量子誤り訂正の現状と課題
イベント内容
今回勉強する内容
- 量子コンピューターや量子プログラムに関する概略とOpenQLプロジェクトのご紹介(ガイダンス)
- 量子コンピューターや量子情報を始める上で必要となる鳥瞰図的な知識や量子コンピューター関連の世の中の状況を取り上げます。(ガイダンス)
- 誤り訂正を題材として、通常のコンピュータと量子コンピュータにおいて保護すべきデータや対策すべきノイズの違いについて解説します。
- そのうえで、今後低ノイズな量子コンピュータを作る際に必要となる/需要があると思われるソフトウェアやインフラについて議論します。(専門家からのレクチャー形式)
勉強会の内容(詳細、発表者からのコメントです。)
量子かどうかに依らず、計算機から高い性能を引き出すアプリケーションを作るには、利用するCPUやメモリといったデバイスの動作について深く理解することが重要となります。勉強会のこの回での目的は、量子計算機の高いポテンシャルを正しく引き出すアプリケーションを開発するために、量子計算機の基盤部分の動作のイメージを具体的な数字とともに明確化することです。
量子計算機はその特異性から、通常の計算機で用いられる誤り訂正を始めとした重要な安定化の技術をそのまま適用することが出来ません。この勉強会では、量子計算機では実際にどのようなエラーが生じるのか、それを低減/訂正することが何故難しいのか、どこまでエラーを低減すれば良いのか、を通常の計算機のケースと比べながら考えます。そして、この問題を解決するためにこれまでどういった量子デバイスやエラーを低減する手法のアイデアが考えられてきたのか、そして今後どういった方向性が模索されているのかを紹介していきます。
具体的には、以下の順番で発表者が調べ、まとめた内容を発表します。
- ソフトウェアにおけるエラーについて
量子かどうかに依らず、どのようなデバイスも物理的要因からゼロでない確率でエラーを起こします。デバイスに一定の確率でエラーが起きる時、そのデバイス上で動くソフトウェアの観点からどの程度のエラー確率まで許容できるのかを概算します。
- ハードウェアにおけるエラーについて
半導体メモリを例に挙げ、身の回りの計算機のエラーの原因は何か?半導体素子で物理的に不可避なエラー確率はどの程度か?通常のコンピュータで現実的な計算をするにはエラー確率をどこまで小さくしなければいけないか?実際に我々の持つコンピュータはどの程度のエラー確率で動いているのか?を概算します。
次に、量子コンピュータで現実的な計算をする上で、デバイスごとの向き不向きがどのように決まるかについて解説します。どのような物理系でも量子計算機を作ることは理論上は可能ですが、通常の計算機に使われるような身の回りの物質で量子コンピュータを作ろうとすると、エラーを小さくしようとした時いくつかの技術的困難に突き当たります。これを踏まえ、超電導素子、量子ドット、イオン、量子光のような、一見扱うのが大変な物理系がなぜ量子デバイスとして有用だと考えられているのかを解説します。
- エラーの抑制について
XeonやECCメモリといった高級なデバイスは、仮にエラーが起きてもそれを検知/訂正する誤り訂正符号(Error Correcting Code, ECC)と呼ばれる機能に対応しており、ハードウェアの素のエラー確率よりもさらに小さなエラー確率を用途に応じて実現しています。ところが、通常のECCメモリで行っているような誤り訂正手法を、量子メモリにそのまま適用することは出来ません。
まず、量子計算と通常の計算機における誤り訂正の違いと、量子計算機の具体的な誤り訂正の流れについて解説します。
次に、特に近年中に実現されると目されているトポロジカル量子誤り訂正符号の仕組みの概要と、これがなぜ実現性が高いと考えられているのかを解説します。
- 今後のエラー抑制技術について
誤り訂正やその他のエラーを抑制する手法について、ゲート型アニーリング型を問わず最近の重要な取り組みをレビューします。具体的には、今年の1月~3月に開催されるアメリカ物理学会などの主要学会の講演リストを元に、アルゴリズム/ソフトウェアの開発者にどういったものが求められているのかの最新の動向を考えます。
対象者
- 量子情報、量子コンピューターに興味がある方
(通常のコンピュータで何らかのプログラムを作成した経験があることを前提に話します。量子情報は知らなくても分かるように話します。)
持ち物
特になし。(スマホやPC等、その場でお調べいただけるツールがあると便利です。)
参加費
無料。遅い時間からの勉強会ですが、有志運営のため、飲食等はご準備しておりません。
会場内は、各自で持ち込んで頂いた飲食は自由です。ごみはお持ち帰り頂きたく、ご協力のほどお願いいたします。
タイムテーブル
18:50開場
時間 | 内容 | 担当 |
---|---|---|
19:05-19:30 | ガイダンスと基礎&実用 | @k_yamaz さん |
19:30-20:50 | 専門的な理論&実践 | @iKodack さん |
20:50-21:00 | 質疑&ディスカッション |
- 専門家からのレクチャー形式の会です。
- 今回は内容が濃くなりますので、質疑の時間があまり取れないかもしれません。
(各自、復習されたあと疑問点などあれば、Slack等コミュニティがご提供する場でフォローいたします。)
開始時間
- 19:05開始ですので注意ください。
ビルの正面が閉まってから(20:00以降)到着される場合は、裏口のインターフォンで401をコールください。
場所
- 新宿溝口クリニックhttp://www.shinjuku-clinic.jp/summary/access
新宿通り沿い・新宿WEバスの「新宿二丁目仲通り」バス停前のビル(1Fがセブンイレブン)の
クリニックに併設されたセミナールームです。@ysaito さんのご好意でご提供頂きました。 - 「4階のセミナールーム」に直接お越しください。
-
開場は、18:50です。それ以前は入れません。
-
本勉強会のメンバーが増えており、残念ながら全てのご希望に添えない状況になっております。 運営では、少しでも多くの方に勉強して頂く機会をご提供できればと考えております。 募集人数を会場キャパの最大限(発表者・運営者席除く)に増やしました。 そのため会場内はゆとりがございません。あらかじめご了承くださいませ。
勉強会の概要
OpenQLプロジェクトの目的でもある「量子アプリケーションを開発」するために必要な知識を勉強します。
最適化問題に特化したアニーリング型量子コンピューターも話題としてはとりあげますが、主には、ゲート型量子コンピューターの基礎理論から実践・応用までを扱います。実際のOpenQLプロジェクトで開発していくライブラリの企画、設計、実装に活かせる情報や、量子コンピューターを利用する立場の人びとにも役立つ情報を扱っていきます。
皆さまからのご要望に合わせ、様々な形態の会を企画して参ります。
- 専門家からレクチャー形式で行う会
- LT形式で発表者の発表を聞いた後、ディスカッションにより理解を深める会
- ハンズオン形式で実際の量子プログラムを進める会
また、会の途中からでもご参加頂けるように毎回冒頭にはガイダンスをお話しします。
初めての方や様子だけ一度覗かれる方も、参加歓迎です。
注意事項
※ 掲載タイミングや更新頻度によっては、情報提供元ページの内容と差異が発生しますので予めご了承ください。
※ 最新情報の確認や参加申込手続き、イベントに関するお問い合わせ等は情報提供元ページにてお願いします。
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