TECH PLAY

COBOL

イベント

該当するコンテンツが見つかりませんでした

マガジン

技術ブログ

DevOpsグループCREチームのy.s.です。 2026年3月25日に開催された CRE Camp #5 現場でつくるユーザー信頼性 ー LTと対話のセッション ー に参加してきました。 CRE Campは、Customer Reliability Engineering(CRE)やCustomer Support/Successに関わるエンジニアが集まり、プロダクトの信頼性向上やユーザー体験の改善について事例共有・対話するMeetupです。今回の会場は弁護士ドットコム株式会社(六本木)。LTと対話セッション、そして後半にはアンカンファレンスという構成でした。 なお、2025年10月の
この記事は、”Reimagine your mainframe applications with Agentic AI and AWS Transform” を翻訳したものです。 本ブログでは、reimagine パターンによってメインフレームのレガシーアプリケーションをモダナイズする AWS のアプローチの概要を説明し、組織がレガシー COBOL アプリケーションをモダンなクラウドネイティブアーキテクチャに変換する方法を紹介します。 人材不足、コスト増加、ビジネスアジリティの制約により、組織はレガシーメインフレームアプリケーションをモダナイズする喫緊の課題に直面しています。 AWS は、メインフレームアプリケーションをモダナイズするための複数のアプローチをサポートしています。Reimagine パターンにより、組織はカスタマーエクスペリエンスを再構想 (reimagine) し、ビジネスプロセスフローを最適化し、新機能を導入することで、モダンなアプリケーションに機能的な変化をもたらすことができます。このプロセスで、メインフレームアプリケーションをモダナイズすることができます。この過程は、モダンなアーキテクチャとテクノロジースタックを使った、アーキテクチャの再設計 (rearchitecting) と、アプリケーションのリライト (rewriting) を伴います。トランスフォーメーションジャーニーを加速させるため、エージェンティック AI を活用したツール一式によって、メインフレームのモダナイゼーションの reimagine パターンがサポートされています。 メインフレームアプリケーションを再構想するときの戦略的課題 AWS は、メインフレームモダナイゼーションの特効薬が無いことを認識しています。戦術的アプローチは既存システムの拡張と維持に重点を置いていますが、戦略的モダナイゼーションには リプラットフォーム (replatform)、リファクタリング (refactor)、リプレース (replace)、reimagine という明確な道筋があります。Reimagine は最も変革的なアプローチを代表しており、組織はマイクロサービスやバッチプロセスからリアルタイム機能への移行などのモダンなパターンを使って、アプリケーションアーキテクチャを全面的に見直します。 ほとんどのお客様は、reimagine 戦略を検討する際に 80:20 の原則に従います。Reimagine は、ビジネスでアプリケーションの機能強化が必要な場合に適しています。お客様は、メインフレームワークロードの一部だけがこのカテゴリに該当すると予想しています。このような状況では、モダンな UI、リアルタイム機能、またはより高速なバッチ処理が望まれている可能性があります。また、現行のモノリス化したアプリケーションをプロダクトに合わせたビジネス機能に分割したいという目標をお客様が持っている場合もあります。お客様は、自社のメインフレームアプリケーションの 20% が技術的な制約のせいでビジネスレベルの変更から真に恩恵を受けられない一方で、残り 80% は機能変更を必要としていないことに気付くかもしれません。ただし、一部の組織では、短期的な移行効率よりも長期的なビジネス変革を優先しており、パターンの選択は機能変更を必要とするアプリケーションの割合だけではなく、戦略的目標にも依存していることが実証されています。この洞察は AWS のマルチパターン戦略を推進する要素の 1 つです。AWS は複数の移行パターンをサポートしているので、お客様は各ワークロードに最適なモダナイゼーションアプローチを選択できるようになっています。 参考 5 AWS の reimagine 戦略の中心にあるのが AWS Transform for mainframe です。これは、エージェンティック AI を活用して、メインフレームアプリケーションのモダナイゼーションを加速するサービスです。このサービスにより、お客様は COBOL などの言語で記述されたモノリシックアプリケーションを、マイクロサービスのような、よりモダンなアーキテクチャスタイルに変換できます。AWS の reimagine 戦略の中心は、「Human in the Loop」原則に基づく検証です。この原則では、AI が生成したアプリケーション仕様とコードは、各分野の専門家によって継続的に検証される必要があります。AWS Transform for mainframe は強力なリバースエンジニアリングを提供し、Kiro はマイクロサービス仕様を生成します。ただし、プロセス全体を通して、人間の専門知識は依然として不可欠です。ビジネスロジックの解釈を検証し、アーキテクチャの境界を確認し、アプリケーションがすべての要件を満たしていることを検証するには、専門家が必要です。AI の機能と人間の判断によるこの協調的なアプローチは、AI を活用したモダナイゼーションのスピード上の利点を維持しながら、トランスフォーメーションのリスクを大幅に軽減します。 Strangler fig パターン: 進歩的なモダナイゼーションを可能にする手法 企業のお客様が、すべてのアプリケーションをメインフレームから同時に一括移行するようなビッグバンアプローチの大規模なモダナイゼーションを追求することはめったにないと認識されています。Strangler Fig アプリケーションパターンは、漸次的なモダナイゼーションの手法として実証済の選択肢です。このパターンは、トランスフォーメーション、共存、排除という 3 つの段階を経て、メインフレームアプリケーションをモダナイズするための安全なアプローチとなります。 Strangler fig パターンは、漸次的なモダナイゼーションアプローチです。これにより、組織は元のアプリケーションを実行したまま、モノリシックアプリケーションを徐々にマイクロサービスに置き換えることができます。このアプローチは、モノリスから機能を段階的に抽出することで機能します。抽出された機能は、既存のシステムを中心とした新しいマイクロサービスに変換されます。その後、統合パターンにより、新しいマイクロサービスとレガシーアプリケーションの間の接続が可能になります。 共存フェーズでは、メインフレームと AWS 上の新しいシステムの両方が同時に動作し、システム間の連携が行われます。連携パターンは、アプリケーション間の連携、アプリケーションからデータに対する連携、データ間の連携の 3 種類の統合をサポートします。 参考 4 このような連携アーキテクチャを構築し、共存に適した統合パターンを選択するには、お客様はハイブリッド環境全体におけるデータの一貫性、トランザクション管理、パフォーマンスに特に注意を払う必要があります。 