ボストン コンサルティング グループ(BCG)のデジタル組織「DigitalBCG」の多様な働き方とプロジェクト事例
「Unlock your potential」を掲げ、クライアントのデジタル戦略をサポート
オープニングに登場したのは、BCGのマネージングディレクター&パートナー山形佳史氏。まず、山形氏はボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)とDigitalBCGについて紹介した。
ボストン コンサルティング グループ
マネージングディレクター&パートナー 山形 佳史氏
一橋大学商学部卒、ロンドン大学経営学修士(MBA)。日本IBMを経て、現在に至る。BCGテクノロジーアドバンテッジ(TA)グループ、および保険グループのコアメンバー。
BCGは日本でもナンバーワンの実績を持ち、業界のリーダーとして圧倒的なクライアントポートフォリオを保有している。
「BCGは、世界で最も高い価値を創出しているプレミアムコンサルティングファームです。CEOのトラステッドアドバイザー(信頼できるビジネスアドバイザー)として、CEOの方々から直接ご相談を受けることもあります」と山形氏は言う。
BCGが日本にオフィスを開設したのは50年以上前で、米ボストンに次いで2番目に開設された拠点だ。顧客構成は日本企業が70%で外資系企業は30%と、日本の経営コンサルティングファームとして圧倒的なポジションを確立している。現在、東京の他、名古屋、大阪、京都にオフィスを構えており、福岡にもオフィスを開設予定である。
BCGはVorkers(現OpenWork)の「働きがいのある企業ランキング2019」で4位にランクインしており、サステナビリティをキーワードに、長く活躍できる環境を整備している。
また、BCGは「Unlock your potential(アンロック・ユア・ポテンシャル)」というパーパスを提示して活動している。「これには2つの意味があり、1つはクライアントや社会の可能性をアンロックすること。そして同時に、あなたの可能性をアンロックすることであり、これらが我々BCGの存在意義である」と、山形氏は力強く語る。
ここ10年、デジタルによって世界は大きく変化している。データをはじめとしたテクノロジーを、早期にインパクトへ変換できる企業が勝ち組になるが、多くの企業はその変化への対応で悩んでいるのが実情だ。
だがBCGはこの10年でデジタル×経営戦略で圧倒的なケイパビリティを培ってきた。BCG Japanではデジタルテクノロジーを活用して経営のインパクトに繋ぐべく、DigitalBCG Japanを創設。DigitalBCG Japanのエキスパートと、ビジネスや各業界に精通したBCGのコンサルタントがチームを組み、伝統的な企業をアンロックすることをミッションに協業している。
DigitalBCGは、4つの組織で構成されている。全社戦略としてのIT/デジタル戦略を立案する「TA(テクノロジー・アドバンテッジ)」、デジタルに関するテーマ別のエキスパート集団「Platinion(デザイン&テクノロジー)」、アナリティクスに特化したエキスパート集団「GAMMA(アドバンストアナリティクス)」、デスラプティブ/イノベーティブな新規事業の創出に特化した「BCG Digital Ventures(以下、BCGDV)」である。
DigitalBCGの強みには、「大きく3つある」と山形氏。第一に、CxOレベルの悩みである「経営の根幹としてのデジタル」戦略を提案できること。第二に「ワンチームモデル」。多くのプロジェクトが複数デジタルチームの混合モデルであり、インパクトを出すところまで支援する。
第三は「中立性」。特定のベンダーやソリューションにとらわれることがない。場合によっては、「やらない」という解もあると山形氏は語る。
DigitalBCGが取り組む、国内物流企業のDX事例
続いて登壇したのは、BCGマネージングディレクター&パートナーの有本憲司氏。BCGではどんなプロジェクトを動かしているのか。DigitalBCGが行った国内物流企業のDX事例を紹介した。
ボストン コンサルティング グループ
マネージングディレクター&パートナー 有本 憲司氏
