【イベントレポート/社員とハッカソンで触れ合う採用イベント「データサイエンス就活」in関西】

イベント
2019年3月16日、株式会社神戸製鋼所、パナソニック株式会社、パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社を中心とした関西を代表する大手企業がスポンサーとなり、「〜社員とハッカソンで触れ合う採用イベント〜データサイエンス就活」が開催されました。ここではイベント当日の模様について詳しく紹介していきます。
【イベントレポート/社員とハッカソンで触れ合う採用イベント「データサイエンス就活」in関西】

2019年3月16日、株式会社神戸製鋼所パナソニック株式会社パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社を中心とした関西を代表する大手企業がスポンサーとなり、「〜社員とハッカソンで触れ合う採用イベント〜データサイエンス就活」が、グランフロント大阪タワー内のパーソルキャリア株式会社関西オフィスにて開催されました!

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データサイエンス就活とは?

「データサイエンス就活」は、データサイエンスを仕事にしたい学生のための1day就活イベント。関西での開催は今回が初。イベント当日は日頃から統計学やデータ分析に慣れ親しんでいる理工系、情報系の学部生・院生を中心に、データサイエンスを仕事にしたいと考える約40名の学生が参加しました。
各社のデータサイエンス領域で活躍する社員の講演、パーソルキャリアによる就活アドバイスに加え、神戸製鋼所提供による実際の企業データを活用したアイデアソンやハッカソン(※)も行われるなど、イベント全般を通して多くの学生とスポンサー企業が交流を深めました。
※ハッカソン・・広い意味でソフトウェアのエンジニアリングを指す“ハック“(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた米IT業界発祥の造語。

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イベント終了後のアンケートでは参加学生の95%が「満足した」と回答。実際の企業のデータに触れる貴重な経験を得られたことに多くの学生が満足感を持ったようです。また、ハッカソンではRやPythonを使って課題に取り組む学生、高度な分析手法を披露した学生も多く、「自分のレベルがわかった」「すごい人がたくさんいた。自分も頑張らなければと思った」など、自分以外の参加者のレベルの高さに刺激を受けた学生も少なくなかった様子・・!
ここではイベント当日の模様について詳しく紹介していきます。

スポンサー登壇・神戸製鋼所

株式会社神戸製鋼所
技術開発本部AI推進プロジェクト部 部長 博士(情報学)
友近信行氏

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株式会社神戸製鋼所入社後、制御工学の専門家として活躍してきた友近氏は、情報学の博士号取得後も同社内の素材製造プロセスから機械製品まで多種多様な生データを相手に格闘。現在は昨年10月に新設されたAI活用の専任組織である「AI推進プロジェクト部」の部長として同組織をリードしつつ、機械学習を駆使した予測モデルの開発や最適化、異常検知等の応用研究を手がけています。

友近氏は講演の中で、素材系事業、機械系事業、電力事業など、神戸製鋼所が手がける幅広い事業を紹介したあと、多品種変量生産という事業特性をもつ金属製品を扱う素材系事業の、製造ラインにおける温度などの特性予測や最適化、品質検査といった分野を中心とした領域で、現在のAIムーブメントが到来する以前からデータを活用した取り組みを脈々と行ってきた経緯について、実際のさまざまな事例を踏まえながら説明しました。また、機械系事業についても、ディープラーニングで画像認識をしながらフィードバック制御している事例について紹介しました。
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続けて友近氏は、「神戸製鋼所には、素材から機械まで、製品開発、製造、マーケティング、アフターサービスに至るまで、多くの分析課題がある。また、様々なデータが自社の工場・現場にあり、取得情報まで含めて自社内に揃っている。素材、機械に関する多様なデータを結びつけて活用することにより、新しい可能性を見出すこともできると考えている」と語り、同社がデータサイエンティストを目指す学生にとって魅力的なフィールドであることをアピールしました。
講演の最後には学生たちに対して「課題を見つけて仮説を立てるためには、好奇心が何よりも大事。どんなことにでも疑問を持ってほしい」というメッセージを送るとともに、登壇のアイスブレイクとして紹介した、鉄婚式、銅婚式、銀婚式、金婚式、プラチナ婚式…という結婚記念日の名称と年数の関係について独自の分析結果を披露!「今朝、急に思い立って分析を始めました!」と、常日頃からあらゆる対象を分析しようと考えるご自身の志向性をオープンにすると、会場が笑いに包まれました。

スポンサー登壇・パナソニック ソリューションテクノロジー

パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
AI・アナリティクス部 データアナリティクス一課 課長
橋本裕一朗氏

