増井雄一郎氏が早稲田大学ビジネススクール・入山章栄准教授に聞いた「弱いつながりの強さ」と、次のキャリアにつながるヒントとは?

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増井雄一郎氏が早稲田大学ビジネススクール・入山章栄准教授に聞いた「弱いつながりの強さ」と、次のキャリアにつながるヒントとは?

飲食店向け予約サービス「トレタ」の創業者の一人であり、CTOを務めてきた増井雄一郎氏がトレタを卒業し、新たなことを始める。高校時代から企業システムを構築し、日米で4つの起業体験を持つ増井氏が、次なるキャリアを模索していたとき出合ったのが、早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄氏の著書だ。

既存の知と知を新たなネットワークで組み合わせることで、知の探索と深化が進み、そこにイノベーションが生まれる。「弱いつながりの強さ(the strength of weak ties)」「インターパーソナル・ダイバーシティ(Interpersonal diversity)」「バウンダリー・スパナー(Boundary Spanner)」といったキーワードが増井氏の琴線に強烈に響いたという。

会社の成長に伴って、自分のポジションをどこに置くのか

増井:私はこれまでのキャリアの中で、学生時代を含め、日米で4つ会社を興してきました。トレタには2013年の創業に参加し、今年で丸5年になりましたが、この10月に会社を辞め、一旦フリーランスに戻って新しいキャリアを始めようと考えています。

【関連リンク】
増井雄一郎さんのブログ「"Product Founder"としてトレタから独立します」

しかしその決断をするまでに迷うことは多かった。一つの会社に属しながら、働き方を変えるのがいいのか、それともそこから飛び出すべきなのか。入山先生はビジネスイノベーションの書籍を書かれていますが、それが私自身のキャリアイノベーションの話でもあるんじゃないか、そう思うようになったんです。


▲増井 雄一郎氏
1976年、北海道生まれ。大学時代に起業。2003年にフリーランスとなり、Ajax、Ruby on Railsなどを使ったWEBアプリ開発や執筆を行なう。2008年に渡米し、中島聡氏らとともにアプリ開発会社を立ち上げ。帰国後は、Appcelerator「Titanium Mobile」のテクニカルエバンジェリストとして活動。2013年から飲食店向け予約台帳アプリを開発する「トレタ」のCTOを務めるも、2018年9月に退職。Twitter: @masuidrive


入山:そもそも、増井さんは自分の得意・不得意をどう考えていたのですか?

増井:自分のPros/Cons(強み・弱み)をあらためて整理すると、弱点というか嫌いなのは、誰かに言われた通りにやること、真面目に一つのことをコツコツやること。逆に強みといえばいろんなことができること。エンジニアとしてハードもソフトも作れるし、経営のこともひと通り分かっているほうだと思っています。

よくお風呂でプログラミングするので「風呂グラマー」を名乗ったり、エンジニアをクラブに集めてエンジニアがDJをするイベントを仕掛けたり、「IT芸人」の異名を取ったりしています。

モノをつくって新しい世界を提示することはできる。さらに、入山先生の「弱いつながり」理論でいうと、SNSでつながる友だちは、それこそFacebookの友だちが3,000人規模で、国内のスタートアップの経営者なら、たいていの人に直接または1hopでつながることができる。そういう人脈形成は得意なほうだと思うんです。

しかしその一方で、大手企業に向けて営業して事業を作り込んでいくみたいなことには、あまり面白さを感じない。会社からやってほしいと求められることは多いのですが、面白くないと自分自身のパフォーマンスが上がらないタチなんですね。昨年、経営コンサルタントからコーチングを受けたときも、「増井さんは、楽しいか楽しくないかだけで判断する人だね」って言われました(笑)。

入山:ははは。でも、楽しくないことをやりたくないのは、当然ですよね(笑)。

増井:一般的にスタートアップが成長していく上で、最初はイノベーションが得意な人を求めるけど、次のフェイズではそれを成長させることができる人が必要になる。自分の強みをこれからのトレタでどうやったら活かせるんだろうかと悩むこともありました。