アクセンチュアを経て2013年にBCGに入社。BCGテクノロジーアドバンテッジ(TA)グループ、保険グループのコアメンバー。金融、保険、通信、エネルギーなど、様々な業界の企業にデジタル戦略の支援を行っている。
今回の事例では、戦略策定に加え、実行プランの作成、プランの実行までワンチームで支援したと有本氏は語る。具体的には大きく3つのステップでプロジェクトを推進。第1ステップでは、戦略アジェンダの策定を実施したという。
「社長を含めた経営陣の方と集中討議を行い、次世代の戦略アジェンダを策定。ステップ1を担当するのは、主にBCGのコンサルタント。ここで策定した戦略アジェンダは、中期経営戦略にも盛り込まれて発表されました」(有本氏)
ステップ2では、構造改革プランの策定を実施。「BCG GAMMA」「BCG Platinion」「BCG Technology Advantage(BCG TA)」のメンバーが参画し、戦略アジェンダ別に役員・実務メンバーのタスクフォースを立ち上げ、次世代構造改革プランを策定する。
ステップ3では構造改革プランを実行する。構造改革プランの中でも、より難易度と重要性が高い領域を中心に、BCGがプロジェクトの立ち上げを支援。プロジェクトは「現在も支援している」と、有本氏は説明する。
なぜ、戦略策定以降もBCGが選ばれるのか。有本氏は、その理由をこう言い切っている。
「第一に、戦略アジェンダの策定から携わるため、経営の描いた戦略と構造改革プランの中身が乖離せずに具体化できること。第二に、戦略立案者とデジタルのエキスパートが連携し、双方の観点でプロジェクトの推進を支援するため、意思決定が発生する場面では、経営陣に対してスピーディな判断を促すことができることです」(有本氏)
BCGでDXに取り組む3つの魅力
BCGでDXに取り組む魅力は、「大きく3つある」と有本氏は語る。
第一の魅力は、「事業のスケールの大きさ」。既に大規模なデータ基盤や顧客基盤を持つクライアントが多いため、新規事業であっても全国ユーザーを想定したスケールで、新規事業開発やサービスデザインに携わることができる。
第二の魅力は、「合意した戦略に基づく事業・サービス開発」ができること。実証実験の結果を見て実施を判断するのではなく、経営の意思決定が完了し、戦略として投資・実施が決定している案件をご支援するためパイロットは実施したけどそこで頓挫ということがない。
第三の魅力は、「徹底的に付加価値が求められる」こと。BCGではしっかりと価値を提供できる、パフォーマンスの高い事業・サービスを生み出すことを命題にしている。「コンサルタントとエキスパートが協力し、社会的なインパクトを創出できるところが、BCGでDXに取り組む魅力」と有本氏は言い切り、セッションを締めた。
BCGが手がける新規事業プロジェクト事例を紹介
2つ目のプロジェクト事例を紹介したのは、BCG Digital Ventures エンジニアリングディレクター山家匠氏。どのように新規事業を展開していくのか、当事者ならではの視点で語ってくれた。
BCG Digital Ventures
エンジニアリングディレクター 山家 匠氏
証券系SIerで基幹系の大規模システム開発に携わった後、グリーでGREE Platformの開発やGREE International立ち上げに従事。Apprioを経て、BCG Digital Ventures Tokyoへ参画。エンジニアチームを統括。
山家氏が紹介したのは、パーソナルスタイリングサービスを展開するDROBEのMBO事例。 DROBEとは、プロのスタイリストが、ユーザーの嗜好や体型、予算に応じた商品をスタイリングして定期的に届ける。そして届いた商品は自宅で試着し、気に入った商品のみを購入できるというサービスである。
このプロジェクトは、三越伊勢丹からBCGDVにアイデアが持ち込まれたことから始まった。三越伊勢丹が持つリアル店舗でのスタイリングノウハウと、BCGDVの新規事業立ち上げのケイパビリティを掛け合わせてプロジェクトを始動。2019年4月に会社を設立した。CEOとCTO、COOはBCGDVの出身者、CMDOは伊勢丹の出身者が務めている。
「プロジェクトが始まった1週間後には、ランニングページと通話アプリを使った簡単なサービスをローンチさせて、ユーザーの反応を確認。そこで本格的なサービスの仕様を決め、サービス開発を開始し、インキュベーションフェーズが始まりました」(山家氏)
