福岡・京都の開発拠点事情は?――LINEエンジニアが組織体制、開発プロジェクトを語る!

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福岡・京都の開発拠点事情は?――LINEエンジニアが組織体制、開発プロジェクトを語る!
LINEは10月5日、福岡・京都の組織体制、開発プロジェクト、エリア事情を語るイベントを開催。イベントには東京などからUIターンし、福岡・京都の開発拠点で働くエンジニアが多数参加した。講演、質疑応答、パネルディスカッション、個別面談、懇親会などを通して現地の“働き方”や“生活”状況をリアルに紹介。UIターンも含め、同拠点で働きたいと考えているエンジニアへの不安解消も含めた情報提供を、自身の経験や肌感といったリアルな“声”で伝えた。

【福岡】サービス開発は、単にプロダクトを作ることが目的ではない

一番手に登壇したのは、LINE Fukuokaの新田氏。冒頭のセッションということもあり、LINEのミッション「CLOSING THE DISTANCE」について解説した。

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▲LINE Fukuoka株式会社 開発センター 開発2室 室長 新田 洋平氏

「私たちは単にプロダクトを開発することのみが目的ではありません。『CLOSING THE DISTANCE』とのミッションを掲げ、世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めること。具体的にはユーザーが感動し、また人に教えたくなるような体験。これを『WOW』という価値観と定義し、ミッション達成に向かい日々の仕事に取り組んでいます」(新田氏)

LINEのミッションについては、同社のホームページで詳しく紹介している。

関連リンク:「LINEのMISSION」について

8つの開発チーム、6つの専門チームでプロダクトを開発

LINE Fukuokaの開発体制は、サービス開発を行う8つのチーム、フロントエンドなど特定スキルを持つ6つの専門チームから構成され、これらのチームが連携しながらプロダクトを開発している。

サービスチームはさらに、サーバーサイド、クライアントサイドのチームとして分かれている。現在はSRE、アジャイルコーチ、プロダクトマネージャーなどのメンバーも同チームに属するという。

LINE Fukuoka には、「Verda(ベルダ)」というLINEのプライベートクラウドを開発するチームがあり、AWSのようなサービスを自社のエンジニアに提供している。マネージドサービスとしては、MySQL、Elastichsearch、Kubernetes などを提供している。またDeveloper Relationsチームは各種エンジニア向けのイベント運営や採用広報、外部開発者向けに提供しているAPIなどに関わるエバンジェリスト活動などを担っており、東京にも同チームがある。

LINE Fukuokaが具体的に開発しているプロダクトは、主にファミリーサービスと呼ばれるカテゴリに属するサービスで、現在は、LINE STORE、LINEバイト、LINEアンケートなど6つのサービスを主に開発している。LINE STOREであればWebショップに限らず、LINEスタンプをユーザーに送受信する部分、ユーザーがLINEスタンプを購入するLINEアプリ本体の開発も担う。

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プロダクト開発はリモートコラボレーションが基本

開発体制の特徴を、新田氏は次のように説明した。

「福岡だけで開発を進めることはなく、リモートコラボレーションが基本です。これは福岡だからということではなく、すべての拠点も共通することです。この図は一例に過ぎませんがこれは、デザイナーは新宿と韓国拠点のメンバーが担当、サーバーは福岡で担当、のようなアサインで開発は進んでいきます。またひとつのプロダクト開発において多くの組織が関わるのも特徴です」(新田氏)

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今後は、朝起きてから夜寝るまで、あらゆる日常シーンでLINEのサービスを使ってもらうべく、新サービスの開発にも積極的に関わっていきたいとのこと。

特に金融関連の新サービス立ち上げにも関わりたいとの意気込みを述べ、そうしたサービスの開発を行うチームの整備もあわせて行っていきたいと伝えた。

また最後に福岡で働くこと、住むことについて語った。

「下請的な業務ばかりになるのではないか。専門性を伸ばすことのできる環境ではなく、フルスタックエンジニアとして働かされるのではないか。このような心配を福岡の開発拠点に対して持っているエンジニアもいるかもしれませんが、専門性の高いポジションがあるLINE Fukuoka ではそのような心配はありません。また、金融サービスなど新しい領域にチャレンジできる環境でもあります」(新田氏)

ちなみに新田氏は千葉県出身で、30年間東京で暮らしていた経歴の持ち主。福岡はほとんど行ったことがなかったそうだが、子育てがしやすいだろうとの理由で、家族でIターンした。実際、思っていたとおり快適な暮らしで、以降8年間福岡で暮らしている。「住みやすい」というシンプルだが説得力のある言葉が印象的であった。

