【レポート】カオナビの急成長を支えるプロダクト開発チームの過去〜現在〜未来

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【レポート】カオナビの急成長を支えるプロダクト開発チームの過去〜現在〜未来

2018年9月13日(木)19時30分より、「カオナビの急成長を支えるプロダクト開発チームの過去〜現在〜未来」が開催されました。

本イベントは、クラウド人材管理ツール「カオナビ」を提供する株式会社カオナビが主催。同社はHR Techの先駆けとして市場を牽引しています。当日は、その開発にまつわる物語に興味を持つ約70名が参加しました。

当日の内容と登壇者は下記の通りです。

「3年連続シェアNO.1! 1000社導入達成後のカオナビのコレカラ」
株式会社カオナビ 和賀勝彦さん

「カオナビUX戦略について」
株式会社カオナビ 森田珠奈子さん

「成長しつづけるカオナビで必要だった組織改革とは」
株式会社カオナビ 平松達矢さん

「技術負債からの脱却 〜ドベンチャーの現実から成長企業の礎の構築に至るまで〜」
株式会社カオナビ 福田健さん

それでは内容をご紹介します!

3年連続シェアNO.1! 1000社導入達成後のカオナビのコレカラ

まずは、和賀さんの登壇です。


和賀勝彦(わが・かつひこ)/株式会社カオナビ 執行役員 テクノロジー統括本部長 兼 最高技術責任者。1999年にエンジニアとしてのキャリアをスタート。ヤフー株式会社などでの勤務を経て、2017年にカオナビに参画。趣味は料理とスキューバダイビング。

和賀さんはまず人材管理ツール「カオナビ」の概要を紹介します。

「私たちは、『マネジメントが変わる新たなプラットフォームを。』というビジョンを掲げている企業です。その中で、『カオナビ』というプロダクトを運営しています。

『カオナビ』は、社員の顔写真が並ぶクラウド人材管理ツールです。100名を超えるような組織のマネジメントにおいて、多くの企業は『顔と名前が一致しない』という課題を抱えています。顔写真が並ぶことで、直感的に『この人は◯◯さんだ』とわかるわけですね。非常にシンプルな課題の解決からスタートしたサービスです」(和賀さん)

なぜ、顔写真を活用したのでしょうか? 和賀さんはその理由として、「顔が見えることの意味」を3つ挙げます。

  • 人間は、人間を名前ではなく「顔をキーにして記憶」している
  • 顔を見続けると「近接性の効果」が生じ、一体感が増しやすい
  • 顔と名前を覚えることは、「社会的報酬」を相手にもたらす

「これらは脳科学の研究でも明らかになっている事実です。

『カオナビ』の導入効果としては、クラウドに人事情報を一元管理することでの業務効率化や、優秀な人材を見える化して適材適所に配置することでの生産性向上が挙げられます。また、社員の名前を覚えて呼べることでエンゲージメントが向上し離職防止につながったり、評価ワークフローで適正な評価が可能になることでの人材開発に貢献したりもします。

手前味噌ではありますが、『カオナビ』は人材マネジメントを通じで企業の働き方改革に寄与するプロダクトだと思っています。『カオナビ』の有料での導入企業数は1100社を超え、市場シェアは3年連続でナンバーワンを獲得しました。2016年からは毎年前年比100%超えを達成しておりまして、導入企業数は倍々に増えている状況です」(和賀さん)

和賀さんは続けてHR Tech市場について紹介し、さらに「カオナビ」リリースからこれまでを振り返ります。

「HR Techが進んでいるのはやはりアメリカです。2017年の市場規模は15億ドルにも及び、年平均成長率は9%ほどです。アメリカの規模と比較すると、日本のHR Tech市場は100分の1程度です。しかし、急速な勢いで市場が成長していることは間違いありません。

『カオナビ』は、2012年にリリースされました。当初は顧客ごとにサービスをカスタマイズして提供していましたね。その後、2013年にリリースされたVer.2.0からはマルチテナント型へ移行しました。ただし、このVer.2.0では、まだカスタマイズの部分も多く残っています。

