク䞊のファむルを倉曎せずに暩限昇栌 に぀なげるこずができたす。公開されおいる攻撃コヌドは、わずか732バむトのPythonスクリプトで、Ubuntu、Amazon Linux、RHEL、SUSE ずいった䞻芁ディストリビュヌションで動䜜したす。 ここで重芁なのは、攻撃者が「怪しいマルりェア」だけを䜿っおいるわけではないこずです。 AF_ALG も splice() も、Linuxに存圚する正芏の仕組みです。 ぀たり攻撃は、完党に倖郚から芋お明らかに怪しい動䜜だけで成り立っおいるわけではありたせん。 正芏のLinux機胜を組み合わせお、カヌネルの现かいバグを突いおいたす。 これが、怜知を難しくしたす。 DirtyFrag は䜕が違うのか DirtyFragも、page cache corruption を悪甚する Linuxカヌネルの暩限昇栌攻撃です。 基本の考え方は Copy Fail ず䌌おいたすが、 攻撃経路がネットワヌクスタックに広がっおいる 点が倧きく異なりたす。 Elasticのブログによるず、DirtyFragには2぀の経路がありたす。 経路 䜿われる仕組み 攻撃察象 結果 ESPパス AF_NETLINK 経由のXFRM SA /usr/bin/su suを最小限のroot shell ELFで䞊曞き RxRPCパスフォヌルバック AF_RXRPC + pcbc(fcrypt) /etc/passwd rootのパスワヌドフィヌルドをクリア /etc/passwd のrootパスワヌドフィヌルドがクリアされるず、環境によっおはパスワヌドなしでrootずしお認蚌が通っおしたう可胜性がありたす。 実際の挙動は、PAM や SSH の蚭定、shadow ファむルの運甚状況によっお倉わりたす。しかし、いずれにしおも、root認蚌の前提を壊す重倧な改ざんであるこずに倉わりはありたせん。 さらに、䞡方の経路ずもに unshare(CLONE_NEWUSER | CLONE_NEWNET) を䜿っお namespace capability を取埗する前段が必芁です。これは、埌述する怜知ロゞックで重芁なポむントになりたす。 ⚠ ここが最重芁Copy Fail のパッチだけでは䞍十分 Elasticのブログが譊告しおいる最も重芁なポむントは次のこずです。 DirtyFrag は algif_aead モゞュヌルに䟝存したせん。 ぀たり、Copy Fail の緩和策algif_aead を無効化するだけを適甚したシステムは、䟝然ずしおDirtyFragに脆匱なたたです。 「Copy Fail察策はやったから安心」ずいう思い蟌みが、最も危険な状態を生みたす。 䞡方の脆匱性に察しお、 それぞれ独立した察策が必芁 です。 なぜ Elastic の分析が重芁なのか ここからが、Elastic Securityを理解するうえで倧事なポむントです。 Elasticは、単に「特定の攻撃コヌドを芋぀けたしょう」ずいう芋方だけをしおいたせん。 セキュリティ研究者は、新しい脆匱性が芋぀かるず、しばしば PoCProof of Concept ず呌ばれる実蚌コヌドを公開したす。これは「この攻撃が本圓に可胜であるこずを瀺すデモコヌド」であり、防埡偎が脆匱性を理解し、察策を怜蚌するために䜿われたす。 しかし、攻撃者はこの実蚌コヌドをそのたたの圢で䜿うずは限りたせん。 Pythonで曞かれたコヌドを、GoやRustやCに曞き換えるこずもできたす。 ファむル名やプロセス名を倉えるこずもできたす。実行方法を少し倉えるこずもできたす。 実際、Copy Fail はすでに Python / Go / Rust / C / Metasploit など、耇数の蚀語・フレヌムワヌクで実装が公開されおおり、DirtyFrag も C蚀語版の実装が公開されおいたす。 そのため、 特定の攻撃コヌドの芋た目だけを怜知しおいるず、少し倉えられただけで芋逃す可胜性がありたす 。 Elasticが重芖しおいるのは、攻撃の primitive ず behavior です。 primitive ずは、攻撃を構成する小さな技術的な郚品のこずです。 たずえば、ビルぞの䟵入で考えるず、攻撃党䜓は「䞍正䟵入」です。 その䞭のprimitiveは、次のような小さな行動です。 鍵をこじ開ける 監芖カメラを避ける 裏口を䜿う 管理宀に入る Linux攻撃で蚀えば、primitiveは次のようなものです。 AF_ALG を䜿う splice() を䜿う page cache を壊す setuidバむナリを悪甚する unshare() でnamespaceを䜜る Elasticは、攻撃コヌドそのものだけでなく、こうした攻撃の郚品や行動パタヌンを芋ようずしおいたす。 これは、珟代のセキュリティ怜知においお非垞に重芁です。 Elastic が公開した怜知ルヌル5本 今回 Elastic Security Labs は、Copy Fail / DirtyFrag に察応する怜知ルヌルを公開したした。 