【京都】開発者向けプライベートクラウド「Verda」などを開発

「Developers Developing for Developers」。

続いて登壇したLINE KYOTOのクリストファー氏はこう語り出し、LINE KYOTOが担う役割のひとつとして、社内や社外の開発者向けのプロダクト開発について紹介した。

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▲LINE株式会社 京都開発室 サーバー開発チーム サーバーサイドエンジニア ピッケルクリストファー氏

具体的には先にも出たプライベートクラウド「Verda」。LINE上で動作するWebアプリの開発が可能になる「LIFF(リフ)」。LINEのAIアシスタント「Clova」のコア技術である、音声認識・合成技術、自然言語処理(NLU)技術などで、自身はVerdaの担当とのこと。そのためVerdaについて深堀りした。

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「Verdaでは、Kubernetes、Docker、Rancher、さらにはおそらく多くの人がまだ知らないであろうVKSなど、新しい技術を採用して開発を進めています。そのためLINE社内のエンジニアに対し、Verdaを簡便に使えるようなテンプレートを作成したり、理解を深めてもらえるようなワークショプの開催なども、プロジェクトの一環として行っています」(クリストファー氏)

もともとはニューヨークのGoogleでエンジニアとして働いていたというクリストファー氏。環境を変えたいと訪れた日本が気に入り住むことになるが、以前は新しい技術開発の環境は東京に集中していため、一時期はドイツに働き先を求めたこともあった。それが今は、LINE KYOTOにある。そのことが嬉しいとのメッセージが印象的であった。

同時に、自分のキャリアはUでもIでもなくPターンです、であったり、自分の名前はピクルスではない、など。時折ジョークを交えながら講演し、会場からの笑いを誘っていた。

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LINE KYOTOは2018年6月にオープンしたが、今年の9月に新しいオフィスに移転した。オフィスの特徴として、京都の真ん中に位置するためアクセスが便利なこと。外国人メンバーも多く、多様性のある環境でもあること。周りに大学が多いため、インターン生も受け入れていることなどを挙げ、「大学との連携プロジェクトも立ち上げたい」と今後の展望を述べた。

【福岡】サービスの運営・成長を安定・加速させるために設立

コミュニケーションアプリ「LINE」が誕生してから8年、これまで数多くのサービスを世に生み出された。その一方で、リソース不足などの課題から、ローンチ後のグロースが不十分になってきたという。そこで今から約1半年前となる2018年6月に、そうした課題を解決し、サービスのグロースをメインに担う開発子会社として、LINE Growth Technology(以下、GT)が設立された。

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▲LINE Growth Technology株式会社 福岡開発室 室長 松本 竜彦氏

具体的な業務はサービスプロモーション、運営におけるオペレーションやフローの整備・効率化などで、エンドユーザーに向けた機能追加などのサービス開発も一部行うが、メインではない。そこが、LINEやLINE Fukuokaとの違いであり、GTの役割を端的に説明すれば、マンパワーで行っていた業務をシステム化することだ。

松本氏は「LINE NEWS」を例に挙げて説明。これまでオペレーターがExcelデータをもとに決まった時間にニュース記事をアップしていたものをシステム化した実例や、代表的な技術スタックも紹介した。

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また開発体制も以下のスライドのように、人数や役割などの詳細を紹介。開発においては基本的にモックを使って現場メンバーにレビューをしてもらい、フィードバックをもとにブラッシュアップして最終的なシステムに落とし込むフローで、他のプロジェクトも同じような体制で進んでいるという。

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GT福岡開発室の設立と同じ時期、昨年11月に入社。さらにはこれまで20年ほど東京で働いていた環境から一転、縁もゆかりもない福岡にIターンしたという松本氏は、職場(開発)環境ならびに生活環境の違いについても触れた。

「開発環境においては、技術スタックやVerdaなどを含め、東京オフィスとの違いは感じません。また情報共有や勉強会などにおいても、オンラインで参加できています。給与などの待遇も、もちろん東京と同じです。つまり結論を言えば、場所も含め、これまでと同じ働き方ができています。

一方で生活環境は抜群です。これは私だけの意見ではなく、同じくUIターンしてきた若手エンジニアの声でもありますが、街がコンパクトなので、どこにでもすぐにアクセスできます。車やバイクを使えば、大分県には1-2時間ほどで行けますし、南端の鹿児島にも3-4時間もあれば行けます。

温泉、山、海なども近いため、特にアウトドア好きにはおすすめです。さらに空港も近いので、東京へのアクセスも良好。住宅費用も、ものすごく安いです。また人がそこまで多くないのに施設が充実しているのも魅力です」(松本氏)