一般的なスタートアップと同様に自分たちで開発を進め、開発→トライアル→KPIを見ての改善を2~4週単位のサイクルで繰り返す。BCGDVはサポートするだけではない。クライアントと一緒にチームを組み、当事者として新規事業を立ち上げていくのである。
協業体制としては、コーポレートパートナー(CP)からのメンバーとBCGDVのメンバーでチームを組み、ボードメンバーはCPの役員とBCG+BCGDVのパートナーが務める。
BCGDVは、戦略策定から開発、グロースまで、新規事業に関わる全てをカバーして取り組む。DROBEのケースでは、戦略策定はBCGと共に行い、その後のサービス設計や開発、グロースなどはBCGDVが担当した。
「戦略から関わることで、PoCではなくインパクトの見込める事業にフォーカスできるのが当社で働く魅力。このように新規事業に関わる一貫した取り組みを支えるため、様々な専門職種の人材が働いている」と、山家氏は語る。
ベンチャーアーキテクト、プロダクトマネージャー、エンジニア、エクスペリエンスデザイナー、ストラテジックデザイナー、グロースアーキテクトという各分野のエキスパートと協働することができる。
「例えば0→1の局面では、お互いの境界なく、それぞれの領域でコラボレーションしながら働くことで、アンロックされた感覚が得られる。新規事業に興味があり、自分の専門性を活かしつつ経験を広げたい人には、BCGDVがお勧めです」
最後にこう語り、山家氏はセッションをまとめた。
4人のメンバーが明かす「DigitalBCGでの多様な働き方」
最後のセッションは、「DigitalBCGでの多様な働き方」をテーマに語り合う座談会。 モデレータを務めたのは、有本氏。座談会には、BCG TAのコンサルタントの鎌田珠里氏、BCG Platinionプロダクトリードの近藤あやの氏、BCG GAMMAアソシエイトディレクターのヴァンワースム ダニエル氏、BCG Digital Venturesリードプロダクトマネジャーの丸山由莉氏の4人が参加した。座談会では5つの質問に答える形で進んでいった。
●BCGに入社したきっかけ、理由は?
有本:丸山さんはスタートアップを経験した後、BCGに入社していますが、どのような経緯があったのでしょうか。
丸山:米サンフランシスコの大学に在学中、いつか日本でスタートアップを立ち上げ、面白いことをやりたいと思っていました。そのためのキャリアパスとして、銀行かコンサルティングファームでビジネスの基礎を学び、MBAを取得して起業するのがいいと聞き、BCGに入社を決めました。
3年は働くつもりでしたが、当時の仕事はスタートアップやITから離れているように感じてしまい、1年半で退社。その後、韓国のスタートアップに日本拠点の立ち上げメンバーとして参画。ビジネスをグロースさせる中でROIが一番高いと感じたのが、プロダクトの改善でしたが、自分はプロダクトマネジャーのロールでは無かったので何か言える立場ではなく、悔しい思いをしました。
その後、友人3人とスタートアップを立ち上げたのですが、資金力や自らのPMとしての能力の欠如に気づき、解散することになりました。起業への思いを持ち続けながら様々な経験をする中で、BCGDVの立ち上げ時に、先輩から声をかけてもらい、優秀なプロダクトマネジャーやエンジニアの方々と働けるチャンスだと感じて、入社を決めました。
有本:近藤さんは事業会社から、コンサル未経験でDigitalBCGに飛び込みました。そこにはどんな思いがあったのでしょうか。
近藤:最初の会社TSUTAYAでは、Webプロモーションの仕事を経てプロダクトの責任者に就き、その後様々な新規サービスの立ち上げを行いました。
その後、当時勉強していたUXにフォーカスした仕事に就きたいと考え、ファーストリテイリングに転職し、ユニクロのグローバルローンチを担当しました。同社ではUXの領域にデザインシステムを導入するなど、いろいろなチャレンジをしていたからです。
モダンな組織を取り入れていたユニクロですが、外から組織を変えていくには、経営戦略や論点、仮説思考を学べる環境が良いと思い、BCGに転職しました。
●これまでどんな業界でどのようなプロジェクトを経験した?
