AWSソリューションアーキテクトインタビューシリーズ~My Story⑪~

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AWSソリューションアーキテクトインタビューシリーズ~My Story⑪~
ソリューションアーキテクトの Ichino さんに、仕事と育児・家事のワークライフハーモニーについて聞いてみました。

■プロフィール
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社  

トータルでソリューションを描き、お客様の問題解決に貢献

まずは自己紹介として、これまでのキャリアと、AWSへの転職理由についてお聞かせください。


Ichino:
2020年に入社し、西日本 SA チームに所属しています。前職では国内の SI 会社に新卒で入社後、主に Web アプリケーションの開発業務経験を経てプロジェクトマネージャ兼プロトタイピングを担当していました。コードを書く・設計する・プロジェクト管理が好きで、前職でも楽しくエンジニアをしていたのですが、アプリケーションレイヤーの知識だけではお客様の問題解決ができないと感じる場面があり、インフラ・ネットワークあわせてトータルでソリューションを描ける人間になりたいと思っていた時に 社内勉強会で AWS を活用したプロジェクトに関する講演を聞き、興味を抱きました。その後も自分自身は AWS に関わるプロジェクト経験はなかったのですが、クラウドやAWSに興味を持って勉強をしているうちに、AWS への転職を考えるようになりました。クラウドやインフラ経験がなくても大丈夫という AWS リクルーターの方の言葉を信じて、ソリューションアーキテクトに応募した、というのが入社のきっかけです。AWS を転職先として考えた理由は、SA というロールが前述の通り自分のやりたいこととマッチしていたということもありますが、Amazon の求める人物像、リーダーシッププリンシプル(OLP)が、自分にとっては非常にクリアで、自分の働き方・考え方と合致していた、というのも一歩踏み出すことができた理由だと思います。

入社後は良い意味で驚きの連続

日系から外資へ転職されていかがでしたか?入社前のイメージと違ったことや、驚かれたことはありましたか?


Ichino:
いい意味で日系企業とのギャップはあまりなく、探究心はあれど他人との競争にあまり興味のない自分としては安心しました。自分のように日系企業出身の方も多いですしね。その一方で、前述の OLP をはじめとした Amazon 独自の文化を非常に大事にしているところ、そして、その文化が口伝ではなく、社内のあらゆるメカニズムに落とし込まれている、という点が印象的でした。例えば、採用面接をはじめ、年に一度の人事考課として 360 度評価で他の方から自分へのフィードバックをもらうのですが、その評価軸も OLP がベースとなっています。社内では聞き慣れた言葉で「Good intentions don't work, mechanisms do」という Amazon 創始者のジェフ・ベゾスの言葉があるのですが、文字通り、「みんな意識してね」ではなく、何かしらメカニズムに文化を合理的に落とし込んでいるのが、外資というより Amazon の面白さだなと思いました。私は AWS 社員として入社しましたが、この考え方は Amazon 全体で共通であり、それが非常に面白いと感じていますし、魅力的に感じています。このように OLP 以外でも様々な Amazon のメカニズムを学ぶだけでも非常に勉強になりますし、その考え方に固執するのでもなく、驚くほど柔軟に変化し続けていて、何かが変わらない日はない、というスピード感は、Amazon ならではかもしれません。いい意味で、入社後は驚きの連続でしたが、ある意味イメージ通りでもありますね。

英語で働き方の選択肢を広げることが出来る

業務で英語を使う機会としてはどのようなものがあるのでしょうか?Ichinoさんは前職でも英語を使用されていましたか?


Ichino:
普段 AWS ジャパンとして担当するのは国内のお客様なので、英語を使う場面は思ったよりも多くありません。私自身の英語力は大学受験レベルで、前職で少しだけ海外ベンダーと調整をしていた程度です。ただ、AWS のお客様の中にはグローバル企業もあり、英語話者の方がいらっしゃる場合もあるので、そういった際には SA として提案や勉強会、ディスカッションを英語で行う場面もあります。また社内でも国外の AWS 社員と話す場合には英語を使うこともありますが、英語以外が母国語の方も多いので、お互い相手に配慮をしながら話してくれる方が多いなと感じます。
このように英語を使う場面もありますが、基本的には自分で英語案件に手を挙げたり、自分からその場に飛び込んでいった結果なので、英語を使う機会を作るのは自分次第だと感じます。逆に自分が苦手で困っている場面があれば、社内で声をあげれば誰かが助けてくれたり、手を挙げてくれたりするので、苦手な方でも安心頂けるかなと思います。
ただやはり、SA としては英語ができたほうが働き方の選択肢が広がるのではないか、という想いは常にあります。サービスチームとのやりとりを行う場面では通訳がつく場合もありますが、自分で話せた方がスムーズなのは間違いないと思いますし、鮮度の高い情報を早めに国内のお客様に持ち込むこともできます。もっと精進したいですね。

