【レポート】動画サービスを支えるUIUX:急成長する動画市場[第2部] - TECH PLAY Conference 2017

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2017年8月20日(日)から25日(金)の6日間にわたり、「TECH PLAY Conference 2017」が開催されました。

本レポートでは、8月24(木)15時30分よりスタートした第5日目の「急成長する動画市場」のうち、「動画サービスを支えるUIUX」をテーマにした第2部の内容をお届けします。

当日の登壇者と内容は下記の通りです。

「女性が毎日!見たくなる動画メディアを目指した」
C Channel株式会社 藤森大樹さん

「中国市場で動画メディアを立ち上げてUI/UXで苦労してること、イケてること」
Onedot株式会社 坪田朋さん

それでは内容を紹介します!

女性が毎日!見たくなる動画メディアを目指した

藤森大樹(ふじもり・ひろき)/C Channel株式会社 デザイン室 アートディレクター。1982年生まれ。近畿大学卒。エンジニアやウェブデザイナー、アプリデザイナーとしての経験を経て、C Channelに入社。東北楽天ゴールデンイーグルスファン。

女性向けのファッション動画メディアとしてスタートした「C Channel」は、世界で1,800万フォロワーを獲得し、月間最大再生数は6億6000万回を突破。

C Channelは4つの部門から成り立つ組織体制をとっています。具体的には、動画を制作する「映像」、動画をどのように配信するか、どのようにまとめるかを考える「編成」、実際に動画を配信する「運営」、動画のデザインを担当する「デザイン」の4部門です。

現在は、「メイク」「ファッション」「ヘアアレンジ」「ネイル」など、女性の関心が高い多彩なコンテンツを、縦型の1分動画として配信しています。配信先は「LINE」「Facebook」「Instagram」「Twitter」をはじめとする様々なソーシャルメディアと、iOS・Androidの自社アプリ。アプリでは限定コンテンツの配信も行っています。

さらに、動画を見るだけではなく、動画からアイテムを直接購入できるEコマース機能も提供を開始しました。

藤森さんは「C Channel」を女性に「毎日」見てもらうためにどのような取り組みを行ってきたのかを紹介。

まず、デザイン面で直面していた3つの課題を挙げます。

  • アプリや動画をもっと魅力的にかわいく見せたい!
    コンテンツを編集する「編成」チームからあがってきた要望。「例えば、サムネイルのイメージ写真だけでは内容が伝わらないという問題がありました」(藤森さん)

  • 動画によってデザインがバラバラ
    「ファッション」「メイク」などのビューティー関連だけでなく、「レシピ」などの多くのカテゴリがあり、制作する人員も異なるので動画ごとに映像のトーンが異なる。「時には同じ動画の中でもバラバラな表現が使われていることがありました」(藤森さん)

  • ずっと見ていても飽きないようにしたい!
    長い時間アプリを見続けていると、同じ画面を見ているようで飽きられてしまう。「レイアウトが単調なのでアプリの閲覧が『作業』になってしまっていました」(藤森さん)

続いて藤森さんは、これら3つの課題を解決するためにどのように取り組んだのかを説明します。

課題1:アプリや動画をもっと魅力的にかわいく見せたい!

「女性向けメディアにとって『かわいい』とはどういうことなのかを、『デザイン』チームだけではなく『編成』と一緒に議論しました。

その結果、ユーザーの入り口となるサムネイル画像のクオリティを向上させ、『第一印象をアップ』させれば、『かわいい』と捉えてもらえるのではないかと答えがでました。

具体的には、動画のサムネイルに表示するコピーを、その動画の世界観に合わせたデザインに落とし込むんです。ひとつひとつ手作業になりますが、かわいい第一印象を持ってもらえることを目指しています」(藤森さん)

課題2:動画によってデザインがバラバラ

「『映像』チームと『デザイン』チームで、課題1でつくった入り口の画像と、動画の印象を揃えるようにしました。

具体的には、ファッション雑誌のような見た目をデザインしました。余白感があって、手書きのイメージがあって、カラーの数を抑えてバラバラにならないようにすることで、動画の印象向上をねらっています」(藤森さん)

課題3:ずっと見ていても飽きないようにしたい!

「『コンテンツがおもしろければ飽きないのでは?』という観点ももちろんありますが、UIで飽きない体験を仕組み化したかったんです。

この課題でも雑誌を参考にしました。雑誌って、基本的には初めに大きな写真があって、次のページでは写真が小さくなる構成をしていますよね。スマホの小さな画面でそのまま同じことはできませんが、そういった雑誌が持つある種の『不規則性』を再現できないかと考えました。

具体的には、特集のくくり方に統一性を持たせたり、メインのサムネイル画像の下にいくつかのバリエーションをもったレイアウトを表示するようにしています。不規則なものが表示されることで、スクロールしたときにフックになることを目的としています。

こうした自由度の高いレイアウトを『運営』チームが設定できるようにすることで、日々の更新プラスαの効果があると思います」(藤森さん)

「私たちは4つの組織で『C Channel』を運用していますが、『デザイン』チームだけではなく、それぞれのチームで『デザインの共通言語』を持つことが大切だと感じました。それが効率化と高品質化につながります。

実用的な動画はもちろん有益なのですが、『これは役に立つ動画ですよ』という見せ方をしてしまうと、やっぱりユーザーの気分は落ち込むんです。 私たちは、実用的だけど、見るとかわいくて気分がアガる動画をつくっていきたいと思います」と藤森さんは講演を終了しました。

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中国市場で動画メディアを立ち上げてUI/UXで苦労してること、イケてること

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