私が入社した2017年は、Ver.3.0の開発中でした。Ver3.0は2017年の4月にリリースしたのですが、その後のデータ移行には大変苦労しました。

2018年の8月には『TALENT FINDER』という機能をリリースしました。これはリクルートキャリアさんの持つ『リクナビ』の求人データベースと連携した人材採用アシスト機能です。『カオナビ』を導入している企業は、『Aさんと同じような能力の人が欲しい』『BさんとCさんの良さを足した人材が欲しい』など社員情報をモデル化した採用活動を行うことが可能です。募集要項は自動で生成されるため、担当者の手間も大幅に軽減されます」(和賀さん)

最後に和賀さんは「カオナビ」の今後の展望を語ります。

「日本におけるHR Techは、カオスな群雄割拠のステージから、キープレイヤーを軸とした離合集散の段階へと移行しています。今後はさらに顧客に最適化されるエコシステムの構築が進んでいくでしょう。

これまで『カオナビ』は、『人材データベース』を中心に、『人材管理・評価』の領域で事業を展開してきました。『TALENT FINDER』では、この人材データベースを活かし『求人マッチング』の領域へ踏み出すことができました。今後もこの人材データベースを核に、『採用管理』『労務管理』『組織改善エンゲージメント』『福利厚生・教育』など様々なHR領域へと事業を展開していければと考えています。

現在、企業の人事担当が直面している課題は、いかにデータを取得するか、いかにデータを統合していくかです。『カオナビ』は各種サービスとAPI連携し、人材データプラットフォームとしてその課題に応えていきたいですね」(和賀さん)

カオナビUX戦略について

2人目の登壇は森田さんです。


森田珠奈子(もりた・みなこ)/株式会社カオナビ プロダクトデザイングループ リードデザイナー。2009年よりウェブデザイナーとしてキャリアをスタート。株式会社LIGなどでの勤務を経て、2018年にカオナビへ入社。

講演のテーマである「UX戦略」とは何を指すのでしょうか? まず、森田さんはUX戦略について次のように解説します。

「私はカオナビに入社するまでは、主にウェブデザイナーとして活動していました。ですから、UX戦略に取り組みだしたのはつい最近なのですが、UX戦略とは『どのように会社やサービスが勝ち残っていくか』を、UXデザインの活動をすることで考えることだと捉えています。

以前は、『ユーザーのことばかりを考えると、ビジネスがおろそかになる』と考えられていましたよね。しかし、UX戦略では、『そもそもビジネスを成功させるために、UXデザインやそのプロセスが必要なのだ』と考えます」(森田さん)

それでは、カオナビではなぜUX戦略を採り入れているのでしょうか?

「この数年、『カオナビ』は前年比率100%以上の急成長を遂げています。それに伴い、社員も一気に増えたんですね。すると、トップのUX思考がプロダクトに反映されづらくなってしまったのです。

さらに、市場には様々なHR Techのプロダクトが存在します。その中で、私たちは『カオナビ』の優位性をより強くしなければいけません。これは、単純に機能を増やすだけで成し遂げられることではないですよね。

この2つが、私たちがUX戦略を採用する理由です。

反対に、もしUX戦略が行われなければ、開発した機能があまり使われずサービスが肥大化したり、経験則や推測でユーザーの行動や要望を捉えてしまったり、新しい価値の想像を『天才的なひらめき』に頼ることになってしまったりします。

そこで、私たちはUX戦略を実践するための目標として、カオナビのあらゆる判断軸に『ユーザーの体験』が置かれることを設定しました」(森田さん)

続いて、森田さんはカオナビでのUX戦略の実際の取り組みを3つ紹介して講演をまとめます。

1. 組織の変革

「まずは組織の変革を行いました。『事業戦略』『マーケティング』『セールス』『サポート』の各部署におけるUXデザインを統合して遂行する部署を設立したのです。これが『プロダクト本部』という部署です」(森田さん)

2. ユーザーの声を取り込む

「次に取り組んだのが、ユーザーの声を取り込むことです。プロダクトの改修からUXデザインプロセスを実施しようという試みのひとつですね。

私たちと接するお客様は、決済権を持つ経営者や人事の担当であることがほとんどです。しかし、それだけではなく、『カオナビ』によって評価をされる社員も取り込めるようにしたいと考えています。

また、お客様と接する私たちの部門は、セールスやサポートです。そこで得たユーザーの声を、開発メンバーにもきちんと共有していきます」(森田さん)

