ヒットメーカーが語る!UIUXはこう設計されている! - dots.デザイナー部 presents Vol.1-
2016年6月7日(火)19時より、「dots.デザイナー部」主催の『ヒットメーカーが語る!UIUXはこう設計されている!』が開催されました。
「dots.デザイナー部」は、今年3月に立ち上がったばかり。今回は、発足会につづく第2回目のイベントです。
会場入口には入場を待つ長蛇の列も。受付開始の19時ちょうどから続々と人が集まります。
参加者は200名超え。場内でのヒアリングによると参加者の半数ほどがデザイナー、残り半数がエンジニアだったようです。
ヒットメーカーによるUIUXのtips共有を目的としたこのイベントでは、5名の登壇者による講演が行われました。
登壇者とテーマはそれぞれ下記の通り。
「ゲームから学ぶUIUXデザインプロセス」
株式会社サイバーエージェント 鷲山 優作さん
「JP&US ユーザーに響くデザインとは?」
株式会社メルカリ 上野 真由美さん
「インターフェースとして考えるデザイン」
SHIFTBRAIN Inc. 鈴木 慶太朗さん(@ktrszk)
「なんとも言葉にできないけどなんかポジティブな感情の話」
PARTY 阿久津 達彦(@prty_tokyo)
それではスタートです!
ゲームから学ぶUIUXデザインプロセス
鷲山優作(わしやま・ゆうさく)/株式会社サイバーエージェント UIUX Lab代表。紙媒体でのデザインやシューズショップなどでの勤務を経て、ウェブデザインを始める。2011年に、サイバーエージェントグループの株式会社グレンジに入社。2016年5月、「UIUX Lab」を立ち上げ、現職に就任。手元のビールは本日2缶目。
1人目の登壇者は、株式会社サイバーエージェント UIUX Lab代表の鷲山優作さん。UIUX Labは「スマートフォンで夢中を体感させる」をコンセプトにUIUXを研究する専門組織で、今年の5月25日に設立されたばかりです。
鷲山さんによる「ゲームから学ぶUIUXデザインプロセス」では、
- なぜゲームからUIUXが学べるのか?
- 人を夢中にさせるデザインプロセス
について発表されました。
なぜゲーム? 他のメディアとの違いは?
「UIUX」と聞くと難しく捉えてしまいがちなものですが、鷲山さんによれば「奥行きは深いけれど、考え方の敷居は低い」ということ。
なぜゲームからUIUXが学べるのかといえば、映画・音楽・漫画といったエンタメ系のメディアと比較しても「ゲームは圧倒的にインタラクティブなメディアだから」と鷲山さんは説明します。
映画などのメディアによるユーザー体験は受け身のものです。しかし、ゲームではユーザーが主人公であり、ユーザーは自身のアクションにリアクションが返ってくるというインタラクティブな体験をします。
このように、多くの情報をやりとりするインタラクティブメディアであるという点で、ゲームには「人を夢中にさせるノウハウ」が集約されています。
「直感的なUI」はこう作る!
ここからは「人を夢中にさせるデザインプロセス」について。
ユーザーがゲームに「夢中になる」には「はまる演出」と「適切な段階学習」が提供される必要があるのだそう。しかし、夢中にさせる最低限の条件として「快適な操作感が必要だ」と鷲山さんは分析します。
その「快適な操作感」は「マニュアルが要らないユーザビリティ」と「直感的なUI」によって提供されるそうですが、そもそも「直感的なUI」とはどういうものなのでしょうか?
「直感的なUI」について、鷲山さんは自身が制作したゲームの事例を使って解説します。
ゲームをプレイするユーザーは「自身が行うアクションの結果を想像」して「実際に起こった結果を認識」します。この2つの差ができるだけ少ないと、ユーザーは「直感的なUIだ」と感じるのだそうです。
つまり、「直感的なUI」をデザインするには「ユーザーが想像すること」を先回りし「ユーザーの想像通りの結果」になるように設計する必要があります。
ただし、あまり大げさにやり過ぎるとユーザーは白けてしまうので、あくまで「さり気なくユーザーを誘導すること」がポイントだそうです。
次のページ :
JP&US ユーザーに響くデザインとは?