メインフレームモダナイゼーションのためのマイクロサービスアーキテクチャの理解 マイクロサービスアーキテクチャーでは、従来のメインフレームのモノリシックなアーキテクチャーとは対照的に、システムを独立した小さなサービスに分割し、個別に開発、デプロイ、拡張できるようにすることを重視しています。メインフレームモダナイゼーションという文脈において、マイクロサービスには、明確なコンテキスト、独立したデプロイ、テクノロジーの多様性、スケーラビリティなど、重要な価値ある特徴があります。 マイクロサービスとイベント駆動型アーキテクチャを組み合わせると、バッチ処理からリアルタイム処理に移行する際に特に強力になり、変更に対してシステムが非同期で反応できるようになります。 マイクロサービスには大きなメリットがありますが、普遍的に最適なソリューションというわけではありません。データの一貫性やトランザクション性が必要な場合は、モジュラーモノリスやマクロサービスなどの代替アプローチの方が適している場合があります。重要なのは、現在のニーズと将来の願望の両方に適合するアーキテクチャを選択することです。 Reimagine パターンにおける 3 フェーズのモダナイゼーションアプローチ Reimagine パターンでは、3 フェーズの方法論を通じて、現行のメインフレームアプリケーションをクラウドネイティブなマイクロサービスに変換します。 リバースエンジニアリング : AWS Transform for mainframe を使用してリバースエンジニアリングを行い、既存の COBOL / JCL コードからビジネスロジックとルールを抽出します フォワードエンジニアリング : AI エージェント / Kiro を使ってマイクロサービス仕様とソースコードの両方を生成します デプロイとテスト : 生成されたマイクロサービスを Infrastructure as Code (IaC) を使って AWS にデプロイしてテストし、モダナイズしたアプリケーションの機能をテストします Reimagine パターンにおける 3 フェーズのモダナイゼーションアプローチ フェーズ 1: リバースエンジニアリング AWS Transform for mainframe を使ったリバースエンジニアリングのスコープを以下の図に示します。 AWS Transform を使ったリバースエンジニアリング モダナイゼーションを成功させるための基礎は、レガシーアプリケーションを深く理解することから始まります。AWS Transform は、メインフレームのソースコードと運用データ (スケジューラープラン、モニタリングデータ) など、複数のソースからの情報を組み合わせて分析します。このフェーズでは、次のような重要なアウトプットが得られます。 技術文書 : AWS Transform はソースコードを自動的に分析して、アプリケーションプログラムの詳細な文書を作成します。このドキュメントには、レガシーシステム内のプログラムロジック、フロー、連携、依存関係についての説明が含まれています。レガシーシステムに関する重要な知識を維持することで、退職するメインフレーム専門家への依存を減らすのに役立ちます。また、これまで分析や計画に費やされていたプロジェクト時間も短縮されます。 ビジネスロジックの抽出 : ビジネスロジックの抽出は、複雑なモノリシックアプリケーションをその構成要素であるビジネス機能に分解する、メインフレームのモダナイゼーションにおいて不可欠な機能です。AWS Transform は COBOL ソースコードを自動的に分析します。この分析は、レガシーアプリケーションに組み込まれているプロセスフローやビジネスロジックなど、重要なビジネス要素を特定して文書化するのに役立ちます。この分解プロセスは、モノリス化したメインフレームアプリケーションをより小さく、より管理しやすいビジネス機能に分解するための基本です。これらの機能は、reimagine の取り組みにおける後半の工程でマイクロサービスのスコープと境界を特定するための基礎となります。この機能は、技術ユーザーとビジネスユーザーの両方が理解できるエクスポート可能な自然言語で仕様を提供することで、モダナイゼーションの取り組みにおける複数のステークホルダーに役立ちます。 メインフレームデータモデル : AWS Transform には、データリネージ分析やデータディクショナリの自動生成など、メインフレームのモダナイゼーションを成功させるために不可欠な高度なデータ分析機能が備わっています。これらの機能が連携して、メインフレームデータの「場所」(使用法と関係) に付随する「内容」(構造と意味) を定義します。組織はデータ環境を完全に可視化できるようになり、情報に基づいたモダナイゼーションの意思決定が可能になります。技術チームは、重要なビジネスロジックとデータ間の関連性を維持しながら、自信を持ってデータアーキテクチャを再設計できます。 稼働分析 : システム管理機能 (SMF) を介してメインフレームから収集された実行時データによって、静的コード分析を補完することができます。SMF は z/OS サブシステム上のアクティビティデータを収集するための中心的なメカニズムです。これらの記録に含まれる情報は、モダナイゼーションの計画、優先順位付け、実行に不可欠です。AWS Transform は SMF データ (バッチ処理ではレコードタイプ 30、CICS トランザクションではレコードタイプ 110) を分析して、アクティブなバッチジョブと CICS トランザクションを識別できます。使用済み/未使用のトランザクション/バッチを検出し、トランザクション/バッチの MIPS 使用量を測定することで、組織は未使用のプログラムと消費量の多いリソースを特定できます。これにより、何を移行し、何を廃止するかについてデータ主導の意思決定が可能になり、メインフレームのリソース使用率をかつてないほど可視化できます。 フェーズ 2: フォワードエンジニアリング フォワードエンジニアリングは、抽出されたビジネスロジックをマクロサービス/マイクロサービスのアーキテクチャに変換することを目的としています。 AWS は、お客様組織内の多様なニーズを認識し、パートナー主導型およびお客様主導型の柔軟なコード生成アプローチを採用しています。AWS は、既存の開発者ツールと競合するのではなく、リバースエンジニアリングで得られた豊富な理解を 促進 することに重点を置いています。これにより、既存のコードを複数の方法でモダンなアプリケーションに正確に変換できるようになります。 Kiro やその他のコーディングアシスタントなどの好みの開発ツールを使用した、お客様主導またはパートナー主導の開発 AI を活用したコーディングアシスタントとしての Kiro や AI エージェントの活用 AWS Transform は Kiro のような AI を活用したコーディングアシスタントと連携して、仕様駆動型の開発をサポートします。これらのツールは互いに補完し合っています。AWS Transform が提供するアウトプットは、Kiro がマイクロサービス仕様とソースコードの両方を生成するためのインプットになります。 Kiro と AI エージェントのアプローチについて詳しく見ていきましょう。このアプローチは 3 つの異なるステップで構成されており、正しさと品質を Human in the Loop で 検証 します。 以下の図は、 Kiro または AI エージェントを使ったフォワードエンジニアリングのスコープを示しています。 