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インタビュー

「コードを書くのも、組織を考えるのも同じですよ」DeNAのゲームを運営するマネージャーに聞いたマネジメント論

DeNA Games Tokyo

「コードを書くのも、組織を考えるのも同じですよ」DeNAのゲームを運営するマネージャーに聞いたマネジメント論

株式会社DeNA Games Tokyoは、ソーシャルゲームの「運営」に特化した事業を展開する企業だ。

ゲームの運営といっても、いわゆる保守業務を行っているわけではない。ソーシャルゲームを長年運営してきたDeNAの知見を活用し、リリースされたゲームが最適な状態になるよう、ビジネスと技術の両面から常に新しい改善を実施している。

既にリリースされているゲームに対する改善を同社では、どのような体制で行なっているのだろうか。技術部の部長を務める平岡洋祐さんにお話を伺った。 Alt text

平岡洋祐(ひらおかようすけ)/株式会社DeNA Games Tokyo 技術部部長。1988年生まれ。和歌山県出身。和歌山大学卒。2011年、新卒で株式会社ディー・エヌ・エーに入社。2016年、DeNA Games Tokyoへ入社。野外ロックフェス好き。

研修最下位から、技術部部長へ。

―― まず、平岡さんの経歴をご紹介ください。

平岡 私は大学時代に情報系の学科を選考はしていたのですが、プログラミングは特にやっていなかったんです。でも、「モノを作れるとカッコいい」という思いがあって、エンジニア志望でDeNAに入社しました。

―― では、エンジニアリングは社会人になってからスタートされたのですね。

平岡 そうですね、未経験でした。入社後のエンジニア研修は最下位で卒業しています(笑)。

研修が終わった後、初めて参加したのがスマホアプリゲームの「牧場ホッコリーナ」です。

その後は、ブラウザゲームの「ワンピースグランドコレクション」というタイトルにアサインされました。「ワンピースグランドコレクション」は、事前登録ユーザー数が数十万人いて人が足りなかったんです。

しかし、「ワンピースグランドコレクション」はそれだけの大きなプロジェクトですから、エンジニアとしてスペシャルな人、企画側のスペシャルな人、その両方ハイブリットでこなせる人がたくさんいて、とにかくすごいスピード感でプロジェクトが回っていて、とてもいい経験ができました。

―― 平岡さんは現在マネジメントを行う役職ですよね。初めてマネジメントに関わったのはDeNAに在籍していた頃ですか?

平岡 そうですね。「ワンピースグランドコレクション」の後にもいくつかのプロジェクトに参加しましたが、まずリードエンジニアとしてチームのテクニカルな面を見るようになりました。

マネージャーとして人事的な評価なども見るようになったのは、さらにその後、2016年の初めくらいのことです。

―― マネージャーへの就任はご自身で志願したのですか?

平岡 いえ、きっかけは「マネージャーをやってみませんか?」と推薦してもらったからですね。「見ている現在」も「想定している未来」もメンバーそれぞれによって全く異なるので、コミュニケーションをとるのはなかなか難しいなとその頃は感じていましたね。

現在のDeNA Games Tokyoには2016年の9月に入社しました。こちらでは今年の2月からマネジメント職に就きまして、現在は自身でエンジニアリングは全く行なっておらず、マネジメントに専念しています。

―― DeNA Games Tokyoの事業をご紹介いただけますか?

平岡 私たちDeNA Games Tokyoは、「ゲーム運営」に特化した組織です。「運営」というと「保守」のようなイメージを持たれるかもしれませんが、リリースされたゲームをどのようにアップデートしていくのかが基本的な業務です。

―― どのようなアップデート行うのでしょうか?

平岡 例えば、運営しているゲームのひとつに「怪盗ロワイヤル」があります。2009年にリリースされた「怪盗ロワイヤル」は、当初は「お宝をユーザー同士が奪い合うゲーム」でした。

しかし、現在は「スキルを使って対戦するゲーム」になっています。こうした大きなところから、もっと細かい機能までどんどん新しい遊びを追加していくわけですね。

ゲームを開発した後に運営までするのって実はかなり大変なんです。しかも、ゲームが当たるかどうかは運に左右される部分もあります。

大当たりしたときにどのように運営すれば効果を最大化できるかは、ゲームをゼロから開発するのとは全くことなるノウハウが必要です。私たちはそこへ特化して事業を行なっているわけです。

―― 現在どのくらいの数のゲームを運営されているのでしょうか?

