おかねのみらい by BASE BANK #02 ~地域経済圏の未来~を開催しました
セッション②~地域通貨の未来~
セッション②では地域通貨の未来について議論を深めます。
登壇企業のサツドラホールディングスは、メイン事業のドラッグストアだけでなく、地域マーケティング、POSシステム開発、インバウンドマーケティングなどプラットフォーム型・ソリューション型を軸に、経営の多角化を行っています。
2013年に設立したグループ会社の株式会社リージョナルマーケティングでは、北海道内で使える地域共通のポイントカード「EZOCA」を新規事業として展開し始めました。「EZOCA」は「つながる」、「楽しい」を感じてもらえるポイントカードです。
買い物中にポイントが貯まるだけでなく、自治体やスポーツチームとの連携を通して、お金が地域のコミュニティに還元されるという仕組みが特徴です。また、ママさんたちが活動を広報できるフリーペーパーの発行など、ポイントカードの枠に収まらない、コミュニティの要となる活動をしています。
このセッションでは、BASE株式会社代表取締役CEOの鶴岡裕太がモデレーターを務め、サツドラホールディングス株式会社代表取締役社長の富山浩樹氏が“地域通貨の未来” について語るセッションとなります。
ドラッグストア『サツドラ』の地域通貨への挑戦
鶴岡:僕が初めに「EZOCA」のお話を聞いて、まず気になったのがポイントカードの名前でした。普通ならサツドラポイントとかにするだろうと思ったんです。なぜ「EZOCA」と名付けたんですか?
富山:確かに「EZOCA」という名前はなかなか理解されづらかったです。
サツドラは北海道で200店舗を運営していて、サツドラ自体は北海道の人ならだれでも知っている存在です。だから、「サツドラは知ってるけど、「EZOCA」ってなんだ?」と、仕組みが理解されるのに時間がかかりました。
ただ僕は、これからはナショナルサービスのように「便利、お得」を詠うものではなく、地域のつながりや人民間、企業間のコミュニティが大切だなと思っています。
ローカルだと小さいし、ナショナルだと大きすぎる。道州制くらいの「リージョナル」な規模の経済圏が大切なんだと。だからこそサツドラだけのカードではなく、北海道好きなら誰でも入れるコミュニティ・経済圏を作ろうと思ったんです。それが『EZO CLUB point card』、略して「EZOCA」です。
今では北海道中の方々に受け入れられ、「EZOCA」の会員数は170万人越え。北海道の2世帯に1世帯以上に使われるポイントカードとなりました。提供店は北海道のみで約700店舗、「EZO CLUB コミュニティ」は、約250のコミティがあり登録者数の総計は全部で25,000人程がおります。
鶴岡:最初の「EZOCA」がなかなか理解されない時期から、みんなに受け入れられるようになったブレイクスルーポイントってなんだったんですか?
富山:きっかけはコンサドーレという北海道のサッカーチームの応援です!
「コンサドーレEZOCA」というポイントカードは、買い物をした金額の0.5%がチームに還元されるという仕組みなんですけど、サポーターのスポンサー愛が強いことから「EZOCA」が広がりました。
例えば、「コンサドーレEZOCA」のタイアップ商品でビールが販売されていたら、会員の方たちがビールを買う時には選手を応援するためにタイアップ商品を選ぶ。
「EZOCA」のネットワークに入ると地元に貢献できるというブランディングが浸透して、今では「EZOCA」の認知度も高まり、プラットフォームとして機能し始めました。
コミュニティが一体となるためにも、サツドラでなく、「EZOCA」を掲げたのがよかったなと思います。
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地域通貨のカギを握るOOとは