Kiro / AI エージェントを使ったフォワードエンジニアリング ステップ 1: マイクロサービス仕様の生成 このステップでは、ビジネスロジックの抽出を入力として、AI エージェントまたは Kiro を使い、各マイクロサービスの詳細な仕様を作成します。Kiro の仕様駆動型のアプローチにより、アーキテクトはマイクロサービスを設計して正式な仕様を作成し、実装を開始する前に、アプリケーションの対象分野の専門家が各仕様を確認して改良することができます。プロジェクト固有のステアリング文書を作成することで、Kiro はインプット (ビジネスロジック、データ分析、非機能要件など) と要件についての理解を深めることができます。このステップでは、トレーサビリティとビジネスルールの包括的な適用範囲を検証する必要があります。これにより、特定されたすべてのビジネスロジックが適切に分析され、関連するマイクロサービス仕様に組み込まれたかどうかを追跡できます。 Kiro にマイクロサービス仕様の生成を依頼するステアリングファイルのサンプルを次に示します。 マイクロサービス仕様を生成するためのステアリングファイルのサンプル 【参考】日本語訳 ## Role: あなたはソフトウェア設計、特にドメイン駆動設計、マイクロサービスアーキテクチャ、システムモダナイゼーションの分野で 20 年以上の経験を持つシニアソフトウェアアーキテクトです。エンタープライズアプリケーションのモノリスからマイクロサービスへのトランスフォーメーションを何十回も成功させてきました。あなたは、境界コンテキストの特定、クリーンなドメインモデルの設計、効果的なサービス境界の構築に関する専門家です。ソフトウェア設計パターン、API 設計、イベント駆動型アーキテクチャ、フロントエンド統合戦略に関する深い知識を有します。 ## Action: … `input/bre_output` フォルダーとサブフォルダー内の提供された HTML ファイルと JSON ファイルを分析して、現在のビジネスロジック、データ構造、および暗黙的なドメインモデルを理解してください。追加のコンテキストが必要な場合のみ、`input/source-code` フォルダーとサブフォルダーのソースコードを参照してください。 `input/bre_output` フォルダーとサブフォルダー内の HTML ファイルと JSON ファイルにあるビジネスロジックに基づいて、主要なビジネスドメイン、サブドメイン、潜在的な境界コンテキストを特定します。追加のコンテキストが必要な場合のみ、`input/source-code` フォルダーとサブフォルダーのソースコードを参照してください。 ドメイン駆動設計の原則を適用して、独自のユビキタス言語、集合ルート、エンティティ、バリューオブジェクト、ドメインイベントを使用して明確な境界のあるコンテキストを定義します。 特定された境界コンテキストに基づいてマイクロサービスアーキテクチャを設計し、各マイクロサービスが単一の責務を担い、独自のデータを管理するようにします。 ステップ 2: ターゲットデータベースの生成 データベースのモダナイゼーションは、メインフレームトランスフォーメーションプロジェクトにおける極めて重要な課題です。レガシーメインフレームデータベースは、IMS/DB や IDMS などの階層型データベースやネットワーク型データベース、または Db2 などのリレーショナルデータベースを使って構成されています。これらのデータベースには、ビジネス上の重要なデータが何十年にもわたって蓄積されていますが、今となっては時代遅れのデータモデルに従って構造化されているものもあります。ターゲットデータベースの生成フェーズでは、これらのレガシーデータ構造を、データの整合性とビジネスルールを維持しながらマイクロサービスアーキテクチャをサポートするモダンなクラウドネイティブなデータベーススキーマに変換します。AWS Transform のデータ分析機能により、レガシーデータベース構造を包括的に理解できます。Kiro は、このデータ分析結果をターゲットアプリケーションの仕様と組み合わせてインプットとして使用し、ターゲットのモダナイズされたデータベースを作成します。 ステップ 3: ソースコード生成と Infrastructure as Code の生成 仕様を検証した後、Kiro は実装フェーズに移行し、本番環境ですぐに使えるマイクロサービスコードと Infrastructure as Code を生成します。実装プロセスは、要件定義、設計、実装タスクという Kiro の 3 フェーズのワークフローに従います。このフェーズでは、Kiro は実装タスクを自律的に実行できます。一方、開発者は生成されたコードのレビュー、フィードバックの提供、要件に対する実装の検証に集中できます。このプロセスにはステアリングファイルが不可欠です。これによって Kiro はプロジェクトの規約、ライブラリ、標準に関する永続的な知識を得ることができ、確立されたアーキテクチャガイドラインやコーディング標準に準拠することができます。この構造化されたアプローチにより、チームは実装戦略を見直し、改良することができます。また、品質保証活動のための包括的なテストケースとテストデータの生成にも役立ちます。 Kiro にマイクロサービスのターゲットソースコードの生成を依頼するステアリングファイルのサンプルを次に示します。 ターゲットソースコードの生成のためのステアリングファイルの例 【参考】日本語訳 ## Action: まず microservices-specs フォルダーから提供されたマイクロサービス仕様を分析し、必要な各マイクロサービス、その責務、データモデル、連携ポイントを特定します。 以下を含む customer-management-service マイクロサービスシステムの全体的なアーキテクチャを設計します。 サービスの境界と責任 データの所有権と共有のアプローチ 通信パターン (同期 vs 非同期) 各コンポーネントの AWS サービスの選択 仕様書に記載されている customer-service マイクロサービスの場合: 適切な Maven/Gradle 構成で Spring Boot プロジェクト構造を作成する データモデルフォルダの下にある顧客の DynamoDB テーブル定義をマッピングするデータモデルを実装する REST のベストプラクティスに従って RESTful API コントローラーを開発する サービス層のビジネスロジックを指定どおりに実装する 適切な例外処理、検証、ロギングを追加する AWS サービスインテグレーション (必要に応じて DynamoDB、SQS、SNS など) を設定する サービスのユニットテストを書く 以下は、マイクロサービスを実装するためのプロンプトとステアリングファイルから Kiro によって生成されたタスクファイルのサンプルです。 マイクロサービスを実装するタスクファイルの例 【参考】日本語訳 [x] 1. 