イノベーションを生み出すネットワークのあり方「弱いつながり」とは

入山:私の本でも紹介した、経営学の「弱いつながり」(Strength of weak ties)理論の話が出たので、「弱いつながり」がイノベーションになぜ重要なかを、簡単に説明しておきしょう。イノベーションの第一歩は新しいアイディアを生み出すことですが、新しいアイディアは、基本的に既存の知と別の既存の知の組み合わせで生まれます。これは、ジョセフ・シュンペーターが80年以上前から、新結合(New Combination)という名前で主張されていることです。

しかし、人は認知に限界があるので、やがて目の前の「知と知の組み合わせ」は尽きてしまう。従って、イノベーションを起こすにあたっては、手元の知ではなく遠くにある「知」を取ってくることがとても重要になります。これを経営学ではExplorationといい、私は「知の探索」と呼んでいます。

そして知の探索は、「弱いつながり」の人脈が多いほうが効果的です。弱い人脈は簡単に作れるので、結果として弱い人脈からなるネットワークの方が、遠くの人ともつながれて、そういう遠くの知見が流れてくるからです。実際、経営学の実証研究でも、弱い人脈を多く持つ人の方が創造性を高めやすい、という結果も得られています。

ところが、日本企業はこれまで閉じた世界で、濃密な「強い人間関係」ばかりを大切にしてきた。終身雇用制はその典型ですよね。いろんな分野に顔を出しては名刺交換だけしているような人は、「チャラ男」などと呼ばれて疎まれる企業も未だに多い。だから結果として、イノベーションが生まれにくい一因になっていると私は考えています。

増井:なるほど

入山:特に日本の歴史ある企業では、エンジニアや技術職かたこそ、社内にこもりがちで、弱い人脈を持っていません。この理由で、私はエンジニアこそ、もっと人脈を広げる必要がある、と考えています。増井さんはまさにそういう「弱いつながり」をお持ちだからこそ、いろいろなことができてきたのではないですか?


▲早稲田大学ビジネススクール准教授 入山 章栄氏
1972年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。2013年から早稲田大学大学院経営管理研究科准教授。専門は経営戦略論、国際経営論。2012年に出版された著書『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版) はベストセラーとなり、『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー』誌上にて長期連載「世界標準の経営理論」を四年間に渡って掲載するなど、各種メディアでも積極的に活動している。Twitter: @AkieIriyama


増井:そうかもしれませんね。エンジニアは勉強会によく参加しますが、いつも見知った人とばかり話している。エンジニアは、同じ技術を使っていたりする人と仲良くなって、一種のコンフォート・ゾーンを作ることはできるけど、その快適な居場所から出ていくことが苦手な人が多いんですね。

ゾーンを広げるのに一番いいのはスピーカーとして壇上に立つこと。私が覚えていなくても、聴衆が覚えてくれて、声をかけてくる。大げさにイノベーションとかいわなくても、身近なことで助けてもらえる関係がまず大切です。

「ゼロイチ屋」として特化する道はあるのか

入山:私の個人的な経験則では、面白い経営者で成功している人はたいてい「矛盾した性格」を抱えている、と思っています。典型は、日本電産の永守重信社長でしょうか。永守さんはものすごくビジョナリーで、しかも怒るときは「部下が震えるほど怒る」と言うような豪快さを持つ一方で、工場に落ちているネジ1本も見逃さない繊細さを自分の中に同居させています。だから、もし「イノベーター」と「事業経営者」がやや違うものだとしても、その二つの面が共存させたって全然構わないとは思うんです。

ただ、一人で両立させるのが全員にできるわけではないかもしれない。もしそうなら、誰かとチームを組んでやるという手があります。自分にできないことを補ってくれる人がそばにいれば、無理して増井さんがすべてやる必要はない。増井さんがもし「知の探索」や「弱いつながり」が得意なら、パートナーに「知の深化」や「強いつながり」が得意な人を選んで一緒にやる方が、結果的に増井さんにとっても楽なんじゃないですか。