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パナソニック ソリューションテクノロジーのAI・アナリティクス部でBIツールによる企業内データの可視化・分析AIによる機器の異常検知や故障予測といったソリューションなどを手がけている橋本氏は、パナソニックグループにおけるパナソニック ソリューションテクノロジーのミッションやポジションについて紹介。ICTインフラの構築からスタートした同社がソフトウェア事業やクラウド事業などを経て、現在はAIアナリティクス領域にまで貢献領域を拡大している経緯について説明しました。
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BtoBの事業をメインに手がけてきた同社は、ものづくり業界の製造現場における豊富な知見を強みとしており、製造現場のデータを蓄積・可視化し、AIやデータ分析技術と組み合わせた多彩なソリューションの提供を目指していることについて言及。事例の一つとして空港のビルと航空機をつなぐ「搭乗橋自動装着システム」の開発プロジェクト動画を上映しました。

このプロジェクトを例として橋本氏は、顧客のビジネス課題を正確に捉えることの大切さや、データ分析の結果をいかにしてシステムに組み込むかをトータルで考えていくことの重要性について強調。さらに橋本氏はグループ内での事例として電池の品質判別システムについても紹介し、「さまざまな現場から集まるデータを可視化し、現場で何が起こっているかを明らかにすることで有効なソリューションにつなげていきたい。ぜひとも、今ここに集まっている皆さんと一緒にそんな取り組みを進めていきたい」と結び、会場の学生たちにアピールしました。

スポンサー登壇・パナソニック

パナソニック株式会社
リクルート&キャリアクリエイトセンター 採用企画部 戦略採用課 課長
佐藤仁史氏

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パナソニックで人材の資質の多様性に着眼した戦略的採用を推進している佐藤氏は、同社で勧められているHRテック、データを活用した人事・採用について解説。同社では人材のリソースのバランス/偏在を調べる「リソースマネジメント」、ハイパフォーマーやイノベーターを発見するための「タレントマネジメント」、採用ターゲットや社員育成に関連する「人づくりデザイン・モチベーション」といった3領域を中心にデータの利活用を進めていることを紹介し、データの分析結果を活かした人事・採用・育成の可能性について語りました。
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最後に佐藤氏は「さまざまな性格の人材を織り交ぜながら組織を構成していくことで多様性が生まれ、そこに摩擦が生まれる。その摩擦を乗り越えることがイノベーションにつながっていく」と話し、データを活用した人事・採用の先にある組織の未来像について持論を展開しました。

データサイエンス系職種の就活について

パーソルキャリア株式会社
TECH PLAY/Data Ship ゼネラルマネジャー
片岡秀夫氏

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イベントのオープニングでは、データサイエンティストの定義や企業におけるデータ分析の業務フロー、組織事例、データサイエンス系職種を取り巻く採用マーケットについて、技術系学生の育成・キャリア教育に関わる片岡氏が登壇。
実際の企業におけるデータ分析の業務フローには、ディープラーニングや機械学習を活用してデータの分析・評価を行う「イメージ通りのデータサイエンティスト」の仕事だけではなく、クライアントや事業部門といったビジネスサイドの課題を捉え、事業に対するインパクトの試算や仮説立てを行うデータコンサルタント、データ分析のプロジェクト全般を統括するプロジェクトマネジャー、さらには分析・検証後にソフトウェアやハードウェアへの実装を行うデータエンジニアといった領域の仕事も広義のデータサイエンス系職種に含まれるため、就活では「業務上、どの工程を担当する仕事なのか」をしっかり見極めることが大切だと解説しました。

また実際の業務では、仮説がそのままアウトプットにつながることは稀であり、<仮説・アイデア作り〜実験〜アルゴリズム設計〜テスト>という工程を何度も繰り返すことが多く、こうしたサイクルを高速で回し続けるスタンスやマインドセットが求められることについても言及しました。

神戸製鋼所の実際の事業やデータをトレースしたアイデアソン&ハッカソン

神戸製鋼所とパナソニック・パナソニック ソリューションテクノロジーによるスポンサー登壇の終了後、パーソルキャリアの鹿内学氏が実事業におけるデータの活用事例を紹介するとともに、アイデアソン、ハッカソンそれぞれに関する注力すべきポイントやアウトプットのコツを説明。その後、約40名の学生はエントリー時の希望を踏まえ「コトづくりアイデアソン」と「モノづくりハッカソン」の2グループに分かれ、それぞれに与えられた課題・テーマを掘り下げていく約4時間のワークショップに入りました。