顧客管理サービスのプロジェクト構造を設定する Maven のディレクトリ構成で Spring Boot プロジェクトを作成する マルチモジュールプロジェクト構造 (domain, application, infrastructure, web) を設定する さまざまな環境 (dev, staging, prod) に合わせてアプリケーションプロパティを設定する 重要な依存関係 (Spring Boot, Spring Data, AWS SDK, validation, testing) を追加する _要件: 1.1、2.1_ [x] 2. コアドメインモデルとバリューオブジェクトを実装する [x] 2.1 ドメインロジックによる顧客集約ルートを作成する すべての必須フィールドとビジネスメソッドを含む Customer エンティティを実装する バージョンフィールドによるオプティミスティックロックを追加する ドメイン検証ルールを実装する _必要条件:5.1、5.5_ [x] 2.2 データの一貫性を実現するためのバリューオブジェクトを実装する ID が 9 文字であることのチェックも含めて CustomerID バリューオブジェクトを実装する フォーマット検証と暗号化をサポートする SSN バリューオブジェクトを作成する 電話番号のフォーマット (XXX-XXX-XXXX) のチェックを含む PhoneNumber バリューオブジェクトを作成する 値の範囲が 300 ~ 850 になるチェックを含む FICoScore バリューオブジェクトを作成する _必要条件:5.3_ フェーズ 3: デプロイとテスト 最後のフェーズでは、生成されたマイクロサービスを、さまざまなコンピューティングオプションとストレージオプションを使用して AWS クラウドネイティブアーキテクチャにデプロイします。お客様は、コンピューティングサービスとして Amazon Elastic Container Service (ECS)、Amazon Elastic Kubernetes Service (EKS)、AWS Lambda、AWS Fargate の中から選択できます。データベースオプションには、NoSQL ワークロード用の Amazon DynamoDB、リレーショナルデータベース用の Amazon Aurora、またはその他の AWS データベースサービスが含まれます。デプロイでは、AWS CloudFormation、AWS Cloud Development Kit (CDK)、Terraform などの Infrastructure as Code ツールを使って AWS リソースのモデル化とプロビジョニングを行います。 以下は、AWS CloudFormation テンプレートを使って新しいマイクロサービスアーキテクチャを AWS クラウドにデプロイするように生成された Infrastructure as Code のサンプルです。 生成された Infrastructure-as-Code の例 再構想 (reimagine) された新しいアプリケーションは、この新しい AWS クラウドネイティブアーキテクチャでテストされ、すべてのコンポーネントが期待どおりに動作することを検証します。 以下の図は、新しく作り直されたアプリケーションをデプロイするための一般的な AWS クラウドネイティブアーキテクチャを示しています。 新しく reimagine されたアプリケーションのデプロイとテスト Reimagine パターンのための AI 駆動アプローチの主な利点 ディスカバリーと分析の加速 AWS Transform の AI エージェントは、複雑な COBOL コードベースを数時間または数日で分析し、アプリケーションドメインとビジネスロジックパターンを自動的に識別できます。組織はメインフレーム環境全体を分析するか、もしくは、特定のビジネスプロセスを対象として分析するか、選択することができます。 インテリジェントなマイクロサービス設計 AI を活用したアプローチでは、ドメイン駆動設計 (Domain-Driven Design: DDD) の原則を適用して、レガシーアプリケーション内の自然な境界のあるコンテキストを識別します。DDD は、中核となるビジネスドメインの理解、技術チームとビジネスチームの間に共通のユビキタス言語の構築、複雑なドメインを明確に境界付けられたコンテキストに分割することに重点を置いています。 高品質なコード生成 Kiro は、適切な階層型アーキテクチャ、REST API 設計、クラウドネイティブパターンなど、最新の開発標準に従った、本番環境に対応したマイクロサービスを生成します。 Infrastructure as Code このアプローチでは、アプリケーションコードと、マイクロサービスを AWS クラウドにデプロイして実行するために必要なインフラストラクチャ全体の両方が生成されます。さらに、この Infrastructure as Code アプローチは AWS Well-Architected Framework の原則に沿ったものであり、自動化され繰り返し可能なデプロイによって運用上の卓越性を促進し、生成されたすべてのインフラストラクチャコンポーネントにセキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コスト最適化、ベストプラクティスを一貫して適用できるようにしています。 AWS メインフレームモダナイゼーションの専門知識とパートナーエコシステム メインフレームアプリケーションを reimagine するための AWS のアプローチは、AWS の AI 駆動の機能を活用し、パートナーの専門知識とスケールを補完するものです。AWS は、Global System Integrators (GSI) と専門技術パートナーの専門知識を組み合わせて、メインフレームモダナイゼーションプロジェクトに内在する複雑さに対処する強固なパートナーエコシステムを構築しました。 GSI パートナーは、さまざまな業界の大規模なメインフレームモダナイゼーションで成功を収めていることが実証済です。 AWS の戦略は、データ移行ユーティリティ、テストフレームワーク、言語変換ツールなどの AWS ネイティブ機能を補完する専用のモダナイゼーションツールを提供するテクノロジーパートナーに依存しています。 このような協業アプローチにより、お客様は AWS のクラウドネイティブ機能を活用しながら、複雑なモダナイゼーションの課題に対応する専門知識と実証済の方法論を活用できます。 まとめ AWS がメインフレームモダナイゼーションを再構想 (reimagine) するために進めているのは、お客様のトランスフォーメーションジャーニーを加速させる包括的な AI 駆動のアプローチです。AWS Transform は、レガシーソースコードに対する深い理解と柔軟なコード生成を組み合わせることで、組織がリスクを最小限に抑え、ビジネス価値を最大化しながらメインフレームアプリケーションを変革できるようにします。 メインフレーム向けの AWS Transform と Kiro に関するその他の参考情報 インタラクティブデモを試す AWS Transform for mainframe の詳細 入門ガイドを読む メインフレームから AWS への移行途中の過渡期に於ける両環境併存のための連携アーキテクチャ メインフレームアプリケーションのモダナイゼーションに関する包括的な視点と配置戦略 著者 Yann Kindelberger Yann Kindelberger は、Amazon Web Services の Principal Solution Architect です。Yann は 23 年以上メインフレームに携わり、IBM で 20 年以上メインフレームアーキテクトとして勤務しました。彼はメインフレームの AWS クラウドへの移行とモダナイゼーションに取り組んでいるワールドワイドなチームの一員です。