3. 文化を作る

「UX戦略の最後のフェーズでは、社内に文化や制度を作ることが求められます。それは一度だけではなく、誰でも繰り返し取り組めるようにするためです。

カオナビではまだ制度を作るまでには至っていませんが、全社への文化浸透が大切だと考えています。そこで、業務に直接影響はない、接触する範囲でのUXデザインプロセスを計画しました。具体的には、ユーザーの声を社内にフィードバックする場を作ったり、制作に関係ない人でも参加できる社内のエクスペリエンス改善プロジェクトを立ち上げたりしています」(森田さん)

最後に森田さんは「『カオナビ』は、マネジメント課題を解決する機能を、お客様から『ほしい』と言われる前に提供する人材プラットフォームへと変わります。そのために、私はUX戦略の取り組みを続けていきます」と講演をまとめました。

成長しつづけるカオナビで必要だった組織改革とは

3人目は、平松さんの登壇です。


平松達矢(ひらまつ・たつや)/株式会社カオナビ プロダクト本部長 兼 事業戦略グループ マネージャー。サーバーサイドエンジニアとしてキャリアをスタートし、PMやマーケティングなどを担当する。2012年より株式会社コロプラで勤務し、2017年にカオナビへ入社。

まず、平松さんはカオナビがどのような組織なのかを振り返ります。

「以前のカオナビは、いわゆるベンチャー企業でした。社長がほとんどPMを担当しており、少数精鋭で、ペーパーレスで運営し、スピード感を持って次々にリリースしていくわけです。

しかし、急成長に伴い組織は大きく変化しました。2017年3月には社員数が40名くらいだったのですが、現在は130名くらいの体制になっています。

その結果、新たに参加したメンバーからは様々な声が聞こえるようになります。中でも最も多かったのは『仕様書ってどこですか?』というものです。これは、ペーパレスでシード・アーリーステージを乗り越えたベンチャーに『あるある』の状況です。

さらに、経営陣は『全員の仕事をちゃんとみたい』という要望を持っていました」(平松さん)

この2つの課題はどちらも「情報」に関連したものであったため、平松さんはツールを使って次のように解決を試みます。

1. 仕様書ってどこですか?
→ ナレッジシェアツール「esa.io」の導入

「『esa.io』は、まだ新しいナレッジシェアツールです。なぜ『Confluence』などの有名なツールではなく、『esa.io』を採用したのかといえば、その理由の3つあります。

まず、ひとつは『esa.io』に権限設定がないからです。私たちは、秘密にすることを極力避けています。それはマネジメントコストの増加につながるからです。生産性を追求し、定時に帰る文化のカオナビでは情報共有のコストについても日々改善に取り組んでおり、その前提として権限設定がないという『esa.io』の思想がとてもマッチすると思ったんです。

次に、簡単に使えるツリー構造が気に入りました。私たちの組織は機能別にわかれています。ですから、隣のチームのことが知りたいんですね。そのときに、エンジニアでなくとも使えることが重要でした。

最後は『かわいい』という点ですね。カオナビが目指している世界に近くて共感できました。

運営にあたっては、『楽しむ』『ガイドラインは自分たちで決める』『みんなが使い始めてからバックオフィスに運営移管する』『本来のナレッジシェアツールとしての運用は最後に考える』という4つのルールを設定しました。

実際の運用は4月からスタートしたのですが、メンバーは平均10ポストしてくれています。利用しているメンバーからは『100人以上の規模でもベンチャーらしい文化を残せた』『営業の肌感を開発にダイレクトに伝えられる』『QAとサポートがお互いの失敗談から学び合え、辞書もできた』『普段話さない人ともコミュニケーションできる』といった声が寄せられています」(平松さん)

2. 全員の仕事をちゃんと見たい!
→ ダッシュボードツール「Superset」の導入

「『Superset』を使いこなすと、各エンジニアがどのくらい仕事をしていて、どのくらいの生産性があるかなどが、ビジュアルで把握できるようになります。この状態に持っていければ、経営者も安心できるだろうと考えました。

この理想を実現するためには、『Superset』が利用できるようにプロジェクトを適応させる必要があります。しかしながら、当時は『プロジェクト管理』の概念すらない状態でした。『Redmine』は初期インスコ状態でプラグインは何も入っていませんでしたし、ブレストの内容がメモ的に書かれてはいるもののチケット機能は使われていませんでした。実際のステータスはマネージャーの脳内にしかありませんでした。そのため、必然的にエンジニアは細かな報告をする必要があり、その報告に大幅な時間をとられていたんです。