平岡 5つのタイトルを運営しています。タイトルによって差はありますが、MAUが数十万人レベルの規模のタイトルもありますね。

現在は親会社であるDeNAで開発したゲームの運営のみですが、将来的にはこのノウハウを活かして他社で開発したゲームの運営も視野に入れています。

エンジニアリングとマネジメントの共通点

Alt text ―― 開発チームはプロダクトごとに別れているのですか?

平岡 そうですね。ゲームのタイトルごとにチームがあります。エンジニアは約30名いるのですが、基本的には「だれがどのタイトルの担当」と決まってる形ですね。

―― メンバーはDeNAから来ている方が多いのでしょうか?

平岡 DeNAから出向しているメンバーもいますが、大多数はDeNA Games Tokyoにプロパーで入社しています。

DeNAと比較しても、「とにかくゲームが好き」というバックボーンを持っているメンバーが多いですね。

―― 開発の手法についてお聞かせください。

平岡 完全なものではありませんが、「アジャイル的な開発」を行なっています。例えばスクラムには「決めたこと以外はやらない」という前提があると思うのですが、私たちはそれはできないからです。

ゲームを運営をしている中で、だいたい1ヶ月に1回くらいの頻度でイベントを行うんですね。それがちょうどいい振り返りのタイミングになっています。イベントごとに振り返りを行い、改善するという流れがデファクト化しているように感じています。

―― 平岡さんは各チームを統括される立場だと思いますが、どのような点に難しさを感じていますか?

平岡 全員のポテンシャルをまだまだマックスまで引き出せていないのが課題ですね。

私としては「理念を繰り返し伝えること」を特に意識しています。この技術部は「サービスに向き合うエンジニアの集団」にしていきたいんです。その方向に全員が向けるように取り組んでいます。

―― 技術チームをマネジメントする人はどんな存在であるべきだと平岡さんはお考えですか?

平岡 マネージャーに求められる役割は「今後組織としてどのように進むか」「プロダクトをどのようにつくっていくのか」などを決めること、メンバーを育成することです。

「育成」や「教育」という単語はあまり好きではないのですが、具体的にはメンバーが伸びるために必要な情報を与えたり、方向を補正してあげたりする役割ですね。

エンジニアチームにもその役割を果たせるリーダー、マネージャーは必要だと思いますし、メンバーにとっての「よき先輩」であるべきと思っています。

―― エンジニア一人ひとりにもそのようなマネジメントスキルは必要だと思いますか?

平岡 全員には必要ないですね。結局、その人がエンジニアとしてどのようにキャリアを歩みたいのかという「生存戦略」によると私は思います。

エンジニアとして生きていくということは、結局はスペシャリストになるのか、ジェネラリストになるのかを選ぶことではないでしょうか。

ジェネラリストにも、「マネジメントによったジェネラリスト」や「サービスによったジェネラリスト」などがありますが、どこかを選ばなければエンジニアとしてのキャリアアップはありません。

私が想定するスペシャリストとは、グローバルでも活躍でき、日本でも指折りのスキルをもったエンジニアですが、そこまでいければマネジメント力はなくても何も問題ないと思います。

―― 平岡さんは「モノ作り」を行いたくてキャリアをスタートされたわけですよね。マネジメントに専念されている現在、自身で手を動かしたいという葛藤はありますか?

平岡 実際マネジメントに専念してから、そういう葛藤は一切ありませんね。

私はエンジニアとしてスペシャリストではありません。その自身の感覚で言えば、「コードを書くこと」も「組織のこと考える」ことも同じなんです。

私たちはユーザーのためにサービスを作り上げています。ですから、このゴールをいかに達成するのかが本質です。

そのゴールを達成する手段のひとつとして、もちろんエンジニアリングがあります。そして、組織のマネジメントもサービスをよくするための手段だと私は考えているんです。

―― エンジニアリング以外でも「モノ作り」ができるというわけですね。最後に、貴社で働く魅力を教えてください。

平岡 自分の作ったものが毎月リリースされて、ものすごいスピードでフィードバックがもらえることがおもしろい点だと思っています。そのフィードバックを元に改善を短いサイクルでどんどん回していくんです。

これは技術領域だけではなく、サービス領域でも同じです。エンジニアがサービス改善のために提案することもかなり多くありますね。

こういう環境に興味があって、自分がこれまでに作ってきた作品に誇りがあるエンジニアの方がいたら、是非一緒に働いてみたいと思います。

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