彼は 2021 年に AWS に入社し、ソリューションアーキテクトとして、お客様のメインフレームの移行とモダナイゼーションを支援し、助言し、サポートしています。 Cheryl du Preez Cheryl du Preez は、メインフレームとレガシーモダナイゼーションに関する AWS の World Wide Senior Specialist Solutions Architect です。Cheryl は、世界中のお客様を対象としたメインフレームのモダナイゼーションとトランスフォーメーションの取り組みにおいて、20 年以上にわたって技術的リーダーシップを発揮してきました。現在の役職では、AWS 独自の方法で生成 AI を活用したメインフレームのモダナイゼーションについて、お客様やパートナーに対して助言を提供しています。 Chris Poole Chris は Senior Partner Solutions Architect であり、メインフレームモダナイゼーションが大好きです! 彼は現在、EMEA 地域の AWS メインフレームパートナー戦略を推進していますが、以前はエッジコンピューティングテクノロジーに取り組む Principal Engineer の称号を持っていました。当時は、コミュニティや開発者支援の取り組みをリードし、クラウドセキュリティ製品のソリューションアーキテクトチームを率いたり、高スループットの金融取引処理システムにおける非同期 API を設計/開発したりしてきました。彼は理論物理学の博士号を取得しています。余暇には、香取神道流の武道やカリ (Kali) 等の格闘技を楽しんでいます。 Rao Panchomarthi グローバルのメインフレームモダナイゼーション組織のリーダー。Rao は、IBM メインフレーム、分散システム、クラウドテクノロジーにまたがる 20 年以上の経験を持つ経験豊富な IT プロフェッショナルです。Rao は大規模なビジネストランスフォーメーションをリードし、メインフレームアプリケーションのクラウドテクノロジーへの移行や、モダナイズするための戦略を策定しています。AWS に入社する前は、JPMorgan Chase のクレジットカード事業でアーキテクチャ責任者を務め、複数のトランスフォーメーションプロジェクトをリードしていました。 Souma Suvra Ghosh Souma は AWS でメインフレームモダナイゼーションを担当する Senior Specialist Solutions Architect です。AWS へのモダナイゼーションに関する複数の記事やソリューションガイドを発表し、AWS re:Invent や AWS Summit などのカンファレンスで発表を行ってきました。現在の役職では、メインフレームとレガシーシステムのモダナイゼーションに AWS のバリュープロポジションと生成 AI 機能を最大限に活用する方法について、お客様やパートナーに助言しています。 Subhajit Maitra Subhajit は AWS の Worldwide Mainframe Partner Solution Architect であり、メインフレームモダナイゼーションコンピテンシープログラムの構築を支援しました。また、IBM MQ 連携に寄与する AWS Mainframe Modernization サービスのビルダーでもあります。彼の専門分野には、メインフレームモダナイゼーション、メッセージ指向ミドルウェア、分散型イベントストリーミングプラットフォーム、マイクロサービスなどがあります。 この投稿の翻訳は Mainframe Modernization Specialist Solutions Architect の皆川が担当致しました。原文記事は こちら です。
この記事は、”Taking a comprehensive perspective to mainframe application modernization with a disposition strategy” を翻訳したものです。 はじめに メインフレームのお客様は、モダナイゼーションの選択肢が無数にあります。現在、多くの組織は、人材不足や、高額なコストとその上昇、レガシー環境ではビジネスアジリティに制限が掛かることで、モダナイゼーションが急務となっています。また、お客様自身も、モダナイゼーションの複数のパターン、ツール、戦略を自ずと模索しています。 配置戦略 (disposition strategy) には、メインフレームの複雑なモノリシックアプリケーションや大規模なコードベースへの対処に役立つ指針が含まれます。お客様は、レガシーアプリケーションを管理しやすい部分に分解し、ターゲットとなる移行パターンを開発し、移行の順序付けを行い、メインフレームに残るワークロードとの連携機能を構築します。この作業は、アプリケーションが密結合な状態から完全に切り離されるまで繰り返されます。 配置戦略とは、メインフレームモダナイゼーションに対する複数のパターンを複合的に組み合わせるアプローチです。ビジネス目標と IT 目標の優先順位とワークロードの特性に基づいて、個々のワークロードに適した適切なパターンが選択されます。配置戦略は、メインフレームモダナイゼーションを個々のプロジェクトとばらばらの移行フェーズの集まりと見なすのではなく、全体を包括的に見る視点を持つことを推奨します。これには、メインフレームからクラウドネイティブに至る長い道のりの最初から最後までの全行程を定義したロードマップが含まれます。このアプローチは、移行を加速し、リスクを軽減し、お客様が許容できる期間内にビジネス目標と技術目標を達成できるよう支援するのに役立ちます。 指針として目指す北極星を定義する メインフレーム資産は、地域、業界、顧客によってさまざまであり、まったく同じメインフレームアプリケーションは 2 つとありません。レガシーテクノロジー、ビジネス目標、将来の要件、リスクへの関心は、お客様によって非常に多様です。多くの大企業では、複数の事業部門がメインフレーム上で稼働するアプリケーションによってサポートされています。また、これらの事業部門には、メインフレーム処理に依存する多数のビジネスリーダー、アプリケーションオーナー、およびステークホルダーが組織全体に存在しています。このダイナミクスにより、組織がメインフレームの将来の状態に関する明確な戦略を欠いているというシナリオがしばしば生じます。モダナイゼーションの初期段階では、メインフレームのさまざまなステークホルダーが独自に活動し、それぞれ別個に戦略を導入または計画しているお客様をよく見かけます。その結果、モダナイゼーションへのアプローチがばらばらになります。このようなときのモダナイゼーションには、組織のモダナイゼーションの道しるべとなる北極星のようなビジョンが明確になっていない可能性があります。 メインフレームモダナイゼーションプログラム (※1) を成功させるための第一歩は、北極星 (North Star: 目指すべき指針) を定義することです。この北極星は、経営幹部、そして多くの場合、組織の取締役会にも共有されます。お客様は、メインフレームを使い続けることで増大するリスク、コスト、競争上の不利益を認識しています。レガシーアプリケーションのモダナイゼーションを経営幹部が指示することで、より迅速かつ緊急に職務を遂行し、成果を上げているお客様を我々は目にして来ました。明確なミッションが無いため、一連のばらばらで戦術的なモダナイゼーションプログラムに参加することになったお客様も見て来ました。