AWSのS3について概要から料金までの基本を解説
この記事ではAWS(Amazon Web Service)のサービスの1つであるS3について、概要や料金などの基本的な内容の解説をしていきます。
S3にはデータストレージとしての使い方だけでなく様々な機能が用意されているので、なにができるのかをぜひ確かめてみてください。
S3とは
S3とはAWSのサービスのひとつで「Simple Storage Service」を略したもので、その名のとおりストレージ機能が主な機能です。ストレージ使用量1GBあたり0.023ドル(2019年3月時点)という安さと障害への高い耐久性が魅力です。
まずはS3の概要と特徴について解説していきます。
S3はAWSにおけるストレージの役割
S3はインターネット用のストレージサービスで、イメージとしてはgoogleドライブなどのようなものです。APIやAWS CLIからファイルのアップロードや削除などの操作をおこないます。
主な使い方としては、ファイルのバックアップやログデータの保存などのほかにも、後述する「静的ウェブサイトのホスティング」機能を使用したコンテンツ配信も可能です。
99.999999999%の耐久性
S3は99.999999999%の耐久性があります。これはS3に保存したデータが消失する可能性が年間0.000000001%であることを示しています。つまり、S3に保存したデータが消えてしまうリスクはほぼ0ということです。
なお、可用性は99.99%となっており、これは年間1時間程度S3のサービスが停止する可能性があることを示しています。
容量が無制限の従量課金制
S3には保存できるデータ量の制限はありません。従量課金で使用量に応じて料金が発生します。S3の料金体系はストレージの使用量、リクエスト数、データ転送量に応じて料金が発生する仕組みとなっています。料金についての詳しい情報は記事の最後に記載しています。
S3の機能
ここからはS3の機能について簡単に解説していきます。
S3の基本機能
まずはS3の基本機能であるストレージ機能の仕組みやS3特有の用語などについて解説していきます。
オブジェクトのアップロード、ダウンロード
S3の基本機能はストレージ機能ですが、S3ではフォルダやファイルといった単位ではなく「オブジェクト」という単位でデータを管理します。
オブジェクトは以下の3つのデータから構成されます。
- S3にアップロードするファイル
- キー(オブジェクトの固有の識別子)
- オブジェクト作成日などのメタデータ
そして、アップロードされたオブジェクトは「バケット」内に保存されます。
バケットはオブジェクトの保存場所で、すべてのオブジェクトはバケット内に格納されます。また、バケット名はグローバルでユニークな必要があります。
S3の高度な機能
S3にはストレージ機能をさらに便利に使うための機能がたくさん用意されています。今回はその中から主要な3つの機能を紹介します。
バージョニング
バージョニング機能を有効化することで、オブジェクトを複数のバージョンで保存することができます。オブジェクト更新時に自動的に最新バージョンが作成されます。
たとえ誤って削除をしてしまっても、削除をしたという情報のオブジェクトが最新バージョンとなるだけなのでオブジェクトの復元が可能です。
バージョニングを有効にしておけば誤った操作をしてしまった際も安心です。
静的ウェブサイトのホスティング
静的ウェブサイトのホスティング機能を使うことで、S3をWebサーバのように使い、静的なサイトを公開することができます。
オブジェクトのライフサイクル管理
ライフサイクル設定をすることで、一定期間が経過したオブジェクトの削除やアーカイブができます。バージョニング機能と組み合わせることで、指定した世代のバージョンまでを保存するといった使い方も可能です。
S3の料金は3つの使用量の合計
ここまでS3の機能について説明してきましたが、ここからはS3の料金についての解説です。
S3は従量課金制で、以下の3項目の使用量の合計から算出されます。
- ストレージ容量
- リクエスト数
- データ転送量
詳しい料金については公式の料金表をご参照ください。
それでは各項目について詳しく説明していきます。
ストレージ容量
ストレージ容量はオブジェクトの保存量に対して課金されます。バージョニングを有効化している場合はすべてのバージョンが課金対象となります。
リクエスト数
S3ではGET/POSTといったリクエストも課金対象となります。リクエストとは平たくいうとサーバにあるファイルに対するアクセスのことです。リクエスト数に応じて金額が変わっていきます。
データ転送量
S3ではデータ転送も課金対象となりますが、課金されるのはS3からのデータ送信のみで、受信時、つまりS3へのアップロードは無料です。また、同一リージョン内のAWSサービスへの送信も無料となっています。リージョンというのは文字通り地域のことで、TokyoやEUWestなどが存在します。
動画データの配信などデータ送信量が大きいものにS3を使うとデータ転送料金が高くなってしまうことに気を付けてください。
まとめ
ここまでS3の概要と機能、料金について簡単に説明をしてきました。
S3はストレージ機能だけでなく様々な使い方ができます。S3を使ってデータを管理することをぜひ検討してみてください。
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