ダニエル:GAMMAに入社後は、医療系や金融機関、自動車など様々な業界でプロジェクトを経験しました。例えば、小売業界の需要予測を作成し、クライアントの10億円単位のコスト削減を実現するプロジェクト等がありました。物流業界でのネットワーク最適化プロジェクトでは、トラックの効率的なルーティングや負荷率を最適化し、燃料の削減も達成しました。
GAMMAではグローバル案件も多数あり、海外オフィスのエキスパートと同じプロジェクトに参画したり、クライアントの海外本社の役員たちと議論する機会も多いです。
鎌田:最近携わった案件は、あるクライアントの海外事業戦略を考え直すプロジェクトです。特殊な業界で、市場ニーズの変化や新しい技術なども、すべて俯瞰して事業戦略を組み立てることが必要だったので、海外のエキスパートが持つナレッジも活用しながら、プロジェクトを進めていきました。BCGでは海外オフィスのコンサルタントやエキスパートと協業することが当たり前なので、海外プロジェクトでなくともグローバルな環境を体感することが出来ます。
●職種の違う人たちが、どうやって力を合わせ、価値を出しているのか?
近藤:私が今携わっている案件では、BCGの戦略コンサルタントはもちろん、GAMMAのメンバーとも一緒に取り組んでいます。エクスペリエンスデザイナー、グロースアーキテクトなどバックボーンもさまざま。私自身、コンサル業界は未経験であり、自分のスキルが通用するのかという不安もありました。実際にやってみると、メンバー同士が互いに足りない部分を補い、アドバイスをくれるので、不安なく進めることができました。
細かなところでは資料の作り方、議論が活性化する方法など、様々な領域のメンバーが指摘してくれます。そういう教え合う文化が根強くあるからこそ、より高い成果が出るのだと思います。
有本:BCGでは経営課題に対峙するため、独力で問題を解決するのは不可能です。そのため、多様なコンサルタントやエキスパートと協業することが当たり前であり、自分に持っていないものを認め合う文化がある。それがBCGで働く大きな魅力の一つだと思います。
●日々の働き方や、ワークライフバランスはどうか?
鎌田:私は昨年8月に出産し、今年4月に職場復帰しました。その後1カ月間は、9時から16時までの時短勤務でしたが、現在は9時から18時までの勤務としています。勤務時間や形態は自分で変えることができます。またプロジェクトの業務量については、ケースリーダー(プロジェクトをマネージする責任者)と対話をして、決めています。
ダニエル:職場はフレキシビリティが高く、勤務時間が決まっているわけではありません。プロジェクト期間内に、解決すべき課題が解決できていればよいからです。私には子供がいますが、保育園の送り迎えはほぼ毎日私が担当しています。ワークライフバランスも大事にしている会社だと思います。
有本:BCGは忙しい側面ももちろんありますが、非常にフレキシビリティのある環境だと思います。私もダニエルさん同様、いまでも毎朝子どもを保育園に連れて行っています。PTOというプロジェクトでの働き方の改善を行う取り組みも浸透しており、プロジェクトの開始時や道中で、個々人が働き方として重視する点の確認や、WLBが確保できているのかなどの確認を行いながら、継続敵に改善策を考えます。
●今後のキャリアをどのように考えているか
近藤:プロダクトマネージャー(PdM)やエクスペリエンスデザイナーなど、新しい役割を担う人材が本来の目的通りにうまく機能するには、組織や意思決定の方法、経営者のマインドが重要です。 このような職種が日本企業に浸透し、新たなチャレンジを目指すデジタル人材が、働きやすい環境をつくることがこれからの目標です。
【Q&A】参加者から寄せられた質問を紹介
■セッション後、Q&Aタイムにて紹介・回答された質問
Q.事業会社のプロジェクトとコンサル会社のやり方で一番違いを感じたこと、キャッチアップに苦労されたことはあるか?