ばらばらなプログラムでは、メインフレームプラットフォームのワークロードの移行には成功しても、モダナイゼーションのメリットを最大限に引き出すには苦労するかもしれません。場合によっては、メインフレームに課せられた制約が原因で MIPS の使用量が増加することさえあります。このような状況を避けるため、お客様には主に 3 つの質問に答えて北極星を定義することをおすすめします。 なぜ私たちはモダナイゼーションを進めているのか? 私たちはどこに向かっているのか? それはいつ実現するのか? これらの質問に答えることで、メインフレーム移行プログラムを成功させるための基礎を確立し、組織が共有する共通のビジネス目標と技術目標を定義しやすくなります。 (※1) 訳注: ここでのプログラムは、共通の戦略的目標を持つ複数の関連プロジェクトを統合・管理することにより、単独プロジェクトの成功を目指す部分最適では無く、全体最適による価値を創出する手法としてのプログラムマネジメントの文脈で使われています。レガシーコードのプログラムを指すものではありません。 モダナイゼーションのビジネス基準: ビジネス要件と技術的現実のバランス ビジネス目標は、組織内の部門によって大きく異なる場合があります。ビジネスユニットによっては、レガシーアプリケーションの機能を早急に変更しなければならない場合もあれば、確立されたプロセスやユーザーエクスペリエンスの変更に抵抗しているビジネスユニットもあります。大まかに言うと、ビジネスの優先事項は次の 2 つのカテゴリに分類されます。 カテゴリー 1: ビジネス機能は変わらないが、ビジネスの俊敏性にはテクノロジーのモダナイゼーションが不可欠 機能的な変化が望まれていない場合。 このシナリオでは、レガシーアプリケーションがサポートする既存のビジネス機能に、ビジネスユーザーはとても満足しています。現行のビジネス機能やワークフローは変更する必要がなく、ビジネスユーザーは機能変更という考えに反対しています。これは、ユーザーが端末エミュレーターの黒画面を操作しているお客様にも当てはまる可能性があります。端末エミュレーターを長年使い続けているユーザーは、操作に熟練しているので作業効率が非常に高く、最新の UX に置き換えると生産性が低下する可能性があります。 お客様はメインフレームワークロードの大部分が一般にこのカテゴリに入ると想定する必要があります。メインフレームアプリケーションは何十年も組織で使われてきました。これらのアプリケーションは、個別のビジネスロジックが何年にもわたって使われてきたビジネスに適しているかもしれません。大企業と各業界で差別化されたビジネスのやり方に合わせてカスタマイズされている可能性があります。すべてのアプリケーションに機能的なトランスフォーメーションが必要なわけではありません。安定性と予測可能性が最優先されるシステムの場合は、以下の選択肢を考慮することが重要です。 リファクタリング (Refactor) : レガシーアプリケーションを最新のプログラミング言語とリレーショナルデータベースに変換します。たとえば、 AWS Transform for mainframe を使うと、お客様は AWS の専門的な AI エージェントを使用して COBOL アプリケーションを AWS 上の Java にリファクタリングできます。 リプラットフォーム (Replatform) : 既存の機能を維持し、レガシーテクノロジースタックを維持しながら、よりモダンなインフラストラクチャに移行します。たとえば、AWS Mainframe Modernization には、クラウド内のメインフレーム互換ランタイムにリプラットフォームするためのオプションが用意されています。 これらのアプリケーションのモダナイゼーションでは、機能以外のモダナイゼーションのメリット (耐障害性、影響範囲の縮小、可用性、俊敏性) にフォーカスしてコミュニケーションします。 カテゴリー 2: 技術的な負債を取り除いたり、新しい機能を追加したり、モノリスを分解してプロダクトを調整したりするには、ビジネス機能の変更が必要 機能強化の要件がある場合。 ビジネス部門がアプリケーションの機能を強化する必要があるのはこの場合です。一般に、お客様はメインフレームワークロードの一部だけがこのカテゴリに該当すると予想しています。このような状況では、企業はモダンな UI、リアルタイム機能、またはより高速なバッチ処理を望んでいる可能性があります。また、お客様は、モノリス化した現行アプリケーションをプロダクトに合わせたビジネス機能に分割したいという目標を持っているかもしれません。このアプローチにより、マイクロサービスアーキテクチャを構築し、疎結合化することによってアジリティとイノベーションを促進されます。 ニアリアルタイムの機能に対するエンドカスタマーの期待の高まりに直面するお客様が増えています。メインフレーム上のモノリス化したアプリケーションにこのような機能を導入するのは困難です。さらに、新しい市場や業界への進出、あるいは顧客基盤の拡大を目指すお客様にも会うことがあります。成長目標を積極的に掲げているお客様は、メインフレームアプリケーションを維持することが、成長や新規ビジネスの獲得を阻害していると気付くことがよくあります。 成長の可能性 : モダナイズすることで、新しい収益源を開拓したり、事業拡大を支援したりできるアプリケーションはどれか? カスタマーエクスペリエンスへの影響 : 顧客とのやり取りや顧客満足度に直接影響するアプリケーションはどれか? 市場への対応力 : 現在、市場の変化への対応能力を制限しているのはどのシステムか? イノベーションの可能性 : 最新の開発手法や最先端技術との連携から最も恩恵を受けるのはどのアプリケーションか? 一般的に、強化すべき機能要件が明確に示されているビジネスユニットは、より優先されるはずです。新機能、ユーザーエクスペリエンスの向上、連携機能など、個々のニーズが具体的な目標を提示し、それによってモダナイゼーションの取り組みが推進され、目に見える価値が示されます。 Reimagine パターン とは、メインフレームアプリケーションのアーキテクチャを最新のテクノロジースタックに合わせて設計し直し、コードを書き直すことと定義されています。このモダナイゼーションの目標は、アプリケーションに機能的な変更を導入することです。ビジネスが新しい機能を必要とする場合、reimagine パターンが望ましいアプローチです。 モダナイゼーションのための技術的基準 メインフレームモダナイゼーションの配置戦略には、組織レベルとアプリケーションレベルの両方で評価された技術的基準も組み込む必要があります。 組織レベルでの技術的考慮事項の評価: データセンターから出て行くための戦略や緊急性が高い移行期限 データセンターの撤退を迫られている組織は、移行の期限が迫っているため、スピードとリスクの軽減を優先する必要があります。コードを変更せずにメインフレームのワークロードをパートナーが管理するデータセンターに移動することを意味するリホスト (rehost) パターンは、実践的な第一歩となる可能性があります。多くの場合、リホストアプローチは、他の移行パターンのように長いサイクルを通ることなく、数ヶ月で完了できます。リホストは事業継続につながります。また、将来のモダナイゼーションの基礎を築き、組織がより高度なパターンを徐々に適用するのにも役立ちます。これらのパターンは、時間とリソースの制約の中で、リファクタリングや reimagine などのモダナイゼーションのニーズに対応できます。 