増井:チームビルディングですか。私は自分に課している課題として、年に一度は仕事以外でプロダクトを作ること、英語で講演することがあるんです。趣味で書くプロダクトのチームビルディングは得意ですが、これが仕事となるといろいろ制約が出てくる。必ずしも、仕事のチームビルディングは得意じゃないかもしれません。

入山:でも実際、異なるパーソナリティのコンビで起業を成功させるケースは多いですよね。最近なら、ライフネット生命保険の岩瀬大輔会長と出口治明・前会長の組み合わせがそうでしょう。会社のステージに応じて、チームの組合せを色々と考えてもいいですよね。

増井:自分もトレタでは代表を務める中村仁のビジョンを受けて、それをクリエイトするところまではやりきった。ただ、グロースステージに入ってきたら、自分の役割がよくわからなくなったんです。自分自身トレタへの思い入れはあるし、会社から求められることもよくわかる。これからのトレタは深度を深める方向に向かっていく。会社の進化に合わせて人も進化させる必要があると思う。

一方で最近は、技術でも経営でもあるスキルに特化した人に、一定のタスクだけをお願いするスタートアップも増えているので、ゼロからイチを生み出す人材として、私の役割はまだあるのかな、とか。

入山:専門の「ゼロイチ屋」ですね!それは面白い。

増井:スタートアップを立ちあげた人たちに、ゼロイチするための相談を受けることはよくあります。そういう職業ってあるのでしょうか。

入山:アクセラレーターやインキュベーターともちょっと違う。その前の段階。日本で一番足りていない職種。やはり「ゼロイチ屋」ですから、それは面白いですね。

増井:エンジニアの中には実はそれが得意な人が多いんです。自分の身の回りのことの解決のためにソフトを書く。しかし、それが価値になることにあまり気づいていない。自分の身の周りだけでなく、他のことにも関われば、それが価値になるはずなんですが。

私はMaker Faire Tokyoやハッカソンイベントなどによく顔を出すんですけれど、そこに集うエンジニアも、そうかもしれないですね。本人たちは気づいていませんが、別の人から見ると価値がある。「人の価値」と言うのは絶対価値ではなく、です。私の場合、エンジニアの中での価値はずば抜けて高いわけではない。しかし、エンジニアリングができないビジネスの人にとっては私の能力は高い価値がある。みんなの期待度が高い領域で価値を発揮できればいい。

振り幅を広げ、人と人をつないで価値を発揮できる人

入山:なるほど。それで思い出したのが、元Sansanのエバンジェリストだった日比谷尚武さんです。彼は異様に人脈が広くて、人と人をつなぐのが大得意。Sansanを辞めてからの彼の肩書きはフリーの「コネクタ(つなぐ人、といった意味)」です。名刺にもちゃんと「コネクタ」って書いてありますよ。

増井:今は何をされているんですか?

入山:はっきりとは、私も言えないんです(笑)。でも、これからの社会で価値を出す人って、そういう人なんじゃないかと思っています。例えば、私がアメリカで教えていた時に使っていた経営戦略論の教科書で紹介されていたのは、歌手のマドンナです。彼女は確かに歌えるし、踊れるし、芝居もやっていて、最近は女性の地位向上のための社会活動もしているけど、それぞれで究極のエキスパートというわけでもない。つまり、ある意味で何をしているかよくわからない。でも、だからこそ競争力を発揮して、何十年もショービズの世界でトップに君臨し、影響力を保っていると言われています。日比谷さんも、職業や肩書きがはっきりしないからこそ、価値があると思うのです。

まあ敢えて日比谷さんがコネクタとして人と人つなぐ人だとすれば、増井さんは「人と人がつながった後で、知と知を組み合わせて、これから何を作るべきかを提示できる人」なんじゃないでしょうか。