そこで、私はまずフローを『Redmine』へ集め始めました。メールやチャットで決まっていたルールを廃止するわけです。この対応には毎月段階的に取り組んで、6ヶ月もの時間が必要でした。

次に行ったのが既存のチケットの棚卸しです。過去のチケットについてはみな経緯がわからないため、毎週合宿を行い全ての棚卸しに4ヶ月掛かりました。

そして、最後は『働きやすいフローのための属性設計』、『報告しやすいような属性設計』という2つの視点からのトラッカー設定です。こちらは比較的うまくいき、月に1回ブラッシュアップを重ね、3ヶ月ほどで望んだ状態になりました。

現在は、経営者が各メンバーからの報告なしに仕事を把握できるようになっていますね。オーバーワークになっているバリューチェーンが一発でわかったり、課題が仕分けされアサインが正しく行われているかがわかったりもします。生産性がどのくらいなのかを自動的に報告できますし、自動で報告できることによりソースを触る時間が増えるという好循環もうまれました」(平松さん)

最後に平松さんは「組織のルール作りや使い方まで決めていくことは、設計に似ています。例外処理をきちんとデザインしてリファクタリングするような感覚です。ですから、エンジニアの感覚は、組織を作るのに向いていると私は考えています」と講演をまとめました。

技術負債からの脱却 〜ドベンチャーの現実から成長企業の礎の構築に至るまで〜

最後の登壇は福田さんです。


福田健(ふくだ・けん)/株式会社カオナビ クノロジー統括本部 エンジニアリンググループ シニアマネージャー。新卒で着メロ運営会社に入社し、エンジニアとしてのキャリアをスタート。その後、株式会社コロプラでの勤務を経て、2015年にカオナビへ入社。趣味は釣り、ダーツ、将棋。

まず、福田さんは「技術負債がなぜ生まれるのか」を説明します。

「私が入社した2015年2月は、『カオナビ』の導入企業数が本格的に伸びる直前の時期でした。当時代表から『エンバグがたくさん出るからなんとかしてほしい』と言われたのですが、入社して蓋を開けてみると技術負債がとんでもなく溜まっていて、入社前の私の想像の1000倍くらいの負債はありました。

少人数で開発しているのになぜここまで技術負債があるのか、私は不思議でなりませんでした。

当時はまだそれほど多くの企業が『カオナビ』を導入していたわけではありませんでした。しかしながら、そんなフェースで導入してくださる企業はいわゆるイノベーターと呼ばれる層が多く、自社の人事の課題について明確な解答手法のイメージを持っていました。もちろん、企業は利益を生むために活動していますから、そういったお客様に『カオナビ』を導入してもらわなければいけませんでした。

その結果、売上のために、目先のことだけ考えてお客様の個別の要求を受け入れ、とりあえず動くものをつくる、というサイクルを繰り返していたのです。この負のPDCAが技術負債の原因でした」(福田さん)

それでは「カオナビ」は具体的にどのような技術負債を抱えていたのでしょうか? 福田さんはレイヤーごとにその技術負債を紹介します。

■アーキテクチャレベル

「アーキテクチャは『SaaSなのに冗長化も満足になされていない、なんちゃってSaaS』とでも呼ぶべき状況でした。

主な問題は5つありました。

顧客ごとにデプロイするので時間がかかり運用コストが莫大であること、50社で1台のウェブサーバーとDBを共用しているので他の顧客の負荷がもろに影響すること、顧客が増えれば構成を追加しなければならずコストがかかること、MasterDBしか存在せずCSVなどの大量データの更新に不向きなこと、全文検索のインデックス更新で度々ハングアップすることの5つです。

これらを解決するために、まず顧客ごとに展開していたソースを共通化し、負荷に耐えられるようにウェブサーバーとDBを冗長化することで、顧客の増加がコストに影響しにくい構成にしました。

さらに、インデキシング機能をDBから分離し、DB自体もAuroraにスペックアップすることでサービス全体の安定性をより考慮した構成にしました。」(福田さん)

■データベースレベル

「データベースを構成する上で、『やってはいけないこと』が2つあると考えています。それは、『データの整合性がとれていないこと』と『正規化されていないこと』です。

データの整合性がとれていなければ、『不整合の修正』や『正の状態の把握』の難易度が上がります。また、正規化されていなければチューニングコストと開発コストがとても高くなりますよね。