近藤:例えば、事業会社では「木を切る」というミッションがあったら、どんな方法でも木を切れば良いとされます。それがローコストでスピーディーであれば、より良いとされる。一方、コンサルファームはまず斧を用意し、やり方を教えて去っていく。コンサルタントがずっとやり続けるとお客様自身が「木を切る」ことが出来なくなってしまうので、いかにお客さま自身で同じ問題を解決できるか、やり方と武器を与えて去る。それが違いだと思っています。
Q.前職のコンサルファームと比較して、BCGの強みは何だと思うか?
鎌田:BCGの強みは、シニアパートナーのコミットメントが非常に強いこと。クライアントのコンテキスト理解力も高いところですね。
有本:BCGにはCTM(ケース・チーム・ミーティング)という毎週数回、シニアチームにレビューしてもらう機会があります。そこで、シニアチームからインプットをもらうことで足りない論点を議論したり、経営目線へ視座をあげることが出来ます。これにより徹底的にスキルが磨かれます。もう一つは、戦略から実行までを担当するなかで、戦略、デジタル、SIのように組織が分かれていないこと。これにより戦略が上位で実行や下流という発想にならず、戦略コンサルタントとデジタルエキスパートが対等な関係で協業することが出来ます。
Q.入社後、顧客の担当するまでの期間はどのくらいか?また、語学力はどの程度のスキルが必要とされるのか?
山形:新卒社員も含め、すぐにクライアントの前に出ることが期待されます。語学力については、学んでいく意欲のある人が望まれます。
有本:語学はできた方が仕事が圧倒的に楽しいです。研修やプロジェクトでグローバルとの連携は日常茶飯事。入社時点では外国語があまり得意ではないメンバーもいますが、入社後にはしっかりと勉強して頂きますし、勉強して頂いた方がBCGで楽しく働けると思います。
Q.人材形成のための1on1は、どの程度の頻度で実施しているのか? また、リモートワーク下で部下のキャリア形成に気をつけていることは何か。
有本:当社では一人につき一人のキャリアアドバイザーがつき、仕事での総合的な評価を行い、1on1での相談や育成も担当します。私の場合、プロジェクトメンバーとの1on1は毎週1回15分間実施しています。キャリアの相談頻度は人によりますが、少なくとも四半期ごとに時間を設けています。
山家:1on1は2週間に1回1時間ぐらい行っています。職種によっても違うかもしれませんが、エンジニアとしてどういうキャリアを歩みたいかについて話すことが多いですね。
山形:最も少ない人で半年に1回。毎週1回話すことが多いと思います。
有本:求めると答えてくれるのがBCG。人材育成にかける時間は事業会社や他コンサルファームと比較しても圧倒的に多いと思います。
Q.プロジェクト主体で働くイメージだが、日々の定型業務はないのか?
有本:メンバーレベルの場合、日々の定型業務はほぼありません。基本的にはプロジェクトに注力して頂きます。管理職になると、プロジェクト以外に採用活動や育成活動(キャリアアドバイザーなど)など、BCG自体を運営するための仕事も担当します。
Q.リモートワーク、常駐、出張に関して、現時点と今後の見通しを聞きたい
有本:今までのように常駐だけではなく、常駐とリモートのハイブリッドモデルなど、より柔軟な働き方になるのではないかと考えています。
山形:COVID-19の拡大で、不要だったことが明確になりました。ハイブリッドでの働き方が進んだ今、常駐だけの環境には戻らないと思います。
山家:意外にリモートでできる業務もあれば、対面の方が効率的な業務もありますからね。
有本:例えばブレストはみんなで集まった方が効率的にできますし、コロナが落ち着いてきたらF2Fでコミュニケーションするためにも飲みに行ったりはしたいですね。今後は、チームごとに最適なやり方を模索していくことになると思います。
■イベント中には紹介・回答できなかった質問
Q.トップダウンでアルゴリズムを立ててデータ基盤として実装していくという点ですが、アルゴリズムが結果的に効果的では無かった場合等はあるのでしょうか?その場合、当該アルゴリズムは見直しまたは、破棄となるのでしょうか。