現在GTは50名ほどの規模だが、エンジニアの数がまだまだ足りず、数年以内に倍の100名体制にしたい。また規模拡大に伴い、シニアエンジニア、マネージャーポジションも採用したいとのこと。今後の展望としてグロース領域の効率・システム化を推し進め、LINEグループ共通のフローに成長させたいと話した。

実は既にLINE全体のサービスの運営や、オペレーションの課題を解決するための窓口が開設されているという。今後、GT福岡開発室のグロースにも注力していきたいとの意気込みが、登壇中終始伝わってきた。

会場からの質問で盛り上がった質疑応答

セッションの後は、登壇した3名にLINE KYOTOの御代田氏が加わり、先の内容を踏まえての質疑応答に移った。なお質問内容の書き込みやピックアップは「sli.do(スライド)」を活用し、タイムリーに行われた。

また参加者のテーブルには福岡・京都のご当地お菓子が置かれていたのも印象的であった。

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会場から出た特徴的な質問をいくつか紹介しよう。

【両拠点共通】

Q:物理的に近い距離のメンバーとプロジェクトを進めた方がいいと思うが、複数の遠隔拠点で開発を進める意図は?

新田:その通りだと思います。だから分けすぎないようにしています。たとえば3拠点で開発する場合は、クライアントサイドは東京で、サーバーサイドは福岡で、JavaScriptのエンジニアは残りの1拠点で、といった配慮をしています。

Q:開発にステークホルダーが多く関わると、リリースまでのスピードが遅くなりがち。スピードはあまり重視しないのか?

御代田:その通りですが、サービス、GT共に、スピードを重視していないわけではありません。サービスローンチ当初から多くのユーザー利用を想定しており、そのため品質を優先しています。具体的な対策としては、機能ごとにステークホルダーを分けるなどしています。またコミュニケーションのベストプラクティスがノウハウ化され、ストックしているので、活用しています。

新田プロジェクトマネージャーや、開発リードのポジションの人がハブになって動いてくれます。そのため現場エンジニアがステークホルダーとのやり取りで時間を取られ、開発スピードが遅くなる、といったことは少ないと思います。

Q:外国人の比率は?

松本:LINE Growth technology(GT)の福岡開発室の外国人比率は低く、現在は2名のみです。ただ東京の開発室もあわせると1~2割にはなると思います。

新田LINE Fukuokaは50~60%ぐらいが海外のメンバーです。語学学校に通うなど日本語を勉強していて、かつ上手なメンバーが大半です。

クリス半分ぐらいが外国人です。内訳は、半分が台湾人、その他、アメリカ人、フランス人、イギリス人、韓国人などです。福岡と同じく、みんなが日本語を勉強しています。

Q:Verdaを個人の勉強用に自由に使える?

クリス:プロダクト用と個人用の2種類あり、個人用であれば使えます。

松本:個人用は申請もいりません。DNSを設定して、証明書を発行して、ロードバランサーを立ててといった一連の流れが自分の権限でできるので、ちょっとした環境をつくって試すのにはすごくいい環境です。

Q:東京で採用された後、京都・福岡に異動するケースはある?

新田:本人の希望があれば相談可能です。会社都合での異動はないですが、ライフイベントや自分のライフワークを考えてリロケートを希望メンバーがいた場合、社内検討の上異動することもあります。
実際、福岡にもそのような異動メンバーが若干名います。

Q: チームや拠点間の移動はどのくらいの頻度でありますか?

新田:出張は多いですが、会社指示での拠点移動は無いです。出張も個人の裁量で行くかどうかは選択できます。子育て期でも不安はない環境です。

【京都】

Q:LINE KYOTOの現在の規模はどれくらいで、将来的にはどうか。

御代田:広さとしては、ここのスペースの150%ぐらいで、エンジニアの数は30人弱です。様々なプロダクトを開発しているので、メンバーはいくらでも欲しい。つまり青天井です(笑)。

※参考情報:TECH PLAYの広さは最大200人まで収容可能なイベントスペース。

【福岡】

Q:8つの開発チームはそれぞれ個別の製品開発を行うのか。それとも複数チームが1つのプロダクトを開発するのか?

新田:1プロダクト1チーム体制です。ただクライアントとサーバーを分けているので2チームが1つとなりプロダクトを開発する場合もあり、サービス6つに対して8チーム体制となっています。

【パネルディスカッション】福岡・京都へのUIターンのリアルは?