そして期待通りというか非常に残念なことに、私が入社した当時の『カオナビ』は、この2つの禁忌を見事にどちらも侵してしまっていました。『MyISAM』を使っていてトランザクションを張れなかったり、複数のテーブルで同じデータを持っているのに論理矛盾していたりと問題が山積していました。ツギハギだらけで正規化されていないDBだったのです。

正直このレベルの正規化を行った経験はなかったので、解決方法の正攻法がわかりませんでした。そこで、まずゼロから正規化したテーブルを作成しました。何が『正』なのかもわからなかったので、その正否はソースを仕様として判断するしかありませんでした。それがある程度できると、古いDBから新しいDBに作成したコンバートシェルでデータを流し込んでみて、おかしなデータがあったら調査するというPDCAを地道に回していきました。

当時はVer.3.0の開発中でもありましたので、Ver.2.0系と同じ挙動をとるか新しいソースでも調査する必要がありました。優秀なエンジニアが採用できなかったこともありこれらの対応に3年ほど取り組んでいましたね。かなりの苦行でした(笑)」(福田さん)

■ソースレベル

「ソースは、『属人化に属人化を重ねたスパゲッティコード』となっていました。ソースの属人化には3つの要素があると考えています。

まずは『時間』です。十分な時間が無ければ、とりあえず動くものでリリースしてしまいがちですよね。次は『ルール』です。社内に判断基準がないと、自分がルールになってしまいます。まさに属人化ですよね。もうひとつは『継続性』です。時間とルールをきちんと守れたとしても、それが続かなければ意味がありません。一瞬きれいなソースを書けたとしても、長く続けると必ず汚くなります。

この3つの要素から属人化をどのように排除したのかを説明します。まず、『時間』については、とてもレアなケースだと思いますが、社外に納期をコミットしないように社長にお願いしました。もちろん、社内では納期を決めているのですが、社外には口外しないことで時間を確保できるようにしています。

『ルール』に関しては、社内でのコーディングルールを制定しましたし、『継続性』のためには『Laravel』『PHPStorm』『GitLab』を導入し、ルールから逸脱しにくい仕組み作りをおこないました。」(福田さん)

最後に福田さんは今後の展望を語ります。

「入社する前までは『カオナビ』を、ただのBIツールの延長にあるプロダクトだと思っていました。しかし、入社してから『カオナビ』が少し特殊なシステムだということがわかりました。

どこが特殊なのかといえば、まずはその汎用性です。現在はお客様の個別の要求に合わせたカスタマイズは行っていませんが、そのかわり仕様的に汎用性をもたせることで各社のニーズを担保しています。

もうひとつ特殊な点は、異なる性質のユーザーが共存しているという点です。『カオナビ』には、大きなCSVのデータを扱う『管理者ユーザー』と、単にアクセスして見るだけの『一般ユーザー』が共存しています。これは意外と珍しいことだと思うのですが、どちらのユーザーにもよりスピーディーでわかりやすいサービスを提供したいですね。もっと『SaaSらしいサービス』を目指していきます。

現在もフロントサイドには技術負債が残っています。この解消と新たな技術への挑戦に今後も取り組んでいきたいと思います」(福田さん)

余興&懇親会!

全ての講演の終了後は、余興としてラスベガスと中継がつながります。

当日は、ラスベガスで「HR Technology Conference & Expo」の開催中。このカンファレンスに参加しているカオナビ社員の鈴木さん、内田さんが、現地時間朝5時からその様子をレポートしてくれました。

最後は懇親会の開催です!

ほとんどの参加者が懇親会にも出席し、ネットワーキングしたり、登壇者へ質問したり有意義な時間を過ごしていたようです。



【イベント告知】 株式会社カオナビが11月にエンジニア向けのイベントを開催するそうです。
ご興味をお持ちの方はお気軽にご参加ください!

■日 時:11月28日(水)19時スタート
■場 所:カオナビ オフィス(赤坂見附駅より徒歩3分)
■テーマ:残業ゼロ!??自社サービスのその裏側をエンジニアが語る!〜運用努力とリファクタリングが生んだ時間の使い方〜
■詳 細:https://techplay.jp/event/705441


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