「ママが時短にしないと」という無意識のバイアス

お子さんが4歳の時にAWSへ転職されたということですが、子育ての観点からAWSの職場環境をどのように感じられますか?前職との特に大きな違いがあれば教えてください。


Ichino:
まず、リモートワークで仕事ができたこと、フレックスタイムであること、というのが、非常にありがたかったです。前職では保育園の送り迎えがあるため時短で働いていたのですが、やはり通勤時間がないというだけで、フルタイムに抵抗感なく切り替えることができました。何かあればすぐにお迎えに行ける距離ですし、フルフレックスのため、子供が体調を崩して保育園から連絡がきても、時間休や有給を使わずに、子供に合わせることができるのは嬉しかったです。転職前は朝早くに子供を起こしていたのですが、子供のペースで保育所に送っていけるのも嬉しい点です。
ちなみに、時短からフルタイムに戻った件については、少しエピソードがあります。入社前、私は「夫ではなく自分が時短にしなきゃ」と固く思っていたのですが、AWS のリクルーターの方に「もったいないですよ」と言われてハッとしたことを、今でも覚えています。確かに、自分が時短にする必要はないな、とそこではじめて思ったんです。すごくシンプルなことなんですが、自分の中ではそれは当たり前ではなかったので。前職でも女性の方は多かったですし、男女平等意識の強い職場ではあったんですが、「ママが時短にしないと」という感覚は、誰に言われるでもなく、なぜか強くありましたし、実際、前職では周りの方も時短をとるのは女性の方がほとんどでした。でも「ママが時短じゃなくてもいいんだ」と思えたことが、すごく衝撃的で。自分がいかに無意識のバイアスを持っていたか、そこで初めて気づいた、というエピソードです。今は夫が「今度は自分が育休を取ろうかな」などと言っています。
リモートワークについては、現在では以前に比べて外出に対する忌避感が薄れ、オフィスに戻る動きもあります。が、今後、アフターコロナだからといって、パンデミック前に戻るのではない、というのは社内でよく耳にする言葉です。新しく生まれた選択肢はそのままで、選択肢が広がっただけ、というふうに社内では捉えていますので、今後も自分自身のワークライフバランスを踏まえた形になるのだと考えています。

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周囲の助けがあるからこそ、仕事と育児を両立できる

仕事と育児、家事のワークライフハーモニーを実現するためには、何が大切だと思われますか?


Ichino:
ま我が家は共働きなのですが、AWS で働くことができているのは、やはり周囲の助けがあるからこそ、仕事と家庭を両立できているなと思うので、そこはお伝えしたいかなと思います。AWS で働くのであれば、あらかじめ「助けは必要になると思う」と伝えて周囲との協力関係を築いておくのは必須のように感じます。ただ私の場合は、収入面でもかなり上がることになったので、転職にあたってパートナーはじめ周囲の理解は得られやすかった、というのも正直な感想です。
前のご質問でもお伝えした通り、リモートワーク、フルフレックスのおかげで、基本的には前職より働きやすいと感じます。ただ、定型の仕事が驚くほど排除された職場で、常に新しいことに自分から挑戦することが求められる職場でもあります。SAとして、時には一時的に力を入れるべき場面もあり、そんな時は送り迎えも子供のお世話も夫や実家、外部サービスを頼る場面もあります。1on1をすぐに申し込める環境ではあるのでマネージャと相談して社内調整してもらうことも多いですし、力を入れた後はしばらく休んで収支バランスをとることもできますが、常に自分でコントロールできることばかりではないため、そこは覚悟して、事前にそういう職場であると周囲に伝えておくことは本当に大事だと思います。
ただ、仕事の裁量権は自分にあるので、忙しい時というのは、自分自身の決断と行動の結果だなとは思います。OLP にあるBias for Action と Learn and Be Curious の姿勢で手を挙げて、結果として、できなかったり失敗したとしても、誰かに責められるということもないので、そこは安心して働くことができています。

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