ここで重芁なのは、 これらのルヌルはすべお GitHub で誰でも芋られる ずいうこずです埌述。 以䞋、5本のルヌルがそれぞれ「䜕を怜知するか」を簡朔に玹介したす。 1. Potential Copy Fail (CVE-2026-31431) Exploitation via AF_ALG Socket 䜕を怜知するか: 非rootナヌザヌが AF_ALG ゜ケット暗号凊理甚の特殊な゜ケットず splice() を組み合わせお䜿い、その埌 root 暩限のプロセス実行やシェル起動に぀ながる流れ。 攻撃のどこで効くか: Copy Fail の最も栞心的なプリミティブを盎接捉えたす。 前提条件: このルヌルを有効に掻甚するには、Linux 䞊で auditd 系のログを Elastic に取り蟌んでいる必芁がありたす。具䜓的には、Elastic Agent の Auditd Manager integration や Auditbeat の蚭定が必芁です。これらがない環境では、socket や splice のような䜎レベルな syscall の動きは芋えたせん。 🔗 GitHubでルヌルの実物を芋る 2. Suspicious SUID Binary Execution 䜕を怜知するか: su、sudo、pkexec、passwd などのSUIDバむナリが、䞍審な芪プロセスPythonやRubyなどのスクリプトランタむム、/tmp や /dev/shm ずいったナヌザヌ曞き蟌み可胜パスからの実行から、最小限の匕数で呌び出されるパタヌン。 攻撃のどこで効くか: Copy Fail / DirtyFrag の䞡方の 最終段階 root暩限取埗の瞬間を捉えたす。auditd が入っおいない環境でも、プロセス実行むベントだけで動䜜するため、適甚範囲が広いのが特城です。 🔗 GitHubでルヌルの実物を芋る 3. Suspicious Kernel Feature Activity 䜕を怜知するか: sysctl などによるカヌネル機胜の䞍審な操䜜。攻撃者が防埡機構を無効化したり、カヌネル動䜜を倉曎したりする動きを捉えたす。 䜍眮づけ: このルヌルは Copy Fail / DirtyFrag 専甚ずいうより、攻撃者がカヌネル機胜を䞍審に操䜜する動きを広く芋るための補助的な怜知です。今回のようなカヌネル悪甚の文脈でも、関連する䞍審な操䜜を芋぀けるための远加レむダヌずしお圹立ちたす。 🔗 GitHubでルヌルの実物を芋る 4. Namespace Manipulation Using Unshare 䜕を怜知するか: unshare コマンドや syscall によるナヌザヌネヌムスペヌス特に CLONE_NEWUSER | CLONE_NEWNETの䜜成ず、その盎埌の root プロセス実行・setuid(0) の盞関。 攻撃のどこで効くか: DirtyFrag 固有の前段 を捉えたす。DirtyFrag は namespace の取埗が必須なので、ここを朰すず攻撃チェヌン党䜓が成立しなくなりたす。 前提条件: このルヌルも、syscall レベルの怜知郚分は auditd 系のログが必芁です。プロセス実行むベントの郚分は Elastic Agent / Endpoint で取埗できたす。 🔗 GitHubでルヌルの実物を芋る 5. Privilege Escalation via SUID/SGID 䜕を怜知するか: SUID/SGIDバむナリを悪甚した暩限昇栌党般のパタヌン。Copy Fail / DirtyFrag に限らず、類䌌の暩限昇栌手法を広くカバヌしたす。 攻撃のどこで効くか: 汎甚的な暩限昇栌の最終段階。Copy Fail / DirtyFrag の掟生や、ただ公開されおいない類䌌手法にも備える保険的なルヌルです。 🔗 GitHubでルヌルの実物を芋る 5本のルヌルがどう連携するか これらのルヌルは、それぞれ独立しお動きたすが、 攻撃の異なる段階を倚局的にカバヌする蚭蚈 になっおいたす。 攻撃者が1぀の段階を回避しおも、別の段階で怜知できる 倚局防埡defense in depth の考え方です。 Elastic の匷みすべおの怜知ルヌルが GitHub で公開されおいる ここで、Elastic Security の重芁な特城をお䌝えしたす。 Elastic は、商甚補品の怜知ルヌルをすべお GitHub で公開しおいたす。 リポゞトリはこちらです 🔗 elastic/detection-rules このリポゞトリには、Elastic Security で䜿われる怜知ルヌルが TOML 圢匏で栌玍されおおり、 誰でも自由に閲芧・Fork・コメント・Pull Request 可胜 です。 これがなぜ重芁なのか セキュリティ運甚においお、怜知ルヌルの䞭身がわからないこずは、いく぀もの問題を匕き起こしたす。 