もう一つ、人とつながるためには、自分の振り幅を広げることが重要だとも思います。一般論として、学者で成功するにはテーマを可能な限り狭くしないといけません。この道一本何十年みたいな。その方が、その分野での研究業績は上がるわけです。私もアメリカではそういうことをやっていました。

ただ、日本に戻ってきてからは、少し方向性を変えました。私はもともとは国際経営なんかを専門にしていたのですが、最近はスタートアップ経営者とも、地方の中小企業の経営者ともお付き合いがあります。私は学者としては比較的メディアに出ている方ですが、それも、この「振り幅」を広くするためという理由が大きいです。今だと、例えばNewsPicksで「知のフロンティア」という対談連載をやっていて、そこで可能なかぎり、自分の専門分野からかけ離れた第一線の研究者と会うようにしています。これまでに、例えば遺伝子工学の第一人者や、触媒の研究者、この前は海底探査を専門にしている研究者と話をしました。自分の専門とは全く関係なくても、そういう振り幅を持っておくと、あと後でつながっていきます。まさに「知の探索」であり、「弱いつながり」ですね。

「ストラクチャル・ホール」に立つことで見えなかったものが見えてくる

増井:先生の著書を読んで「ストラクチャル・ホール(構造的な隙間=structural holes)」というキーワードにしびれました。

入山:シカゴ大学のロナルド・バート教授が提唱した概念で、ひと言でいえばネットワークのどこに位置する人が一番得をするか、という話ですね。例えば、もっとも情報が集まりやすいのは、上の図で言えば、左側と右側のネットワークをつなぐポジション。知と知の新しい組み合わせが起こりやすいのもこの位置なので、さまざまな新しい事業機会を見つけやすいんです。

この話をするときに私がよく例に挙げるのは、シリコンバレーと日本を行き来しながら、ベンチャーの投資支援事業を進める伊佐山元氏のことです。彼はシリコンバレーに精通していることで知られていますが、もう一面があって、それは日本興行銀行出身だということ。つまり、日本のドメスティック企業の人脈と感覚を持つことがもう一つの武器になっているんですね。そういう現場感覚がわかっているから、大企業から300億円の資金調達ができるのだと思うのです。

増井:ただ、それぞれのネットワークで重宝がられるだけでは、下手すると“器用貧乏”に終わってしまうというリスクはありますね。エンジニアでもいろんなことができる人は結構いますが、一歩間違うと……。

入山:その通りですね。いくつかの領域にまたがりながらも、それぞれの領域から価値を引き出すことができないと意味がありません。最近の経営学の研究でも、ストラクチャル・ホールの位置にいるだけでは価値が出せないと主張されています。両方を知りつつ、互いに価値を転用できる能力が重要なんだと。

例えば最近言われているのは、抽象化とアナロジーの力です。例えばストラクチャルホールの位置にある人が、「A業界とB業界はビジネスモデルも違うし、ぶつかっている困難も一見全く異なるように見えるけど、実はもう少し高いレベルで抽象化して考えると問題点は同じですよ」と指摘できたりするといい、ということです。

抽象化とアナロジー。そこがきちんと見抜けて、それをA業界にもB業界にもわかる言葉で伝えることができると、一気に課題は解決しやすくなるはずです。一見全然違う分野の共通点を見出して、統合させる役目です。もしかすると、増井さんはそういうことができるんじゃありませんか?

課題を分解して、抽象化し、それを統合・再構築する能力

増井:私はプロダクトを作るときに一番大切なのは、アイデアの分解、抽象化、再構築だとは考えています。これができれば、器用貧乏の罠にはまらなくて済むかもしれませんね。

入山:私自身も、自分の能力や実績そのものは正直学者としては対したことがありません。ただ、海外の経営学をそれなりに知っていて、他方で日本でも短いですが会社員の経験があって、そこで起きているビジネスの課題を抽象化して、咀嚼して経営学に喩えられることで、メディアから声をかけてもらったり、講演の話をいただくのだと思います。