A:アルゴリズムは通常、戦略コンサルタントとクライアントと連携し、クライアントのビジネスを十分に理解した上で、適切なモデリング・アプローチを決定します。アルゴリズムが効果的でない場合、一般的にアルゴリズム自体の問題というよりは、前提となるビジネス理解や課題の把握が不足していることが原因であるケースが多いので、戦略コンサルタントと手を取り合って問題解決の方向性を議論し、アルゴリズムを改善していきます。
Q.各々のポジションにおける一番の醍醐味は何ですか? 一番の失敗談と、コンサルならではと考えるリカバリー方法を教えてください。
A:各ポジションにおいて自身のエキスパティーズを専門家として最大限に発揮できることにあると思います。戦略が上位で、デジタルは下位という発想ではなく、エキスパートが戦略コンサルタントと対等に戦略策定に参加し、エキスパート視点での意見が取り入れられるのは、BCGならではだと思います。
個人的な一番の失敗談は戦略を立案して実行段階であとは自分達でやるからBCG抜きで大丈夫と言われてしまい、結果、やはり戦略がうまく実行されなかったケースです。新会社設立や他社との協業、組織変更/役員人事など、CXOと対峙しているBCGならではの大胆なレバーをひくことができるので、アカウントチームと議論しながら着実に戦略を実践できるように推進していきます。
Q.スタッフレベルで入社されるメリットやそのような方への期待をお伺いしたいです。各業界や他ファームで一定の専門性を身につけられてから入社される方が多いイメージですが、どのような面白みがあるのか聞けると幸いです。
A:若手でご入社される方には、特に、コンサルティングファームで成長していく伸びしろがあるかと、特定の業種や領域に対する熱意やこだわりをお持ちであることを期待しています。若手で入社された方が、各職種のプロフェッショナルな先輩方からOn the Jobで学ぶ機会を豊富に持てますし、一方で、若手であっても責任あるプロジェクトメンバーの一人としてアサインされるので、BCGの大きな仕事に貢献したという実感ももって頂ける醍醐味があるかと思います。
Q.1つのチームが戦略から実行までとなると、1案件に携わる期間が戦略オンリーの案件より長くなると思うのですが、比較した時に平均的なアサイン期間はどのくらい長くなりますか。
A:目安としては1プロジェクトは平均3ヶ月程度かと思います。長いものだと1年以上続くものもあります。その場合においても3ヶ月程度の単位で本人の継続アサイン意志確認を行うと共に同じプロジェクトに長くいても成長スピードが緩まないように配慮するなど、双方にとって意義のあるアサインとなるように配慮しています。
Q.木の切り方を教えて去る仕事という例えについてですが、クライアント内の社員のデジタルスキルが低い場合、どのように支援していますか。(開発業務を受注するのではなく、スキルのある人材採用や開発チームの立ち上げ、研修などを支援するイメージでしょうか。)
A:クライアントの皆様へは、プロジェクトの中で研修を実施させて頂きスキル向上を図って頂くこともありますし、必要に応じてピンポイントで人材採用や、新しい協力会社の紹介などのお手伝いをさせて頂くこともあります。加えて、BCGとの仕事ではクライアントといえど作業をBCGに丸投げすることは許容しませんので、BCGのメンバーと一体となってプロジェクトを経験して頂くことが、クライアントの担当者の育成につながっており、クライアントの経営層がBCGを採用して下さる理由の一つとなっております。
Q.お客様とは、何をもって成功とすることが多いでしょうか?デジタルが絡むと検証までに時間もかかると思い。
A:成功の定義はクライアントにより多種多様です。実際にトップライン向上やコスト削減、顧客満足度向上など、KPIの貢献をもって成功とする場合も御座いますし、「全社で組織横断のDX検討体制を構築することが出来た」、「新しいアジャイルな働き方を導入し全社展開する素地が整った」など、定性的な目的を達成することで成功とする場合も御座います。BCGは焼き畑農業的な仕事はせず、クライアントと長期的なリレーションを構築することを目指しており、プロジェクトごとにBCGとしての付加価値の定義を行い、真摯にそれを実践するカルチャが根付いています。