ニッチなメインフレーム技術: プログラミング言語、トランザクションモニター、データベース 既存のメインフレームアプリケーションで使用されている特定のプログラミング言語、トランザクションモニター、データベーステクノロジーは、モダナイゼーションの取り組みの実現可能性と複雑さに大きな影響を与えることがあります。これは、メインフレームモダナイゼーションの配置戦略を検討する際に、重要な技術的考慮事項です。 Natural/Adabas、IDMS などの特定のメインフレームテクノロジーは、リプラットフォームやリファクタリングなどの一部のモダナイゼーションパターンでは直接サポートされていなかったり、完全にはサポートされていない場合があります。これらのレガシーメインフレームテクノロジーの可用性と保守性のスキルも、考慮点の 1 つです。これにより、利用できるモダナイゼーションの選択肢が制限される可能性があり、実行可能な選択肢はリプレース (replace) (※2) や reimagine などのパターンだけかもしれません。 組織は、使用されているメインフレームのテクノロジースタックと、それがさまざまなモダナイゼーションアプローチの実現可能性や複雑さにどの程度合致するかを注意深く評価する必要があります。この技術的評価は、適切な配置戦略を決定するうえで重要なインプットとなります。 (※2) 訳注: 本ブログ内のリプレース (replace) は、パッケージソフトウェア製品の購入や SaaS のサブスクリプション契約等を指すリパーチェス (repurchase) と同義で使われています ベンダーによる更新のタイムライン メインフレームモダナイゼーションの配置戦略を評価する際、ベンダーの更新スケジュールは重要な技術的検討事項になり得ます。組織には、ソフトウェアライセンス契約が異なるさまざまなメインフレームベンダーが存在することがよくあります。契約条件の評価にあたっては、更新時期が迫ることでリスクが高まります。この場合、中には、それらのベンダーのテクノロジーからできるだけ早く撤退することが最も価値ある結果になると判断するお客様もいます。このタイムラインの速さは、選択するモダナイゼーションアプローチにも影響します。 たとえば、ライセンス契約の終了期限が迫っている場合は、リプレースアプローチや reimagine アプローチよりも、リファクタリングパターンの方が適している場合があります。リファクタリングは、コア機能を維持しながらアプリケーションをモダナイズするのに役立ちます。多くの場合、全面的な書き直し (full rewrite) や再実装 (reimplementation) よりも短時間で完了できます。 ただし、すべてのリファクタリングソリューションがすべてのメインフレームテクノロジーをサポートしているわけではない点に注意することが重要です。使用中の特定のテクノロジーに適したリファクタリングソリューションの評価を完了する必要があります。場合によっては、明白なリファクタリングソリューションや実証済のリファクタリングソリューションがないこともあります。必要な期限までにベンダーのテクノロジーから撤退するには、reimagine またはリプレースのアプローチしか実行できない場合があります。 最良のモダナイゼーション戦略を決定する際には、全体的な技術評価の一環として、メインフレームベンダーの契約と更新スケジュールを評価することが重要です。これにより、選択したアプローチを、特定のベンダーのテクノロジーから撤退する緊急性に合わせることができます。 動員可能なメインフレームスキルセット メインフレームのスキルセットに制約があるために企業が人材リスクに直面している場合、そのスキルへの依存度が低いメインフレームモダナイゼーションの選択肢を選ぶことが重要です。このような場合、メインフレームアプリケーションのリファクタリングや reimagine などの戦略が効果的なアプローチになり得ます。 逆に、組織内に有能なメインフレーム人材プールがある場合は、リプラットフォームアプローチがモダナイゼーションに適した戦略となり得ます。既存の専門知識を活用して、ワークロードをよりモダンなプラットフォームに移行することができます。 アプリケーション/ワークロードの技術的な複雑さと依存関係の評価 適切なパターンの選択は、ビジネス上の考慮事項と技術的要件の両方に基づいて行う必要があります。各ワークロードまたはアプリケーションの特定の特性を考慮する必要があります。 さまざまなアプリケーションやワークロードを徹底的に技術評価して、それぞれに最適なモダナイゼーションアプローチを決定することが重要です。この評価フェーズでは、以下の要素を考慮します。 移行元のテクノロジー : プログラミング言語と既存のソースコードの量を評価します。一部の言語とフレームワークは、他の言語とフレームワークよりも自動化されたトランスフォーメーションとモダナイゼーションに適しています。これは、特定のモダナイゼーションパターンの実現可能性と複雑さに影響する可能性があります。 データに関する考慮事項 : メインフレームで使われているデータストア技術 (Db2、IMS/DB、VSAM など) を評価します。データ量、データ構造の複雑さ、データエンティティ間の関係を評価します。データの性質と複雑さが、適切なモダナイゼーションアプローチに影響する可能性があります。 結合度 : さまざまなアプリケーションとワークロード間の結合レベルを特定します。たとえば、トランザクションコンテキストの伝播を含むアプリケーションは、密結合されている可能性があります。この場合、疎結合の場合やサービス境界が明確な場合よりも、モダナイゼーションの課題が大きくなります。モダナイゼーションの過程において、密結合された機能の相互依存関係に順次対処し、具体的に管理する必要があるためです。 連携の複雑さと依存関係 : アプリケーションとワークロードの間のさまざまな連携ポイントを評価します。共有リソース、データ依存関係、全体的な連携の複雑さを特定します。これにより、既存の連携を維持できる適切なモダナイゼーションパターンを判断したり、リスクを抑えて移行を行ったりするのに役立ちます。 外部インターフェース : 選択したモダナイゼーションパターンによっては、外部インターフェースを介してメインフレームにアクセスするメインフレームの外部のクライアントアプリケーションの一部が変更されることがあります。選択したパターンが、すべての外部接続ポイント、API 操作、および外部システムとのデータ交換メカニズムに必要なインターフェースをサポートしていることを確認します。 この詳細な技術評価では、次のような要素を考慮する必要があります。 読み取り/書き込みモードで同じデータにアクセスするアプリケーションをグループ化し、それらのグループに同じ移行パターンを選択する 結合度が高いワークロードには同じ移行パターンを選択する 移行元のプログラミング言語がさまざまな移行パターンの実現可能性に与える影響を考慮する 外部インターフェースや連携への変更を可能な限り最小限に抑える移行パターンを選択する アプリケーションとワークロードの分析は、全体的な配置戦略の重要なインプットです。ワークロード固有の技術的特徴と依存関係に基づいて、ワークロードに適したモダナイゼーションパターンとソリューションを追加できます。 移行戦略の策定 ビジネス成果駆動型プログラムの構築 モダナイゼーションを純粋に技術的な課題として扱うのではなく、次のようなプログラムを確立します。 