続いて先の御代田氏に2人の新たなメンバーを加え、主に以下2つのテーマについてパネルディスカッションが行われた。パネルディスカッション中も「sli.do」を使い、適宜、参加者からの質問が投稿され、答えていく流れで進んだ。

◆テーマ
・福岡・京都へのUIターンのリアル
・リロケートして感じたメリット・デメリット

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両親の高齢化を機にUIターンを決意

――これまでの歩みとUIターンのきっかけについて、教えてください。

御代田:地元が京都で、大学まで京都にいました。就職してからはほぼ東京でしたが、両親が高齢になったことで、近くにいたいな、と。そこで去年の8月、当時1歳半の子供と妻と一緒に、新宿オフィスから京都に移りました。

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▲LINE株式会社 京都開発室 オフィスマネージャー エンジニアリングマネージャー兼プロダクトマネージャー 御代田 亮平氏

緒方:地元は熊本です。今年の1月にLINEに入社したばかりで、福岡開発室での内定でしたが、福岡移住への準備のため、半年ほどは東京開発室で勤務していました。福岡への移住は、当時彼女だった妻との結婚のいいきっかけになったと思っています(笑)。

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▲LINE Growth Technology株式会社 福岡開発室ディレクター 緒方 雄樹氏

平山:地元は長崎ですが、福岡には大学・大学院と6年間いて、いい街だと感じていました。就職は東京でしたが、御代田さんと同じく親が定年退職を迎えたこと、学生時代の思い出があり、福岡で働きたいなと。それで2年半前にIターンしました。

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▲LINE Fukuoka株式会社 エンジニアリングマネージャー兼フロントエンドエンジニア 平山 光太郎氏

――リロケートを決意した後、不安だったことは?

御代田:僕自身はUターンの不安はなく、やった、ぐらいの気持ちでした(笑)。ただ関東出身の妻がフィットするかどうかが不安でしたが、時間が解決すると考えています。

緒方:同じ九州であること、前から東京以外で働くとしたら地元よりも仕事がある福岡だと考えていたので、特に不安はありませんでした。ただ御代田さんと同じく、妻がどういう反応を示すか。馴染めるかどうかが不安で、後者においては移り住んでからまだ2カ月なのでなんとも言えないのが正直なところです。

平山:先の2人とは違い、僕は単身であること、また6年住んでいた経験もあるので、特に不安はありませんでした。

1Kから3LDKにグレードアップしたのに家賃は下がった

――実際に住んでみての生活面における感想(住まい、買い物、交通など)は?

御代田:オフィスからバスで10分くらい。走っても20分くらいで着く、平安神宮地近くのエリアに住んでいます。家賃は東京の都心と比べると安いのは間違いありませんが、以前住んでいたのは横浜だったので、特に間取りが広くなるくらいで、それほど変わらないと感じています。

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スクリーンには実際に御代田氏の自宅から京都オフィスまでのマップおよび経路ならびに、東京と京都の家賃比較表も示された。

緒方:京都と比べると福岡は圧倒的に家賃が安いと思います。以前は東京で1Kに住んでいましたが、引っ越して3LDKになりました。広さはアップしているのに、家賃は下がりましたからね。家からオフィスまで通勤時間は東京の時とほぼ変わりません。ただし、地方あるあるで駅間の距離が広く、歩くと一駅間30分ほどかかります。電車が大雨で遅延することがあるのが悩ましいところです。

平山:オフィスから歩いて20分くらい。地下鉄やバスを利用するとドアtoドアで10分くらいのところに住んでいます。東京にいたときは往復で1時間半かかっていたので、毎日1時間自由に使える時間が増え、嬉しく思っています。

給与は変わらず家賃は下がったので、時間と同じくお金に関しても、以前と比べ自由に使えるボリュームが増えました。空港へ地下鉄で5分というのも、魅力だと思います。

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▲ファシリテーターを務めた人事の光田 友利佳氏

光田:給与は全国一律で、エリアによって変わることはありません。スキルやキャリアに準じて決まります。そのため本日登壇しているメンバーのように、可処分所得が増えた、また住まいが近くなり、同じく時間的な余裕も増えたと話すエンジニアが多いです。

また、UIターン入社の支援制度があり、遠方からの移動について会社が一部費用を持つことで、個人への負担が極力かからないようにしています。現地の不動産情報などについてもフォローする体制がありますので、安心していただけるかと思います。

御代田:街が東京に比べコンパクトなので、移動が便利です。そのためフットワークが軽くなりました。たとえばうちの子供が通っている保育園も会社の近所なので、何かあった場合もすぐに迎えに行くことができています。また東京に比べ保育園も探しやすい環境です。ただスーパーの規模が小さく、値段が高いとも感じています。

緒方:京都とは異なり、福岡に関しては東京に比べ、特に野菜の値段が圧倒的に安いです。

ワークアンドスタディバランスが秀逸

――エンジニアとしてのメリット・デメリットは?