増井:私もアメリカには2年半しかいなかったし、エンジニアとしても経営者としてもエキスパートではないのですが、両方の世界を行き来できることは強みかもしれません。

また、最近はNPO法人の「近未来ハイスクール」という活動にも参加しています。地方の高校・高専生たちに仕事を職業選択の広がりを示して、「働くって楽しいことなんだよ、社会にはもっと面白いこと、いろんな働き方があるんだよ」ということを伝えたいなと。

入山:日本では、小学生の時に「将来、何になりたい」と作文に書かされるけど、中高校になるとそれがなくなる。自分の職業ビジョンを構想するセンスがとたんに弱くなってしまうんですね。結果的に、いい大学、いい企業に入ることがゴールになってしまう。

増井:高校時代に、写真現像ラボのデータ入力のバイトをやっていました。あまり使えないソフトだったので自分でソフトを作り直したんです。それがこの業界に入るきっかけでした。バイト経験で気づいたのは、大人になれば、学校や家庭だけじゃなく、自分で所属する社会を自分で選べるんだってことでした。若者が未来を信じることができるのは、ここだけじゃない、他の社会も存在するのだと知ること。それを伝えたい。

マルチな経験をバックに、新しい知の探索に踏み出せ

入山:いいですね!まさに知の探索。誰もが自分のいる世界をすべてだと思い込みがちですが、そんなはずはない。いかに認知を広げていくかは大切です。

増井:転職にしても大抵の人は、大企業から大企業への転職。あるいはスタートアップが好きな人はスタートアップばかり渡り歩く。それぞれ狭い世界。デバイドがある。

入山:大手企業とスタートアップ間の人材交流が少ないのは、日本のイノベーションの弱さにもつながっています。この話では、デロイトトーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬君(事業統括本部長)にこんなことを聞いたことがあります。大企業からスタートアップに移ってブレークするのは、たいてい大企業では実はうまくいかず、疎まれたり、浮いてたりした人であることも多い、と。逆に大企業で優秀な人は、自分では考えず指示待ちばかりなので、スタートアップでは使えないことも多いというんです。

増井:今日のお話でも、知の探索、弱いつながり、ストラクチャル・ホールといったキーワードで、今の自分の立ち位置が構造化されて、整理できたような気がします。フリーランスになってからの自分の名刺につけるタイトルも少し見えてきました。

入山:私なりに言えば、増井さんのタイトルはやはり「ゼロイチ屋」、あるいは「シリアル・ファウンダー」でしょうか。私は「日経ウーマン」が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」の審査員をしているんですが、2017年の受賞者には共通点があるなと思ったんです。それはマルチキャリア、マルチタスクであること。

例えば、クリエイター2万5000人のネットワークを構築した林千晶さんは、元は共同通信のジャーナリスト。「未来食堂」の小林せいかさんは元IBMのエンジニア。VR用のヘッドマウントディスプレー「FOVE」を開発した小島由香さんは、もともとは漫画家で漫画・アニメが大好き。アニメのキャラクターを追いかけてきた経験から、視線の動きを感知する世界初の技術を考えついた。こうした、マルチキャリアを活かしながら、その本質をつかんでいる人こそが、これからのシリアル・ファウンダー、シリアル・イノベーターの条件になるのかもしれないですね。

増井:やはり重要なのは、自分のコンフォート・ゾーンをいかに抜けだすかということでしょうか。エンジニアって、自分のキャリアに対する危機感が強い人は結構いるけれど、自分が今いるコンフォート・ゾーンがいかに将来のキャリアにとって阻害要因になるということまでは考えていないように思います。

再びフリーランスになって、これからは決してコンフォタブルな(快適な)ことばかりじゃないし、ストラクチュアルホールに立ち続けることも結構大変だと思うけれど、そこに進んでいこうと思います。今日は入山先生に背中を押していただきました。ありがとうございました。


執筆:広重隆樹/撮影:刑部友康


【関連リンク】
増井雄一郎さんのブログ「"Product Founder"としてトレタから独立します」