実践で学ぶ課題解決の思考プロセスとキャリアの考え方ー「デジタルイノベーター創出プログラムin東京」開催レポート
「デジタルイノベーター創出プログラム」 概要
「デジタルイノベーター創出プログラム」は、「テクノロジーで何が変わるのか」「ものづくりの楽しさ」「キャリアとは?キャリアの組み立てとは?」などの要素が詰まった学生向け仕事体験プログラムです。
今回のテーマは「某大手人材会社の人材課題」の解決です。参加者の皆さんが「採用担当社員」となり、担当役員から「テクノロジー人材の採用企画とそれを実現するサービスを考えて欲しい」という業務依頼を受けた、という内容です。この依頼の分析・仮説定義や開発体験を通じて、テクノロジービジネスに対するイメージをもっていただいき、どんなアイデアで課題解決できるか、企画の仕事とはどんなものなのかを体験できます。
また、パーソルの社員もサポーターとして参加し、学生の皆さんのチーム・個人ワーク中にアドバイスをしたり、キャリアに対する質問に答えたりという交流もありました。
▼プログラムの流れ
問題解決プロセスとビジネスフレームワークを学ぶ
最初にテーブルごとに自己紹介をしたのち、午前中は「課題解決プロセスを学ぶ・ビジネスフレームワークを学ぶ」というプログラムからスタートしました。
講師のTRAILBLAZER データコンサルティング事業部 田原さんより「問題解決プロセスには具体的にどんな工程があるか」「どのような思考法で考えるか」「工程の一つひとつにおけるポイントはなにか」といったことが説明され、その後ビジネスフレームワークの使い方を学び、ケースブックを使ってグループディスカッションと個人ワークが実施されました。
まずはケースブックを読み込み、「課題の明確化」や「原因の特定」についてグループ内ディスカッションで理解を深めたのち、個人ワークで「課題の設定」や「解決策の立案」を進め、整理・検討した内容で「課題定義/仮説設計シート」を埋めていきました。時折サポート社員のアドバイスを受けながら皆さん一生懸命に取り組んでいました。
ここで整理・検討した内容は午後のプログラムでさらに要件定義、開発と進めていきますが、午前中のプログラムはここまで。お昼休憩では引き続きサポート社員が各テーブルに座りご飯を食べながらの交流会を開催しました。なぜパーソルに入社したのか、どんな仕事をしているのか、フルリモートのメリット・デメリットやパーソルの雰囲気はどんな感じなのかなど、質問に答えながら和やかなお昼となりました。
キャリアとは生涯にわたる生き方そのもの
午後はパーソルホールディングス グループテクノロジー推進本部 本部長の内田によるキャリアの本質を伝える講座から始まりました。内田の現在の仕事内容や自身のキャリアから話しつつ、「キャリアとは何か」というテーマから始まったこの講座。今と昔ではそもそもキャリアの考え方が違うことや、キャリアの定義は広く個人の生涯にわたる生き方そのものであることから、キャリアデザインとは「どう生きていくか」だとお話をさせていただきました。
そのうえで「キャリアのゴール」を考えるときには、「はたらきやすさ」と「はたらきがい」の違いなどを意識するようアドバイスし、「キャリア観の変容」が起きている今、一つの組織で昇進していくだけではなく、いろいろなステージがあるなかで自分の成功は自分で決めていい時代だと語りました。
さらに、自身の生き方を決めていくうえで大切な「スキルの身につけ方」や「やりたいことをどう見つけるか」、「はたらく場所をどう決めるか」についても話し、学生の皆さんは真剣に講義を聞きつつ、積極的にメモも取られ新たな気付きを多く得る時間となったようでした。
アイデアを形に。Figmaを活用し開発に挑戦
続いては、午前中に検討した課題の解決策を具現化するプロセスの体験です。講師からサービス開発には要件定義、設計、コーディング/実装、テスト、運用・保守という工程があることを学び、要件定義/スコープ定義を考え、シートに記入する個人ワークにうつります。講師から「目的を決めたら業務要件などを詰めていき、そのあとで概要を書いた方が書きやすい」「その他の欄にこだわりポイントを書くことでプロトタイプ作成時に個人の色が出せる」など、記入ポイントが説明され各自のワークが始まりました。