【メリット】
御代田:東京にいるときよりも、圧倒的にスタディに使える時間が増えました。大学や図書館が街に多いこと。東京ではよくあった緊急案件がほぼないこと。エンジニアオンリーのオフィスであることなどが理由だと思います。

平山:福岡も同じです。東京にいたときよりも、先の時間的余裕も含め、集中してできるようになりました。学びにおいては、福岡オフィスは特に外国人が多いので、英語を勉強しなければと、いい意味で刺激を受けています。

緒方:東京だとどうしてもエンジニアの数が多く、空いているポジションも少ないです。一方、福岡GTはまだ立ち上がったばかりということもあり、真逆です。空いているポジションがあるので、やる気さえあれば、チャレンジできる環境です。僕もディレクターというポジションですが、裁量が大きくなったことで、新たなやりがいが生まれています。

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【デメリット】
御代田:事前に3人で話したのですが、正直、デメリットはほとんどありません。あえて挙げるとすれば、技術的な刺激が、東京と比べると落ちる点です。ただその問題は、各拠点にいる我々が盛り上げることが責務だと捉えています。

平山:東京にいれば、待っていても情報が入ってきました。それが地方になると、自分から動かなければ得られなくなります。ただ地方に行くモチベーションがある方なら、能動的な方がほとんどだと思いますので、特にデメリットではないと思います。

緒方:京都・福岡に限らず、東京以外のあらゆるエリアでのデメリットだと思いますが、どうしても大きなカンファレンスは東京で開催されます。そのため参加する際には東京にいたころより時間調整が厳しくなりますし、交通費も多くかかります。

【その他】

Q: 社内の勉強会や論文輪読会がありますか?

A:週に一回社内勉強会をしています。輪読会はエンジニアが有志でやっています。

Q: 社内コンペや、プロコンといったことは行っているのでしょうか。

A:年に一回 workshop を開催していて、自由なテーマで Hackathon をやっています。IoT など普段全く使ってない技術を使うチームも多いです。

Q:アサインはどのように行われる?また、サービスチームと専門チーム間の異動はあったりするのでしょうか。

A:福岡も京都も、サービス開発に関しては入社時に考え得る選択肢の中から選んでもらうケースが多いです。専門チームへの異動は本人希望から社内公募まで実績がありますが上長判断での異動というのは無いです。異動先でスキルチェックをして受け入れ判断をしています。

Q: 入社のためにどういった準備や努力をされましたか?

A:CSの基礎知識の復習やコーディングテストに慣れておくことはしました。

Q:自転車通勤は許可されているか?

A:問題ありません。会社近辺に住んでいる社員も多く、自転車通勤は許可されています。

Q:そのほかの福利厚生は?

A:働く環境においては、昇降デスクを完備しているので、スタンディングで仕事することもできます。またチェアやマシンも最新のものを手配するようにしており、エンジニアが仕事をしやすい環境を整えています。 また外国籍メンバーが多いオフィスでは語学支援なども充実しています。

【フィンテック、金融サービス領域に進出】

アジアでナンバー1のフィンテックプラットフォームを構築する

パネルディスカッションの後は、ラストセッションが行われ、執行役員でもある池田氏が登壇。LINE Payはもちろん、株の購入などの投資、家計簿などお金の管理、ローンも含めた与信のスコアリング、保険など、次々と金融サービスをローンチしている、LINE Financial株式会社について紹介した。

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▲LINE株式会社 執行役員/LINE Financial株式会社 開発室室長 池田英和氏

「2018年の1月にできたばかりの会社ですが、『金融が変わる。LINEが変える』とのメッセージを掲げ、矢継ぎ早に新サービスを開発・ローンチしています。LINEと聞くと、メッセンジャーアプリの開発会社とのイメージが強いようですが、SIer出身のエンジニアの得意領域であるような、堅牢なシステムも開発・構築していることを知ってもらいたい。また興味がある人はぜひ仲間に加わってほしい」(池田氏)

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このように会場に訴えかけると共に、実際、先の登壇者が説明したVerdaなどを使い、LINE KYOTOでも開発が行われていると説明。「アジアでナンバー1のフィンテックプラットフォームを構築する」との展望を強い言葉で述べ、本日のセッションを締めた。

参加者が直接エンジニアに相談できる個別面談会・懇親会

セッション、パネルディスカッションが終わった後は、参加者が直接エンジニアに相談できる個別面談会を実施すると共に、懇親会も並行して開催。個別面談会では先に登壇したメンバーはもちろん、さらに多くのメンバーが加わり、参加者からの相談に親身になって応えた。

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