組織の北極星から逆算して考える : 冒頭で述べたように、お客様はメインフレーム資産に関する組織的な戦略とアプローチを必要としています。成功するメインフレーム移行プロジェクトは、経営陣が設定した変動要素(予算や期間、体制等)の枠組みの中で実施されます。なぜモダナイゼーションを行っているのか、どこに向かっているのか、いつモダナイゼーションを実現するのか、といった点を見失わないようにします。 戦略的ビジネス目標との連動 : モダナイゼーションは、俊敏性の向上、カスタマーエクスペリエンスの向上、新しい機能など、特定のビジネス成果をサポートするものでなければなりません。 ポートフォリオ全体を最初から検討する : モダナイゼーションが段階的なアプローチとして定義されている場合でも、新しいテクノロジーのサイロ化を避けるため、計画はアプリケーション全体を対象とする必要があります。 戦術的な成果と戦略的目標のバランスを取る : 包括的なモダナイゼーションに向けて取り組みながら、段階的な価値をもたらすプログラムを設計します。 成功の明確な指標を確立する : ビジネス面と技術面の両方で、進捗状況をどのように測定するか定義します。 経営幹部レベルで戦略が設定されていないと、個々のチームが異なるアプローチを採用したり、「様子を見る」という考えに陥ったりする可能性があります。これにより、モダナイゼーションが遅れ、複雑さが増す可能性があります。 「すべてを再構築」という落とし穴の回避 私たちの経験から、80:20 の原則はメインフレーム資産にも一般的に当てはまることがわかっています。メインフレームアプリケーションの約 80% は機能変更を必要とせず、約 20% のアプリケーションでは reimagine が必要です。 お客様には、大幅な脱メインフレームを含むモダナイゼーションのアプローチを検討することをお勧めします。Transamerica や Goldman Sachs などのお客様は、リファクタリングやリプラットフォームパターンを利用して、ミッションクリティカルなメインフレームワークロードを AWS に移行することに成功しています。アプリケーションごとに個別のアプローチを取るだけだと時間がかかり過ぎて、ビジネス上の必要性を満たせない場合があります。ビジネス目標と技術目標に基づいて、複数のモダナイゼーションパターンを組み込むことを検討します。 大規模なリファクタリング : AWS Transform for mainframe には、レガシーアプリケーションをモダンな Java フレームワークにモダナイズするのに役立つリファクタリング機能が備わっています。このパターンは、決定論的ツールによってもたらされる移行スケジュールの短縮の恩恵を受けながら、レガシーテクノロジーへの依存を減らしたい場合に使用できます。 リプラットフォーム : リプラットフォームでは、エミュレーションテクノロジーを使用して、メインフレームアプリケーションをそのまま移行します。これはしばしば「COBOL から COBOL への移行」と呼ばれます。この場合、リプラットフォームパターンにより、COBOL の人材不足の状況に対処し、脱メインフレームを加速させることができます。 大規模なモダナイゼーションアプローチと戦略的な reimagine を組み合わせることで、お客様はプラットフォームからの撤退に向けて前進しながら、技術的成果とビジネス上の成果を一致させる機会を得ることができます。複数のパターンを社内の戦略で検討しているお客様は、組織内のより多様な目標に取り組むことができます。これは、同じ期間内に運用コスト削減目標を達成しながら行われます。 まとめ: 今こそ行動の時です 今日、メインフレームアプリケーションのモダナイゼーションが強く求められています。人材不足、ソフトウェアコストの上昇、組織の非効率性といったよく挙げられる課題のほかに、新たな要因が浮かび上がってきました。それは、生成 AI がソフトウェア開発に与える影響の増大です。生成 AI コーディングアシスタントがモダンな言語の生産性に革命をもたらすにつれ、モダンテクノロジーとメインフレームテクノロジーの間の開発スピードと生産性のギャップはさらに悪化するでしょう。COBOL や Assembler、PL/I 言語のアプリケーションを使用する組織は、価値創出のスピードという点で競争上の不利な点に直面するケースが増えています。同業他社が運用する基幹システムは、開発スピードがますます速くなるモダンなテクノロジーで書かれた基幹システムを運用しているかも知れません。 メインフレームモダナイゼーションに「特効薬」はありません。成功するには、具体的な成果に基づいて IT 目標とビジネス目標を一致させる、ビジネス駆動型のマルチパターンアプローチが必要です。自動化を行い、段階的に反復することで、コスト削減以外の価値に集中できます。 配置戦略は、各アプリケーションポートフォリオの微妙な違いを認識した、このジャーニーの枠組みとなります。このアプローチでメインフレームアプリケーションをモダナイズすることで、組織は数十年にわたって構築された貴重なビジネスロジックを維持しながら、将来のイノベーション需要に備えることができます。 Tim Gray Tim は AWS の Worldwide Go-to-market Specialist で、AWS Transform for mainframe のリードを担当しています。 Tim は、お客様が AWS Transform を活用して基幹システムを reimagine し、モダナイズすることによる AWS への移行を支援するべく、市場開拓戦略に注力しています。現在、Tim は、大規模なモダナイゼーションプログラムをこれまでにない時間枠で加速させる生成 AI およびエージェンティック AI サービスをデプロイするための再現可能なパターンの構築に注力しています。 Sunil Divvela Sunil Divvela は、AWS の Mainframe Modernization 担当 Worldwide Specialist Solutions Architect です。お客様やパートナーと緊密に連携して、生成 AI やエージェンティック AI を活用したポートフォリオ評価から移行後のサポートに至るまで、メインフレームモダナイゼーションの取り組みを革新し加速させています。AWS 入社前、Sunil は Infosys の Senior Technology Architect として、複数のメインフレームトランスフォーメーションプロジェクトをリードしていました。 Yann Kindelberger Yann Kindelberger は、Amazon Web Services の Principal Solution Architect です。Yann は 23 年以上メインフレームに携わり、IBM で 20 年以上メインフレームアーキテクトとして勤務しました。彼はメインフレームの AWS クラウドへの移行とモダナイゼーションに取り組んでいるワールドワイドなチームの一員です。彼は 2021 年に AWS に入社し、ソリューションアーキテクトとして、お客様のメインフレームの移行とモダナイゼーションを支援し、助言し、サポートしています。 この投稿の翻訳は Mainframe Modernization Specialist Solutions Architect の皆川が担当致しました。原文記事は こちら です。

動画

該当するコンテンツが見つかりませんでした

書籍