この個人ワーク中もサポート社員や講師が適宜質問を受けたり、アドバイスをしたりするなどフォローに入りました。わからないことを随時確認しながら、要件定義/スコープ定義が固まったら、「Figma」※を使って、今しがた定義したサービスの開発を体験します。講師から、開発はこだわりだすと細部まで気になってしまうため、限られた時間の中で成果を出すことも大切なポイントだと助言をうけながら、皆さん時間ぎりぎりまで開発していました。
※デザインとプロトタイピングを行うためのクラウドベースのツール。動きのあるプロトタイプ(試作品)を作成することができる。
開発体験後は今日1日の総集編です。自身で考えた「課題定義/仮説設計シート」「要件定義の内容」とそれをFigmaで作成したプロトタイプをチームに向けて発表し、チーム代表が1名選ばれ全体に向けてプレゼンします。
ユニークな視点と発想を生かした豊かなアイデアが発表され、サポート社員や講師からは「課題の原因を深堀し解決案に結びつけるときの視点がオリジナリティにあふれていた」「自分が欲しいと思うような現場視点でアイデアを考えられている」といった感想や、「サービスは素晴らしいが認知をどう広めるかを検討できるともっと良い」といったアドバイスが寄せられました。
この体験がキャリアを見つめるきっかけに
代表者のプレゼン終了後、最優秀賞の選考を待つ間、講師の田原さんから「今日のプログラムでは、皆さんの考えたものが正解かどうかということより思考プロセスが大切です。これからもこの体験を活かしていってください。」とエールが送られました。
そして「企画力」や「実行力」などの5つの評価項目をもとに、「自社のITプロダクトやIT活用事例を認知させ、自社ではたらくイメージを持ってもらう」という課題に対して「自社に数多くあるITプロダクトや事例のなかで、求職者一人ひとりが面白いと思える事例をピックアップしてくれる機能を自社ホームページに搭載する」という解決策を考えプロトタイプを作成した学生に最優秀賞が送られました。
最後に、パーソルホールディングス グループIT本部 本部長の渡辺より最優秀賞に選出した理由や全体の総評、そしてパーソルホールディングスのIT企画職に関する説明がありました。パーソルには「学びたい意欲があり、その機会をつかみたい意思を持つ人が、やりたいことを実現できる環境がある」とIT企画職の意義・メリットについてご紹介しました。
最後に渡辺より「就活などで興味関心が高い企業の研究をしたりインターンに参加したりしていると思いますが、興味がないところへもぜひ行ってみてください。行った結果、やはり興味がなければ、もともと興味があったことへの強い動機付けになりますし、逆に新しく興味がわくこともあります。」と熱いアドバイスを送り、すべてのプログラムが終了しました。
開催後のアンケートでは、参加された多くの学生の方から大変満足するプログラムだったと嬉しいお声もいただきました。いただいた感想をもとに、今後さらに充実したプログラムを実施していければと思います。
学生の方の感想<一部抜粋>
- 人材業界とITが自分の中で結び付いていなかったが、パーソルホールディングスでどのようなはたらき方ができるのかイメージを持つことができた。自分の中でIT業界をなぜ志望するのか固まっていない部分があったが、はたらき方のヒントをもらうことができた。
- 実際にはたらいている方と密接に関われたことで、会社での仕事の様子や雰囲気はもちろん、先輩(年齢の近い社員)から就活について聞くことができて良かった。
- パーソルについて人材会社というイメージを強く持っていたがITの企画職という全く知らなかった仕事について理解が深まった。
- 今回のように、1日という時間をかけて企画立案に挑戦できる機会は貴重で、ファクト分析から、サービスの作成まで、細部まで知ることができた。特に、なぜの深掘りと、問題へのつながりを考えることが重要であると感じた。
- 本格的な業務に関われたこと、またグループワークや個人ワーク等で様々な形で頭を使えたことで実際に仕事をしているイメージが湧きました。
(2024年12月時点の情報です。)