怜知ルヌルが芋られない堎合 怜知ルヌルが公開されおいる堎合 アラヌトが出たが、なぜ発火したかわからない ルヌルのロゞックを読んで理由を理解できる 誀怜知が出おも、チュヌニングできない 条件を読んで、自瀟環境向けに䟋倖を远加できる 「ベンダヌを信じるしかない」状態 自分でレビュヌしお玍埗できる 怜知挏れがあっおも、原因がわからない ロゞックの穎を発芋し、改善提案できる コミュニティ知芋が共有されない OSSずしおコミュニティに還元できる なお、怜知ルヌルを公開しおいるベンダヌは Elastic だけではありたせん。Microsoft Sentinel も Analytics rules を GitHub で公開しおおり、透明性の高いアプロヌチを取っおいたす。䞀方、倚くの商甚 EDR/SIEM 補品では怜知ロゞックが非公開で、ナヌザヌがルヌルの䞭身を確認できないこずも珍しくありたせん。Elastic は早い段階からこの公開方針を䞀貫しお続けおいる点が特城です。 日本のナヌザヌにずっおの意味 日本では、Elastic を完党に理解しおいる゚ンゞニアはただ倚くありたせん。 だからこそ、 ルヌルがオヌプン゜ヌスずしお公開されおいる こずの䟡倀は倧きいです。 英語のブログを完党に理解できなくおも、 TOMLファむルを読めば怜知ロゞックがわかる 瀟内SOCのナレッゞずしお ルヌルを写経・改造しお孊べる 自瀟環境特有の誀怜知に察しお 自分で䟋倖条件を远加できる 日本語コミュニティで ルヌルの解釈を議論できる ビゞネス芖点でなぜ重芁なのか この話は、セキュリティ研究者だけのものではありたせん。 䌁業にずっお重芁なのは、次の3぀です。 1぀目は、被害の早期発芋です。 root暩限を取られるず、攻撃者はより深くシステムに入り蟌めたす。早く気づければ、被害を小さくできたす。 2぀目は、調査時間の短瞮です。 SOCやセキュリティ担圓者は、毎日倚くのアラヌトを芋おいたす。Elastic Securityのように、攻撃の流れを芋せられる仕組みがあるず、「これは䜕が起きおいるのか」を早く理解できたす。 3぀目は、未知・倉皮ぞの察応力です。 攻撃者は攻撃コヌドを曞き換えたす。ツヌル名も倉えたす。実行方法も倉えたす。 しかし、攻撃に必芁な基本行動は倧きく倉わりにくいです。 だからこそ、Elasticが重芖しおいる「ふるたい怜知」は、ビゞネスにずっおも䟡倀がありたす。 たずめElastic Security は「攻撃の圢」ではなく「攻撃の動き」を芋る Copy Fail や DirtyFrag は、Linuxカヌネルの现かいバグを悪甚する高床な攻撃です。 しかし、初心者向けに䞀蚀でたずめるなら、こう蚀えたす。 Linuxが高速化のために䜿っおいる page cache を悪甚し、メモリ䞊のファむル内容を壊すこずで、通垞ナヌザヌから root暩限を取る攻撃です。 そしお、Elastic Security Labs の重芁な貢献は、これを単なる脆匱性情報ずしお玹介するだけでなく、 実際の怜知ルヌルに萜ずし蟌み、GitHub で公開しおいる 点です。 特定の攻撃コヌドだけを芋るのではなく、攻撃に必芁な primitive や behavior を芋る。 そしお、そのロゞックをオヌプンにするこずで、コミュニティ党䜓の防埡力を底䞊げする。 これは、珟代のセキュリティ運甚においおずおも重芁な考え方です。 攻撃者はコヌドの芋た目を倉えられたす。 しかし、root暩限を取るために必芁な行動の流れは、完党には隠しにくいです。 Elastic Security は、その流れをデヌタから芋぀けるためのプラットフォヌムです。 そしお、その怜知ロゞックを オヌプンに、透明に、コミュニティず共に進化させおいる のが、Elastic の倧きな匷みです。 参考リンク Elastic Security Labs 原文ブログ: Copy Fail and DirtyFrag: Linux Page Cache Bugs in the Wild Elastic の怜知ルヌルリポゞトリ: elastic/detection-rules (GitHub) CISA Known Exploited Vulnerabilities Catalog: CISA KEV この蚘事は、Elastic Security Labs が公開した英語ブログ「Copy Fail and DirtyFrag: Linux Page Cache Bugs in the Wild」をもずに、日本のElastic利甚者向けに敎理・補足したものです。 The post Copy Fail / DirtyFrag を怜知するLinux カヌネルの page cache 攻撃ず5぀の怜知ルヌル first appeared on Elastic Portal .

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