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「コトづくりアイデアソン」グループは、神戸製鋼所の機械系事業をイメージし、データを活用することで顧客の課題を解決する新サービスの開発に挑戦。4つのチームに分かれた学生は、同社の実際にAI推進プロジェクト部で働く社員から、実際の機械系事業に関する概要・特徴説明を受けた上で、課題発見やアイデアをピボットするためのワークショップを実践。その後、各チームに分かれ、社員たちのサポートを受けながら新規事業のアイデアを膨らませていきました。

一方、「モノづくりハッカソン」グループは神戸製鋼所の素材系事業の要である高炉(鉄製品を作るための設備)に関する温度、ガス量、送風などの各種テストデータをもとに高炉内部のある値を予測するという課題に挑戦。最終的には予測結果の精度を競うほか、予測に用いたモデルや予測精度評価・アプローチに関するプレゼンを行う準備も含めて、時間内にまとめるという課題が与えられました。「コトづくりアイデアソン」と異なり、個々人で予測結果の精度を競うスタイルでしたが、分析作業に関してはチームを組んで進めている学生たちも多く、互いの知識や技術を共有し合いながらデータ分析に挑む姿も見受けられました。 Alt text

アイデアソン&ハッカソンの結果発表〜表彰

アイデアソン、ハッカソン終了後、アイデアソンは各チームでの発表、ハッカソンに関しては個人での発表が行われました。

「コトづくりアイデアソン」グループでは、データを活用した生産機械の運転診断サービス、熟練工の技術・動作をセンサーで取得することで人材の教育コストを削減するサービス、AIによる画像解析によって顧客が導入した機械のメンテナンスを簡便にするサービスなどがプレゼンされた中、データを活用した製造機械の最適運用と社員の最適配置を両立するサービスを提案したチームが優勝!審査を担当した神戸製鋼所の社員は、「顧客のコストを削減できるサービスに着目し、独自性の高い効果的な提案がなされている」と優勝チームにエールを送りました。

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「モノづくりハッカソン」グループの発表についてはチームでの発表ではなく、学生一人ひとりが予測結果と予測モデル、予測精度の評価に関するプレゼンを行いました。参加者の約半数が時間内に予測結果を出すことができなかったほど難しい課題でしたが・・重回帰やRidge回帰、Lasso回帰、ランダムフォレストなど、さまざまな分析モデルが用いられ、RやPythonを使用する学生もいれば、Excelでの分析を試みる学生も見られ、学生によってアプローチの手法は多岐に渡っていました。最終結果は1位:RMSE=0.65、2位RMSE=0.68、3位RESE=0.73となり、XGBoostを活用した学生が1位に輝きました!審査を担当した神戸製鋼所の社員は、「最終的には僅差の勝負となりましたが、1位、2位、3位の方は非常にデータ分析に慣れており、いずれも妥当な評価方法だったのではないかと感じた」とコメントを述べました。 Alt text ▲優勝したチームには優勝パネルが贈呈されました

閉会の挨拶

株式会社神戸製鋼所
技術開発本部 生産システム研究所 制御技術研究室 室長
前田 知幸氏

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アイデアソンの審査、ハッカソンに対する総評も担当した前田氏は「本日のイベントに参加いただいた学生の皆さんは、会社説明会の100倍、200倍以上のわかりやすさで、当社のビジネスやデータ活用について体験いただけたと思う。皆さんに対して、データサイエンスの仕事に興味を持っていただく入り口を作ることができたと思っているので、ここに集まっている当社やパナソニックさんの社員からも詳しい話を聞き、新たな一歩を踏み出すきっかけにしてほしい」と、イベントを締めくくりました。

データサイエンティストを目指す学生、データサイエンティストを求める企業が互いの理解が深まる1日に

アイデアソン、ハッカソン終了から結果発表までの合間には、神戸製鋼所、パナソニック、パナソニック ソリューションテクノロジーの、各社で実際にデータを活用した業務に取り組んでいる若手社員への質問時間が設けられ、就職活動中の学生たちが、「実際のデータサイエンスの仕事はどうなのか?」「どんなデータを扱うことができるのか?」「どんな技術や知識を活かせるのか?」といった内容について熱心に質問する姿が見受けられました!また、イベント終了後も会場に残り、積極的に各社の社員とコミュニケーションを取る学生も見られました。
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本イベントは、データサイエンティストを目指す学生、データサイエンティストを求める企業、互いの理解が深まった有意義な一日になったことと思います。 各社のデータ活用に関心のある方は、ぜひ同社の採用HPやイベント情報をチェックしてみてはいかがでしょうか?



※本イベントレポートの内容は、2019年3月16日時点の情報をもとに作成しています。

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